【無賃送還】電車で寝過ごした時や乗り間違えた時の対応まとめ(勝手に戻るのはNG)

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鉄道
この記事は約9分で読めます。

この記事では電車で寝過ごしたときや乗り間違えたときにどうすればいいのか書いていきます。基本的には戻ることになりますが、(1)原則として寝過ごした場合でも精算が必要になります。しかし、(2)係員が誤乗の事実を認定した場合に限り、寝過ごした区間を無料で戻ることができます。(3)戻る際には普通列車の利用が原則となりますが、(4)新幹線や特急列車で寝過ごした場合は、同じグレードの列車で戻ることが認められる場合があります。ただし、(5)戻る途中で途中下車することはできない、(6)最終電車の後の場合は駅周辺に留まることになる、などの注意点もあります。とっさの判断が必要ですが、ピンチを賢く乗り切りましょう。

緊急で検索している人へ
ここがどこかを確認
次の停車駅を確認
・その駅から戻れる列車があるか確認
→戻れるなら車掌または駅員に事情を説明
→戻れないなら駅周辺で泊まれそうか判断

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電車で寝過ごした!

東北新幹線那須塩原駅には、今日も東京で飲みすぎて、新幹線で寝過ごしてしまったサラリーマンが降り立ちます。もう、上りの新幹線はありませんが、代わりに定宿なら駅前にあるらしく、もはや顔見知りのようす。

「おかえりなさいませ」

慣れてしまった手つきで手続きを進めていきます。

このように常習的に寝過ごしている人なら今日も諦めがつくかもしれませんが、世の中の人は慣れていないケースが多いでしょう。

電車で寝過ごしてしまった時の焦りは言葉に尽くしがたい。突然の目覚めと共に見知らぬ駅に立ち、遠くの目的地からさらに遠ざかってしまった後悔が胸を締め付ける。時計の秒針が急速に進むように、次の電車までの待ち時間が長く感じられる。

そんな中、寝ぼけた頭で次の行動を考えるものの、迅速かつ正確な判断が求められるため、焦りと焦点の欠如が相まって混乱が生じることもあるでしょう。

この記事では、誤った判断をしないよう、または現に存在する規則を駆使して可能な限り痛手を伴うこと戻れるよう、皆様のサポートをしてみたいと思います。

寝過ごした区間の戻り方について

折り返し乗車には往復運賃が必要

鉄道利用時に乗り越した場合、本来乗るはずではなかった区間の乗車を既にしてしまっていることになります。

この場合、乗車区間の運賃を精算する必要があります。また、戻る場合にも同区間の運賃が必要です。特急列車に乗車している場合は、特急料金の精算も必要になります。

往復分の運賃や料金が余計にかかります。

ただし、これは大原則の話。

実際には、次項に示す「無賃送還」と呼ばれる救済措置が取られることがあり、この場合は追加の運賃や料金は必要ありません。

寝過ごし(誤乗)の場合は無賃送還の対象

寝過ごしなどで意図しない区間を乗車してしまうことを「誤乗」といいます。

「誤乗」してしまった場合には、係員が誤乗の事実を認定した場合に限り、誤乗区間を無料で戻れるという制度があります。

これを「無賃送還」といいます。

この乗客の権利については、例えばJR線の場合は旅客営業規則第291条に明記されています。

第291条
旅客(定期乗車券又は普通回数乗車券を使用する旅客を除く。)が、乗車券面に表示された区間外に誤って乗車した場合において、係員がその事実を認定したときは、その乗車券の有効期間内であるときに限って、最近の列車(急行列車を除く。)によって、その誤乗区間について、無賃送還の取扱いをする。
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前項の取扱いをする場合の誤乗区間については、別に旅客運賃・料金を収受しない。

JR東日本:旅客営業規則>第2編 旅客営業 -第7章 乗車変更等の取扱い -第3節 旅客の特殊取扱 -第6款 誤乗及び誤購入 (jreast.co.jp)

あくまで誤乗の事実を認定いただく必要がありますが、その認定は通常ありうる誤乗であるかどうか、鉄道車両の動きや人の言動を見るプロである係員によって適正に判断されます。つまり、往復分の運賃を支払うことなく戻ることができますので「お金の面に関しては」安心してください。

無賃送還時の手続きについて

戻ろうとするときは、係員(車掌または駅員)に、お手持ちの乗車券類と特急券類をすべて見せてください。

そのうえで、寝過ごした(間違えた)ので戻りたいことを説明します。

ここまですれば、よほどのことがない限り無賃送還が認められるでしょう。

もし、紙の乗車券であって、誤乗区間が”盛大”であった場合には、無賃送還する旨を乗車券の券面上に記載したり、申送り書を手渡しされることがあります。これにより、戻り中に検札等があっても疑われることがなくなります。

短距離の場合やIC乗車券利用時であれば、そのまま戻っていいと言われることが多いです。これでトラブルになったことは(少なくとも私は)ありません。もし万が一疑われるようなことがあれば寝過ごした特急列車や折り返し駅を申し出ることで、何らかの通信手段により事実確認が出来るでしょうから、過度な心配は不要です。

大切なのは「勝手な判断で無申告のまま戻らない」こと。これさえ守れば大丈夫です。

※本来の形ではありませんが、勝手に戻ったとしても、事後報告として下車駅で説明すれば容認いただけることが多いです。そのためわざわざ申告することをバカバカしいと感じる人もいるかもしれません。ただし、勝手に戻って不正乗車を疑われた場合に自身を守る証拠は何もありません。一例として、終点まで寝過ごしてそのまま戻ろうとした際に「着席を目的とした故意による折り返し乗車」を疑われて声を掛けられたケースを聞いています。この記事をお読みいただいた方は、ご面倒でも規則に則り係員へお申し出いただくプロセスを省略しないことをオススメします。

無賃送還時の列車について

利用者を最大限守ってくれる無賃送還の制度。

一方で、無賃送還時の行動については厳しく制限されています。

例えば、利用する列車については指定されることが原則で、特別な事情がない限り直近の普通列車で戻ることになります。

このことも、例えばJR線の場合は旅客営業規則第291条に明記されていて、「最近の列車(急行列車を除く)」と書かれています。

特急で来たんだから特急で戻せということを乗客側から主張することは、本来はできません。

ただし、有効な特急券をお持ちの場合は、新幹線や特急列車で戻ることを許可いただけるケースもありますから、普通列車の本数が限られる場合に相談するのはアリでしょう。特に新幹線の場合は、こちらから言わなくても戻りの新幹線を指定してくれるケースが多いように見受けられます。

旅客営業規則第282条~284条には「特急で来た人は特急で返す」旨の記載が見られますが、これは列車運行不能等での鉄道会社都合による無賃送還の場合であって、乗客都合の誤乗に当てはめて主張することはできません。あくまで係員の判断となります。

羽越本線大雨不通時の無賃送還

無賃送還時に途中下車した場合

もし、無賃送還中に途中下車をした場合、誤乗及び無賃送還はすべて無効となり、実際に乗車した区間の精算が必要です。

例えばA駅→(B駅)→C駅(申し出/無賃送還開始)→B駅(気が変わって下車)

となった場合には、A駅→C駅の運賃・料金と、C駅→B駅の運賃が必要になります。

おとなしく本来の駅まで戻るようにしましょう。

なお、気が変わって下車する場合であっても、無賃送還中である旨を申告の上で正しく精算すれば不正乗車にはなりません。事実を黙ってA駅→B駅の運賃のみを支払って下車すると不正乗車となります。

戻る列車がなく翌日にまたがる場合

終電間際での折り返し乗車に関しては次の項目で注意事項をまとめています。

もし、戻る列車がなく、戻りが翌日になってしまう場合について。

この場合も、係員の指示を仰ぐことになりますが、無賃送還が認められず、一旦精算となる覚悟が必要です。

無賃送還が認められる場合は、一旦出場の上、翌日の係員が指定する列車(=規則上は始発列車ですが、必ずそうなるとは限りません)に乗車することになりますが、改札の外に”解放”する関係上、無賃送還の判断の敷居は格段に上がります。

どのような指示であれ、係員に従いましょう。

もしその指示に従えないとお考えの場合は、無賃送還を放棄し、運賃と料金の全額を精算することになります。

寝過ごした場合の「飛び降り方」について

ここまでは寝過ごしたり誤乗した際の無賃送還について書いてきましたが、これらの多くは「その日に戻れるケース」を前提とした話です。

寝過ごすケースでは「終電近く」の時間帯のことが多く、気づいた時には既に”手遅れ”ということもあります。

夜遅くの場合、慌てて飛び降りると取り返しがつかないことにもなりかねませんから、慎重に行動しましょう。

ここはどこかを明らかにする

もし、寝過ごしてしまったら、まずは落ち着いて現在地確認をしましょう。

「ここはどこか」を判断するには、ドア上等のモニターが最も早いです。もし表示されていないようでしたら、スマホのGPS機能を駆使して特定しましょう。

現在地の特定が特に重要です。

次の停車駅を判断する

次に、この列車が次に停まる駅を確認します。

通常であれば次の駅ですが、優等列車や特急列車の場合はその限りではありません。

停車駅を正確に知り得た上で、飛び降りるかどうかを判断します。

乗車駅と乗車時間を覚えているのであれば、乗換案内等で検索するといいかもしれません。

次の停車駅から戻れるか確認する

飛び降りるかどうかの判断は、戻りの列車があるかどうかによります。

大都市から郊外に向かう列車に乗車している場合、反対方面の最終列車の時刻は早い傾向がありますから、十分注意しましょう。

飛び降りたからと言って、戻れるとは限りません。

もし戻れるようでしたら、次の駅で降りて、無賃送還の手続きに移りましょう。

次の停車駅から戻れない場合は駅周辺を確認する

もし、次の停車駅から戻れないことが判明した場合は、その駅周辺で降りて滞在できそうか判断します。

少しの距離であればタクシーで戻る手もありますが、それができない距離であれば泊まる覚悟が必要です。

しかし、郊外の小さな駅で降りてしまうと、泊まる場所もままなりません。

降りても大丈夫かを判断する必要があります。

駅周辺が栄えていなければ都市まで進む

もし、次の停車駅で飛び降りても何もなさそうな場合、ホテルに泊まることはおろか、タクシーも捕まえることができずに途方に暮れる可能性があります。頼りの駅員さんすらいないこともあります。

中途半端な駅で降りるくらいなら、ホテルが数件ありそうな場所までそのまま進むことをオススメします。

なお、無賃送還の扱いは誤乗に気づき次第速やかに対応する必要があります。このようにわざと先に進む行為を経たうえでの翌日に跨ぐ無賃送還の申請は、ブログ記事として公言できる範囲で言えば極めて難しいと書かざるを得ませんが、しかし身の安全の確保を最優先すべきと考えます。

首都圏のJR線で下車しても途方には暮れない駅の例を以下に列挙しておきますのでご参考ください。このような情報を出すとマニアの方から100%反論が来ますが、逆に言えば、このような情報に対して反論できるほどご自身が寝過ごしそうなエリアの詳細な情報を前もって調べておくのが大切でしょう。

東海道線:小田原・平塚・藤沢・大船など
中央本線:甲府・大月*・八王子・立川など
高崎線:高崎・深谷・熊谷・大宮など
宇都宮線:宇都宮・小山・古河・大宮など
常磐線:日立・勝田・水戸・土浦・柏など
※注:大月駅は”東横イン”に依存しています
※必ず宿泊施設等の状況を確認してください

まとめ

電車で寝過ごしたり、乗り間違えた場合にどのような行動をとれるかを書いてみました。

  • 寝過ごした場合、係員の認定により無賃送還の扱いを受けることができる
  • 無賃送還は原則として直近の普通列車による
  • 新幹線や特急で寝過ごした場合は、同グレードの列車で戻ることが認められる場合がある
  • 当日中に戻る列車がない場合もあり、その場合は無賃送還へのハードルが上がる
  • とにかく係員の指示に従う

誤乗に関わる旅客営業規則
>> こちら

ではまた。

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