東急新横浜線には加算運賃(70円)が設定されていて「高い」というイメージがついています。それでも「新幹線よりは安い」ので、新横浜駅まで「のぞみに先回り」して、東海道新幹線のコストを節約してみましょう。東急沿線はもちろん、山手線内や(東京の)地下鉄沿線からでも新横浜駅の利用がオトクになっていますよ。
東海道新幹線と東急新横浜線
東海道新幹線の役割
東海道新幹線は、東京と大阪を結ぶ高速鉄道であり、日本において最も重要な鉄道路線の一つです。
東海道新幹線は、1964年に日本で初めてとなる新幹線として開業。以来、高速・快適・安全な旅を提供してきました。
東海道新幹線の「のぞみ」に乗車すれば、東京と大阪をわずか2時間半で移動することができます。これにより、東京と大阪をはじめとする各都市間の移動が大幅に短縮され、ビジネスや観光などでの移動がしやすくなりました。
また、大動脈が開通したことで、沿線地域の活性化にもつながっています。これまでは困難とされてきた、小田原~静岡付近から東京方面への通勤も可能になっており、事実「三島から遠距離通勤・通学している人」を東京の大学や企業で何人も見てきました。
東海道新幹線は、東京や大阪を起点にした東西の移動を支える大動脈として、これからも重要な役割を担っていきます。
東急新横浜線の役割
東海道新幹線の重要経由地となる「新横浜」を舞台に、新しい鉄道路線「東急新横浜線」が開業しました。
東急東横線(目黒線)の日吉駅から新横浜駅に至り、新横浜駅では「相鉄新横浜線」と相互乗り入れをしています。
東急新横浜線の開業により、以下の点が便利になりました。
- 東急東横線・東急目黒線沿線と新横浜駅が直結した
- 相鉄線沿線から東急沿線へ乗り換えなしで行けるようになった
- 相鉄線沿線から東京メトロ・都営地下鉄各線へ行きやすくなった
リストにしてしまうと相鉄線への効果が大きいようにも見えますが、東急沿線の人にとっては
「東急東横線・東急目黒線沿線と新横浜駅が直結した」
これに尽きるでしょう。
日本の東西の大動脈・東海道新幹線と東急線は、この開業によって初めて繋がりました。
これまで「何となく相性が悪かった」東急線と東海道新幹線。
ちょっと不便だった両線を繋ぐ希望の光となったのです。
東急新横浜線には「加算運賃」あり
そんな東急新横浜線ですが、運賃の点では「加算運賃」という弱みがあります。
東急線の鉄道運賃は距離に応じて設定されているのですが、東急新横浜線の新綱島~新横浜間を利用した場合には、問答無用で加算運賃(70円)が追加でかかります。
東急新横浜線加算運賃:70円
そのため「そんなに乗っていないのに高い」というイメージが付いてしまう。
例えば、日吉から横浜までは10.6kmあり、運賃は230円。まぁ妥当ですよね。
一方、日吉から新横浜までは5.8kmしかないのに、運賃は250円。
あれ?横浜行くより近いのに高い…
渋谷から新横浜に至っては、運賃は360円もします。
それでも東急沿線から直通で行けるのは便利で快適なのですが、山手線からであれば今まで通り品川の利用がベストですね…
そんな感覚が芽生えてしまうことも!?
う~ん、でもどうでしょうか。
東急新横浜線は「新幹線より安い」
東海道新幹線で西に行くとき、東京・品川・新横浜から乗車駅を選ぶことになりますよね。
そのとき「どこを選んでも同じ値段でしょ?」って思っていませんか?
これ、違います。
東海道新幹線の運賃や料金も、乗車した距離に応じて計算されるのが原則となります。
つまり、西に向かう場合は品川よりも新横浜の方が安価になることが多いのです。
どれくらい安くなるかというのは「どこまで乗るか」によって異なりますが、例えばEX-ICを利用する場合は、その差額は0~730円となります。
例えば名古屋まで行く場合、品川を捨てて新横浜に向かうと、新幹線代金が660円も安くなります。
新幹線代金が660円も安くなるのであれば、東急新横浜線の加算運賃なんて誤差範囲ですよね。
出発駅から品川までの運賃と新横浜までの運賃を冷静に比較し、その差額が新幹線代金の差額を下回るのであれば、東急新横浜線の加算運賃を支払ってでも新横浜に向かった方が安価ということになります。
山手線沿線から活用できる東急新横浜線
渋谷発着の場合
例えば渋谷駅から名古屋駅に向かう場合。
渋谷から品川までの運賃は178円ですが、品川ー名古屋間の新幹線代金がかかります。
一方、渋谷から新横浜に向かうと運賃が358円もかかってしまいますが(高い…)、しかし新幹線代金は新横浜ー名古屋間でOKです。
先ほども話をしたように、名古屋までの場合は品川よりも新横浜の方が660円も安価になるわけですから、新幹線駅までの運賃差は完全に回収できてしまうことになります。
新宿発着の場合
この効果は東急沿線を離れても続きます。
新宿発着の場合にも同じ考え方が応用できます。
新宿から品川までの運賃は208円ですが、品川ー名古屋間の新幹線代金がかかります。
一方、東急新横浜線の直通列車は副都心線に乗り入れていますから、新宿三丁目駅が利用できます。新宿三丁目から新横浜に向かうと運賃が523円もかかってしまいますが、しかし新幹線代金は新横浜ー名古屋間でOKです。
繰り返しとなりますが、名古屋までの場合は品川よりも新横浜の方が660円も安価になるわけですから、新宿発着の場合でも完全に回収できてしまうことになります。
地下鉄から活用できる東急新横浜線
北千住発着の場合
極端なところに行ってみましょう。
東京メトロの端のほう、北千住発着だとどうでしょうか?
北千住から東京までの運賃は230円(JR線経由)ですが、東京ー名古屋間の新幹線代金がかかります。
一方、北千住から新横浜まで東京メトロ+東急線で向かうと運賃が610円もかかってしまいますが、しかし新幹線代金は新横浜ー名古屋間でOKです。
名古屋までの場合は東京よりも新横浜の方が660円も安価になりますから、新幹線駅までの運賃差は完全に回収できてしまうことになります。
迷ったら新横浜に行け!東急新横浜線
武蔵小杉発着の場合
逆に…両駅の接近戦だったらどうでしょうか?
東海道新幹線に素通りされる武蔵小杉駅は、新横浜にも品川にも行きやすいですよね。
武蔵小杉から品川までの運賃は178円ですが、品川ー名古屋間の新幹線代金がかかります。
一方、武蔵小杉から新横浜に向かうと運賃が297円もかかってしまいますが、しかし新幹線代金は新横浜ー名古屋間でOKです。
このように、「高い」というイメージが付いてしまっている東急新横浜線ですが、新幹線に乗るのであれば節約効果が見込める路線です。
もう、高いとは言わせない。
ガンガン使っていきましょう。
東急新横浜線活用による節約の注意点
品川と新横浜の差額は目的地により異なる
これまでの例題では名古屋に向かうことを想定して書いていましたが…
新大阪まで行く場合は、差額は330円に縮小します。
この場合、品川までの運賃と新横浜までの運賃が330円以上開いてしまうケースでは、品川を利用した方が安かった…ということになります。
また、福山などの場合は品川と新横浜で同額となります。
新幹線の代金は運賃と特急料金に分かれていて、それぞれが段階的に上がっていきます。そのため、駅によって大幅に上がることがある一方で、差額が発生しないこともあるのです。
新幹線代金を確認して判断することをオススメします。
繰り返しとはなりますが、EX-ICを利用する場合の差額は以下の通りです。
新幹線に「紙の乗車券」で乗る場合は条件が変わる
上記の比較は新幹線にEX-ICで乗車する場合に着目していました。
実際には「紙の乗車券」で乗車するケースも多いでしょう。
201kmを超える紙の乗車券を発券すると「品川」ではなく「東京都区内」となります。
この場合、例えば渋谷から品川まで移動して新幹線に乗車する場合、渋谷→品川間は追加運賃が必要となりません。
このように、条件によっては品川から乗車したほうが有利となることがあります。
自由席なら座れないかも
東海道新幹線にはすべての列車に自由席が連結されています。
もし自由席で移動し、かつ希望の席に座りたいというのであれば、新横浜の時点で席が埋まっている可能性があります。
この場合は、(着席に対する価値観は人それぞれですが)東京駅から乗車する選択肢も考えましょう。
まとめ
東急新横浜線を活用した東海道新幹線の料金節約に関して、以下の知見を得ました。
- 東急新横浜線には70円の加算運賃が問答無用でかかり高い印象がある
- 東海道新幹線に乗車する場合は品川と新横浜で料金差がある
- (高いイメージの)東急新横浜線に乗ってでも新横浜に行った方が安いケースが多い
ではまた。