和歌山と徳島は意外と近い。南海フェリーでは、南海電車と連携したオトクなきっぷなどが広く知られ、関西圏と四国との間を気軽に行き来できる人気の移動手段となっています。本記事では、大阪難波・和歌山市~徳島駅の移動を想定し、各フェリーターミナルへの交通案内として、(1)オトクな運賃のご紹介、(2)フェリーターミナルの様子、(3)フェリーターミナルへのアクセスなどをご紹介します。また、(4)フェリーの客室内部の様子をご紹介するとともに、フェリー慣れしていない人に向けて(5)酔いにくい過ごし方も一例としてお伝えします。
南海フェリーとは
和歌山~徳島を結びます
南海フェリーとは、和歌山県と徳島県を結ぶフェリー航路であり、地域の人々や観光客にとって重要な交通手段となっています。
紀伊水道を通り、(晴れていれば)美しい島々の風景を眺めながら、快適な船旅を気軽に楽しむことができます。
南海フェリーの特徴の一つは、車がなくても利用しやすい(徒歩乗船)ことです。車を所有していない方はもちろん、車を利用しないで関西圏ー四国を移動する旅行者にとっても、便利な選択肢となっています。
2,200円で乗船できます
徒歩乗船の場合、運賃はわずか2,200円で利用することができます。
また、南海フェリーは運賃に変動幅を持たせていますが、それは自動車を積載する場合です。繁忙期であっても、徒歩乗船での運賃は変わりません。
この安定した運賃設定は、休みがとりにくい利用者にとって予算管理がしやすく、安心してフェリーを利用できるメリットにもなっています。
南海電車+南海フェリーでも2,200円
さらに、南海フェリーでは南海電車とのコラボレーションによるお得なきっぷも提供されています。
具体的には、南海電車の各駅から和歌山港まで電車を利用し、南海フェリーに乗り継ぐと、合計で2,200円になります。
つまり、「電車代がタダ」ということ。
このコラボレーションは、グループである両社の連携により、関西圏ー四国間の移動需要を最大限に拾うほか、地域への観光客誘致や利便性の向上にも繋がっていそうです。
そんな便利でオトクな南海フェリーに焦点を当て、関西圏ー四国を移動しようとしている旅行者にとって少しでも有益な情報を発信してみたいと思います。
必要な情報だけでもいいので、ぜひこの先もご覧ください。
VISAタッチでも2,200円
南海電車と南海フェリーは、どちらもVISAタッチ決済ができます。
乗車駅~和歌山港の運賃をVISAタッチで支払い、続けて同じカードで乗船料金をVISAタッチで支払うと、後日、両運賃を合わせて2,200円になるように調整されるとの情報があります。
私自身による実体験での確認はできておりませんが、ご利用の方は記事最後のリンクからご確認ください。
よくあるトラブル例として「決済するクレジットカードを変えてしまった」などがあり、その場合は割引が適用されません(ってそりゃそうですよね)。
和歌山港のアクセス
南海電車が便利です
和歌山港は南海フェリーの出発港として重要な役割を果たしています。
繰り返しになりますが、和歌山港へのアクセス手段としては、南海電車が圧倒的に便利です。南海電車は大阪難波と和歌山市を主に結ぶ路線ですが、一部列車は和歌山港駅まで乗り入れています。
ただし、南海電車の本数は限られていることに留意してください。間隔が広く空くことがありますので、予定を立てる際には注意が必要です。
ただし、原則として南海フェリーの出発/到着時刻に合わせて電車が運行されていますから、南海電車からフェリーに乗り継ぐ人が困るケースは少ないでしょうし、フェリーから電車に乗り継ぐ人も待っている電車に乗ればOKです。
逆に言えば、「接続時間大丈夫かな?」と思うような状況であっても、それは計算済みのダイヤですから「大丈夫」ということになります。
JR和歌山駅からは離れている
ちなみに、南海電車ではなくJR線を使って和歌山駅に到着した場合は少し厄介です。
和歌山駅から鉄路で向かうことはできません。
代わりに和歌山バスがフェリーの時間に合わせて和歌山港行きの路線バスを運行していますから、利用しましょう。
和歌山港駅は和歌山港と直結
和歌山港駅に着いてしまえばラクです。
和歌山港駅と和歌山港は連絡通路で直結しています。電車から降りた後は、連絡通路を通って和歌山港へスムーズに移動することができます。この連絡通路は、天候の影響を受けずに移動できるため、利用者にとって便利な点となっています。
なお、フェリーのきっぷを有人窓口で購入する場合は注意が必要です。南海フェリーのきっぷは、和歌山港の窓口(和歌山営業所)で購入することも可能ですが、駅から向かうと「見過ごして」しまいやすい場所にあります。具体的には、下の写真のドアから入って下の階に行くと窓口があります。通常は心配ありませんが、混雑時や繁忙期には窓口での購入待ちが発生する場合もあるため、乗船券をお持ちでない場合は、あまり駅で長居せずに、余裕を持って行動することが大切になります。
なお、南海線各駅→徳島港(2,200円)のきっぷをお持ちの場合は、窓口に立ち寄る必要はありません。そのまままっすぐお進みください。
乗り場までは距離がある
和歌山港では、フェリーまでのアプローチが非常に長い印象があります。
途中に動く歩道も整備されていますが、永遠と続く通路を進まなければならないのは、ちょっと嫌だと思う人もいるかもしれませんね。
むしろ私はワクワクしますが。
徳島港のアクセス
鉄道はありません
徳島港は南海フェリーの四国側の出発港です。以下に徳島港へのアクセス方法や利点についてご紹介します。
まず最初に気を付けなければならないのは、徳島港への鉄道の乗り入れはないということ。鉄道を利用する場合、徳島駅から別の交通手段を利用する必要があります。
徳島市営バスが便利
例えば、徳島市営バスが徳島港へのアクセス手段として利用できます。本数も確保されていますが、周辺地域への輸送も兼ねているため、南海フェリーだけに合わせた時刻で運行されているわけではないようです。利用者自身で時間に余裕を持ったバスを選ばなければなりませんね。
バスを利用する際の費用はリーズナブルです。徳島市営バスの運賃は原則として210円均一(一部路線は整理券制です)であり、手軽に移動することができます。さらに、各種QRコード決済も導入されており、現金を持ち歩かずにスマートに支払いができます。ご利用の場合は、バス車内のQRコードをあらかじめ読み取ったうえで、下車時に運転席横で決済するとスムーズでしょう。便利な決済手段を利用して、快適な移動を実現しましょう。
イオンモール徳島まで歩いていける
なお、徳島港周辺にはイオンモール徳島があります。港からイオンモールまでは歩いて15分程度で行ける距離であり、着いてしまえばショッピングや飲食を施設内で楽しむことができます。フェリーの出発前の時間を有効に活用したい方や、到着後に少しゆっくりしたい人にとって、近隣のショッピングモールは魅力的な選択肢となるでしょう。
なお、イオンモール徳島の敷地内からも徳島駅行きのバスに乗車することは可能ですが、平日は敷地内バス停発便は遠回りのルート取りとなります。敷地外バス停(フェリーターミナルから歩いて行けば分かります)の利用がオススメです。
南海フェリー船内の座席
南海フェリーは、いわゆる大型客船のようなフェリーではありません。
和歌山~徳島の移動に特化した必要十分な造りになっています。
船内設備は基本的に自由使用ですが、ドライバーズルームは使えません。また、グリーン席はグリーン券が必要ですが、それ以外の席は自由に選んで使うことになります。
普通席
船首側には2席1組の座席が並んでいます。ここをキャンプ地とする人が多いように見受けられました。
簡易的にリクライニングはしますが、テーブルはついていません。
しかし、この席は船の前方に位置していますから、波が高いときは上下に揺れやすいと思われます。
カーペット席
中央付近にはカーペット敷きのフリースペースがずらりと並びます。
ここでは靴を脱いで地べたに座ったり、横になって過ごすことができますから、グループで過ごすのにはちょうどいいかもしれませんね。
壁際にはコンセントがあるほか、テレビもついています。
一部の区画は女性専用エリアとなっていましたが、ぐるぐるカーテン男子禁制みたいな感じではなく、オープンスペースになっています。
ダイニング席
フェリー後方には、テーブルとイスが並んだダイニングスペースがあります。
窓に向いた席もあり、お一人からグループまで使いやすい造りになっています。
カップラーメンの自販機もありますが、やや足元見がちな価格設定になっていたので注意。
なお、このエリアには売店も設置されていますが、売店の営業は徳島港停泊中のみとなっているようです。
ビジネス席
ダイニング席の近くには、PC作業ができるビジネス席も用意されています。
ここには照明のほか、コンセントも備わっていて、PC作業が捗りそうな椅子も並んでいます。
和歌山~徳島間の移動には2時間以上かかりますから、貴重な時間を活かせる設備として重宝されますね。
ドライバーズ席(使えません)
簡易ベッドの並んだドライバーズ席も設けられています。
なお、この区画はトラック運転手の休憩場所として整備されていますから、徒歩乗船の方は利用できません。
その他設備
その他の設備として、デッキ、トイレ、乳児向け設備(おむつ替え/授乳スペース)、ゲームコーナーなどが用意されています。
お子様連れでも安心してご利用いただけます。
南海フェリーで酔わないために
南海フェリーでも酔うときは酔う
さて、あまりフェリーに乗り慣れていない人にとって心配なことがありますよね。
それが「酔わないのか!?」ということだと思います。
この質問はネット上でも繰り広げられていますが、多くの回答者は「知るか」と言わんばかりに「あなた次第」と返しています。確かにその通りで、もうこれ以上答えようがないんですよね。
でも、保証云々は求めないから「実際どうなのか」と聞きたいんですよね?
はい、では私がバシリと答えますね。
この項目をしっかり読んでいるあなたは、南海フェリーで酔います。
南海フェリーは紀伊水道を通ります。この区間は太平洋から瀬戸内海に通じる波の通り道になっています。もちろん太平洋のど真ん中のような激しい揺れには襲われませんが、淡路島で蓋をされていない区間は波も少々活発になります。
ただし、そんなにビビる必要はありませんから、しっかり対策しておきましょう。
よほど心配であれば酔い止めを飲んだ方が良いですが、そこまでしなくても下記を気にしておけば大丈夫でしょう。
満腹と空腹は避けよう
良かれと思って胃の中を空っぽにして乗船してしまうこともありますが、実は船酔いには空腹が関係していると言われています。
とはいっても、満腹もNG。
負担のかからない程度にお腹を満たしておきましょう。
やさしい飲み物を飲もう
こちらは私の経験上ですが、乗船中の飲み物にも注意です。
アルコールはもってのほか。下船するまで我慢しましょう。
また、ノンアルコールであっても、コーヒーなどの刺激的なものは避けるのが無難。
お茶とかお水とか、優しいものを摂取しましょう。
カーペットで横になろう
船酔いには耳の中にある三半規管が関与しています。
三半規管が体の傾きを察知して、諸々の調整を行っているのですが、その調整と目から入ってくる情報にズレが生じると船酔いを引き起こすと聞いています。
この対策として、目から入る情報をシャットアウトするという方法があります。
これにより、ズレようがなくなります。
カーペットで横になり、目を瞑っておけば大丈夫。到着直前まで寝てしまいましょう。
遠くを見よう
もう一つ、ズレを軽減する方法として、遠くを見るという対策があります。
船内で暇だからと、本を読んだり、スマホをいじったり、PC作業をしたりすると、途端に調子が悪くなります。
フェリー乗船時間は「活かせないもの」と割り切ることも大切かもしれません。
外気にあたろう
残念ながら私が乗船した時は大雨で外に出ることはできませんでしたが、晴れていればデッキに出ることができるようです。
船内の生ぬるい空気から解放され、心も体もシャキッとしますから、外気にあたるのは(他のフェリーでの経験上)オススメできます。
体調を整えて
徹夜明けとか、過度に疲れがたまっている状態だと、船酔いしやすい人が多いようです。
乗船中にゆっくりできる時間がありますが、乗船前から身体の調子を整えておくことが大切です。
まとめ
南海フェリーに乗船し、以下の知見を得ました。
- 南海フェリーは和歌山と徳島を結んでいる
- 南海フェリーの徒歩乗船は2,200円
- 南海線とセットでも2,200円(好きっぷ)
- 和歌山港は和歌山港駅に直結している
- 徳島港は徳島駅と市営バスで結ばれている
- 船内には普通座席のほか、カーペット席、ダイニング席などがある
- 船酔いしやすい人は念のため注意しよう
南海フェリー
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VISAタッチ決済による運賃計算
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和歌山港へのアクセスは南海特急「サザン」が担います。座席指定車がプレミアム車両であれば前面展望も楽しめます。運賃+520円で快適な座席に座れますので、ぜひお試しください。
ではまた。