東京ディズニーランドの「スプラッシュ・マウンテン」は、ライドのスリルはランド内ではNo.1を誇る絶叫系アトラクションです。一方、ストーリーが素敵ということでも有名で、主人公のうさぎどんのかわいい仕草に癒される人も。怖いからという理由でパスするのはもったいない。この記事では、スプラッシュマウンテンには乗りたいけど、怖いとビビっている人に向けて、その対策についてアトラクションの構造的観点から解説していきます。まず(1)全部で4回落ちることを覚えておきましょう。(2)一番怖いのは最後の4回目ですが、2回目も変化球なので要注意。(3)スピードは62km/hとランド内最速です。(4)4回も落ちるのには建物の構造上の理由があります。(5)役に成り切るのも大切です。早いうちに克服して、アトラクションの世界観を楽しみましょう。
スプラッシュ・マウンテンの基本解説
スプラッシュ・マウンテンは、東京ディズニーランドにあるアトラクションの一つです。
東京ディズニーランドの中では最も人気のあるアトラクションの一つです。
ストーリーが美しい
まず、このアトラクションはストーリーが素晴らしい。
多くの人が「うさぎどんが滝つぼに投げ込まれて大ピンチ」だったのに「エンディングがハッピーなのはつじつまが合わない」などと思っているようですが、それはストーリーを間違えて解釈しているからです。
シングルライダーで搭乗した時に隣の人から「これって結局どんなストーリーなんですか?」と聞かれた際に、「うさぎと旅に出る話です」とだけ答えたら物足りなさそうでしたので、それならばと下記のように答えました。ちょっとうざかったかもしれないけど、ご納得いただけたので結果オーライ。
まず、大前提として私たちは「うさぎどん」になっています。
日々の暮らしに自暴自棄になっていたうさぎどんが、この世のどこかに「笑いの国がある」との噂を聞いて、周囲の制止を振り切り家(=いばらの茂み)を飛び出すも、道中でくまどんときつねどんに〇されそうになります。
とっさに機転を利かせて「〇されてもいいけど、いばらの茂みに投げ込むのだけは勘弁してくれ」とお願いすると、とにかく嫌がらせをしたいくまどんがうさぎどんをいばらの茂み(=自分の家)に投げ込みます。
これが最後の落ちるところですが、結局この選択によって命拾いをします。
たくさんの仲間が無事に帰ってきたうさぎどんを歓迎する中で、自分の家が笑いの国だったことに気付かされるのです。
っていうストーリーですと。
Dオタに聞かれたら「細かくは違う」と言われるかもしれませんが、まぁだいたいこれであっていますし、このレベルまで分かっていたらアトラクションの世界観に入り込んで楽しめるでしょう。
現代人が心して乗るべき「東京ディズニーリゾートのいい話系アトラクション・マイベスト3」に入る傑作だと思っています。
東京ディズニーリゾートのいい話系アトラクション・マイベスト3
第1位:シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ
第2位:スプラッシュ・マウンテン
第3位:イッツ・ア・スモール・ワールド
最大の見せ場は「落下」
でもね、言うまでもありませんが、このアトラクションの最大の特徴は「落下」です。
登場時のCMでも「スリルに飛び込め」と謡われていたのは、何となくかすかに覚えています。
この落下を目的に遊びに来る人が多い中で、その落下にビビっているゲストも多いのです。
今読んでいる人の中には「スタンバイ中」で震えあがっているという連れて来られてしまった系の人もいると思います。
この記事では、落下の特徴と我慢する方法を解説しますので、ぜひご覧ください。
スプラッシュ・マウンテンは4回落ちる
最後の落下は4回目
落ちることですでに知られているスプラッシュマウンテン。
その「落ちるところ」は外から見えますが、実は全部で4回も落ちます。
外から見えているのは最後の4回目の所だけです。
もちろん、最後の4回目が最も怖いとされていますが、何も聞かされずに乗ると「話が違う」となりかねませんので、
全部で4回落ちる
ということは覚えておきましょう。
他の3回は構造上の理由から落ちざるを得ない!?
この項目は私の推定の域を出ませんのでご了承を。
おそらく、4回の落下のうち、最後の1回は「見せ場」として必要な「わざわざ作った落下」ですが、それ以外は構造上の都合という面が強いでしょう。
東京ディズニーランドのアトラクションは所狭しと並べられています。ゲストから見えるところはほんの一部であり、実際には後方奥深くに延びています。
このことは航空写真を見るとよく分かります。
スプラッシュ・マウンテンも、ゲストから見える箇所の後ろに設備が広がっていますね。
ただ、全長800mを超えるコースを有するアトラクションを同一平面内で見せるのは至難の業。
よって、アトラクションのコースを階層構造にして、奥に行くボートと戻ってくるボートをうまく交差させる必要が出てきます。
そのための落下と考えましょう。
アトラクションの構造に興味ある人へ
次項に示す1回目の落下で入るゾーンで、左側をうさぎどんが走る仕掛けが見られるエリアあたりから奥に進むのをやめて、右に大きくカーブし、戻りに転じていることを感じられると思います。
逆に言えば、階層を少し下げるための落下でありますから、最後のような派手な落下が4回あるわけではありません。
ということで、過度に構える必要はありませんが、一応それぞれの落ち方を覚えておくと気持ちが楽かもしれません。
それぞれの落ち方を解説
浮遊感や角度、長さは、すべてカリブの海賊を★2つにしています。数字に基づかず、筆者の感覚で書いていますが、私は大人になるまでカリブの海賊にもビビっていたレベルの人です。みなさんの気持ちがよくわかる立場ですのでご安心を。
1回目(屋上から2階に入るための落下)
浮遊:★★★☆☆
角度:★★★★☆
長さ:★★☆☆☆
出発したボートは、1回目の上昇で地上に出た後、2回目の長めの上昇で屋上に上がります。ここから見えるパークの景色は美しいので、右側に注目しましょう。
そのあと、ボートは屋内に入ります。その際に1回目の落下があります。
この落下は、カリブの海賊の落下を少しきつくした感じです。カリブの海賊が耐えられるなら大丈夫という情報はウソ。ちょっと勾配のきつい降り方をしますので、浮遊感もあります。
落ちた後の滑走も長く感じるでしょう。
覚悟して挑んでください。
2回目(2階から1階に入る踊り場への落下)
浮遊:★★★☆☆
角度:特殊な落下
長さ:★★★☆☆
2回目の落下は、うさぎどんが笑いの国を目指す行程の中で、比較的平和な時間が流れる途中で訪れます。
この落下は、一度落ちた後に再び上昇に転じる特殊な落ち方をします。
浮遊感としては、落ちるときに一瞬グッときますが、最初の落下が大丈夫だったのであれば耐えられるはず。
それよりも、落下した後に連続して上昇する特殊な動きにしっかりついて行きましょう。
周りのゲストの悲鳴も「キャーーーっ?ォオオっ!!」となっていることが多いように見受けられます。
結局そこまで落ちておらず、落ちた先は「階段の踊り場」といったところでしょうか。
3回目(前項の踊り場から1階に入るための落下)
浮遊:★☆☆☆☆
角度:★☆☆☆☆
長さ:★★☆☆☆
3回目の落下は、階段の踊り場から下の階に降りるような感じです。
特に特殊な落ち方はせず、落ちた先もしっかり視認できるので、全く怖くないはず。
よく「公園の滑り台以下」と言われます。
上野東京ラインの坂の方がきついくらいです。
まったくビビらなくて大丈夫です。
4回目(最後の見せ場の大落下)
浮遊:★★★★☆
角度:★★★★☆
長さ:★★★★★
※上昇と落下の高さはイメージです。
うさぎどんが捕まってしまって大ピンチを迎えるころ、明らかに不穏な空気が漂い始めます。〇されかけているうさぎどんが「いばらの茂みにだけは投げ込まないでくれ」と懇願します。もうみなさんはすでに分かっていますよね?「いばらの茂みに投げ込んでほしい」から、逆を突いて言っているのです。
ボートは上昇しています。
もう役に成り切りましょう。みなさんも、うさぎどんと一緒に覚悟を決める時なんです。
ボートの上昇が終わると、間髪入れずに落ちますよ。
落下速度は62km/hで、東京ディズニーランド内では最速です。
落下高さは16mで、ビルの4階相当と言われています。
落下角度は45度と言われていますが、体感ではもっと急に感じます。
ここだけは仕方がありません。とても怖いですが、笑いの国を目指して家を飛び出してしまった時点であなたも道を間違えましたから、耐えきるしかないのです。
決死の脱出です。覚悟を決めて飛び込みましょう。
落ちる時の浮遊感低減方法
落下の時に感じる「浮遊感」が苦手という人は多いと思います。
私もその一人。小学校低学年の時に何も聞かされずに乗り込んだカリブの海賊が落ちた直後の洞窟の中で周りの目もくれずに親にブチ切れるという黒歴史を持っています。同じ経験をお持ちの方は多いと思いますが。
そんな私がいつも実践していたのは「スキーを思い出す」こと。
幸い、スプラッシュ・マウンテンのボートでは、足が地面に届きます。
落ちるときに、足をしっかりつき、重心をつま先の方にかけて、立ち上がる勢い(注:立ち上がらない)で足元に力を加えながら前かがみになります。
どれくらい前かがみかというと、前の手すりよりも下に頭が来るような感じです。
こうすることで内臓がロックされますので、浮遊感がかなり軽減されます。
大丈夫です、練習が3回あります。ぜひやってみてください。
そしてこの作戦は他のディズニーのアトラクションでも活かせますよ。
打ち砕かれたのはタワー・オブ・テラーくらいです。
落下時に顔を上げつつ濡れない方法
もう一つ気を付けなければならないのは「濡れる」ということ。
最後の4回目に限り、水しぶきがかかる仕組みになっています。
この水しぶきは半ば人工的に作られていて、落ちた後の水平移動時に左右から水が飛んできます。
よって、落ちているときは顔を上げて、落下が完了した後に顔を伏せれば濡れません。
※頭や背中にはかかりますが、顔は守れます。
水がかかっている様子を見たいときは、蒸気船マークトウェイン号の降り場付近がオススメ。真正面から落ちてきた直後に地下を滑走するボートを拝めることができますよ。
まとめ
スプラッシュ・マウンテンに乗車し、以下の知見を得ました。
- 全部で4回落ちます
- 一番怖いのは最後の4回目ですが、2回目も変化球なので要注意
- スピードは62km/hとランド内最速です。
- 4回も落ちるのには建物の構造上の理由がありそうです
- 早いうちに克服して、アトラクションの世界観を楽しみましょう
スプラッシュ・マウンテンに行ってらっしゃい。
こんな感じの議論でもよければ、スペース・マウンテンでもやっています。
落下の恐怖から現実逃避したいなら別の記事もどうぞ。
ではまた。