JR東日本の回数券廃止と代替サービス【損するのはこんな人】

スポンサーリンク
鉄道
この記事は約7分で読めます。

2022年9月末をもって、JR東日本の普通回数券が廃止となりました。10枚分の値段で11枚付いてくる回数券は長く愛されましたが、チケットレス化の流れを受けて消滅。Suicaと連動したポイントサービスに移行されましたが、1)複数人で使えない2)1か月単位でリセットされる3)分割購入時の手間が増える、など、見た目以上に損する人が多くなります。一方、Suicaのポイントサービスでカウントされるのは金額のみであることから、4)JRE POINTを荒稼ぎする手法としても活用できます。詳しく解説します。

この記事では
・JR東日本の紙の回数券廃止について
・代替のサービスについて
・紙の回数券廃止に伴い打撃を受ける人
について解説しています。

スポンサーリンク

普通回数券とは

JR東日本では、10枚分の運賃で11枚利用できるオトクな乗車券「普通回数券」がありました。

東京ー神田間(140円区間)を例にとると、1400円の支払いで1540円分乗車できることになります。

有効期間は3か月。

丸々1枚分オトクとなる計算で、グループで利用する場合はあっという間になくなることから、意外と重宝されたものです。

一方、乗り越しの場合は、区間外乗車分は差額精算ではなく打ち切り精算(別途運賃を収受)なので、損失を被るケースも多かったです。

いつからか通常の券売機では買うことができなくなり、指定席券売機やみどりの窓口で使用される大きいきっぷで発券されるようになりました。このサイズで11枚+表紙の意味をなさない表紙1枚の計12枚となるため、まぁエコではないですよね…

この紙の回数券が、2022年9月末に発売終了となり、10月以降はすでに発売済みの回数券のみ利用可能に。9月30日に購入した回数券の期限は12月29日ですので、事実上の廃止となりました。

回数券に変わるJR東のサービス

回数券が運用されていたこれまでも、脱磁気券を推進してきたJR東日本。

Suicaへの移行を促すために様々な取り組みを進めてきました。

回数券のマルス券化

手始めに始めたのが

普通の券売機での取り扱い中止

今までは普通の券売機で買えた回数券を、(一般の人にとっては)操作が煩雑な指定席券売機のみの取り扱いとすることで敷居を上げ、敬遠させる作戦に出ました。

まぁこれは半分冗談ですが。

買い方がわからない人やめんどくさいと思う人は諦めてSuicaを使い始める…なんてこともまぁ1人くらいはいたんじゃないかと。

指定席券売機がない駅では、普通の券売機での発売も継続していたようです。

在来線乗車ポイント

これは「回数券の利用」というより「紙のきっぷからの移行」を促す目的もあったかと思いますが、Suicaで乗車した際に200円1ポイントを付与する取り組みを開始しました。

ちなみにモバイルSuicaを使えば50円1ポイント付与と高還元。紙どころか、ICカードからの脱却すら見据えているようです。

出典:JR東日本

ちなみに直通利用の場合はJR東日本利用区間に対して付与されます。上記の例で東京メトロとまたいで利用する場合は、PASMOを利用し、JR東日本のポイントを捨てて東京メトロのポイントをゲットしたほうがいい場合もあるので、細かいことを気にする方はよく考えてタッチしましょう。

リピートポイントサービス

これは「回数券利用」に代わるポイントサービスとなります。

同じ運賃区間を同一月内に繰り返し乗車した場合、10回乗車時に同区間運賃相当のポイントを付与し、11回目以降は10%相当を都度付与するというもの。

出典:JR東日本

10%返す点のみに着目すれば、紙の回数券と同じかなと思いますが…よく見るとちょっと違います。

紙の回数券と比較して優れている点と劣っている点をご紹介します。

優れている点

1か月で10回を大幅に超えて乗る場合、1回につき10%ポイントが付与されます。中途半端な利用回数であっても、細かくゲットできるのでお得ですね。また、万が一予定が変わって回数が足りなくなった場合、ポイントの返還こそ受けられないものの、回数券払い戻し時にかかっていた手数料を取られることはありません。

また、同一運賃であることだけが求められていますので、利用区間が変わっても問題ないのです。例えば東京→神田は136円なのに対し、東京→有楽町も136円。区間が定められていた紙の回数券とは異なり、区間が変わっても運賃が同じであれば回数にカウントされますので、ポイントバックを受けられるチャンスが大幅に広がります

劣っている点

紙の回数券は、買ってしまえばバラバラの乗車券となりますので、グループで利用する場合に一気に消費できます。例えば6人以上で往復する場合には、1往復で全券片を使い切ることが可能でした。Suicaでの乗車回数カウントとなると、複数人で一気に使うことができなくなります

また、紙の回数券は有効期限が3か月間だったのに対し、Suicaポイントのカウントは1か月単位となります。月をまたいでカウントされませんので、4回/月程度の乗車頻度の場合は恩恵を受けられなくなりますね。

乗車券分割購入派に打撃

意外と見落とされているのが、乗車券分割購入派の人たちが受ける打撃です。

JRの運賃は距離に応じて段階的に上がっていくのですが、うまく区切ることによって安価になることがあります。

例えば水戸→上野の場合…

通常運賃:2,310円

なのに対し、複数の乗車券を分けて利用すると

水戸→荒川沖:990円
荒川沖→取手:330円
取手→北松戸:310円
北松戸→上野:310円
合計運賃:1,940円

このように、370円も安くすることができます。1割どころの騒ぎではないですよね?

この手法は、一度限りの移動であれば乗車券を買えば済む話ですが、習慣的に行き来する場合には、それぞれの区間の普通回数券を買っておけば、いちいち4枚の乗車券を発券する作業をしなくて済むので、大変助かっていたのです。

これが、もうできません。

毎回毎回、普通乗車券を発券しなければなりませんので、かなり面倒になりますね。

最も、JR東日本では2023年3月から電車特定区間内の10円/1乗車の値上げを予定しておりますので、分割乗車券による手法もお手頃感がなくなってきますが…

JRE POINTの”荒稼ぎ”に使える

一方、繰り返し利用によるポイントバックは「金額に着目」したサービスであり「区間は不問」です。

これに着目して、わざと降りながら先に進み、ポイントを荒稼ぎする手法も着目されています。

例えば、横浜→東京を京浜東北線で移動する場合、普通運賃は480円ですが…

  • 横浜ー蒲田:220円
  • 蒲田ー東京:220円

であることに気がつけば、蒲田駅で一回改札を出るだけで2カウントになり、さらに安く移動できる…ということになります。

これは、220円区間のキロ単価が比較的安いために起きる現象です。

同様のことを繰り返せば、たった数日で10回に到達することもできるでしょう。

2023年3月18日からはやりづらくなる手法ではありますが、1ポイント1円以上の価値があるJRE POINTを効率よく貯めてみるのもいいでしょうね。

まとめ

JR東日本の回数券廃止と代替サービスに関する情報をまとめ、以下の知見を得ました。

  • JR東日本の紙の回数券は2022年9月30日で廃止
  • Suicaを利用したポイントサービスに移行
  • 月に10回以上、同じ運賃区間を乗車の場合は回数券よりおトク
  • 複数人での同時利用はできない
  • 分割購入の”買いだめ”ができない

紙の回数券終了はある程度予見できたことです。それが現実になっただけですが、一部の人にとっては影響が大きいですね。

回数券の廃止は他社にも波及する見込みですが、その多くでは代替サービスが用意されています。

回数券のない時代に向けて早いうちに備えておきましょう。

Suicaで220円区間を乗りまくって、JRE POINTを1日で荒稼ぎした動画を、YouTuberの綿貫さんがアップしてくれています。
>> こちら

ではまた。

タイトルとURLをコピーしました