秋田新幹線「こまち」グリーン車が物足りないという人へE5系車両との乗継のご提案

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鉄道
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秋田新幹線「こまち」に使われるE6系のグリーン車利用はお世辞にもおトクとは言えない選択。なぜそう言われるのか、車両の構造上やむを得ない理由をお伝えするとともに、東京→秋田間のグリーン車利用についての別案をご紹介します。

2022年3月12日以降の時刻・料金体系で記載しています。

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秋田新幹線「こまち」の予備知識

秋田新幹線について

秋田新幹線は、東京~秋田間を結ぶJR東日本の新幹線です。

厳密には、盛岡~秋田間のみが秋田新幹線と呼ばれる区間で、東京~盛岡間は東北新幹線を走るのですが、旅客案内上は東京~秋田の全区間に対して秋田新幹線という呼称が使われています。

そんな秋田新幹線を走るのが「こまち」(E6系)という車両。

一見、緑色の「はやぶさ」(E5系)の塗装を変えただけでは!?などと思われがちですが…

両者には大きな違いがあるのです。

この後の記述では見出しを除き、こまち車両はE6系、はやぶさ車両はE5系と書きます。

「はやぶさ」(E5系)との違い

E5系とE6系の一番大きな違いは、座席配置にあります。

E5系は一般的な新幹線の車両なので「2列-3列配置」なのですが、

出典:えきねっと(座席指定画面のキャプチャです)

E6系は車体幅の狭い小さな車両なので「2列-2列配置」なのです。

出典:えきねっと(座席指定画面のキャプチャです)

なぜこんなことになるのかというと…秋田新幹線の盛岡~秋田間は在来線の線路を走るからなのです。

仮にですが、普通の新幹線が在来線の線路を走ったら車体をホームやトンネルにこすりつけることになります。

そうならないために、秋田新幹線に使用されるE6系車両は幅が在来線と同じになっています。

車体幅の違い

E5系の車両は3350mmです。これに対し、E6系は2945mm。

…って言われても分かりませんよね。

新幹線のホームでは車体との間に隙間ができてしまうので、写真のような足場が出てくるようになっています。逆に言えば、この足場×2に相当する幅分だけ、E6系は小さくなっているんですね。

…と言えば、伝わるでしょうか。

E6系の普通車は「大人気!」

ここまでの予備知識、よろしいでしょうか!?

ここから先は、車内の話になります。みなさんお察しの通りかとは思いますが、新幹線に乗るときには2-3列よりも2-2列の方が良い感じがしますよね。

こう思うのは自然で、E5系+E6系で運転される自由席主体の「なすの」などでは、E6系車両である12-17号車が人気です。東京ー仙台間の利用であっても、わざわざ「こまち」を指定してきっぷを買う人もいます。

でも、これは普通車の話です。

E6系のグリーン車は「…」

グリーン車の場合は、まるで状況が変わってきます。

座席の様子

グリーン車については、E6系はいろいろ言われています。酷評が多いです。

確かに重厚感のあるシートに見えますし、実際に座ってみれば落ち着く座席であることは間違いありません。座席前後の間隔も普通車よりは広いので「ほぼ普通車!」と言い切るのはやりすぎです。ただ…

こじんまりとした空間に所狭しと並べられている座席…

「普通車でもいいかも!?」

程度には思ってしまいますよね。いや、単に個人の感想なので皆さんは違うかもしれませんが。

乗車率も高い

しかも、乗車率が高いために混雑を回避することができません。

よく「グリーン車は環境を買っているんだから座席はそこそこでいいんだ」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、本数が少ない割に利用者が多く、グリーン車の座席数が極端に少ない「こまち」には、「金で環境を買う」は通用しません。

「こまち」に限らず「環境を買う」着眼点でグリーン車を選択するのはよくある失敗例。せっかくグリーン車を選んだのに、子連れが…おばちゃんが…おじさんが…と、ネット上の匿名コメント欄にはきりがないほどの愚痴が並びますが…それはあなたの間違い。

グリーン車を選択する際には、制御不能な周りの環境を期待するのではなく、座席という設備に対して期待すべきなのです。

それなのに、E6系のグリーン車は応えられているのかな…!?

あとは読者の皆さんが感じることでしょうから、明言は避けますが。

車体幅の関係でやむを得ない

グリーン車が手狭に感じてしまうのは車体幅が関係しています。

E6系の車体は普通車でも2列-2列が限界なので、そこに2列-2列のグリーン車を入れようとすると、どうしても幅は広げることができません。

一部では1列-2列にすればいいのではないか?という意見もあり、私もそれが実現できるのであれば大賛成なのですが…

乗車率が高いことを考えると…やっぱり詰め込んじゃいますよね。

E5系グリーン車は「快適」

対して、はやぶさに使われるE5系はかなり快適な部類に入ります。

ドーン!と構えるE5系のグリーン席。それもそのはず。

E5系のグリーン車は、車体幅がE6系よりも広いのに、E6系と同じ2列-2列

両者を比べれば違いは明確なのです。

よって、どうせ乗るならE5系がいい。しかし、秋田に行くことはできません。

東京→秋田間のグリーン車活用術

ここから先は肩の力を抜いて読んでほしいです。あくまで鉄道旅行を楽しみたい!という人向けに、選択肢のご提供を差し上げています。普通の人は何も考えずに普通車へ、お金が有り余っている方は何も考えずにグリーン車へどうぞ。

E5系とE6系を乗り継ごう

グリーン車の料金って、E5系でもE6系でも同じです。ということは、可能な限りE5系を選択した方がいい、ということになります。

さらに、東北新幹線・秋田新幹線(東京~秋田間)では、新幹線の改札を出ない限り、複数の列車を乗り継いでも1列車としてみなし、通し料金で計算する特例があります。

例えば仙台や盛岡でE5系(やまびこやはやぶさ)とE6系(こまち)を乗り継いでも料金は変わらないということ。

融通の利かない新えきねっとでは、下記に示すきっぷは買えなくなってしまいましたが、窓口に行けば発券していただけます。

乗車する列車を紙にまとめた上で列に並びましょう。

注意:株主優待券利用のため、金額は4割引きになっています(通常料金は異なります)乗車日3/7(料金改定前)

やまびこ・こまち乗り継ぎ(推奨)

東京→仙台間を先行する「やまびこ」グリーン車で逃げて、仙台→秋田を「こまち」グリーン車に乗れば、少なくとも東京ー仙台間は快適なE5系グリーン車を堪能することができます。

この方法は私もやっています。正確には、東京→盛岡を「やまびこ」に、盛岡→秋田を「こまち」にするルートなのですが、盛岡駅での待ち時間が長くなる傾向があるので、一般には仙台乗継をおすすめします。

乗り継ぎの一例

下りの場合は仙台駅、上りの場合は盛岡駅で乗り換えると、比較的待ち時間の少ないスムーズな乗り換えができます。

さらにケチ臭いことを言うと、東北新幹線区間はやまびこを選択した方が特急料金が安くなります。

はやぶさ・こまち乗り継ぎ(非推奨)

はやぶさとこまちは東京ー盛岡間で連結して運転されます。東京→盛岡間は「はやぶさ」グリーン車を利用し、盛岡→秋田を「こまち」グリーン車とすれば、少なくとも東京→盛岡間は快適なE5系グリーン車を堪能することができます。

所要時間も変わらない効率的なルートですが、私は未経験です。というのも…

はやぶさ→こまちの乗り換えは慌ただしくなります。9号車から11号車まで2分での乗り換えが必要ですので、乗客が多い場合は早めにデッキに立ってスタンバイが必要。また、乗継時間の関係から発券いただけない可能性もありますので、要相談です。

そういうのが面倒なのと、せっかくグリーン車を使うのに早くついてしまってはもったいないので(笑)、やったことがないんですねぇ。

E6系グリーン車も好きです

そもそもね、これ、普通車が快適すぎるんですよね。

そのような背景を無視してグリーン車を酷評しすぎてしまいましたので、最後にフォローさせてください。

私はE6系「こまち」のグリーン車も好きですよ。幅の狭い秋田新幹線ですので、もちろん座席幅という面ではE5系にはかないませんが、

どしりとした座席構え。

全自動で動くフットレストに、読書灯。(※読書灯は普通車にもあります)

最前列であれば、大きなテーブルとひじ掛け横のテーブルをダブルで使えます。(※普通車でも最前列のテーブルは大きいです)

テーブルの上は片づけましょう

座席幅に制限がある中で、こんな快適な空間を作り出したデザイナーさんには頭が上がりません。

ぜひ、E5系と乗り継ぐにしろ、全区間E6系を利用するにしろ、E6系新幹線のグリーン車を心ゆくまで堪能してほしいと思います。

まとめ

秋田新幹線こまち(E6系)のグリーン車を利用し、以下の知見を得ました。

  • 快適だけど…幅が狭い
  • 途中駅でE5系新幹線に乗り換えても料金は変わらない
  • ダイヤの関係上、やまびことの併用がオススメ
  • E6系のグリーン車も快適ですよ

2022年3月12日に値段が上がった(正確には下がっていた分が戻った)快適なグリーン車。

賢く使って楽しい鉄道旅を。

ではまた。

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