北陸3セク線を通しで乗るなら「北陸おでかけtabiwaパス」か「北陸3県2Dayパス」がオトク。

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鉄道
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北陸新幹線の開業に伴い、JRから経営分離された並行在来線の数々。路線の大部分を失った北陸本線は、地元の第3セクターとして運行されています。これらの路線はJR線を対象とした企画きっぷは利用できませんが、 (1)北陸おでかけtabiwaパスであれば旧北陸本線の3セク4社を含む上越・北陸地方のほぼ全ての在来線に乗車可能で、大人2,900円。(2)北陸3県2Dayパスは越中宮崎〜敦賀間の3セク3社に乗車可能で、2日間で大人2,800円。いずれもJR西日本が運営するtabiwaで購入できます。新幹線延伸により盛り上がる影で、普通列車の旅を楽しむ人々の心をつかむことでしょう。青春18きっぷの後継として活用できそうです。注意点とともにまとめました。

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tabiwa周遊パスとは

tabiwa周遊パスと聞いても「馴染みがない」と思う人が多いでしょう。

私もその一人でした。

そもそもtabiwaとは、JR西日本が運営するwesterが展開している観光客向けのコンテンツで、観光情報の他にオトクな周遊パスも発売されています。

こういったサイトで売られているチケットというのは微妙な商品だったりすることも多いのですが、少なくともtabiwaは違う。

鉄道旅行を楽しもうと考えている鉄道マニア寄りのきっぷもしっかり揃えてくれていて、要チェックなのです。

そのなかから2つご紹介しようと思います。

北陸エリアは「在来線の難所」に

あえてひどい書き方をします。

かつて、高崎から新潟までを長野経由で結んでいた信州の重要路線「信越本線」と、直江津から敦賀経由で米原まで結んでいた日本海縦貫線を構成する重要路線「北陸本線」は、多くの人に愛されながらも、

高崎から敦賀までを結ぶ「北陸新幹線」によってメタメタにされました。

新幹線開業によって在来線の線路に特急列車を走らせる必要がなくなりますから、並行在来線は普通列車のみのローカル線に落ちぶれます。

並行在来線をJRが受け継がないとなれば、その路線を必要とする地元自治体が引き受けて第3セクターとして再出発しなければなりません。

こうして、信越本線と北陸本線は、

・長野県:しなの鉄道
・新潟県:えちごトキめき鉄道
・富山県:あいの風とやま鉄道
・石川県:IRいしかわ鉄道
・福井県:ハピラインふくい

…と、一部キラキラした名前がつけられながら自治体ごとにみじん切りにされていったのです。

そして、JRから分離された各路線は従来よりも高い運賃に設定されたうえ、JRの乗車券のほか、青春18きっぷなどのオトクなきっぷも例外を除いて利用できなくなりました。

在来線を好んで使う利用者にとっては「壁」のような存在として立ちはだかるのです。

仮にですが、北陸新幹線のうち、JR西日本が管轄する上越妙高ー敦賀間の並行在来線を「正規運賃」を払いながら乗り継いでいくと

概算で6,850円

のお会計となります(後述)。

ちょっと手が出ないです、というか新幹線を使ってしまいますよね。

でもここに救世主が現れます。

今回ご紹介する、

(1)北陸おでかけtabiwaパス
(2)北陸3県2Dayパス

が登場したのです。

3セク地獄は、もはや地獄ではありません。積極的に乗りに行きましょう。

北陸おでかけtabiwaパス

上越妙高〜敦賀が乗り放題!

北陸地方はJR西日本の管轄ですから、北陸エリアのオトクなきっぷを展開しょうとするならtabiwaの出番となります。

中でも注目されているのが「北陸おでかけtabiwaパス」というものです。

北陸おでかけtabiwaパス
利用期間:2024年3月16日〜2025年3月31日
発売期間:利用開始日の3日前まで
有効期間:1日間
発売金額:大人2,900円、こども1,160円
利用方法:tabiwaで利用開始操作を実施
利用可能路線(概要)
・北陸3県内のJR在来線ほぼ全線
・JR大糸線:糸魚川〜中土
・ハピラインふくい全線
・IRいしかわ鉄道全線
・あいの風とやま鉄道全線
・のと鉄道七尾線:七尾〜和倉温泉
・えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン全線
・えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン:直江津〜上越妙高
特急列車:特急券別途購入で乗車可
新幹線:不可

大人2,900円で、えちごトキめき鉄道(妙高はねうまラインは上越妙高以北に限る)、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道、ハピラインふくいの全線が乗り放題となるのは強すぎます。

エリアの全てが「北陸新幹線(JR西日本区間)開業によってJRから経営分離された第三セクター」というのもtabiwaらしい。

上越妙高宿泊〜敦賀宿泊が賢い!?

もし、北陸おでかけtabiwaパスを目一杯使い倒したいのであれば、上越妙高や直江津と敦賀に宿を取り、

(上越妙高〜)直江津〜富山〜金沢〜福井〜敦賀

と、旧信越本線や旧北陸本線を乗り継いでいくのがオススメとなります。

もし、青春18きっぷを使った旅行中であれば、直江津に宿を取り、北陸おでかけtabiwaパスを使う日は青春18きっぷの消化をやめ、敦賀までの在来線の旅を楽しむと効率的でしょう。

通常運賃より3,950円オトク

もし、上越妙高〜敦賀を第三セクターを乗り継いでいくと、いくらかかるのか。

えちごトキめき鉄道
上越妙高〜市振:1,550円

あいの風とやま鉄道
市振〜倶利伽羅:2,220円

IRいしかわ鉄道
倶利伽羅〜大聖寺:1,330円

ハピラインふくい
大聖寺〜敦賀:1,750円

※富山や金沢、福井などに立ち寄る場合は運賃が変わりますので、あくまでご参考まで。

合計で6,850円もかかりますから、オトク額は3,950円となります。

青春18きっぷより高いとはいえ、通常運賃の半額以下で途中下車しながら移動できてしまうわけですから、北陸おでかけtabiwaパスは強いと言えるでしょう。

注意点「発売は3日前まで」

北陸おでかけtabiwaパスには注意点があります。それが、

発売は3日前まで

ということ。

おそらくですが、早めに発売を打ち切ることによってビジネス利用を防ぐ狙いがあるのではないかと考えています。

旅行者であれば早めに予定が組まれているでしょうから、買い忘れだけ気をつけましょう。

北陸3県2Dayパス

北陸3セクが連携したフリーパス!

続いて、あいの風・IR・ハピラインが連携した北陸3県2Dayパスをご紹介します。

北陸3県2Dayパス
利用期間:2024年3月16日〜2024年9月30日
発売期間:利用開始日当日まで
有効期間:2日間(特定期間除き平日不可)
発売金額:大人2,800円、こども1,400円
利用方法:tabiwaで利用開始操作を実施
利用可能路線(概要)
・ハピラインふくい全線
・IRいしかわ鉄道全線
・あいの風とやま鉄道:越中宮崎〜倶利伽羅
特急列車:明記なし
新幹線:不可

こちらは北陸おでかけtabiwaパスと比較して範囲が狭まるものの、2,800円で2日間乗り放題になるという強いきっぷです。

新幹線富山下車からの旅が賢い!?

もし、このきっぷを首都圏から使うのであれば、フリーエリアである富山県内までの交通手段を別途用意する必要があります。

もし首都圏から向かうのであれば、富山駅まで北陸新幹線で移動し、富山駅からこのきっぷを使って移動するのがいいのかもしれません。

新潟県を含まないため、在来線だけを使ってフリーエリアまで到達するのは少々大変かもしれませんが、条件が合えばこちらも選択肢にはいるでしょう。

何と言っても2日間有効というのは心強いですよね。

注意点「平日は使えない」

ただし、このきっぷは「平日は使えない」という致命的なルールがあります。

おそらくこれもビジネス利用を防ぐためと思われます。

週末のほか、長期休み等に設定された特定日であれば、平日でも利用することができるようです。

注意点「市振は含まない」

このきっぷは厳密に北陸3県に限定されています。

あいの風とやま鉄道とえちごトキめき鉄道日本海ひすいラインとの境界駅は市振駅ですが、このきっぷが使えるのは越中宮崎駅まで。

あいの風とやま鉄道線の市振までは使えないのでご注意ください。

まとめ

在来線の難所となった北陸ですが、北陸新幹線を開業させたJR西日本の主導で「かつての北陸本線を旅するための強いアイテム」がしっかり用意されていることは好感が持てます。

  • 旧信越本線や旧北陸本線ではJR線を対象とした企画きっぷは利用できません
  • 北陸おでかけtabiwaパスであれば3セク4社を含む在来線に乗車可能
  • 北陸おでかけtabiwaパスの価格は大人2,900円
  • 北陸3県2Dayパスは越中宮崎〜敦賀間の3セク3社に乗車可能(原則平日不可)
  • 北陸3県2Dayパスの価格は2日間で大人2,800円
  • いずれもJR西日本が運営するtabiwaで購入できます

Wester
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ではまた。

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