【超複雑】西船橋駅の中間改札は一体何を計算しているのか?

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鉄道

JR線と東京メトロ・東葉高速鉄道が乗り入れる西船橋駅。かつてはすべての会社が改札内で繋がっていましたが、2007年にJR線とその他の路線との間に中間改札機が設置されました。これにより、乗客の経路を限定して適切な運賃を徴収できるようになったかと思いきや、JR-東京メトロ間の直通列車の存在が事態を複雑にしました。西船橋なんてカスリもしなかった乗客の運賃が、実は西船橋接続で差し引かれていたというケースもあります。具体例で説明します。

本記事は、当ブログの読者様から寄せられた問い合わせがきっかけとなって執筆しています。

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西船橋駅とは

3つの会社が乗り入れます

西船橋駅は、千葉県船橋市にあるJR東日本と東京メトロ東西線、東葉高速鉄道線の駅です。

JR総武線は、快速は全列車が通過。各停のみが停車します。一方、JR武蔵野線も乗り入れていて、こちらは南船橋方面と東京方面に枝分かれする要の駅となっています。

東京メトロ東西線の終点でもあり、JR線と比較して運賃が安価である他、快速列車も運行されているので、わざわざ総武線から乗り換えて東西線で都心に向かう人も多いです。

東葉高速鉄道は西船橋からさらに東へ進む会社線で、京成線との乗換駅である勝田台まで運行されています。東京メトロ東西線と直通運転しているので、都心に向かうには便利な路線です。

中間改札があります

かつては3つの会社が同じ改札を使っていて、西船橋駅の改札内ですべての路線が繋がっていました。

一方、乗客の運賃支払い方法は、事前支払い型である従来の磁気きっぷから、自動計算型のIC乗車券へと移り変わっていきます。

IC乗車券の利用では乗客が経路を申告する機会がないため、運賃計算をするうえで必要となる乗車経路を正しく判断できない問題が潜在していました。

特に、JR線と東京メトロは中野や北千住でも改札内で接続を取っているため、どこをどう通ってきたのか全く分かりません。

中でも、津田沼→西船橋→東西線→中野→三鷹のような「JR線→東京メトロ→JR線」と乗り継ぐ例が有名です。この場合、安価な東西線を利用しているにもかかわらず、割高なJR線のみを利用した場合の運賃が差し引かれてしまいます。

このような諸々の問題を解決するため、西船橋駅の構内を「JR側」と「東京メトロ側」に分断し、中間改札で仕切ることになりました。(2007年のことです)

西船橋駅の中間改札が複雑になる事情

中間改札を突破する直通列車があります

一般的に中間改札では、乗車駅から中間改札駅までの運賃を収受するとともに、中間改札駅での入場記録を付けて打ち切り計算をします。

原則として、西船橋駅の中間改札でも同じ計算をしています。

さぁ、これで安泰ですね。

…?

…とはならなかったのです。

西船橋駅は、いや、西船橋駅だけは、そんな単純にはいかないのです…

というのも、平日の朝夕のみ、JR総武線の津田沼駅から東京メトロ東西線に直通運転する列車が存在するからです。

この列車を使った場合、中間改札を通ることなく、JR線から東京メトロ線に侵入することが可能。

便利な列車ですが、これに乗車して中間改札を通らなかったことにより、痛い目に合うことはないのだろうか?

この答えは、2007年の中間改札設置直後にJR東日本の係員さんに直接聞いた内容があるので、共有します。

中間改札の通過有無で「不利益を被ることはない」

若かりし頃の私と、JR東日本の係員さんとの会話は下記。

Q「(JR側から東京メトロ側へ)中間改札を通った場合、どこの運賃を支払うのか?」
A「JR線区間の運賃を差し引きます」

Q「中間改札を通らない直通列車利用の場合、北千住経由の運賃が差し引かれてしまうのか?」
A「いいえ、西船橋接続の運賃で計算します」

Q「中間改札の通過記録がなくても正しく計算されるのか?」
A「正しく計算されるように設定されています」

Q「不利益を被ることは?」
A「正しくご乗車いただいている限り、ありません」

直通列車を利用するにあたっては、西船橋駅の中間改札を通らずに東京メトロ線に入ったとしても、ちゃんと西船橋接続で計算してくれるようです。

よかったよかった。

…ん?

…待てよ??

じゃあ何をどう計算しているの?

…っつ~か、中間改札の存在意義は?

できる範囲で切り込んでいきたいと思います。

西船橋駅の中間改札で計算していること

特殊な例を除いて「運賃打ち切り」

まず、この項目では直通運転のことは一旦忘れてください。

そして、みなさんが”常識的な”乗り方1)をしている前提となります。

その前提の上では、中間改札でタッチされたICカードに対して、これまでの乗車区間の運賃を差し引くとともに、西船橋駅での入場記録を付けて通過させています。

JR線から東西線に乗り換えるときは、JR線区間の運賃を差し引き、東西線西船橋駅の入場記録を付けていますので、その後に別の駅で降りるときは、東西線西船橋駅からの運賃が引かれることになります。

東西線からJR線に乗り換えるときも同じ。東西線西船橋駅までの運賃を差し引き、JR西船橋駅の入場記録を付けていますので、その後に別の駅で降りるときは、JR西船橋駅からの運賃が引かれることになります。

特殊な例を除き、西船橋駅の中間改札も他の駅と同様の計算をしていることになります。

1)常識的な乗り方とは、単なる移動ルートとして考えうる西船橋駅の利用を指しています。これに当てはまらない例として、例えば「常磐線→北千住→東京メトロ→西船橋」と乗り継ぐような大回りのルートが挙げられます。このような乗り継ぎは、当ページでは検証できていません。

直通利用は中間改札不問

さぁ、ここからが難しいです。

この項目では直通運転のことを思い出しましょう

直通利用をして中間改札を通らなかった場合でも、西船橋経由でしっかり計算してくれます。

正確には、西船橋接続と北千住接続を比較して安価な方を採用してくれますが、ほとんどの場合は東京メトロの方が運賃が安くなるため、西船橋接続となります。

直通利用の場合は、中間改札はなかったことになります。

問題なのは、乗客が本当に直通列車を利用して中間改札を突破してきたのか!?というところが、結局は突き詰められません。

それでも乗客が不利益を被ることがないように判断しなければなりません。

この判断が、西船橋駅の難しいところなんですよね…

直通列車の”派手な利用”は要注意

ここまで何度も「乗客は不利益を被らない」と伝えてきましたが、ごく稀に不利益を被ることがあるようです。

JR線→東西線→JR線

JR線の船橋以遠から直通列車に乗り、西船橋から東西線を経由して中野まで乗り切り、さらにJR線で高円寺以遠に向かう場合は注意です。

この場合は、東京メトロにまつわる改札機に一度もタッチしていませんよね。こうなると、すべての区間を高価なJR線で移動したものとみなされます。

  • 全区間JR線利用とみなされた運賃:649円
  • JR線→東西線→JR線の実経路運賃:586円

直通列車を利用せずに西船橋駅の中間改札を通過すれば、船橋→西船橋間の精算が完結し、東西線西船橋からの運賃で打ち切り計算してくれるため、合計586円になります。

「最安経路で計算する」というのが鉄則のIC運賃ではありますが、乗車駅・降車駅ともにJR駅の場合は、全区間をJR線で移動したものとして取り扱うことになっています。

これは、東日本旅客鉄道株式会社ICカード乗車券取扱規則(Suica規則)第63条(2)にも書かれていますので、利用者側で自衛しましょう。

逆に言えば、第63条(2)外しのための中間改札と言っても過言ではないかもしれませんね。

JR線→西船橋中間改札→JR線

筆者の実体験ではないため、誤情報の場合は失礼をお許しください。

ちょっと頭が混乱しそうですので丁寧に解説します。

JR総武線(下総中山方面)かJR武蔵野線を利用して西船橋駅に到着した後、船橋方面に向かいたいシーンを想像してください。

もし、次の発車が東西線からの直通列車(津田沼行き)だったら、どうしますか?

東西線からの直通列車は東西線のホームを発着しますので、中間改札を通って乗りに行くことになりますよね?

でも、これをすると…全区間通しでJR線の運賃を計算できる区間であるにもかかわらず、西船橋駅でJR線の運賃が打ち切られて、西船橋駅から新たに初乗り運賃が引かれてしまうようです。

もし、直通列車で船橋方面に行きたい場合は、有人改札で事情を説明すると通してくれるようですので、頭の片隅に入れておきましょう。

なお、逆方向(船橋駅から東西線直通列車で西船橋到着後に中間改札を通って別のJR線に乗り換え)の場合は、中間改札で打ち切らず、中間改札へのタッチはなかったことになるとの情報もあります。

いずれの場合も、心配であれば有人改札の利用をおすすめします。

知らぬ間に計算される「西船橋接続」

問題です

JR我孫子駅から常磐線・千代田線直通列車で東京メトロ日比谷駅に向かうと672円が引かれます。日比谷駅ー有楽町駅の改札外乗換を実施して、有楽町線で豊洲に向かうと、豊洲駅ではいくら引かれるでしょうか?
※北千住ー日比谷間は199円、有楽町ー豊洲間は168円、北千住ー豊洲間は242円です。

①168円 ②43円 ③7円

おそらく、あまり知らない一般の方であれば①168円、改札外乗換の事情を知っている人であれば②43円と答えると思うのですが…

実はこれ、正解は ③7円 です

解説です

我孫子駅から日比谷駅に到着した時点では、我孫子ー北千住間のJR線と北千住ー日比谷間の東京メトロ線の運賃が合算されて差し引かれます。この金額が672円。ここまでは誰でもわかると思います。

しかし、改札外乗換(初乗りを改めて引かない乗換)をして、豊洲駅に向かうと…

  • 我孫子ー北千住ー豊洲:715円
  • 我孫子ー西船橋ー豊洲:679円

上記の比較で、なんと西船橋接続の方が安価になることが判明。これにより、679円が採用されます。

このうち672円は日比谷駅で差し引かれていますので、差額の7円のみが豊洲駅で引かれます。

我孫子ー新松戸ー西船橋→東西線と乗り継ぐ場合は必ず中間改札を通ることになりますが…実はここにトリックがあります。我孫子ー西船橋間を必ず新松戸経由で乗り継がなければならないルールはありません。両駅ともに東京近郊区間内なので、我孫子ー成田ー船橋ー西船橋と乗り継いでも最安ルートで計算することになっているのです。そのため、「西船橋接続」は現実的…ではありませんが、達成可能なルートとして一応成立しているんですね。

西船橋なんてかすりもしないルート取りをしているにもかかわらず、運賃計算は西船橋経由になる、面白い事例のご紹介でした。

まとめ

西船橋駅の中間改札について、以下の知見を得ました。

  • 西船橋駅では、JR線と東京メトロ・東葉高速鉄道との間に中間改札があります
  • 中間改札では、基本的に打ち切り計算をしています
  • 直通列車を利用の場合は、中間改札通貨の有無を問いません
  • JR線→東西線→JR線と直通利用する場合、全区間JR線利用として計算されます
  • 知らぬ間に「西船橋接続」として計算されることがあります

Suica規則第63条
>> こちら

ではまた。

編集後記
この記事は、当ブログの読者様からの問い合わせがきっかけとなって執筆したものです。後半の「問題」は、実際に読者様が体験した内容を出題形式にアレンジして記載しています。この場を借りて、貴重な情報提供に感謝申し上げます。

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