長崎空港到着後に長崎駅へ向かう場合はリムジンバスを使うのが一般的ですが、長崎空港の近くに「新大村駅」があり、空港アクセスに新幹線を利用することも可能です。今回の記事では、長崎空港から新大村駅まで向かい、新幹線を利用した筆者が、長崎空港から長崎駅まで新幹線経由で行った時の様子をご紹介します。新大村駅まで行き、新幹線に乗車すると「乗車時間最短ルート」となるほか、在来線に乗車するとリムジンバスよりも安い「運賃最安ルート」をたどることができます。そんな利用価値の高い「新大村駅」に行く際に、長崎空港で乗るバスを間違えると長崎市街地へ直行されるので注意。当初は途中の「植松東」で降りて徒歩連絡する必要がありましたが、いまでは佐世保線の一部が新大村駅を経由するようになっています。逆に、かつて存在した「おおむらかもめライナー(乗り合いタクシー)」はすでに廃止になっています。。
長崎空港とは
長崎空港は1975年に開業した海上空港です。
長崎空港に着陸する航空機が諫早市上空を経由することがあり、その際は進行方向右側に全景を収めることができます。
大村湾に位置する長崎空港は、本格的な海上空港としては世界初であることが知られています。
世界初です。日本初ではなく、世界初です。
特に羽田ー長崎線は需要が高く、JAL/ANAともに中型機以上を高頻度で運航しています。
オリエンタルエアブリッジの拠点空港として、県内の離島路線へのアクセスにも利用されています。
そんな長崎空港の唯一の弱点ともいえるのが、空港と市街地との距離感でしょう。
長崎に向かう際に航空機を利用する人が多いかと思いますが、空港から市街地までは離れています。
長崎市と佐世保市の間に位置する大村市内にありますが、海上空港であり、空港内には鉄道の乗り入れがありません。
シャトルバスが航空便に合わせて運航されますが、経由によっては長崎駅まで50分ほどかかります。地方空港としては市街地から遠い部類に入ると言えるでしょう。
長崎空港ー長崎駅の一般ルート
長崎空港ー長崎駅間のアクセスにはリムジンバスを使うのが一般的です。
長崎行きと言っても、2つのルートがあります。各航空便に合わせて2台のバスが並んでいますので、間違えて乗らないようにしましょう。
運賃はどちらも1,200円です。
出島道路経由
長崎空港から長崎市街地までノンストップで繋ぐ速達便です。
長崎出島道路という有料道路を通って長崎市街地南部まで一気に進み、中心地を経由しながら長崎駅方面に向かうルートです。
観光や出張で長崎市内に向かう場合は、こちらを選ぶといいケースが多いでしょう。
昭和町経由
長崎空港から長崎市街地まで結ぶ便であることは変わりませんが、途中の経由地で乗降しながら向かいます。
大村市内を経由しながら高速道路に向かいますが、その利用も諫早まで。一般道をメインに通って沿線で降ろしながら、北側から長崎市内に向かいます。
長崎駅に向かうのであれば時間がかかるルートですが、浦上などの市内北部を通りますので、目的地によってはこちらを選ぶのが賢いでしょう。
長崎空港のバス乗り場には券売機がありますが、交通系ICカードをお持ちであれば、そのままご乗車いただけます。
乗車時に整理券発券機にタッチして整理券番号を記録し、降りるときに運賃箱にタッチして運賃を引き去ります。
長崎空港ー長崎駅の新大村ルート
このページをご覧の方は「どうしても新幹線に乗りたい」とか「鉄道を利用したい」という人だと思いますので、以下では長崎空港-長崎駅間の移動で新大村駅を利用するケースを考えていきましょう。
近くに「新大村駅」あり
長崎空港の近くに新大村駅があり、ここで西九州新幹線や在来線に乗車することができます。
(1)新大村駅まで「長崎駅行きのリムジンバス」を利用
長崎空港と新大村駅は4kmの距離にあります。
途中、長崎空港にかかる橋も渡らないといけませんので、さすがに歩くのはきつい。
しかし、長崎空港と長崎駅を結ぶリムジンバスが新大村駅の近くを通っていて、「昭和町経由便」が利用できます。
リムジンバスは新大村駅を通りませんが、近くの「植松東」バス停を利用できます。前項の路線案内には記載がありませんが、券売機上の運賃表には「植松東」の表示があります。
【重要】
植松東バス停に停車するのは「昭和町経由便」のみです。出島道路経由に乗車すると、長崎市内まで直行されますのでご注意ください。
植松東バス停から徒歩5分程度で新大村駅に到着します。
写真だと分かりにくいかもしれませんが、現地に行けば新幹線の高架が見えますので、迷う人はいないと思います。
植松東バス停から来た道を少し戻ります。
すぐに駅舎が見えますので、あとは歩ける道を進みましょう。
(2)新大村駅まで「佐世保行きのリムジンバス」も利用できる
2023年10月からは、長崎空港ー佐世保間を結ぶ空港バスが新大村駅を経由するようになりました。
この路線の新設は、かつて存在した「おおむらかもめライナー」が廃止になったことに伴う代替ルートとなっていて、新大村駅に直接乗り入れる手段として活用できます。
運賃は260円で、植松東を使うルートより50円高くなりますが、駅前に乗り付けてくれる利便性の対価としては十分ありでしょう。
【最速】新大村ー長崎間で西九州新幹線を利用
新大村駅には西九州新幹線が通っています。
西九州新幹線を利用すれば、長崎駅まで直行できます。
新大村ー長崎間の自由席特急料金が特例的に安価に設定されています。
新大村ー長崎間は運賃+新幹線特急料金で1,630円(自由席利用)で移動できます。
割引きっぷの影響で指定席が混雑しがちな西九州新幹線ですが、自由席であれば席は選びたい放題(※一部時間帯を除きます)。
長崎までは約15分で移動できますが、1時間に1本程度しかありませんので、タイミングがずれると厳しい。
時刻表を確認してから判断しましょう。
【最安】新大村ー長崎間で在来線を利用
もし、新幹線のタイミングが合いそうになければ、在来線で移動することも可能です。
大村線経由で長崎と佐世保を結ぶ快速「シーサイドライナー」を利用できます。
この列車を使うと約45分~1時間程度で到着できます。新幹線を待つくらいなら「シーサイドライナー」で移動する方が安くていいでしょう。
ちなみに、「だったら最初からリムジンバスで長崎まで行け」と言われてしまいそうですが…
実は「長崎空港ー長崎駅間を移動する最短ルート」はリムジンバスで直行(1,200円)ではなく、リムジンバスの利用を植松東までにとどめ(210円)、新大村ー長崎間を在来線で移動(860円)するルートになります。
お気持ち程度ではありますが、コスト的なメリットもあるルート取りとなりますので、鉄道が好きな人なら一石二鳥。
ご活用ください。
長崎空港ー新大村駅間を結ぶ乗合タクシー
いまでは一部のリムジンバスが乗り入れる新大村駅ですが、かつてはリムジンバスの乗り入れはなく、植松東からの徒歩連絡の一択でした。
その状況を打開するため、かつては、新大村駅を利用する人への利便性確保と、大村市内への回遊性の向上を目的に、乗合タクシー「おおむらかもめライナー」を利用することができていました。
長崎空港と新大村駅の間を500円で乗車可能ですが、時刻表が存在していた上、30分前までに予約が必要など、使い勝手の面で難があり、タクシーの良さを発揮できていませんでした。
新幹線の時間とマッチする便があれば利用価値が高かったのですが、飛行機の到着時刻が読めない中で、その判断は難しものがありました。
そのため、飛行機の到着時間に合わせてくれるリムジンバスの方が使い勝手が良かったのです。
一方、新大村駅だけでなく、大村インターまで運行してくれていたのは乗合タクシーの強みでもありました。
過剰な供給は運行業者に負担を強いるものとなるので何も言えませんが、利用者としては選択肢が多い方がありがたいわけですから、この取り組みが再び復活することを願って、この場所に痕跡を残すことにします。
まとめ
長崎空港ー長崎駅間のアクセスに新大村駅を活用し、以下の知見を得ました。
- 長崎空港の近くに新大村駅がある
- 新大村駅の近くに「植松東」バス停がある
- 長崎空港から植松東までは長崎駅行きのリムジンバスを利用できる
- 佐世保行きのリムジンバスがあれば、新大村駅を経由するので利用できる
- 新大村ー長崎間で西九州新幹線を利用できる
- 新大村ー長崎間で在来線を利用できる
長崎空港
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おおむらかもめライナー
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JR九州新大村駅
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ではまた。