JAL国内線には、普通席のほかにクラスJやファーストクラスが設定されています。事前の予約ではベースの運賃が高額になりがちな上位クラスも、当日であれば当該クラスの料金のみでアップグレードが可能です。ほぼすべての運賃が対象となりますので、上位クラスを利用したい場合は必ずチェックしておきましょう。アップグレードのコツは「早めに空港に行くこと」ですが、2023年4月12日からは「出発3時間前からアプリで可能」になります。
JAL国内線は3クラスあります
普通席・クラスJ・ファーストクラス
JAL(日本航空)は、国内線において普通席、クラスJ、ファーストクラスの3つのクラスを提供しています。これらのクラスは、利用客の需要や予算に応じて選択できますが、多くの人は安価な普通席を利用することになります。
クラス | サービス概要 | 追加料金 |
普通席 | 一般的なクラス | なし |
クラスJ | 少し広い席 | 1,100~3,300円 |
ファーストクラス | 広い席、食事、ラウンジサービス | 11,000~13,200円 |
普通席は、基本的なクラスであり、価格も最も安価です。基本的には「安価な航空券を予約する」場合には、このクラスを利用することになります。座席の間隔は広くはないものの、改良に改良を重ね、快適な座席になっています。原則として”座るだけのシート”ですが、飲み物の提供はあります。
クラスJは普通席の一つ上にあるクラスです。普通席に比べて広い座席が用意されていて、気兼ねなくリクライニングもできるため、快適に過ごすことができます。普通席との差は「座席が広いこと」くらいで、サービスレベルが格段に上がるわけではありませんが、普通席にわずかな料金をプラスするだけで利用できる(後ほど一旦撤回します)ため、気軽に体験できる贅沢として人気です。
ファーストクラスは、JAL国内線では最も高いクラスであり、空港や機内でのサービスも最高級です。座席は大きく、プライバシーを保つための仕切りも設置されています。また、飲み物のサービスのほかに、豪華な機内食も用意されています。普通席にプラスすべき料金も高額になります(後ほど追記します)が、得られるサービスが格段に向上するため人気です。ステイタスアップをめざす、いわゆる”修行僧”の中には、一日に何回もファーストクラスを利用する方もいらっしゃいます。
上位クラスの事前予約は割高です
突然ですが、各クラスの運賃はどのように決められているかご存じですか?
普通席運賃+各クラスの追加料金
…だと思っている人はいませんか?
これ、ちょっと違います。
現在、JALの運賃は変動制を導入していて、各クラスごとにベースとなる運賃が変動しています。
普通席運賃は普通席の空席状況に応じた金額となりますが、
クラスJ運賃はクラスJの空席状況に応じた金額を基準として、クラスJの追加料金をプラスして計算されています。その時の普通席の金額とは関係なく変動しています。
これは、ファーストクラスでも同様です。
そのため、各クラスの差額が、各クラスの追加料金を越えることも多いのです。例外的に「普通席の売れ行きだけが好調の場合」には、普通席とクラスJの価格差が小さくなったり、稀に逆転してしまうこともあるようですが、クラスJの価格が普通席と比較して圧倒的に高くなるケースの方が多いです。
さらに、クラスJやファーストクラスでは、格安な運賃(プロモーションなど)では、そもそも事前予約ができません。
このような事情から、多くの人は安価な普通席を予約することになります。
素直に”普通席の利用”が吉!?
クラスJやファーストクラスは快適性が高いことは間違いありませんが、多くの旅行者にとっては、その利用は「高嶺の花」と感じられるかもしれません。
普通席でも快適に過ごすことができ、必要な設備やサービスも整備されています。また、Wi-Fiや充電用コンセントなども平等に整備されていますから、無理にクラスJやファーストクラスを利用しなくても、快適に過ごすことは可能なのです。
…じゃなくてさぁ。
オトクに使う方法ないの?それをさっさと教えろよポンコツが。
…って怒っちゃった人。ごめんなさい。
以下の項目でオトクに使う方法をご紹介しますので、ご参考ください。
確実に使う方法はありませんが、使えるかもしれない方法をご紹介します。
JAL国内線の「当日アップグレード」
オトクに使える方法が「当日アップグレード」です。
ほぼ全運賃で可能な”予約変更”
航空券を予約した場合、原則として変更はできません。便の変更だけでなく、同一便の中でのクラスの変更も不可です。
しかし、予約後にもアップグレードのチャンスがあります。
それが、当日アップグレードです。
当日アップグレードとは、搭乗日当日に空港で上位クラスへのアップグレードを申し出ることで、空席があれば対象クラスにアップグレードすることができるサービスです。
このサービスを利用すれば、割安な運賃で普通席を予約しておきながら、当該クラスの追加料金を支払うだけで、上位クラスを利用できます。
しかも、旅行者が使いそうな運賃はほぼすべて対象となります。
そのため、価格も予約時に事前予約する場合に比べてお得になることが多いため、人気のあるサービスとなっています。
しかし、当日アップグレードのコツを知らずに利用すると、ご希望だけが膨らみ、これに添えないことがあるため、注意点をしっかりチェックしておきましょう。
当日に空席があることが条件
繰り返しとなりますが、予約変更ができない普通席の予約をしている場合でも、当日出発空港で空席がある場合に限り、上位クラスへ変更ができます。
空席があるかどうかは、直前まで変動するため、細かな確認が必要です。
当日の空港に早めに到着して空席状況を確認し、もし空席があればその場で変更手続きを行う必要があります。
アップグレードは「クラス料金」のみの支払いでOK
もちろん、アップグレードに伴い追加料金が発生しますが、これは各クラスの料金相当額のみでOKです。
これこそが、多くの人が当日アップグレードを狙っている所以です。
しかも、ほぼすべての運賃が対象です。公式には
フレックス、セイバー、スペシャルセイバー、往復セイバー、株主割引、プロモーション、JALカード割引、ビジネスフレックス、離島割引、JAL国内線特典航空券、JALカード navi割引、どこかにマイル、個人包括旅行運賃
上記が対象とされていますが、「個人包括旅行運賃(=いわゆるツアー運賃)」だけでなく、格安旅行でお世話になるであろう「スペシャルセイバー」「プロモーション」「特典航空券」「どこかにマイル」まで含まれているのです。
もはやほぼ全員。
私も、どこかにマイルで石垣へ飛んだ帰りに「普通席→ファーストクラス」の予約変更に成功しました。3,000マイル+12,000円で搭乗したことになります(※旧運賃制度)。
【空席がある場合】当日アップグレードの手続き
当日アップグレードには2つの方法があります。
オンライン(Webサイト/アプリ)で手続き
2023年4月12日からはJALアプリ(JALホームページを含む)で手続きができるようになりました。
JALとしても、これまで以上に無人化に注力しているようです。
例えばJALアプリであればQRコードを表示するトップ画面で「当日アップグレード」への導線が用意されています。
ここから手続きすれば、オンラインで当日アップグレードが完了します。
ただし、手続きできるのは出発の3時間前から。
どうしてもアップグレードしたい場合は、3時間前に出遅れてはいけません。
当日アップグレードに関する補足
この世には、わざと飛行機にたくさん乗ることで航空会社のステイタスを高めようとする、いわゆる“修行僧”と呼ばれる人たちがいます。その方々は、いかに安く航空券を購入して高いポイントを獲得するかを考えていて、その結果、最も効率の高い「当日アップグレードによるファーストクラスの利用」に行きつきます。みなさまが想像している以上に、当日アップグレードは競争が激しいことを心得ておきましょう。
空港で手続き
空港でも手続きができます。
手続きは簡単で、有人カウンターに出向き、航空券または予約画面、JMBカードなどを提示し、
「クラスJ(ファーストクラス)にアップグレードしたい」
と申し出れば手続きをしてくれます。
ただし、その敷居は少しずつ高くなっています。
2023年4月12日以降は自動チェックイン機での手続きはできなくなりましたので、空港での手続きの場合は有人カウンターでの申し出が必要です。
特に羽田空港では、受託荷物の預け入れが自動化されたことに伴い、有人カウンターが極端に縮小されています。
一般会員の方は航空券購入カウンターなどを利用することになると思います。
ステイタスをお持ちであれば、JGCカウンターやファーストクラスカウンターを利用できます。
【空席がない場合】当日アップグレードの手続き
空席待ちのシステム概要
空席がない場合でも、当日アップグレードができる可能性に賭けて「空席待ち」をすることができます。
空席待ちの場合も、【空席がある場合】にタップするボタンから進みます。その先で「空席待ち」である旨が表示されます。
公式サイトも含めて「キャンセル待ち」と表記することもありますが、単にブロックしていた席を開放するケースもありますから、実際のイメージは「空席待ち」が近いです。
- 搭乗予定客が搭乗取り消し
- 搭乗予定客が別の便に変更
- ブロックしていた席を開放
何らかの状況変化により空席ができた場合は、空席待ちをしている人に順番に割り当てていきます。
空席待ちの順番は申し込み順なのですが、ダイヤが極めて乱れている場合を除き、ステイタスによる割り込みがあります。
種別S:oneworldエメラルド会員
年間搭乗120回以上など、普通では考えられないほど乗っている人が該当します。
種別A:oneworldサファイア、ルビー会員
JALグローバルクラブなど、一般的な上位ステイタスを持っている人が該当します。
種別B:一般のお客様
多くの方はこちらになります。
種別C以下:その他
空席がある場合にのみ購入できる航空券を利用する場合や、航空会社の社員などが自社のクーポンを利用して搭乗する場合はこのあたりと言われています。
各種別ごとに順番待ちの列ができ、空席ができたら、種別Sから順に割り当てていきます。
ここから先は私の経験ですが、種別Bの時に上位クラスの空席待ちがまわってきたことは一度もありません。種別Aの時は過去に何度かまわってきましたが、片手で収まる程度です。よって、ほとんど種別Sの人が持って行っているか、そもそも空席が新たに出てくることは少ないのではないかと予想しています。
空席待ちとなった場合はあまり期待しないで構えるのがいいでしょう。
空席待ちの手続きをすると整理番号が発行されます
空席待ちを申し込むと、空席待ち整理券が発行されます。オンラインの場合も、整理番号が発行されます。
整理券(整理番号)には呼出場所と呼出予定時刻が書かれています。この時刻になると、整理番号ごとに呼び出しがかかりますので、カウンターに向かいましょう。
ただし、無情な放送が流れることが多いです。
「定刻〇時〇分発、日本航空〇〇便、〇〇行き、ファーストクラス空席待ちのお客様にお知らせいたします。〇〇行きのファーストクラスは、ご予約いただきましたお客様で満席となりました。ご了承ください。空席待ちのお客様は、指定されたお座席にご着席ください。またのご利用をお待ち申し上げております。」
期待をしすぎないこと。
空席待ちの鉄則です。
まとめ
JAL国内線の当日アップグレードに関して、以下の知見を得ました。
- JAL国内線は3クラス
- 普通席が最も安い(多くの航空券は普通席に該当)
- 上位クラスを事前予約しようとすると高額であることが多い
- 出発当日に空席があれば、当該クラス料金のみでアップグレード可能
- 当日アップグレードはほぼすべての運賃が対象
- 当日アップグレードは出発3時間前から受け付け開始
アップグレード出来た際にはご参考ください。
ではまた。