JRE POINTが常磐線・中央線・東海道線の特急料金として利用可能に。しかも紙のきっぷを買う場合と比べて300円引き相当になるため、間接的に1ポイント1円以上の価値を発揮することになります。新幹線にも利用できますが、航空機のマイルとは性質が異なります。
JRE POINTとは
JRE POINTとは、JR東日本が発行するポイントの名称です。
同社が発行するクレジットカード「VIEWカード」の利用に応じて貯まるVIEWポイントが前身で、ポイントカタログからプレゼントを選ぶのが主流でしたが、その後、JRE POINTにリニューアルされてからは駅ビルでの買い物で貯めたり使ったりすることが出来るようになりました。
駅ビル等でVIEWカード決済すると3%のポイントが貯まるだけでなく、頻繁にポイント2倍キャンペーンをぶち込んだり、月末に5000円以上買い物すると500ポイントプレゼントされるなど、貯まり方も以前に比べて派手になりました。

電車の利用でもポイントが貯まります。新幹線や特急列車の指定席券を券売機で発券すると75ポイント券種と金額に応じてポイントが貯まるほか、近年ではSuicaで電車に乗るだけでもポイントが貯まるようになりました。
一方、使うのは少々厄介。もちろん1ポイント1円相当で使うと割り切るのであればSuicaにチャージすればいいのですが、そこは欲が出ますよね。
JRE POINTは首都圏の普通列車に連結されている普通列車用グリーン券(Suicaグリーン券)に600ポイントで交換できます。期間限定のポイント数(本来は700ポイント予定)だったのですが、今でも継続されていて、たまに400-500ポイントまで減額されることもあります。
曜日や距離によってはグリーン料金が1000円近くすることもあるので、JRE POINTのコスパの良い交換先として重宝されました。
ただ、私の場合は特急を使う頻度が多いので、頑張って使っているつもりでも貯まって貯まって貯まりまくって、消費が間に合わないのがJRE POINTの印象。
上の写真からさらに増えて、今は60000ポイントを超えていますが、もっと貯まっている人もかなりいらっしゃるはずです。
JRE POINTがリニューアル!
そんなJRE POINTですが、これから一気に使っていくことになりそうです。
その理由は2021年6月27日に実施されたリニューアル。特に注目されているのは
- 新幹線のeチケットに交換できる
- 新幹線のアップグレードに利用できる
- 在来線の特急料金に利用できる
上記かと思いますが、注目すべきは「いずれも現金よりもポイントの方がコスパがいい設計」になっている点です。
在来線の特急料金に利用できる!(利用価値大)
在来線の特急料金に利用すると、通常の特急料金から300円引き相当のポイント※で利用できます。在来線特急は短い区間でも利用する機会が多く、この場合はトクだ値が充実していません。このような場合でも300円引き相当のポイントで利用できるわけですから、対象の特急列車が走っている沿線に住んでいる方にとってはかなりのインパクトがあります。
※区間によっては300円引き相当以上の割引を受けられます!

突発的なキャンペーンで「えきねっとチケットレスサービス300円引き」が実施されることがありますが、これが恒久的に続くということになります。
そうなると、この裏技もずっと使えるわけですね。
常磐線ユーザーとしては、品川→柏(460ポイント)とか、水戸→日立(460ポイント)などで利用できるのは本当に助かります。
東海道線ユーザーも「下手に普通列車連結のグリーン車を使うくらいなら特急の方が良いや」と、乗客が特急に流れることも予想されます。
よく考えてみてください。普通列車であっても指定席料金は530円ですからね。それよりも安いポイント数で特急列車の指定席を確保できるのですから、いかに破格かわかるはずです。

しかも、151km~200kmの区間では効果絶大となります。通常の特急料金は2240円ですが、JRE POINTを利用した特急券なら1280ポイントです。なんと1000円相当近く安くできるのです。
該当区間として、例えば東京ー日立などが挙げられます。
新幹線eチケットは閑散期相当
一方、新幹線eチケットに交換する場合は、閑散期の運賃+特急料金相当のポイントで利用できるそうです。そのまま買うよりも数百円安いことは分かりますが、ベースが高いのでインパクトには欠けます。区間があえば「トクだ値」の方が割引率が高いですよね。当日飛び乗るのであればいいかもしれません。
飛行機のマイルに追従?
一部ではポイントで新幹線に乗れることを「ポイントがマイルのように使える」と報じられていましたが、残念ながら両者は全くの別物です。
航空機のマイルは、国内線の「とくたびマイル(ANA)」や「どこかにマイル(JAL)」では1マイル5円以上、国際線のビジネスクラスなどで利用すると1マイル10円近くの価値を出すこともあります。
航空会社では「空席で飛ばすよりもマシだから」という判断基準から、空席が予想される便では無償の航空券(マイルで発券する特典航空券)に座席を振り分けています。逆に言えば、空席があったとしても「出発までに埋まる見込みがある」のであれば、特典航空券には振り分けず、満席扱いとなります。乗客としてはマイルの使うタイミングが難しい代わりに、状況があえば格安に旅行が出来るというのが特徴です。
一方、今回のJRE POINTの仕組みでは、列車に空席がある限り発券できることになります。この場合、ポイントの使い勝手が現金に近いぶん、ほぼ空気輸送となるような列車でも格安なポイント数になることはありません。
空席を埋めるためのツールであるマイルと、あくまでポイント交換先を充実させたJRE POINTとでは、性格が異なるんですね。
JRE POINTがマイルのような使い方になると面白いとは思うのですが、やり方には工夫が必要です。
まとめ
新しくなったJRE POINTについて、以下の知見を得ました。
- JRE POINTが常磐線・中央線・東海道線の特急料金として利用可能
- 紙のきっぷを買う場合と比べて300円引き相当(またはそれ以上)
- 1ポイント1円以上の価値を発揮することに
- 新幹線にも利用できますが、トクだ値の方がコスパがいいケースが多い
貯まりに貯まったJRE POINT。賢く消費していきましょう。