【竜飛海底駅】青函トンネル内で下車した記録。今でも体験坑道まで行けます。

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鉄道
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北海道新幹線が通る青函トンネルには、かつて2つの海底駅がありました。本来の目的は緊急避難場所としての設置でしたが、竜飛海底駅では2013年までツアー参加で途中下車も可能でした。この記事では、ツアーに参加して竜飛海底駅に降り立った当時の記録をご紹介します。今では竜飛海底駅で降りることはできませんが、地上の「青函トンネル記念館」から海面下140mまで見学に行く「体験坑道」のツアーがありますので、併せてご紹介します。

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竜飛海底駅とは

本州と北海道を結ぶ青函トンネル。

1988年開業。すでに古いトンネルに分類されますが、北海道新幹線に乗ると「青函トンネルに入りました!!」と興奮気味にテロップが流れることからも、いまだに特別な関所として魅了されていることが分かります。

その途中には、緊急時に地上へ繋がる緊急避難場所が2ヵ所あります。本州側が竜飛定点、北海道側が吉岡定点と言われています。

かつてそれらの避難場所は駅として機能していました。

本州側が竜飛海底駅、北海道側が吉岡海底駅として設置。

そのうち本州側の竜飛海底駅は2013年まで営業が続けられました。

実際には通常の駅として自由に利用できるわけではありませんでしたが、見学ツアーに申し込むことで誰でも下車が可能になるものでした。

津軽海峡線に普通乗車券のみで乗車できた快速「海峡」が廃止された後も、特急列車が竜飛海底駅に停車。見学客の対応を続けていたのです。

しかし、北海道新幹線の開業に向けた準備が進む2013年に、客扱いが廃止になりました。

これ以降、緊急時を除いて乗客がこの駅で降りることは無くなりました。

この記事では、
・2010年に竜飛海底駅を訪れた際の記録
・今でも青函トンネルの坑道に行く方法
を共有しますので、興味のある方は先にお進みください。

竜飛海底駅の紹介

繰り返しとなりますが、今では竜飛海底駅に降り立つことはできません。当時の記録としてご参照ください。

竜飛海底駅で降りるには

竜飛海底駅で降りるには、見学に申し込む必要がありました。

見学券(2,040円)は全国のみどりの窓口で購入可能でしたが、見学コースによって到着列車と出発列車が決められ、ツアー中は常にガイドの指示に従いながら行動することになります。

私は函館から入り、青森に抜けるコースを選択しましたが、その逆や、とんぼ返りのプランもありました。

指定された列車に乗らなければ、見学ツアーに参加することが出来ませんでしたので、乗り遅れ厳禁です。

しかも、2号車のドアだけが開くという点も注意が必要でした。

竜飛海底駅で降りた後

特急白鳥で下車した光景がこちら。

坑道の先に特急列車が見えます。

特急列車から下車した後は、地上に出るまでの間、単独行動は出来ませんでしたが、むしろ単独行動させないでくれ、置いて行かないで…という気分にもなります。

列車が去った後は線路を見せてもらうことが出来ました。ここを今では新幹線が通ります。

「駅」ですから、駅名標も明示されています。

2022年となった今は、竜飛海底はもちろん、吉岡海底も津軽今別も現存しません。

本坑(列車が通るメインのトンネル)の横に小さいトンネルが並行して掘られていて、緊急時はここを通って近くの北海道側出口・本州側出口・吉岡海底駅・竜飛海底駅のいずれか最も近いところに避難することになります。

乗客の一時避難場所として利用されるスペースには、ベンチやトイレもあります。便所使用禁止ということからも、非常時用の空間・設備であることが分かります。

立ち入り禁止の先も、ずーっとつながっています。

10年後の未来を予測していたのか、消毒液も設置されていました。当時は珍しい光景だったので、写真に収めたのだと思います。

ちなみにここは海面下140mの場所です。

地上まではケーブルカーで向かいます。

非常時は階段で登ることもできる設計になっていて、その段数は約1300段。あの土合駅の約3倍となります。

出口は青函トンネル記念館に併設されています。

このツアーに参加すると、記念館の見学も可能となるほか、外に出ることもできます。

階段国道で有名な国道339号線も近いです。

時間になったらホームに戻ります。

帰りの電車も指定されていて、このツアーではスーパー白鳥22号で八戸方面に向かいました。

2010年当時は「竜飛海底駅の廃止」は発表になっておりませんでした。

しかし、常識的に考えて新幹線を停車させることは絶対にないだろうと、誰もが想像していました。

実際に廃止になったわけですが、上の写真でカメラを構えている人たちも「ここに来るのは最後だろう」と思っていたはずです。

行けるときに行っておいて、本当に良かったです。

体験坑道までは今でも行ける

ちなみに、青函トンネル記念館は今でも営業が続いていて、併設されるケーブルカーも乗車できるようになっています。

ケーブルカーに乗ると、体験坑道(ホームの手前)までは行くことができます。

青函トンネル記念館と合わせて見学すると学びになるでしょう。

青函トンネル記念館やケーブルカーの利用には料金がかかります。

チケット料金
※( )はこども料金
青函トンネル記念館400円(200円)
体験坑道(ケーブルカー)1,200円(600円)
上記のセット券1,500円(750円)

体験坑道のツアーは40分ほど。

鉄道ファンでなくとも密度の濃い時間を楽しめると思いますので、一生に一度は参加しておきましょう。

まとめ

青函トンネル内にかつて存在した「竜飛海底駅」について、以下の知見を得ました。

  • 2013年までは実際に下車することができました
  • 実態は避難場所ですが、「駅」として駅名標も置かれていました
  • 地上まではケーブルカーで結ばれていました
  • 今では体験坑道まで行くことができます

ホームまで行けないのは残念ですが、体験坑道も楽しいので、ぜひ行ってみてください。

青函トンネル記念館
>> こちら

青函トンネルを通る北海道新幹線についても記事化しております。貨物列車との供用区間について言及しておりますので、ぜひご覧ください。

ではまた。

編集後記
青函トンネルっていつから作られたかご存じですか?開業は1988年ですが、着工は1961年だそうです。当時はまだ東海道新幹線も開業していませんでしたが、既に「青函トンネルには将来的に新幹線も通す」ことを計画し、新幹線の規格にも対応できるようにトンネルのサイズを決めました。この時の判断が誤っていれば、北に向かう新幹線の終着駅は青森。そこから先をどうやって進めるか、今になってもめることになっていたかもしれません。もう1本掘るのか、ミニ新幹線にするのか、はたまたリレー方式にするのか…そして自治体の費用負担はどうするのか…いばらの道だったと思います。未来を予測するって、大切ですね。

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