中部国際空港と名古屋・名鉄岐阜を結ぶ名鉄特急。6両編成のうち2両は有料座席指定車両(特別車)として運行されていて、450円/乗車を支払えば誰でも利用できます。ネットでミューチケットを購入するとピンポイントで座席指定ができます。お気に入りの座席を探す人に向けて、(1)窓枠の有無、(2)A席D席の方向、(3)モーターの有無、(4)テーブルの大きさ、などの視点で解説します。結論として、中部国際空港発便なら偶数席番、中部国際空港行きなら奇数席番を選ぶと窓枠のない席に着席できます。走行音が静かなのは2号車です。先頭座席はテーブルが小さいです。ミュースカイはすべての座席が特別車であるのに対し、特急は一般車と連結して走っています。
名鉄特急(一部特別車)とは
名鉄(めいてつ)とは、名古屋を中心とする私鉄「名古屋鉄道」のこと。
名古屋を中心に、概ね豊橋から岐阜あたりを網羅していて、中京圏の通勤通学の足として活躍しています。エリアが重なるJR東海とはバチバチのライバルで、お互いに魅力的な車両や商品・サービスを全力投入してくれていますので、利用者としてはありがたいですね。
一方、中京圏を訪れる旅行者にとっては、中部国際空港へのアクセス路線としてなじみ深いかもしれません。中部国際空港に乗り入れる唯一の鉄道線で、名古屋駅からの直通列車を多数運行しています。
そんな名鉄線の特徴の一つが有料座席指定車両(特別車)です。
普通運賃にわずか450円の「ミューチケット」をプラスするだけで、写真のようなリクライニングシートに必ず着席することができる、利用価値の高い車両です。
必ず座りたい人、混雑を避けたい人、一息つきたい人、ドヤ顔したい人(笑)…使う目的は人それぞれでしょうけど、お手頃な価格で座席の選択肢が増えるのはありがたいですよね。
ミュースカイと特急(一部特別車)の違い
名鉄の特別車ってどんな感じなの?と疑問に思うのは、主に旅行者かと思います。
よって、この記事では中部国際空港を起点にした視点で説明していきたいと思います。
中部国際空港には、
- 全車特別車の「ミュースカイ」
- 一部特別車の「特急」
が乗り入れています。
ちょっとややこしいのでしっかり説明します。
どちらの列車も、特別車には運賃+ミューチケットで乗車できます。なんだか速そうな「ミュースカイ」であっても、運賃+ミューチケットでOKで、特急料金やライナー料金などという概念はありません。プラスで必要になるのはミューチケットの450円だけです。
では、「ミュースカイ」と「特急」は何が違うのかというと…
ミュースカイは、名古屋から中部国際空港まで最速達となる列車です。全車両が特別車になっていて、乗車するには必ずミューチケット課金が必要になるという点が特徴です。名古屋ー中部国際空港間が基本ですが、時間帯によっては新鵜沼まで運行していて、ごく一部が岐阜方面に向かいます。
一方、特急は、岐阜から名古屋を経て中部国際空港に向かう列車で、停車駅が多めです。特別車は2両のみで、他の4両は一般車両となっているため、ミューチケット課金をしなくても乗車できるという点が特徴です。ミュースカイとは異なり、ほとんどの列車が名古屋を経由して岐阜まで行きます。
今回、この記事では「特急」に使用される2200系に連結されている特別車について、座席の様子をお伝えしたいと思います。
ミュースカイに乗車したレポートではございませんが、窓枠の位置が一部車両で異なるほかは、車内設備やきっぷの買い方などは同様です。本記事内容がご参考いただけると思いますので、ぜひ先をお読みください。
名鉄特急「特別車」のようす
1号車と2号車が特別車です
名鉄特急「特別車」は中部国際空港に乗り入れるほとんどすべての特急に連結されています。
6両編成のうち、中部国際空港側の先頭車両から2両は特別車となっています。繰り返しとなりますが、この車両を利用するにはミューチケット(450円)が必要です。
ミューチケット課金をしなくても、一般車であれば運賃だけで乗車できる点が、ミュースカイと比べて選択肢が広いと言われている所以です。
窓枠がある席とない席があります
最近の特急列車は1窓-1列化が進んでいますが、名鉄の特別車は1窓-2列です。つまり、窓枠が大きい席と小さい席があるということですね。
景色にこだわりたい人は窓枠がない席がいいですよね。逆に、外からの視界を遮ったり、窓枠に荷物をかけたい場合などは窓枠がある席がいい。どちらにしても、区別ができた方が良いですよね。
中部国際空港→名古屋方面の場合
中部国際空港から名古屋方面に向かうとき、窓枠がない席は「偶数席番」です。号車にかかわらず、偶数席番を選ぶと窓枠のない席に着席することができます。
名古屋方面→中部国際空港の場合
名古屋方面から中部国際空港に向かうとき、窓枠がない席は「奇数席番」です。号車にかかわらず、奇数席番を選ぶと窓枠のない席に着席することができます。
東側がA席、西側がD席
次に、日当たりを気にする方への情報です。
特別車のA席は東側ですので、朝日を浴びます。逆にD席は西側ですので、夕日を浴びます。
なお、南北に一直線に伸びる路線ではありませんので、あくまで完全な区分はできないことをご了承ください。
トイレはあります
特別車にはトイレが設置されています。
2両に対して1か所ではありますが、これは助かりますね。
ちなみに男性用のやつもあります。
テーブルが小さい席があります
列車によって大きく変わるのが先頭座席の快適性ですが…
先頭座席についているのは、この小さなテーブルです。これで足りるかどうかを判断する必要があります。
もちろん、先頭なので前の座席が倒れてこない&目障りにならないという点はメリットになりますので、あとは利用者の好みですね。
ちなみにその他の座席のテーブルは十分大きいサイズですが、背もたれについていますので、前方座席の方の”揺れ”の影響を受けます。
大きい荷物は専用ラックに置けます
特急に連結の特別車の車内にも、荷物置き場が確保されています。
空港アクセス専用のミュースカイ(2000系)であれば当然あるべき設備で驚きはありませんが、あくまで名鉄の通勤列車としても使われる2200系にも用意されているのは素晴らしいですね。
静かに過ごしたいなら「2号車」
鉄道車両にはモーターがついている車両と、ついていない車両があります。
モーターがついていない車両を選べば、列車走行中も静かに過ごすことができます。
2200系の1号車はモーターがついていますが、2号車にはついていませんので、静かに過ごしたい場合は2号車を利用するといいでしょう。
モーター音を楽しみたいという鉄道ファンの方は1号車へどうぞ。
座席指定は「ネット予約」が便利
ネット予約をしなくても券売機で買えます
ミューチケットは各駅の自動券売機で購入することができますので、座席にこだわりがなく、座れればいいという人であれば、駅に行ってからの購入で大丈夫です。
一方、
- ピンポイントで席番を指定したい方
- 周囲の座席の様子を観てから指定したい人(始発駅限定)
- 券売機の操作が面倒な人
- 券売機の混雑を避けたい人
- クレジットカード決済でポイントを貯めたい人
- ペーパーレス化でSDGsに配慮したい人
などは、ネット予約をすると便利でしょう。
ネット予約であればピンポイント指定可能
名鉄のネット予約「名鉄ネット予約サービス」を使うと、ミューチケットをネット上で発券し、そのまま乗車することができます。
発券時にピンポイントで座席番号を指定することができますので、こだわりが強い人は活用するのがいいでしょう。
なお、ネット上で発券が完了しますので、駅での受け取り作業は不要です。ミューチケットはネット上で管理され、リアルタイムで車掌の端末に発売情報が共有されますので、車内改札もありません。
お手持ちの交通系ICカード(Suicaなど)で改札を通過すれば、完全チケットレスで乗車することができますので、ぜひ活用しましょう。
ネット予約の割引について
今回の記事は「中部国際空港」へのアクセスとしての利用を想定して記載しておりましたので、この件はあまり詳しく記載しておりませんでしたが、一応制度として存在するのでご紹介します。
名鉄ネット予約サービスでは、土休日の終日および平日9時から16時59分の間に乗車駅を発車する列車のミューチケットを購入する場合、閑散時間帯割引料金(300円)が適用されます。
非常にお買い得ですので、ぜひ活用したいところです。
なお、閑散時間帯割引料金は「中部国際空港発着で利用する場合は対象外」ですので、空港アクセスとして特別車を使う場合は曜日や時間帯にかかわらず450円かかります。
裏技になるかどうかはわかりませんが、中部国際空港ー常滑間のみ普通車に移動すると300円になります。ただ、スーツケースを抱えて乗車している人が本当に常滑発着で利用しているのか、という点を疑われてしまうかもしれませんね。
まとめ
名鉄特急(一部特別車)の特別車に乗車し、以下の知見を得ました。
- 特別車とは有料座席指定車両のこと
- 特別車の利用にはミューチケット(450円)が必要
- ミュースカイは全車両が特別車で、ミューチケット課金が必要
- 名鉄特急(一部特別車)の一般車であれば、ミューチケットは不要
- 窓枠がない席は、空港方面は奇数、名古屋・岐阜方面は偶数
- トイレも大型荷物置き場も完備です
賢く使って快適に移動しましょう。
名古屋鉄道
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ではまた。