青春18きっぷ+特急券で全車指定の特急に乗らないで。バレてるよ。

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鉄道
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検索エンジンで「青春18きっぷ+特急」と検索すると「+ばれない」がくっついてくることがあります。みなさんご存じの通り、ごく一部の例外を除いて「青春18きっぷ+特急券」は許されない使い方です。果たして本当に「ばれていない」のか。もし悪いと知りながら強行したらどうなるのか。ひとりでも多くの不正乗車予備軍の方が改心して正規にご乗車いただくことが全鉄道ファンの未来に繋がることをお伝えします。

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はじめに

こんな記事を書かない方が良いのではないかと、何度も考えました。

ただですね…最近では全車指定の特急列車が増えて、特急券さえ買えば車内改札が省略されることをいいことに、本当はいけない乗り方をする輩が…

…増えている!?…

というデータは手元にはございませんが、どんな低能でも思いついてしまうことでしょう。

落ち着いて考えてください。

一般利用者でも思いつく悪事を、鉄道会社側が把握していないとでも思いますか?

事態が悪い方向に進む前に、鉄道ブログを立ち上げている身として何かできることはないか。

そう考えた結果、今回の記事をアップすることにしました。

青春18きっぷと特急列車

青春18きっぷというのは、春・夏・冬の特定期間中に全国のJR線普通列車が乗り放題になる企画乗車券です。

どんなに乗っても1回あたり2410円(2021年現在)なので、乗れば乗るほどオトク。

ただし、特急列車に乗車する場合には乗車券として使用できず、全く効力を発揮しないただの紙切れとなります。

以下、「特急列車」には全国の新幹線及び急行列車を含み、特別に特急列車の利用が認められている特例区間を除きます。

このことは、青春18きっぷに手を出したことのある人であれば常識中の常識。

これ見よがしに通過していく特急列車や、見向きもせずに瞬間移動する新幹線に何度も「乗りたい」と思うことでしょう。

一部区間で特急列車を利用すると効率的な移動が可能になることがあり、青春18きっぷ利用中であっても乗車券+特急券を購入して特急列車に乗る、俗にいうワープという手法に心が傾くこともありますね。

青春18きっぷ+特急の悪事はバレる

本題です。

青春18きっぷ+特急券で特急列車に乗れるのか?という問いに対して、ルール上は乗れないことをご理解いただけたと思います。

物理的に乗り込んでしまうことは可能

では実際は…というと、

新幹線であれば、新幹線改札口が立ちふさがりますので、青春18きっぷ+特急券で乗車することは物理的にもできませんが…

在来線の特急列車であれば、普通列車と特急列車の発着ホームは同じであることが多いため、例えルール上ダメであったとしても、乗り込むこと自体は出来てしまいます

では、本当に乗り込んでしまったらどうなるのか、その末路の一例をご紹介します。

車内改札で見つかります

通常の特急の場合は

特急列車の車内では特急券の検札が行われます。ここでは特急券だけを見せる場合と、乗車券も一緒に見せる場合と、色々あります。

乗車券も見せて!と言われれば、そこでおしまいです。

青春18きっぷを見せれば、乗車券もその場で精算となります。精算区間は特急券の区間と同じ。

しかし、故意に青春18きっぷの存在を隠すなど、悪質と判断された場合には不正の手段として使われた乗車券(ここでは青春18きっぷ)の没収と普通乗車券の2倍相当額である「増運賃」の請求を受けることもあります。

「知らなかった」と言わせないために、駅停車中に「青春18きっぷを乗車券として利用することはできません」と釘を打つ車掌さんもいます。

明るい未来はありませんので、物理的に可能でも、悪いと知りながら乗り込むことはおやめください。

全車指定の特急の場合は

ここで問題となりがちなのが、主に首都圏で進んでいる全車指定特急などに適用されている新しいルールです。

東海道線(踊り子など)・中央線(あずさなど)・高崎線(スワローあかぎなど)・常磐線(ひたちなど)では、運用の効率化などを主な目的に、全車指定の特急列車を走らせて、発売済みの座席については車内改札を省略するシステムが導入されています。

で、悪いことを考える人がいるんでしょうね。

特急券だけ買っておけば、車内改札が省略されて乗車券を見られることがないため、青春18きっぷで乗ってしまおう…なんて。

だめですよ、これ。

確かに、車内で抜き打ちの改札が行われてバレてしまうケースはほとんどありません1)。しかし、これで「バレないから乗ってよし」とするのは、「スーパーでポケットに未会計の商品を入れてお店を立ち去ってもバレないよね」と言っているのと同じレベルの犯罪行為です。

1) 私は特急ひたちに乗車することが多いのですが、数えきれないほど乗った中で、たった1度だけ抜き打ちの車内検札にあったことがあります。青春18きっぷ期間中ではなく「秋の乗り放題きっぷ(=18きっぷの秋バージョンのようなもの)」の期間中でしたが、この時は乗車券だけでなくSuicaの入場記録までチェックする徹底ぶり。めったに体験できることではなく、この時は何らかの通報があった可能性もあります。具体的な列車名・区間・曜日・座席位置などは伏せますが、とりあえず、車内検札が全くないことはない、ということだけはお伝えしておきます。

駅の改札口で見つかります

タイミングが合わず、または全車指定の特急利用で車内改札を切り抜けたとしても、多くの乗車駅または下車駅の改札口で悪事が判明することになります。

乗車駅でバレるケース

よほど大きな都市部の駅でない限り、同時に発着する列車は滅多になく、特急乗車駅で、その時刻に合わせて改札口に向かえば「特急に乗ることがバレバレ」なんですね。

乗車時に懸念を持たれた場合は事情聴取された挙句、とっさに乗車列車を偽ったとすれば、特急列車が発車するまで改札口を入場できずに改札外で待たされたり、その場で管理下に置かれることも。

そうなると、特急に乗れないばかりか、せっかく買った特急券が紙くずになるので、完全に損します。

もし特急列車発車前に改札を通されたのであれば、犯罪者にとっては罠だと思ってもいい。特急列車の車掌に情報が流れている可能性があります。前述のとおり、抜き打ちの車内検札となれば他のお客さんにも迷惑です。

また、私が知る限りでも、常磐線の一部の駅では「青春18きっぷでは特急に乗れません」と構内放送を流しています

それなら「早めに駅に行ってアリバイを作って改札だけ突破すれば」なんて悪知恵を働かせる輩が出そうですが、そんなに時間に余裕があるなら普通列車で行けば?と思います。

下車駅でバレるケース

こちらも同時に到着する列車が他にないような多くの地方の駅では、特急下車後に改札に向かえば「特急に乗ってきました」と言っているようなものです。

青春18きっぷを見せているわけですから、当然「普通列車に乗ってきたもの」として、乗車駅、乗車時間、下車駅到着時間とともに、下車してから今までの間に駅のホームで何をしていたのか?まで事細かく聞かれます。

「ホームにいました」「特急の写真を撮るために待っていました」と嘘をついても、本気を出せば防犯カメラを見て全部わかってしまう時代です。通常はそこまでチェックしませんが、一度「怪しい」と目をつけられたら最後、どこまででもやります。

それなら「次の普通列車が来るまで待機して他のお客さんと一緒に改札だけ突破すれば」なんて悪知恵を働かせる輩が出そうですが、そんなに時間に余裕があるなら普通列車で行けば?(2度目)と思います。

日付印でバレることも

日付印が押された駅名に着目。

始発の普通列車に乗っても絶対に到達できない駅で下車しようとするものなら、事情を聴かれることもあるでしょうね。

ちなみに私はダイナミックなワープをしたときに事情を聴かれたことがあります。もちろん、キセルを疑われたわけではなく、

早いね、どうやって来たの?

と一言。

まさか、始発の京浜東北線で蒲田まで行き、羽田空港から関西空港まで朝イチの飛行機で飛んできたなんて思わなかったんでしょうけど、そういう使い方もあるんだねと話が弾んだのもいい思い出です。

ここで一つ言えるのは、駅名までしっかり見ているケースがある、ということです。

北海道&東日本パスなら大丈夫?

青春18きっぷは必ず有人改札を通る必要があるため、上記のようなケースが十分にあり得ると書きましたが…

じゃあ自動改札を使える北海道&東日本パスならどうなの?なんて言われそうですね。

そんな方には、下記の画像をお送りいたします。

よ~く見てくださいね。

このような取り扱いで有人改札に誘導するケースもありますよ。

上記の写真は鉄道博物館で撮影したものなので現地現物ではないのですが、撮り鉄の不正乗車対策として、自動改札機における磁気券の受け入れを抜き打ちで中断した「水上駅」などのケースが有名です。

私が命がけで呼びかける理由

と、ここまで書いてきましたが、「お前何様だ」という話ですよね。

私もそう思います。

誰かが不正乗車しても第三者の私には知ったことではありませんし、直接不利益を被る話ではないのです。

しかし、青春18きっぷを利用した悪事は、このきっぷの未来がかかっているので見逃すことができません。

青春18きっぷを発売する背景

青春18きっぷは普通列車に限った乗車券です。これをなぜ、春と夏と冬にのみ発売するのかというと…

学生の休み期間中に、普通列車の利用が激減するからなのです。

学生の休みに合わせてダイヤを調整するのは大変なので、普通列車は時刻通りに走り続ける。その際に「空気を運ぶくらいなら格安でも人に乗ってもらった方が良いよね」という発想で発売されているのが青春18きっぷだとイメージして問題ありません。

青春18きっぷ期間は特急書き入れ時

前述の背景から、青春18きっぷの発売期間は世間の長期休みと重なります。

鉄道会社としても、新幹線や特急列車の利用が増える書き入れ時であり、普通列車とはまるで事情が異なります。

この期間に、特急料金収入はもちろん、運賃収入もしっかり確保しなければなりません。

それなのに青春18きっぷが悪用されたらどうでしょう??

事態が悪化すると「廃止もあり得る」

JRも民間企業です。上場している会社もあり、利益を追求しなければなりません。

まずは「呼びかけ」「改札チェック」「抜き打ち検札」などの水際対策をするかもしれませんが、一般の利用客には自動改札の利用や車内改札の省略を周知しているので、これらにも限界があります。

青春18きっぷを売ることで、かえって鉄道会社の収益が悪化するのであれば、安易に見過ごすことはないはずです。

となると…最終的には最悪な結末を迎える可能性もあります。

これまで何度も「青春18きっぷ廃止論」がささやかれて早何十年。

まだ続いているシステムですが、終止符を打つ決定打が「不正乗車」だなんて、悲しいことはありません。

このきっぷが少しでも延命してほしいから、このように呼びかけているんです。

普通列車での移動を楽しもう

下手に特急に乗るなんて考えずに、普通列車での移動を楽しみましょう。

首都圏の全車指定の特急が走っているほとんどの路線で、普通列車にグリーン車がついています。

近い将来中央線にも展開されます。

普通列車グリーン車は青春18きっぷを乗車券として使用することが認められていますので、ここはしっかり活用させてもらいましょう。

JRE POINTを持っている人であれば、600ポイント(期間限定で割引もあります)でグリーン券を入手できます。

また、縮小傾向とは言え、特急型車両にわずかな追加料金のみで乗ることができる「ライナー」も、静岡地区を中心に走っています。

特に「ホームライナー浜松3号」などは有名ですよね。

認められた範囲内で精いっぱい楽しく快適に移動するにはどういうプランがいいんだろう

それを考えるのが鉄道ファンの腕の見せどころです。

青春18きっぷ
>> こちら

ではまた。

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