子どもが大切にしていた「ニモ」のぬいぐるみを連れて特急「ひたち」で仙台に行くとき、乗車駅で線路に落としてしまいました。その後、手元に戻るまでの一部始終をお伝えします。
ニモを線路に落とした
事の発端
2020年8月某日、我々家族は仙台の親戚宅に行くため、水戸駅からの特急「ひたち13号」特急券を確保していました。
改札を抜けて3・4番線ホームに降りると、3番線には14:10発の高萩行きが停車しており、水戸にて14:07発の仙台行き特急「ひたち13号」を先に通すダイヤとなっていました。


エスカレーターを降りて3号車付近に向かっているときのこと。
何を思ったのか、娘(4)は、手に持っていたニモを前方に投げ出したのです。
おそらくは投げたのではなく、何かの拍子に手が滑ってしまったんだと思います。
ニモはワンバウンドしたのち、停車中のE501系の車体に体を強打したうえ、ホームと車両の隙間に吸い込まれていきました。


ニモーーーー!!!
事態をすぐに理解した娘は大泣き。
時刻は14:05。我々が乗る特急は14:07に出発。しかも、特急が出た後でないと、高萩行きがホームを離れることはないので、救出もできません。

仙台行きの特急は1日3本しかない。
これは、仙台行きを諦めるか、ニモを諦めてもらうしかない。
どちらを選ぶも地獄の絶体絶命。究極の選択を2分ですることになったのです。
車掌さんの助け舟
事態を理解してくれた高萩行きの車掌さんが、ある提案をしてくれました。
水戸には戻られますか?(ー戻ります)
それであれば、お客様はそのまま特急にご乗車ください。
特急列車と普通列車が発車した後に拾ってもらえるよう、関係部署に連絡します。
どん底の我々の前に、とても優しい天使が現れました。
ご迷惑をおかけいたします
特急列車は5分程度遅れていて、その間ホームで待っていました。
本来の普通列車の発車時刻を過ぎる頃、制服を着た駅員さん2人とヘルメットを着けた保線区の方が1人、ホームに来られました。
手には長いUFOキャッチャーのような器具を持ち、一緒に列車の到着を待ってくださいました。
連絡先などを伝え、何度もお礼を申し上げたうえで、特急列車で仙台に向かいました。

ニモとの再会
次の日、仙台から帰ってきた我々は、改札窓口で事情をお話ししました。
ニモは、事務所の引き出しの中に大切にしまってくださっていました。

仙台には行けなかったニモ。
しかし、多くの人のお世話になって、再び再会することが出来ました。
線路に物を落とさないために
線路に物を落とさないために、ホーム上では、次の約束をすることにしました。
- 手におもちゃ類を持たず、背中のカバンにしまいましょう
- 物の落下が発生しないように荷物を整理しましょう
- 余裕を持ち、慌ただしい行動や駆け込み乗車はやめましょう
線路に物を落とすと、鉄道会社の方に大変なご迷惑が掛かってしまいます。今後は気を付けます。
現実世界で繰り広げられたファインディング・ニモ。
今回の落し物の件で助けてくれた関係者の皆様、誠にありがとうございました。