JAL国内線で活躍するB737-800型機の普通席最前列を利用した際のレポート。目の前はクラスJで、足元が広いことがウリです。子連れにとってはひじ掛けが上がらないデメリットも。利用するには緒条件をクリアする必要がありそうです。
JAL国内線のB737-800
国内線のドル箱路線と言われる「羽田ー新千歳・伊丹・福岡・那覇」には大型機が次々と発着しています。一方、地方空港との路線には大型機ではもて余してしまう。でも、ある程度の需要はある…
こんなときに活躍するのがB737-800型機。
定員が165名程度の中型機です。機内中央に通路が一本、その左右に3列席が並んでいる、あの機体です。
単に【738】や【73H】と表記されることもあります。
使い勝手の良い絶妙なサイズを有する同機体はあらゆる路線に引っ張りだこ。日本中を飛び回っています。
かつて日本航空のグループとして地方路線を中心に飛んでいたJAL EXPRESSがB737-800を多く保有しておりましたが、現在ではJALとして運航を続けています。
快適な普通席は3種類
JALの国内線には普通席とクラスJがあります。クラスJというのは快適性の高い前方座席で、基本的には空席があれば普通席+1100円~(注)で誰でも利用することが出来ます。
一方、普通席にも快適な座席があり、その代表例としては下記。
- 15列席
- 39列席
- 非常口座席
15列席は最前列で、シートピッチが極端に広くなっています。39列席は2列席。非常口座席も広めに作られていますね。
全て座ったことがありますが、その中でも特に15列席は快適でした。
(注)かつては一律1000円だったのですが、運賃体系の改訂があり距離に応じた加算料金が必要になりました。一部運賃ではクラスJを事前予約することも可能ですが、普通席と運賃区分が異なることがあり、便によっては普通席との差額が広がることがあります。
最も快適なのは15A
15列席について
15列席はクラスJのすぐ後ろに設置されている普通席です。
この席はシートピッチが非常に広く、クラスJに座っている時よりも前は開放的です。
もちろん、幅は普通席なので、座っているときの快適性はクラスJにはかないませんが、周りが気にならない、という点ではクラスJ以上の価値があります。
そして、15列席の中でも15A席側は、2列席となっています。これは、一番通路側の座席に着席させてしまうと、目の前がクラスJの通路となり、安全性が確保できないためであると考えられます(例えばカートが走り出して激突するなど)。
よって、15A席の隣は15C席で、その隣は座席は設置されているものの、座れない設計になっています。
15A席の景色
15列席には翼がかかっておらず、眼下に街並みを見下ろすことが出来ます。下記の写真をご参考ください。(厳密には16列席から撮った写真です)
15A席の様子
15A席には妻に、15C席には子どもに座ってもらい、私が16Aの隙間から撮影した写真が下記です。
特徴的なのは、クラスの境目となる場所に壁がないということ。視界にはクラスJの座席が遠くに感じられます。
しかも、荷物はクラスJ席の下に入れることが許されています(※状況により変わる可能性があります)。
そして、視界に入ってくるすべての座席がクラスJなので、自分が座っているのもクラスJ?と勝手に錯覚することができます。
テーブルはひじ掛けから
前の席が離れすぎていますので、テーブルはひじ掛けの中に備えられています。
15A席の注意点
このように普通席の中では最も快適なシートの一つであることは間違いないですが、注意点もあります。
ひじ掛けが上がらない
通常の普通席であればひじ掛けが上がりますが、最前列ではひじ掛けが固定されています。
通常であれば全く問題にはなりませんが、注意すべきは膝の上のお子さんがいらっしゃる場合。多くのケースでは飛行中に寝てしまいますが、その時に例え隣同士で同じグループであっても、ひじ掛けを上げてフラットに寝かせることは出来ません。
通路側の席は使えない
先にも書きましたが、通路側の席は座れないように突起物が設置されています。
荷物等をシートベルトに括り付けて置くことも出来ませんので、ガラガラの機内であれば他の席の方が良いことも。
なお、15Aの隣は15Cになっています。
15列席の快適性を知っている人に人気なので、一人で15A席に座ると、隣に人が来る可能性が高いと思っておいた方が良いでしょう。
他の列はガラガラなのに、なぜか自分の所だけ隣に人が座っている状況になると、15列目を選ばなければよかった…と思うこともあるでしょう。
国際線機材だと目の前が壁
今回は国内線の機材について紹介しましたが、国際線にもB737-800型機は就航しており、これが国内線として使用されることがあります。特にコロナ禍においては、その確率が高くなっていました。
もし国際線のB737-800だった場合、クラスJ席はなく、ビジネスクラス席がクラスJとして運用されますのでオトクともいえるのですが、普通席は国内線とほぼ同程度か、若干劣ります。
さらに著しく快適性が低下するのが最前列。
国内線仕様であればクラスJとの間に仕切りはありませんが、国際線仕様だと仕切りとしての壁がありますので、圧迫感が出てきます。
まったくオススメできる席ではありませんので、他を選びましょう。
念のため、国内線仕様であることの確認をお勧めします。
15A席を予約するには
こまめに確認しよう(予約できる人が限られることも)
JALの国内線では、座席を予約時に指定することが可能です。
しかし、15Aと15Cに関しては、oneworldのステイタスを持っている人(飛行機によく乗っている人)でないと指定できないことが多いようです。
また、通路挟んで反対側の3列席は厳しくブロックされていて、こちらはステイタスを持っていても指定できないことが多いようです。
ステイタスを持っておらず、どうしても座ってみたいという人は空港で尋ねてみるといいでしょう。
大人気ですぐ埋まります
15A席の快適性は、JALをよく使う人にとっては有名で、当然のように真っ先に埋まる傾向があります。
こまめにチェックしていると突然空きが出ることがありますが、あれこれ悩んでいるうちにすぐ埋まります。
空きが出たらとりあえず指定してしまいましょう。
15H~Kが最も快適という声も
この記事では15Aをオススメしてきましたが、一部では15H~Kが快適だという声もあります。
実際に私の記事にもコメントが届いたこともあります。
これに関しては、おっしゃる通りと思います。
15Kは15Aの反対側に設置された、同じような環境の座席ですが、クラスJ席が3列になっているぶん、奥まっているような感じになって落ち着く席になっています。
また、3列全てを使えますので、3人グループの場合に便利ですし、1人で使う場合でも隣の席に人が来る可能性が低いと言えるでしょう。
ただ、私は1度しか座れたことがありません。
残念ながら私のステイタスでは15H~Kの座席を事前指定することはできないからです。
当日まで開放されることがない席という話も聞いたことがありますので、運要素もありそう。
この記事では、一般的に選ぶ権利がありそうな中で15Aをオススメしておりましたが、もし選択権があるようであれば、ぜひ15H~Kにも座ってみてください。
まとめ
JALの国内線B737-800型機の15A席に座って、以下の知見を得ました。
- シートピッチが最も広い
- 視界に入るのはすべてクラスJ席
- 幅は普通席だが、クラスJと錯覚する
- ひじ掛けが上がらない
- 指定できないケースが多い
もし国内線B737-800型機に乗る機会があったら、ご参考ください。
ではまた。