「Shu*Kura」の指定席に子連れで乗車。お酒を飲めなくても楽しめるのか?

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鉄道
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新潟県内を中心に日本酒を楽しめる観光列車「越乃Shu*Kura」が走っています。快速列車なので指定席券をプラスすれば3号車には誰でも乗れますが、お酒が飲めない人やお子さまは楽しめるのか?単なる移動手段としては使えるのか?お酒を飲まない家族が乗車してみましたので、車内の様子やおすすめ座席とともにレポートします。結論、鉄道が好きなら楽しめますが、移動手段としては△。子どもは暇かもしれません。なお、1号車ではお食事+お酒を楽しめるプランでの乗車となりますが、お酒を飲めない人やお子さま向けには、日本酒の代わりにお菓子+ソフトドリンクをふるまうなど、可能な限りの配慮がなされているそうです。

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Shu*Kuraとは

観光列車の一つです

Shu*Kuraは、新潟県内を中心に運行されている観光列車の一つです。

酒処の新潟県が誇る日本酒を楽しむコンセプトの列車です。

新潟県の西部「上越妙高」を起点とし、十日町越後湯沢新潟までを運行しています。

十日町発着は「越乃Shu*Kura」、越後湯沢発着は「ゆざわShu*Kura」、新潟発着は「柳都Shu*Kura」と、それぞれ別の列車名が付けられています。

運行日は週末を中心に設定されています。

3両とも別々の内装です

3両編成ですが、すべての車両が異なる役目を果たしています。

  • 1号車:旅行商品専用座席(食事を楽しめます)
  • 2号車:フリースペース(売店があります)
  • 3号車:普通車指定席(乗車券+指定席券で利用できます)

私が利用したのは3号車ですので、同車両の紹介が中心になります。

古い車両を改造して観光列車に

少しマニアックな話になりますが、優しく書くのでついてきてください。

Shu*Kuraは、国鉄時代から走る古い気動車(キハ40やキハ48)を改造して作られています。

キハ40というと、こんな感じの車両です。

Shu*Kuraの3両のうち、例えば3号車はキハ40-552という車番がついていて、調べてみると1987年に作られた車両であることが分かります。

かなり古くて乗り心地の悪い車両なのかと思いきや…古いのは足回りだけで、車内は全面的にリニューアルされていますので、車両が古いことに気づかない人もいます。

キハ40がどれだけボロい車両(失礼)なのかというのを知っている人であれば、上の写真におけるLED案内表示とキハ40-552の共演が違和感でしかないのです。

3号車(普通車指定席)のようす

乗車券+指定席券で乗車できます

3号車は旅行商品ではありませんので、乗車券+指定席券で誰でも乗車できます。

乗車券には、普通乗車券の他「週末パス」などのオトクなきっぷも利用可能です。シーズンであれば青春18きっぷも利用できますが、えちごトキめき鉄道やほくほく線(乗り入れる場合)は別料金となります。

指定席券は、一律840円となります。子どもは半額です。

シートピッチの広いリクライニングシート

JRのきっぷを購入して乗る場合は3号車の利用となります。

3号車の車内はこんな感じ。

幅が広めのリクライニングシートが並んでいます。

お酒を楽しむ列車だけあって、和テイストな座席に仕上がっていますね。

シートピッチが広すぎるため、一般的な新幹線や特急列車のような座席背面のテーブルに加え、ひじ掛け収納型のテーブルもあり、全席ダブルテーブル席となっております。

海側はD席

Shu*Kuraは横4列で、A-B-(通路)-C-Dとなっています。

日本海を望む席に座りたいと思う人が多いと思います。そういう人はD席を選ぶといいでしょう。

Shu*Kuraの行先によらず、必ずD席が日本海側となりますので、どうしても海側がいいという人は狙ってみましょう。

全席指定なので決められた席を利用するのが原則となりますが、車両端部に設置されたソファ(8人分)は、自由に利用してOKです。

お目当ての景色が座席と反対側の場合は、こちらを一時的に利用するのもアリですね。

前面展望は間接的に楽しめます

展望席はありませんが、のぞき込むことは可能です。

ソファ席の間から運転席越しに見ることができます。

フリースペース(2号車)のようす

Shu*Kuraの車内では、2号車で催される盛りだくさんのイベントが最大の楽しみなのですが、コロナ禍を経てイベントは縮小されています。

本来であれば、木樽を囲んで仲間と談笑できる楽しい空間なのですが、そんなの3密どころの騒ぎではないですからね。

それでも、カウンター側での飲食は引き続きできるようになっています。

そんな中ではありますが、併設されている売店はフル稼働です。

お弁当が買えたり買えなかったり(=完売の場合)します。

後述しますが、ドリンクやデザートもありますよ。

展望・くつろぎペアシート(1号車)のようす

私は指定席(3号車)を利用したので、1号車の様子は直接見ることはできませんでした。

出典:JR東日本(こちら)

JR東日本のHPから拝借すると、上記のような車内となっています。

この車両は「旅行商品」として発売されていて、乗車券+料金券としての利用はできません。

およそ1万円を超えないくらいの金額で、軽食+日本酒を楽しむことができる商品となっているようです。

アルコールが飲める人には「ふるまい酒」あり

アルコールが飲める人には、号車や利用プランに関わらず、ふるまい酒のサービスがあります。

私が乗車した際には、列車が始発駅を出発後に1度だけありました。

アルコールを飲める人にはお酒が配られますが、アルコールを飲めない人には何もありませんでした。

この「ふるまい酒」の前後で周囲の人の様子を見るのがとても面白い。

マーケティングの観点で行くと「着火源」のような役割があり、これを口にすることで「もうちょっと飲みたいな」→「2号車(売店行こう)」となるわけです。

小さいカップに入っているのが「ふるまい酒」です
※記事化の都合上(?)私だけ1杯いただきました。

アルコールが飲めない人の楽しみ方

2号車でノンアル商品を楽しむ

日本酒を嗜む列車ではあるのですが、アルコールが飲めない人でもそこそこ楽しめます。

ノンアルコールなメニューを買って、カウンターや自席で楽しみましょう。

アルコールが飲めない人が楽しめるドリンク
・雪室珈琲:320円
・雪国緑茶:180円
・雪国紅茶:190円
・雪下人参ジュース:240円
・レルヒさんサイダー:330円
・雪男サイダー:290円
・魚沼の水:130円

お食事・デザート
・鯛茶漬け:550円
・雪国ドーナツセット(コーヒー付き):480円
・雪室ジェラート:330円

私のおすすめは、コーヒーとドーナツのセット(480円)。ドーナツはコーヒー味です。

同じくお酒が飲めない子どもを連れて買いに行きました。すると案の定…

手が伸びてきました。ドーナツの感想を言いたかったのですが、味は分からず。

2号車で広々過ごす

2号車は広々としています。

特に終点が近くなってくると誰もいなくなりますので、子連れでも多少は賑やかに過ごせそうです。

スタンプを押す機械も置いてありますので、人がいなければ飽きるまで押しましょう。

あっ、備え付けの用紙は常識的に考えて1枚/人までですけどね。

3号車のソファ席でくつろぐ

客席が並ぶ3号車では…

見逃せないのがソファ席ですね。

ぜひ座ってみてください。ロングシートってこんなに景色よかったっけ!?という感覚になりますよ。

こちらのロングシートは座席として発売されていませんから、誰でも利用することができます。

途中駅で楽しむ

この列車は、直江津ー長岡間で信越本線を走行します。

その途中にある海に近い駅「青海川」に長時間停車してくれます。

景色を存分に楽しみましょう。

…と、見どころを絞り出してみましたが…

…楽しめそうでしょうか?

(1号車)ソフトドリンクコースを選べる

この項目は1号車利用の方向けですが、お食事と一緒に出てくるお酒は、ソフトドリンクに変更することができます。

この場合、お酒がふるまわれるタイミングでは「お菓子+ソフトドリンク」となり、上手くバランスがとられているようです。

(リンク切れの際はJR東日本のホームページから直接メニューをご確認ください)
出典:JR東日本(こちら)

快速(通勤列車)より遅い快速Shu*Kura

単なる移動手段としてはどうなのか!?という視点でも考えておきましょう。

JRには快速という種別がありますが、みなさんはどういう印象を持ちますか?

「普通列車よりも速い」と思っている人は、ちょっと改めた方がいいです。

実は、快速というのは「停車駅を絞っています」という意味合いが強く、特に観光列車においては、普通列車よりも遅い「快速」が山ほどあります

Shu*Kuraの場合、普通列車に抜かれることこそありませんが、普通乗車券のみで乗れる快速(通勤列車)には抜かれるダイヤになっています。

  • 快速(通勤列車) 長岡1629→直江津1732
  • 快速Shu*Kura 長岡1613→直江津1802

途中の柏崎で抜かれていきます。

もちろんこのダイヤには意味があって、この先の観光地「青海川駅」での長時間停車を実現するために必要なものです。青海川駅には待避線がなく、本線をふさぐことになりますので、速い列車にはここで抜いてもらう必要があるのですね。

速さを求めて快速Shu*Kuraを選ぶのは賢くありません。

楽しむつもりで選択しましょう。

子どもとShu*Kuraに乗った感想

子どもにとっては退屈な時間

さて、楽しまなければ意味がない列車という結論ですが…

お子さまは楽しめるのかという視点でお伝えしますと…

ポケモントレインや風っこ、リゾートビューふるさとなどとは異なり、この列車には子どもが楽しめそうな特徴的な設備はありません

子どもにとっては単調で、お世辞にもあまり楽しくない時間が続くことになると思われます。

もちろん海が見えたり、山が見えたり、川が見えたり…景色の変化を楽しめるお年頃であればいいのですが、小さいお子さまだと、それよりも遊べるもの、おいしいもの、騒げる空間…

こうなってしまうと、Shu*Kuraは楽しくないと思われても仕方がないでしょう。

事実、新潟と長野を巡る旅行の帰りに楽しかったことを会話してみた際、「土合駅」や「リゾートビューふるさと」「上諏訪の足湯」「特急あずさ」「越後湯沢の巨大おにぎり」などが一斉に上がる中で、Shu*Kuraは一切登場しませんでした。

残念ですが、これが子どもにとっての正直な感想なのだと思います。

我が子よ、お父さんが間違えた。ごめんね。

1年後…「また乗りたい」

…と思っていたら。

1年後のある日、越後湯沢に停車中の「Shu*Kura」を見て一言。

「あれ乗りたい!」

…えっ!?

じゃあまた今度ね。(覚悟はいいか…)

上越妙高到着後は無理をしない

楽しめそうなお子さまをお連れで乗車される場合でも、下車後はゆっくりしたほうがいいでしょう。

Shu*Kuraにとっての復路(上越妙高行き)の終着時刻は18時40分前後になることが多いです。

この時間に上越妙高駅について、さらに先に進もうとすると、えちごトキめき鉄道との接続もあまりいいとは言えず、意外と苦戦することになります。新幹線で上京しちゃうのももったいないですよね。

ここは上越妙高駅周辺に宿泊してしまうのが吉。

上越妙高駅周辺は北陸新幹線が開業して以来、開発が進んでいて、アパホテルや東横イン、スーパーホテルが立ち並んでいます。

お酒を飲んだ人はもちろん、飲んでいないお子様連れの方も、その日は上越妙高で休むのがいいでしょう。

詳しくは下記の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

まとめ

お酒の飲めない家族が「Shu*Kura」に乗車し、以下の知見を得ました。

  • お酒が飲めるのが最大の特徴
  • 広い座席でゆっくり過ごせる
  • 海側はD席
  • 青海川駅で景観を楽しむ停車時間がある
  • 上越妙高行きの場合は終着後に宿泊が吉
  • アルコールが飲めない人向けのメニューもある
  • 子どもはとてつもなく暇になる

お子さま連れでも楽しめる列車として、しなの鉄道「ろくもん」が挙げられます。この列車にも乗車券+指定席プランが存在し、乗車券に安価(1,020円)を追加するだけで豪華列車に乗車できます。大人が雄大な景色とお食事をいただきながら列車の旅を満喫している間、子どもは「木のプール」で遊べます。ぜひご検討ください。

未就学児のお子様と乗車される場合は、膝の上に乗せるか、お子さまのために1席取るか、慎重にご判断ください。1席取る場合は、指定席料金の他に小児運賃も必要となります。通常、このような場面では「未就学児でも1席取ることをオススメします」とお伝えしていますが、Shu*Kuraの場合は、シートピッチが広く、フリースペースも充実していますので、必ずしも必須ではないでしょう。(※ちなみに6歳の子どもを連れて行った際には1席取りました)

ではまた。

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