人気列車の指定席を入手しようとしても、発売開始と同時に満席となって取れないことが多いです。しかし、根気よく見続けていると必ず空く瞬間があります。どれだけこまめにチェックしたかがその後を左右しますので、諦めずに見続けましょう。空きが出る推定理由と時期も書いておきますが、こちらは諸説ありますのでご参考まで。しかし、難易度の差こそあれ、どんな列車でも空きが出るタイミングがあることは間違いなく言えるでしょう。定期運行の新幹線や特急列車であればキャンセルを拾いやすいので、最繁忙期でも直前まで諦めないこと。一方、高割引率のきっぷや定員の少ないイベント列車は難易度が非常に高くなります。
JR線の指定席発売は1か月前の10時
全国のJR線で運行されている新幹線・特急列車・快速列車などの指定席券は、乗車日の1か月前の午前10時に全国一斉に発売開始となります。
窓口で10時打ち
人気列車の指定席を絶対に確保したい場合に、1か月前の午前10時前にみどりの窓口に向かい、あらかじめ必要事項を入力しておいてもらって、10時の時報とともにEnterを押してもらうことを10時打ちといいます。これでも相手が人気列車である場合は全国のマルス端末からアクセスが殺到し、あとは神のみぞ知る展開となります。結果として確保が成功した場合は「マルスの女神が微笑んだ」と言ったりする人もいます。
かつては全国に寝台特急から夜行快速列車まで、優劣を問わず(笑)多種多彩な人気列車が走っていて、多くの窓口で10時打ちがされていましたが、上記のような列車は徐々に下火となっていて、最近では専らイベント列車や割引きっぷの争奪戦になっているように見られます。
しかし、相手が変わってもやることは同じ。10時に打ちに行く。これしか方法はありません…
インターネットで10時打ち
…でしたが、近年ではインターネット予約サイトで、発売開始数日前から事前受付をしてくれるシステムが確立されています。
その点で最も進んでいるのは東海道・山陽新幹線の「エクスプレス予約」でしょう。事前予約を発売日一週間前の5時30分から実施。通常は1か月前の10時に発売開始となる東海道・山陽新幹線の指定席特急券ですが、なんと事前予約分は8時から確保を始めてしまいます。EX-IC会員だけが持つ、いわば“アーリーエントリー”ができる特権なので、最繁忙期と言われる連休シーズンの指定席もスムーズに取れるでしょう。
その他にも、JR東日本の「えきねっと」では発売日一週間前の14時から事前受付をしてくれていて、事前受付した順に、10時からシステムが巡回して指定席を確保していきます。「えきねっと」利用の場合は10時打ちよりは弱くなります。システムの巡回順番が遅くなると指定席の確保に失敗することから、今度は事前受付の競争が発生します。特にダイヤ改正初日に大物列車がデビューする場合などは事前受付開始直後にアクセスが殺到し、サーバーがかなり重くなることもあります。
特別な日でなくても、「えきねっとトクだ値」などの窓口で発売されない割引きっぷの事前予約はインターネットのみとなるため、事前受付開始直後はアクセスが集中しがちです。
10時打ちでも取れないときは取れない
このように、1か月前の午前10時に闘志を燃やす人は少なくありません。
そのため、どんなに頑張っても取れないときは取れません。
窓口でも取れない
窓口で取れなかったときは若干気まずいです。10:00→Enter→(すっとこちらを向いて)満席です申し訳ございません→お世話になりました。こんな流れです。
窓口の方も取りたい気持ちは同じ。10年以上前になりますが、ふと思い立って(当時の人気列車の)ムーンライトながらの指定席券を10時00分30秒頃にふらふらっと申し込みに行ったら、「何でもっと早く来ないんだ!」って怒られてしまったことがあります。ちなみにその飯〇橋駅の駅員さんはものすごい勢いでマルスを操作し、無事に発券してくれましたが…(笑)
それでも、どんなに頑張っても取れないときは取れません。
インターネットでも取れない
東日本在住の私は「えきねっと」を使うことが多いのですが、それでも同じ。人気列車や高割引率のきっぷは取れないことも多く、その時はだいたい10時10分頃に不幸のメールが届きます。
そうか…取れなかったか…
そう思って諦める人が多いのですが…
…大丈夫。まだチャンスはあります。出発直前まで分かりません。
ムーンライトながらの指定席券からカシオペアの寝台券まで、
ポケモントレイン気仙沼号からビューコースター風っこまで、
はやぶさの一番列車から特急ひたち3号の復興一番列車まで、
ありとあらゆる人気列車をキャンセル待ちで拾い続けてきた私がコツ…というかあなたに気合いを入れに来ましたよ。
あとから空席が出る理由
どんな人気列車であっても、そしてどんなに座席数が限られている列車であっても、必ず空くタイミングがあります。それがいつかは分かりませんが、絶対に乗りたいのであれば、そのチャンスを逃してはいけません。
主なキャンセル事由ごとに書いていきます。しつこいようですが、それがいつかは分かりませんので、根気良くチェックするという結論に変わりはありません。少しでもチェックするモチベーションに繋がってもらえればという気持ちで列挙していきます。
10時打ちにまつわる取消
間違えて二重に取ってしまった人の取消
10時打ちをするのはみんな同じですが、そのやり方が”派手”な人も中にはいます。グループで複数の駅に散って申し込みをしたり、インターネットからみんなで事前予約をして10時を迎え、ふたを開けたらいくつも取れちゃったというパターンです。
その人たちも体は一つなので、重複した分は開放することになります。
そこを取りに行きましょう!
開放されるタイミングは、発売開始日~3日以内くらいが多いと思います。
指定席の未受取による取消
駅にもよるかもしれませんが、事前に駅へ10時打ちを申し込んでおきながら取りに来ない”ちょっと失礼”な人もいるようです。
この場合、確保した指定席はシステムに戻されます。
そこを取りに行きましょう!
開放されるタイミングは、発売開始日(夜間)~その翌日くらいが多いと思います。
ちなみに、近年では事前受付をしてくれる駅は少なくなっていますので、それに伴って未受取による取消も少なくなっているように思います。
旅行会社の枠の開放
旅行会社が主催するツアー用に指定席が振り分けられているケースがあります。
旅行会社が発売するプランへの申し込みが多ければ売り切ってしまいますが、プランへの申し込みが芳しくない場合は一般向けに返却されることがあります。この場合、いきなり空席が一気に増えることになります。
そこを取りに行きましょう!
開放されるタイミングは全く分かりませんが、開放された場合はしばらく空席が残りますので、取りやすいケースだと思います。
旅行会社が押さえている分かりやすい例では「こだま」が挙げられます。さすがに「こだま」は人気列車には当たりませんが、ぷらっとこだまという旅行商品向けに指定席の一部区画がすべて満席扱いになっているケースがあります。
乗れなくなった一般人の取消
みんな人気列車に乗りたいのは同じですが、様々な事情によって乗れなくなってしまう人はいます。
用事ができてしまったケース
用事ができてしまった場合、その指定席券は別の列車に変更するか払い戻されることによって開放されます。
そこを取りに行きましょう!
開放されるタイミングは人それぞれですが、だいたい乗車日2週間前からチラホラ出てきて、乗車3日前から活発になり、発車直前まで続きます。
体調を崩してしまったケース
せっかく乗る予定だったのに体調を崩してしまうケースもあるでしょう。こればかりは理由が理由だけに喜べませんので…
「そこを取らせていただきます。」
と控えめに書きますが、取れたらとりあえず喜んでください。
開放されるタイミングは、だいたい3日前から当日にかけてです。
満席だったはずの列車に乗り込んだら空席が目立った…なんてことがあるのは、体調不良や突然の都合で直前に乗れなくなってしまうケースがあるためと思われます。一番列車の場合は単にきっぷが欲しいだけで乗らないというケースもあるようですが…
転売屋によるきっぷの取消
人気列車の指定席は転売屋に買い占められてしまう例も少なくありません。そこは心を鬼にして、転売屋に倒れていただきます。転売が成立しなければただの紙となりますので、そうなる前にそのチケットは取り消されることになるでしょう。
そこを取りに行きましょう!
開放されるタイミングは、空き状況の変化が活発になる乗車日3日前くらいなのかなと推定しますが、その変動が本当に転売屋によるものかどうかは定かではありません。かつて、寝台特急のプラチナチケットやムーンライトながらなどの取りにくい列車が走っていたころは転売屋も横行していたようですが、今では下火になっているように感じます。
…と、理由や開放時期には私見が入ってしまいましたが、空くタイミングは必ずあるということだけは言えると思います。
頑張って取りに行きましょう!
空きやすい列車と空きにくい列車
こまめにチェックすれば必ず取れるタイミングがあることはお伝えした通りです。
ただ、その難易度は列車によって異なり、すんなり取れてしまうものから難易度の高いものまで様々です。
以下に一例を示します。
新幹線や特急(定期列車)
通常のきっぷ
コロナ禍では利用者が減少しているものの、最近では行動制限がかかりにくくなっている一方で、利用者の減少を織り込んだ減便も行われていますね。
毎日走っている新幹線や特急列車は、週末を中心に混雑し、連休になると満席になることもあります。早期に諦めて自由席に並んだり、デッキに立つ選択をする人もいますが、もし座りたいのであればこまめにチェックすれば必ず取れると言っても過言ではないでしょう。
座席数が多く、どこかの席の予約状況が常に流動していますので、新幹線や特急列車は最も取りやすい部類に入ると考えていいでしょう。
割引のきっぷ
ただし、割引のきっぷとなると話が変わります。
例えば東海道新幹線の「EX早得」や東北方面の「えきねっとトクだ値」などの場合、その割引率が大きいものに関しては1か月前の午前10時に売り切れたら最後というケースもあります。
これは、当該の割引予約を所持している人が都合により乗れなくなって変更をかける場合、その操作は乗車当日まで受け付けてくれるのに対し、割引きっぷの発売は数日~数週間前に終わってしまうことが多いためです。割引きっぷが取り消されたとしても、その時点で発売を終了されているため、拾うことができないんですね。
極めて難易度が上がりますので、割引のきっぷを手にしたい場合は1か月前に決着がつくと考えたほうがいいでしょう。
新幹線や特急列車(臨時列車)
厳密には「取消を拾いに行く」とは別ですが…
新幹線や特急列車の指定席が全く取れないほど大盛況な売れ行きであれば、鉄道会社側が可能な限りの増発を検討します。
増発の判断は2~3週間前まで後ろ倒しになることがありますが、決定されれば大量に空席が供給されることになります。
人気のご当地列車や寝台列車
全国を走り回っているご当地列車。JR東日本管内だけでも「海里」や「ポケモントレイン」、「HIGH RAIL」などが挙げ始めるとたくさんあります。
これらの列車が満席になった状態からキャンセルを拾おうとすると、定員か少なく座席数が限られる列車が多いために、新幹線や特急列車よりは難易度が上がります。
それでも諦めるのはもったいない。
私も旅の計画が直前になることが多いため、あらゆる列車の指定席券をキャンセル拾いで乗車しています。
あっ、唯一の定期寝台列車「サンライズ瀬戸・出雲」に関してもキャンセル拾いしやすい列車に部類されると思いますよ。私はサンライズのキャンセル拾いは未経験なので偉そうに書けませんが…
イベント列車
突発的に走るイベント列車となると、難易度は格段に上がります。
これらの列車が満席になった状態から取消を拾おうとしても、取り消す判断をする人が少ないので難易度はかなり高くなります。
それでも、「リゾートやまどり」や「E653系K70編成(国鉄復刻カラー)」などの座席の供給量が多い車両で運行される場合は、比較的取りやすいでしょう。
また、最近ではイベント列車の特急化が進み、乗車コストが上がっています。特急券代がかかるほかに、青春18きっぷなどとの合わせ技ができなくなっている事情から、鉄道ファンから敬遠されている一面があります。その影響があるのか、最近では空席が出やすいか、そもそも残っている傾向があるように見られます。
まとめ
指定席が満席でも諦めないでチェックしましょう。
- 人気列車の指定席は争奪戦になる
- 10時打ちをしても失敗するときっは失敗する
- 根気よくチェックすると取れることが多い
- 大人気イベント列車や割引きっぷは難しい
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ではまた。