難波と和歌山市を結ぶ南海特急「サザン」には、自由席車のほかに座席指定車が連結されています。ネット予約で好きな席を確保できるのですが、ではどこがいいのか。この記事では、結論として1号車03番席としています。その理由は(1)前面展望を楽しめる、(2)夜間でもカーテンが閉められない、(3)人通りが少ない、などが挙げられます。一方、(4)人気のある席で隣に人が来る可能性がある、(5)出口が遠い、(6)プレミアム車両でない場合は意味がない、などの注意点もあります。納得の上で指定してみましょう。プレミアム車両の見極め方や窓枠情報も載せておきます。
南海特急サザンとは
運行区間の情報など
南海特急「サザン」は、南海電車が運行する特急列車で、難波ー和歌山市(和歌山港)を結んでいます。

同区間はJR阪和線との競合区間になっていて、南海も本気を出しています。
とにかく安く移動したい人にも、お金を払ってでも快適に移動したい人にも、特急「サザン」をご利用いただけるよう、車両は2グレード制になっています。
横から見ると、全く異なる種類の車体が連結されていることが分かりますよね。

自由席車
自由席車は、いわゆる普通の通勤列車です。
横並びの席が並び、完全自由席。
混み合うことが多いですが、運賃のみで利用可能なので、とにかく安く移動したい人はこちらの車両を利用することになります。
難波寄りに連結されています。難波駅は突き当り式のホームになっていますから、メイン改札から近いのは一般車ということになります。
普段使いに便利ですよね。

座席指定車
座席指定車は、いわゆる特急型の車両です。
リクライニングシートが並び、完全指定席。
乗車前に指定券を買う必要があり、区間を問わず520円の負担増とはなりますが、乗ってしまえば到着まで快適な旅がお約束されます。

南海チケットレスサービスの対象になっていて、スマホで好きな席をピンポイントで指定することができます。
なお、座席指定車には2種類あって、旧型の車両と新型の車両(プレミアム)があります。
土休日には新型車両の運用が固定されていて、時刻表で確認することができます。
平日にも新型車両が走っていますが、運用が固定されていないようです。予約画面から見分けることができますので、後ほど説明します。
(和歌山市方面)最前列座席を選ぶメリット
前面展望と側面展望を楽しめる(1号車03番)
さて、この記事をご覧の方は少しでも快適な席を探して来られていると思われますが、基本的に景色にこだわりがなければどこに座っても快適です。
なので、別にどこでもいい…
しかし、もし景色にこだわりがあるのなら、断トツで新型(プレミアム)の1号車03番席をオススメします。
先頭車両の一番前の座席で、進行方向右側の窓側です。

特急サザンのうち、新型車両(プレミアム)の場合は、運転席のすぐ後ろまで座席が並び、前を眺めることができるようになってます。
座りながら前面展望を楽しめるのです。

なお、1号車03番から見える前面展望には、業務上必要な荷物が置かれることによって視界が狭まる可能性があります。

もし気になるようでしたら、1号車04番席の利用も一案です。
前面展望が見やすいのは1号車04番席!?
なお、本記事では1号車03番(最前列窓側)をオススメしておりましたが、実際には1号車04番(最前列通路側)の方が前面展望を楽しみやすいという意見もあります。
もう一度同じ写真を掲載します。いかがでしょうか…

…確かに、通路となっている扉についた窓が大きく、そこから見える前面展望の方が景色がいいかもしれませんね。
側面展望は楽しめなくなりますが、好みに合わせて選び分けましょう。
トンネル区間でもカーテンが閉まらない
もちろん、反対側の座席でも前面展望は楽しめます。
しかし、運転席の後ろであるため、前が見にくくなるほか、夜間やトンネル区間では遮光カーテンが閉められます。
進行方向右側であれば、通常はそのようなことがないので、右側がオススメです。
人の通りが少ない
1号車の出入り口は2号車側にあります。
乗り降りの乗客のほか、トイレを利用する人も含めて後ろに向かって歩きますから、自席横の通路を通るのは車掌さんくらいです。
最前列座席を選ぶ注意点
出入り口から遠い
1号車の出入り口は2号車寄りにあり、運転席側にはありません。
出入り口から最も遠い席の一つと言えるでしょう。
また、難波駅利用の場合は、メイン改札から最も遠い席となります。
足元が少し狭い!?
最前列席は、目の前に座席がなく、壁(窓付き)となります。
そのため、人によっては十分に足が延ばせないと感じるかもしれません。
ちなみに私には十分な広さでしたが、みなさんは↓の違いをどう感じるでしょうか。

人気のある席です
前面展望を楽しめることは鉄道ファンの間では知られていますので、人気があります。
他の席はガラガラなのに、前の席は4席とも埋まっているなんてこともあります。
私が03番を利用した際にも、他の席をさしおいてお隣(04番)に来られた方がいらっしゃいまして、一瞬びっくりしましたが、まぁそんなもんです。
知らない人同士でも仲良く楽しみましょ。
新型(プレミアム)でないと意味がない
特急サザンの指定席車両には新型(プレミアム)と旧型があります。
これまで話をしてきたのは「新型(プレミアム)」の場合であり、旧型の場合は当てはまりません。
旧型車両の場合は、先頭座席をとっても目の前は壁ですから、前面展望は楽しめません。

必ず新型(プレミアム)であることを確認してから予約しましょう。
新型(プレミアム)と旧型の見分け方
さて、こだわりがあるなら新型(プレミアム)と旧型を見分けるのが重要になってきます。
予約画面で見極める
新型(プレミアム)と旧型では、席数に違いがあります。
具体的には、下記のように、新型(プレミアム)の方が座席数が少なくなっています。
覚え方は簡単で「プレミアムのゆとり、旧型の詰め込み」です。

時刻表で確認する(土休日のみ)
土休日は新型(プレミアム)の運用が固定されています。
そのため、特急サザンの時刻表に「P」の文字が刻まれていますから、見分けるのが簡単です。
それ以外の時間帯にも運行されることがありますから、どうしても時間を合わせられない場合はその他の列車も前述の方法で見極めてみましょう。
窓枠の見分け方と座席表情報
考え方の基本
続いて窓枠の見分け方をご紹介します。
基本となるのは、2列1セットで窓が並んでいること、1号車と4号車はひっくり返していること、最前列は2列窓であること、などを頭に入れておけば簡単です。
1号車の窓枠
和歌山市方面で先頭車両となる1号車では、前方から2列窓が続き、余った1列は1列用の小さな窓になります。

2号車・3号車
2号車と3号車は列の数が偶数のため、迷いにくいでしょう。
車端部から2列ずつ数えて行けば、おのずと窓枠がどうなっているかわかります。
4号車
4号車は自由席車とくっついていますが、座席指定車としては1号車と同じ先頭車両になります。
1号車をまるまるひっくり返した構造になっています。
難波寄りから2列ずつ窓が並び、最後に余った和歌山市寄りの1列が小さな窓になります。
南海特急「サザン」から見える景色
私が好きな景色をいくつかご紹介。この景色が見えたらこのあたりだなぁ…という目安として。
あくまでお気に入りの景色はご自身で見つけてくださいね。
りんくうタウン
南海電車は関西空港へのアクセスも担います。泉佐野という駅で空港線が分岐します。

空港線は、途中「りんくうタウン」というところを通りますが、ここには観覧車があります。
これが見えたら関空を過ぎて、和歌山への旅も半分すぎたなと思いましょう。

はい、バレたと思いますが、前面展望に気を取られて慌てて撮影したのでブレブレです。みなさんはもっと上手に撮ってくださいね。
尾崎~みさき公園
大阪府南部まで来ると、大阪湾に沿って走ります。
夕暮れ時を狙って乗れば、夕焼けの景色を楽しめそうです。

紀の川
和歌山市駅に到着する直前に、紀の川という河川を渡ります。
残念ながら筆者が乗車した日には、既に日没後で写真が撮れませんでしたが、暗闇の中でもはっきりとわかります。
長い橋を渡り始めたらもうすぐです。下車の準備を始めましょう。

※上記写真は和歌山大学前駅にて。同駅はイオンモール和歌山に直結しており、”イオン信者”は素通りできないシステムになっております。
まとめ
南海特急「サザン」に乗車し、以下の知見を得ました。
- 「サザン」には座席指定車と自由席車がある
- 座席指定車に乗車するには520円が追加で必要
- 和歌山市方面に向かう場合、1号車03番を取ると前面展望(プレミアムの場合)
- 旧型の場合は前面展望は楽しめない
- 新型(プレミアム)と旧型は座席表を見ると見分けられる
- 窓枠の見分け方は先頭から2列1セットで数えていくのが原則
特急「サザン」
>> こちら
※時刻表も上記からご確認ください
特急「サザン」の一部列車は和歌山市の先「和歌山港」まで向かいます。和歌山港からは徳島へ南海フェリーで渡ることができます。フェリーとセットで南海線の運賃が無料になる企画乗車券も発売中。大阪から四国へ、南海線を使ったルート取りはいかがですか?
ではまた。