コロナ禍の長いトンネルを抜けました。3年ぶりにJALの飛行機へ「マスクを着けずに」搭乗した記念にレポートします。コロナ禍でも進化を続けた航空各社。マスクで顔を隠した3年もの間で何が変わったのか。コロナ禍はどんな感じだったのか?辛くて長かった3年間の記録を残すと同時に、久しぶりに飛行機に乗る人に向けても解説します。
3年ぶりの「ノーマスク」搭乗へ
長くつらかった「コロナ禍」
2020年1月頃から雲行きが怪しくなった新型コロナウイルス感染症。マスクをするのが常識となった日々は、気づけば3年間も続いていました。
「出張にはいかずにリモートでやれ」と言われて家に帰れば、「旅行」は不要不急の代名詞などともいわれてしまう。
人流を担う航空会社も苦しい思いをしてきました。
特に国際線は悲惨で、羽田空港国際線ターミナル(現・第3ターミナル)に設置された出発案内板には「欠航」の文字が並びました。
国内線ターミナルにも人影は少なく、コロナ前の賑わいは何だったんだろう…と思わされることもしばしば。
ほとんど人がいないサクララウンジには、その雰囲気になじみようのないアクリル板がずらりと並ぶ。
緊急事態宣言下ではアルコール類が撤去。
ディスプレイ付きのいすを並べて窒素と酸素を運ぶ航空機が、燃料を燃やして飛び続ける。
そんな中で、保護手袋&保護メガネ&保護マスクでの接客。まるで化学実験室。
痛々しいにもほどがありましたが、成せるベストを尽くした結果。
仕方がありませんでした。
このまま今までの日常は戻ってこないのではないか、疑心暗鬼になることも数えきれないほどありましたね。
コロナ禍のある日に搭乗すると、「久しぶりのご搭乗、ありがとうございます」と声をかけてくれたCAさんがいました。この日は1年以上ブランクを空けての搭乗だったのですが、何らかの振る舞いでバレたようです。
お菓子の入ったプレゼントまでいただいてしまい、少し会話をすることに。
「I Will Be There With You」(搭乗時の音楽)を聞いたら締め付けられそうになったことを伝えると、CAさんもJALの破綻を経験された際に久石譲さんの「明日の翼」(降機時の音楽)を聞いて頑張るぞという気持ちになったこと、その気持ちは今も同じであることを教えてくれました。
きっと乗り越えられると。
マスクを外すことは許されている
マスクを着けるのは当たり前。マスクを外すと周りの目が気になる。
マスクをしていた方が日焼けをしないとか、若く見られるとか…ついに我々は、マスクを着けるメリットを見つけてしまいましたね。
そしていつの日か「外してもいいと言われても外したくない」と思うようになってきてしまいました。
しかし我々はコロナ禍を乗り越えた。
本来の人間はマスクをしない。きっと、何かを失っている。
今こそ、マスクを外して航空機に乗ってみようじゃないか。
そんな気持ちで空港に向かったわけであります。
マスクを外す人は着実に増えている
搭乗ゲートを通り、飛行機に進む。
口元にマスクはない。
自分のやっていることは正しいのか疑心暗鬼になる。
そんな考えもよぎりながら歩みを進めていた時に、3年ぶりの記憶がよみがえります。
ボーディングブリッジを歩いているときにホワンと漂ってくる、あの、何とも言い難い航空機のにおい。
伝わるでしょうか?香水があればディスプレイ越しにお届けしたいくらいなのですが。
そう、あの匂いが漂ってくるのです。
匂いは記憶を刺激する。
3年前までに飛行機に乗る時にワクワクしていたあの感覚や、楽しかった過去の思い出が蘇ってきます。
そして機内に入ると、お客さんの3割くらいはマスクを外して過ごしていることが分かります。
個人的に驚いたのは、CAさんの中にもマスクを外している人がいたこと。かつ、依然としてマスクをしているCAさんもいたこと。
この”不統一感”こそ、航空会社従業員の立場においても各人の判断が尊重されている事実の表れであり、何よりも安心した瞬間でした。
この先は、我々がマスクをしていた3年間に空港や航空機はこんなに変わったんだということをお話ししていきます。久しぶりに飛行機に乗る人はご参考ください。
羽田空港はこう変わった
ターミナルの名称
JALの国内線は第1ターミナルから出発というのは変わっていませんでしたが、国際線はターミナルの名称が変わっていました。
これまでは国際線ターミナルだったのが、第3ターミナルに。
京急線や東京モノレールの駅名も変わっています。
有人カウンターが激減
国内線が発着する第1ターミナルでは、JGCカウンターや手荷物検査場が一新。
以下の写真の中に有人カウンターが配置されましたが…
通路に面するところには有人カウンターはなく、代わりに自動化された受託手荷物預かり機がずらりと並んでいます。
手荷物預け入れがセルフに
久しぶりに利用する際は戸惑うかもしれませんが、これまで係員にやっていただいていた(1)受託手荷物タグを出して(2)貼り付けて(3)預け入れるという一連の作業を自分でやらないといけません。
少し戸惑うかもしれませんが、慣れれば簡単です。やってみましょう。
カウンターがなくても、付近には係員さんがいらっしゃいます。(迷って困るくらいなら)お手伝いをお願いするのもOKでしょう。
保安検査場も変化
これまでは保安検査場において、紙の搭乗券をかざすと「ご搭乗案内」は出されませんでしたが、コロナ禍のタイミングで運用が変更になり、紙の搭乗券でもご搭乗案内が出されるようになりました。
JALでは紙の搭乗券を出さずにICカードで通過できるのはこれまで通りですが、ANAではICカードも廃止になっていて、スマホ利用が前提になっています。
検査システムも新しくなっています。
これまではカバンの中からPCやタブレット、飲み物類を取り出して示さなければなりませんでしたが、今ではカバンに入れたまま検査を進めることができるようになっています(※一部を除く)。
搭乗についてはこう変わった
Groupごとの案内
航空機への搭乗時に、乗客の属性に応じて順番が決められているのは今でも変わりませんが、案内方法が変わっています。
以前は「事前改札として云々…」「ダイヤモンド、プレミア云々…」「ワンワールドサファイア云々…」「後方のお座席…」などと案内されていて、乗り慣れていない人には「???」な状況でしたよね。
今でも、搭乗順番は原則として変わっておりませんが、上記に応じて算出された搭乗順にグループごとでの案内をしています。搭乗券に「BOADING GROUP 2」などと明記されていて、これに応じて乗り込めばOKです。
改札機が新しく
羽田空港などにおいて、改札の機械が新しくなりました。
これ、見た目はかっこ悪いですが、実際にはタッチしやすく、バーコードの読み取り速度も速くてスムーズに通過できました。
航空機内ではこう変わった
スカイタイムが新しく
JALの大好評機内ドリンク「スカイタイム」が刷新されています。長らくキウイ味だったスカイタイムですが…
久しぶりに搭乗したら「ぶどう&もも味」になっていました。これがとても美味しくて、おかわりも頂きました。
安全ビデオが変わりました
飛行機に搭乗した際には必ず見なければならない「機内安全ビデオ」が刷新されています。
脱出の際に気を付けなければならないことは以前から変わりませんが、高度なグラフィックを駆使した見やすい内容になっています。
特に「脱出時に荷物は持たないでください」の圧が強めになっていますので、興味のある方は公式YouTubeチャンネルから予習しておきましょう。
マスクの補足説明
安全ビデオの中で出てくる「酸素マスク」を使う場合、自分のマスクは外さないといけません。
重ねて着用すると、酸素を十分に吸引できなかったり、二重着用により不適切に生じた隙間から別のガスを吸ってしまう可能性があるためです。
「酸素マスク着用時はご自身のマスクを外して」と補足説明が放送されるようになりました。
やることが1つ増えている分、お子さま連れの方もご注意を。
航路も変わっている
最後に、羽田空港到着時の航路についてご紹介。
どうせ「房総半島からの海ほたるでしょ?」と思ったら大外れです。
遠くにスカイツリーが見え始めて「?」となっていたら、東京タワーも見えてきて、真下には新宿の街並みが見えてきます。
例えば上記の写真では、一番明るいところが新宿東口、手前のツインタワーが都庁、中央右にあるのが代々木のビル、遠くにスカイツリー、右端に国立競技場が見えています。
そういえば「東京都心から着陸する空路を設定する」なんて話題があったなぁと思い出すかもしれません。オリンピックなどで国際線が増えることによる対策だったかと思いますが、皮肉にもコロナ禍になってしまいましたね。
これから本領発揮する日がくることでしょう。
まとめ
3年ぶりにJALへノーマスク搭乗するとともに、この3年間で何が変わったのかを回想し、以下の知見を得ました。
- 今ではノーマスクで搭乗することができます。
- 羽田空港では「駅名」「ターミナル名称」「手荷物預け入れ方法」「有人カウンター数」などが変わっています。
- 保安検査場では「検査システムの高性能化」が進んでいます。
- 航空機内では「機内ドリンク」「安全ビデオ」などが変わっています。
- 羽田空港着陸時の新ルートが始まっています
JALの機内安全ビデオ
>> こちら(YouTube)
ではまた。