旧野蒜駅(震災復興伝承館)に仙石線で行ってきました。

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現地滞在
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宮城県東松島市にあるJR仙石線野蒜駅は、東日本大震災によって被害を受けました。新しい野蒜駅は内陸の高台に移設されていますが、旧野蒜駅の一部は震災遺構として残す価値のあるものとして、現在も当時の姿のまま展示されています。野蒜駅から徒歩15分。高低差のある移動になりますが、ぜひ訪れてみてください。

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野蒜(のびる)駅とは

宮城県の景勝地として名高い「松島」。

その先には「奥松島」と呼ばれる地域があります。

野蒜(のびる)駅は、奥松島エリアに位置する、JR仙石線の途中駅です。自治体は宮城県東松島市。

あおば通発着の仙石線普通列車のほかに、仙台発着の仙石東北ラインも入線し、快速列車が停車します。

東日本大震災から復旧するにあたり、現駅舎が完成。

無人駅ながら新しさの残る立派な駅舎です。

駅の内陸側では新市街地開発も進められています。

ほんの少しずつではありますが駅の利用客数も(少なくともコロナ禍突入までの間は)増加傾向にあるようです。

旧野蒜駅は「震災復興伝承館」に

震災直前に発車した2本の列車

2011年3月11日、14時40分過ぎ。

震災発生直前に野蒜駅で行き違いとなっていたあおば通行きと石巻行きの列車は、それぞれ野蒜駅を発車して隣駅へと出発していきました。

その直後に襲った強い揺れを感知し、駅間で停車した2本の列車。

ルールに従い避難した先の体育館で津波の被害を受けたあおば通行きと、ルールを振り切り高台に停車した車内に残って難を逃れた石巻行き。

皮肉にも野蒜駅ですれ違った生と死などと言われることがあるようですが、しかし我々はこのつらい出来事に向き合い、後世の教訓にしなければなりません。

※仙石線205系の一例であり、被災車両とは直接的な関係はありません。

旧野蒜駅も被災

車両だけでなく、野蒜駅の駅舎自体も津波による被害を受けることになります。

津波の高さは下記の写真の(人の身長を遥かに越える)高さで襲ってきたのです。

表示には3.7mと書かれています

旧野蒜駅の設備を保存へ

旧野蒜駅は駅としては機能しなくなったものの、一部に原形をとどめた箇所があり、後世に残す価値のある震災遺構としての保存が決定。

一帯を東松島市東日本大震災復興祈念公園として整備するとともに、旧野蒜駅舎を改修し「震災復興伝承館」としてオープンしたのが2016年のこと。

これに付随する形で旧仙石線野蒜駅ホームを見学することができるようになったのです。

旧野蒜駅のホーム

旧野蒜駅のホームには、

当時の駅名標(1)

当時の駅名標(2)

被災したホーム

錆びついた線路

可能な限り被災当時のまま展示がされています。

構内踏切があった島式ホームの旧野蒜駅。

ホームに立ち入ることはできませんが、反対側に回り込んで360度見学することはできます。

間近で旧駅舎を見ることができるのは貴重と思います。

新野蒜駅から旧野蒜駅まで行ってみた!

…ということで。

あまりしんみりせずに、気を取り直していきましょう。

野蒜駅はJR仙石線の駅ですが、仙台駅から仙石東北ラインに乗車すれば、乗換なしで早く行くことができます。

仙石東北ラインはJR東北本線を経由して運行されるため、JR仙石線のホームではなく地上ホームから出ます。

運悪く特別快速が来てしまいました(野蒜駅通過)ので、一旦行き過ぎて矢本まで向かい、仙台行きの快速で戻ってくることにしました。※週末パスを利用していたので許される乗り方です。

野蒜駅で降りたのは私だけでしたが、乗車された方も1名おられました。

震災復興伝承館は駅の海側にありますが、そちらには改札口はありません。一旦、跨線橋を渡って山側に出た後、地下通路を通って海側に出ます。

地下通路は深く作られており、これをまた登るのか…と思っていたのですが、そうではありません。

降りた先に出口があり、

また登るどころか、さらに階段を降りることになります。

要するに、新しい野蒜駅は

めちゃめちゃ高台!

ということになります。

海抜は22mだそう。言い換えれば、約22m降りた先に伝承館があり、帰りは約22m登ってくることになるということになります。頭に叩き込んでおきましょう。

野蒜市民センターが避難場所に指定されています

野蒜駅周辺は信じられないほど無音で、私のスマホが発するシャッター音が鳴り響く世界でしたが、海岸の方に降りていくと、

ゲートボールをしている人や、元気に遊ぶ子どもたちがたくさんいらっしゃって一安心。

程なくすると震災復興伝承館・旧野蒜駅に到着です。

ここまで、列車を降りてから徒歩約8分で到着しましたが、お戻りは10分以上見ておいたほうがいいでしょう。公式のパンフレットには徒歩15分と書かれております。

【震災復興伝承館】
営業時間:09:00〜17:00
休館日:毎週水曜日、年末年始
駐車場:あり(無料)
公式HP:こちら(東松島市)

さいごに

震災当時の様子が残る旧野蒜駅。

きっかけは興味本位でもいいので、お近くを訪れた際には立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

  • 宮城県東松島市にあるJR仙石線野蒜駅は東日本大震災によって被災
  • 新しい野蒜駅は内陸の高台に移設されて営業中
  • 旧野蒜駅の一部は震災遺構として当時の姿のまま展示
  • 野蒜駅から徒歩15分で行くことが可能
  • 高低差のある移動になるため、特にお帰りの際は列車の時刻に注意

ではまた。

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