現在、えきねっと限定で50%引きなどになる「えきねっとトクだ値」が発売されていますが、ピッタリ半額ではありません。すごく細かい話ですが、その理由に迫ります。
えきねっとトクだ値
JR東日本やJR北海道、一部のJR西日本で発売されている「えきねっとトクだ値」は、インターネットから予約できる新幹線や特急列車の割引きっぷです。
多くは「乗車券と特急券のセット」で、このきっぷ1枚で特急等にそのまま乗ることが出来ます。
最大50%引きというインパクト抜群なきっぷには予約期間の制限があり、3週間前に締め切られてしまいます。計画的な旅行がミソとなります。
ただ、このきっぷがすごいのは「券売機で受け取る前であれば予約変更がほぼ自由」であるということ。仮に出発当日に都合が悪くなっても、受け取り前であれば一切手数料を支払うことなく他の列車に変更することが出来ます。
ただし、変更先の列車にトクだ値の設定がなければ通常料金になります。
出発当日は「えきねっとトクだ値」の設定はありませんので、むやみに変更をかけると割引がきかなくなる分もったいない、ということになります。よほどの事情がない限り変更せずにそのまま乗車した方が良いです。
計算が合わない?
さて、ここからが本題です。
私が良く使う常磐線特急ひたちの「仙台→水戸」間は、通常料金が7,060円で、えきねっとトクだ値50%引きの割引きっぷで3,520円となります。
不思議ですよね。7,060円の半額は3,530円のはずです。
この差って、どこからきているのでしょうか?
JRの割引計算方法
こども運賃は大人の半額です。大人運賃が200円なら、こども運賃は100円。
さて、大人運賃が190円の場合、こども運賃は95円になりますが、10円未満の端数は四捨五入したり、切り捨てたりします。大部分の会社では四捨五入して切り上げますが、JRの場合は切り捨てます。よって、上記の場合のこども運賃は90円となります。
大人-こどもの計算に限らず、割引の計算をする際は切り捨てるのが基本となっているようです。ここで差が出たのかな?と思えれば、正解にかなり近づいていますがあと一歩。
7,060円の半額は3,530円、まだ計算合いません。
運賃と料金を分けて計算
えきねっとトクだ値の割引は運賃と料金を分けて計算しています。
きっぷをよく見ると気付きます。他の記事からの引用なので、余計なものが映り込んでいてすみません。
合計金額3,520円の隣に【内訳:乗2250 特1270】と書かれています。運賃(乗車券)相当額が2,250円、特急料金相当額が1,270円という意味です。
仙台→水戸の運賃4,510円の半額が2,255円で、10円未満を切り捨てて2,250円。
仙台→水戸の特急料金2,550円の半額が1,275円で、10円未満を切り捨てて1,270円。
その合計額が3,520円、という計算です。
運賃と料金を別々に計算し、それらがたまたま10円未満切り捨て(5円引き)の対象になったため、半額以下のきっぷとなっていたのです。
分けて計算する背景
ではなぜ、運賃と料金を分けて計算するのか?
その答えは「遅延時の払い戻し計算のため」と考えられています。新幹線や特急列車が120分以上の大幅な遅延をした場合、特急料金を全額返金する規則があります。
一方、運賃については「目的地に輸送する対価」のため、遅延による返金は一切ありません。
この規則は「えきねっとトクだ値」にも適用されますので、特急料金部分の返金額を明確にするため分けて計算されていると考えられています。
まとめ
えきねっとトクだ値の割引額は、最大10円の誤差が出ます。運賃と料金を分けて計算したのちに合算することで生じる誤差を拾っています。
JRの場合は端数切捨ての計算をしていますので、「〇〇%引き」が過大な表示額となることはありません。
最大50%引きとなるえきねっとトクだ値を活用して、おトクな旅を楽しみましょう。