北陸新幹線の途中駅「上越妙高」は、JR東日本とJR西日本の境界となる駅。ここを跨ぐと特急料金が跳ね上がります。逆に言えば、途中下車して特急料金を区切ってもほとんど金額が変わらないケースもあります。開業当初、駅周辺には何もありませんでしたが、今では東横インやアパホテルがあり、都市部と比較して料金も安め。途中下車してホテルで寝るだけ、という使い方はいかがですか?コメダ珈琲や大戸屋の他、天然温泉も湧いています。
上越妙高駅について
上越妙高駅の場所
上越妙高駅は、JR北陸新幹線の途中駅です。北陸新幹線の金沢延伸時に開業した新しい駅です。
住所は新潟県上越市。新潟と言えば上越新幹線のイメージが強いですが、新潟県は細長い形をしていて、両端ではまるで交通や気候が違うというのも面白いところ。
北陸新幹線が新潟県を通っているというのは意外だと思った人も多いかもしれませんね。上越妙高駅と糸魚川駅が新潟県に属します。
ちなみに上越市を通る新幹線は北陸新幹線のみで、上越新幹線は通りません。
駅構内のようす
新幹線ホーム
上越妙高駅の新幹線ホームは、当駅で折り返す列車はないのに2面4線の構造を有する比較的大きい駅です。大雪で運行が難しい場合の待避線という意味合いもあるでしょう。
意外と利用者が多いです。
ホームは無機質な感じがしますが、ここは「新幹線の発着アナウンス」が澄んで響き渡る駅です。音鉄の人にはお勧めですね。
在来線ホーム
上越妙高駅は、かつての信越本線と北陸新幹線が交差する場所に設置されています。
信越本線はえちごトキめき鉄道線として生まれ変わり、JRから経営分離されておりますが、直江津から先のJR線と様々な列車が直通運転しています。
えちごトキめき鉄道としなの鉄道北しなの線を乗り継げば長野駅まで新幹線を使わずに到達することも可能ですよ。
上越妙高駅を跨ぐ特急料金
周辺に用事がある人は上越妙高駅が目的地になりますが…そうではない多くの人にはちょっとクセがある駅になります。
加算料金が設定されている
これこそ北陸新幹線の最大の弱点だと思っているのですが…
それは「JR東日本とJR西日本の境界である」という点。
会社を跨ぐ利用に対しては、特別加算料金を設定しています。つまり、上越妙高駅を跨ぐだけで特急料金が跳ね上がってしまいます…
極端な例ですが、東京ー上越妙高間の自由席特急料金は3,740円なのに、1つ先の糸魚川までだと5,170円に跳ね上がります。ここまでの変化は稀ですが、上越妙高駅を越えても料金が変わらないことは絶対にありません。
壁のように立ちはだかる上鉄妙高駅。
途中下車するとオトクな例がある
前項ではネガティブな言い方をしてしまいましたが、逆に言えば、
- 上越妙高駅で途中下車してもコストが上がりにくい
- 降りることで安くなることもある
とも言えるわけです。
東京→金沢の例
東京ー金沢間の例を見てみましょう。
東京から金沢まで直行した場合の自由席特急料金は6,370円です。
東京から上越妙高までの自由席特急料金は3,740円、
上越妙高から金沢までの自由席特急料金は2,640円。
合計で6,380円。
つまり、上越妙高駅で下車しても追加コストは10円だけなのです。
東京→糸魚川の例
また極端な例ですが、糸魚川の場合。
東京から糸魚川まで直行した場合の自由席特急料金は5,170円です。
東京から上越妙高までの自由席特急料金は3,740円、
上越妙高から金沢までの自由席特急料金は880円。
合計で4,620円。
つまり、上越妙高駅で下車すれば550円節約できるのです。
運賃について
補足説明ですが、運賃は上越妙高での途中下車有無にかかわらず、金額は変わりません1)。
100kmを越える乗車券であれば、上越妙高駅で途中下車が出来ます。追加の運賃を支払ったり、上越妙高発着の乗車券を個別に発券する必要はありませんので、乗車券は通しで購入してください。
前項目は、あくまで「特急券」に対する説明です。特急券は途中下車の概念がなく、新幹線の改札を出ると回収となりますので、乗車区間ごとに購入する必要があります。
1)100キロを超えない乗車券や、特殊な制約のある乗車券類を除く
上越妙高で降りてみよう
前泊地として使いやすい
ここからは実践編です。
これまでの説明(会社の境界の駅ですので、ここで降りても特急料金が上がりにくいケースが多い)をご理解いただいたものとしてお話を続けます。
「ほぼ何もない駅」で途中下車することにメリットはありませんが、上越妙高駅周辺には使い勝手の良いホテルが立ち並んでいますので、旅行先(出張先)への前泊として利用価値が非常に高くなっています。
通常であれば新幹線で素通りし、都市部に宿泊するケースが多いと思いますが、ここは上越妙高。ホテルも比較的安くなっていますので、滞在しやすいエリアと言えるでしょう。
最終の新幹線で上越妙高にやってきて、翌朝の新幹線で先に進むという使い方がしやすいのです。
ホテルの情報
私はアパホテル<上越妙高駅前>と東横イン上越妙高駅西口を利用したことがあります。
2つのホテルは駅を挟んでライバル関係にありますが、どちらもほぼ駅直結のホテルで、悪天候でも濡れることなく到着可能です。
アパホテルには大浴場があって落ち着きます。大浴場まで新幹線ホームの音が聞こえてきますので、鉄オタは落ち着かないと思いますが。笑
東横インは朝食が無料で付いてきます。6時30分から営業してくれますので、朝早い出発でもおなかを満たして出発することができるでしょう。大変ありがたい存在ですね。
部屋に恵まれると新幹線を拝むことが出来ますよ。
モデルルートとしては下記。仕事が終わったら新幹線に乗って上越妙高へ。そこでは「寝るだけ」で、翌朝先に進めば、金沢に0829に到着します。
北陸新幹線の旅行
東京2012→上越妙高2216
(アパホテルか東横インに宿泊)
上越妙高0628→金沢0829
何もないと言われていた上越妙高駅前にはホテルがたくさんありますので、特急料金のデメリットを逆手に取って活用しましょう。
アパホテル<上越妙高駅前>
>> こちらから料金を確認
東横イン上越妙高駅西口
>> こちらから料金を確認
食事の情報
泊まらないまでも、食事する場所だってあります。
上越妙高駅の周辺は、かつては何もありませんでした。駅の中にNEWDAYSが入っていましたが、24時間営業ではありません。閉店後は徒歩10分以上かけてセブンイレブンまで行かなければなりませんでした。
しかし、今ではコメダ珈琲店や大戸屋が入るビルもあり、食事にも困りません。
少しずつですが、着実に発展の道を歩んでいます。
ちなみにこちらのコメダ珈琲ですが…混雑時はちょっと注意。私の実体験として待ち時間が想像以上に長くなりました。ホテルに帰って寝るだけだったので、むしろゆっくり出来てよかったのですが…新幹線の出発前などで時間の制約がある方はご注意を。
天然温泉の情報
ついに、上越妙高の駅前に天然温泉が湧きました。
「釜ぶたの湯」と冠する銭湯がオープンしています。
弱塩基性(pH8.3)のお湯で、ヌルッとした肌触りが特徴。
地下1,500mから湧き出る正真正銘の天然温泉に、新幹線の駅前で入れるのは貴重ですよね。
温泉入浴料金は、大人480円、小学生150円、幼児70円。(※2023年9月現在)
サウナ(大人専用)を利用する場合は別料金。タオルセットのレンタルも300円かかりますが、提携のホテルを利用する場合はサービスとなるケースがあるので、宿泊者はチェックしてみましょう。
まとめ
上越妙高に滞在し、以下の知見を得ました。
- 北陸新幹線とえちごトキめき鉄道が乗り入れる駅
- 北陸新幹線はJR東日本とJR西日本の境界となる駅
- 上越妙高を跨ぐと新幹線特急料金は必ず上がる
- 周辺にはホテルが立ち並ぶ
上越妙高には、乗って楽しい列車「Shu*Kura」が乗り入れています。上越妙高に到着するのは18時過ぎとなりますから、その日は無理をせずに、上越妙高に滞在してみてはいかがでしょうか。
上越妙高に乗り入れる在来線「えちごトキめき鉄道」には、おかえり上越という一風変わった列車が設定されています。一部の列車には特急型車両が使用されています。夜遅い時間帯に走る列車ではありますが、上越妙高に滞在する人の特権として「ちょい乗り」ができますよ。
ではまた。