開園から続く東京ディズニーランドの人気アトラクション、現「スペース・マウンテン」は2024年に廃止(更新)となりました。宇宙(を模した)空間を走り抜ける同アトラクションは、一度乗ると病みつきになりますが、乗り場からライドをひっきりなしに出発させる様子は、まるで通勤ラッシュのよう。客捌きの視点でも目を離せないライドですので、キャストの動きも楽しみでした。今は一休みですが、2027年に新しい技術を搭載したアトラクションへ更新となりますので、楽しみに待ちましょう。
スペース・マウンテンの特徴
スペース・マウンテンは、東京ディズニーランドの開業当時(1983年)から運営されているアトラクションの一つで、2024年7月に休止となるまで、高い人気が続きました。
舞浜駅からもバッチリみえましたよね。
一言で言うとジェットコースターなのですが、無機質なレールや鉄格子が見えてしまうと世界観が壊れてしまうので、建物全体を真っ暗にして、宇宙空間として演出してみたっていう感じの乗り物。
乗ってみればわかりますが、先が見えない上に周りが宇宙空間なので、相当早いスピードで空間を駆け抜けている爽快感を覚えることができ、病みつきになる人が多かったです。
一方、乗り場への造りやレールのきしみ音などをよく聞くと、設備の古さは否めません。常にバージョンアップをしているディズニーだからこそ、2024年をもって終了(更新)という判断になったのでしょう。
スペース・マウンテンの怖さについて
当初は「お別れの前に勇気を出して乗ろうとしている人」に向けて書いていましたが、今は当時を思い返すようとしてこの項目を残しています。
怖さでいうと?
中が見えないので、初めて乗る人はとても怖い思いをしながら待つことになりましたよね。
しかし、実際は「ジェットコースターの何がダメか?」という点で変わってきました。
コースを覚えてしまった私が記録に残しておきますので参考にしてください。
浮遊感がダメな人
浮遊感がダメな人は、スペース・マウンテンは「ちょっと注意」でした。見極めとしては、
カリブの海賊に乗れるか!?
というのが一つの分かれ目になっていました。
「カリブの海賊」で浮遊感に抵抗なく乗れるのであれば、スペースマウンテンは余裕です。逆に、カリブの海賊が無理なのであれば、スペースマウンテンは無理です。
ネット上では「スペースマウンテンは落下がないから怖くない」という情報をよく見ますが、それはちょっと嘘。(浮遊感がダメな人にとっては)明らかな落下が中盤に1度だけありました。ただ、その浮遊感の程度は「カリブの海賊未満」ですので、過度にビビらなくても大丈夫。
スピード感がダメな人
スピード感がダメな人は、スペースマウンテンは「注意」でした。
ここはあまり力を込めずに、諦めて流れに身を任せてみるのがコツでした。
実際には時速50kmしか出ていませんので、100kmで走る京葉線で舞浜まで来た人であれば余裕なはずですが、先が見えない恐怖感から固まってしまう人もいたようです。
酔いやすい人
酔いやすい人は、スペースマウンテンは「要注意」でした。
方向が分からない中で左右に強く振られますので、三半規管がやられます。
アリスのティーパーティーやスター・ツアーズで酔わないのであれば、スペースマウンテンはおそらく大丈夫。逆に、空飛ぶダンボで酔う人は、今すぐ並ぶのをやめたほうがいいという感じでした。
子どもでも乗れる?
身長が102cmを超えていれば乗る権利はありました。
参考までに、私の娘は3歳最後の月に身長102cmを超えて、スペース・マウンテンにチャレンジしました。それ以降、「お星さまに乗りたい」とおねだりされるほど大好物のようでした。
超過密な舞台裏
この先は、スペース・マウンテンの運用についてしゃべってみようと思います。ちょっと鉄オタ寄りかもしれませんがご容赦を。
スペース・マウンテンは本線のみ
スペース・マウンテンはハイスピードで走り抜けるアトラクションであるにもかかわらず、途中に待避線はなく、乗り場は2面1線でした。
どういうことかというと、こんな感じ。
ジェットコースターの本線上でゲストが乗り降りするタイプ。
こういう構造のジェットコースターは全国にありますが、そのほとんどは本線に1編成走らせている間に、乗り場で乗客対応している1~2編成を置いておくダイヤを組んでいると思います。
ゲストにスムーズな乗り降りを促す
しかしここは東京ディズニーランド。多くのゲストが押し寄せていますので、可能な限り多くのライドを頻発して走らせていました。
本線上に何本も高速でライドを流しながら、乗客の乗り降りをリアルタイムでこなす。
待っている間に何度も「荷物は前に抱えて並んで」とか「ポケットの中身を確認して」とか「一緒に乗る組み合わせを決めておいて」と言われ続けたのはそのためです。
もし、乗り降りに時間がかかってしまい、後方に発生した渋滞が宇宙空間まで伸びてしまうと、全ライドが緊急停止してしまいます。こうなると、アトラクションの「システム調整」という運転見合わせが生じてしまいます。
安全確認は走らせてから!?
スムーズな運営を続けるため、乗り場では、とりあえずゲストをライドに載せます。とりあえず載せます。どんな状況であれ載せます。
たまに前のゲストの荷物が安全バーに引っかかって取れないなんてことが起きるケースがありますが、この場合もとりあえず荷物ごと再出発させます(後述)。
で、シートベルトとかろくに確認せずにとりあえず出発。
え~!と思うかもしれませんが、まずは後ろのライドに乗り場を譲るのが最優先。ひとまず乗り場を離れて前方に進み、安全確認する場所でベルトや荷物の確認を行っていきます。
このとき、ライド全体の重量も測定しています。
問題がないことを確認されたら、ここでいよいよ本当の出発。宇宙空間に向けて、3回に分けた上昇を開始します。
異常が起きたらどうなるのか
普通は上記の流れで進みますが、もしライドの安全性が確保できない状況(荷物の引っ掛かりなども含みます)になったとしたらどうなるのでしょうか。
その場は本線上。とどめておくことはできませんので、いったん避難させます。
その方法は、
上記の図中、赤色で示した「整備エリア」に避難させます。そこでライドの安全確認を行い、再度出発。
たま~に、ゲストが乗り物から降りずに再出発していることがありますが、あれは2周目に出発したわけではなく、整備場から出てきたライドであるケースが多かったです。
閉塞式で安全を確保しています
高速で走る本線上にいくつものライドが同時に走っているので「ぶつかるのではないか」と心配になりますよね。
でも、これは大丈夫。
乗ったときに余裕があったら耳を澄ませてほしいのですが、所々で「ガラガラッガラガラッ」と線路から伝わってくる場所があります。ここが非常ブレーキが備わっている場所。
前のライドが「ガラガラッ」を通過してから次の「ガラガラッ」を通るまでは、「停止信号=ガラガラッを通過できない」で後続のライドが先に進めないようになります。そして、前のライドが次の「ガラガラッ」を通過すると、手前の「ガラガラッ」が「進行信号=ガラガラッを通過できる」になり、後続のライドが先に進むことができるようになります。
鉄道でいう閉塞の概念で、ライドの安全を守っています。
とにかく忙しいスペースマウンテン。このような緊迫なやり取りが一日中続いていたのです。
新しい施設へ生まれ変わります
開園から続くスペース・マウンテンも営業を終了し、新しい施設へと生まれ変わります。
新しい施設も「スペース・マウンテンに準じた施設」になるらしいのですが、最新の特殊効果を盛り込んだ内容になるようです。
スペース・マウンテンがなくなるわけではなく、生まれ変わる、という表現が適切かもしれませんね。
そのころには入園料も15,000えn…なんて話は置いておいて、とりあえず楽しみに待っておきましょう。
まとめ
スペース・マウンテンに乗車し、以下の知見を得ました。もう二度と乗れませんが、記録としてご参考ください。
- 2024年7月に終了
- 落下は1回しかありません(しかも少し)
- スピードは50km/h程度です
- 酔いやすいアトラクションです
- キャストが忙しいアトラクションです
2027年のリニューアルを楽しみに待ちましょう!
ではまた。