青春18きっぷの「ご案内券」を穴があくほど読んでみたので解説します。

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鉄道
この記事は約11分で読めます。

青春18きっぷを購入すると「ご案内券」が付いてきます。ルールを知らずに買うきっぷではないでしょうから不要という声もありますが、このページではしっかり読み込んでみたいと思います。青春18きっぷ初心者向けの内容です。

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青春18きっぷのご案内券とは

青春18きっぷは、全国のJR線を走る普通列車(快速を含む)に乗り放題となる普通列車用乗車券です。5回分で12050円。主に学生の長期休みに合わせて、年に3回発売されています。

青春18きっぷを購入すると「ご案内券」が付いてきます。ここには青春18きっぷのルールが詳しく書かれていますが、使ったことがある人にとっては常識中の常識な内容。冒頭で「不要」と言ってしまった私、ご案内券はほぼすぐ捨ててしまいますが、奇跡的に1年前のものが1セット残っていました。捨てられるのも時間の問題なので、その前に読み込んでみたいと思います。

「ご案内1」の解説

ご利用人数について

5回(人)まで利用できます。(複数人数でも利用できます。なお、複数人数の場合は同一行程となり、入出場の際には必ず青春18きっぷ本券が必要です)
分かりやすさ:★★★★☆

青春18きっぷには5箇所にスタンプを押す欄があります。ここに利用日のスタンプを押してもらうことで、その日は終日乗り放題になるのですが、同じ日付のスタンプを複数押すことにより、複数人数でも使用できるようになります。これが「5回(人)まで利用できる」の意味です。

複数人で使用する場合は、そのグループは同一行程でなければなりません。複数回分利用したとしても、きっぷ本券は1枚しかありませんので、きっぷと一緒に行動することが求められます。ご案内を見せても使用できません。これが「同一行程」「入出場の際には必ず青春18きっぷ本券が必要」の意味です。

なお、複数人数で利用するときに、1人が先に使用開始し、途中駅でもう1人を迎え入れることは可能です。この場合、先に使用している人は、友達が待っている途中駅で一回改札を出なければなりません。また、途中駅で合流する場合は、青春18きっぷ本券を持っている人と合流する駅までの運賃が必要です。

利用できる列車について

快速・普通列車の普通車自由席・BRT・JR西日本宮島フェリーが利用できます。
分かりやすさ:★★★★★

青春18きっぷで乗車できるのは普通列車(快速を含む)のみですが、三陸エリアのBRTにも乗車できます。また、広島県内の宮島フェリーにも乗船可能です。宮島へは複数のフェリーが運航されていますので、必ずJRフェリーであることを確認してから乗船しましょう。

利用開始方法について

乗車時に改札口で(無人駅から乗車の際は車掌から)利用日の記入を必ず受けてください。
分かりやすいさ:★★★★★

初回乗車時に日付の入ったスタンプを改札口でもらってください、という意味です。無人駅の場合は車掌からもらうことになりますが、最近は無人駅+ワンマン運転+車内精算なし…という都市型ワンマンと呼ばれる形態をとる路線も増えています(水戸線など)。この場合は、無人駅から乗車する際に「乗車駅証明書」を入手するようにしてください。

利用できない列車について

特急(新幹線含む)・急行列車・グリーン車に乗車する場合は特急券・急行券・グリーン券等のほか、普通乗車券が別に必要です。
分かりやすさ:★★☆☆☆

これね、すごくわかりにくい書き方をしています。普通乗車券が別に必要です…というのは、青春18きっぷは使えません…と置き換えて読みましょう。

特急に乗車する場合は、特急券+青春18きっぷという使い方はできませんのでご注意ください。

なお、グリーン車に乗車する場合も使用不可と書かれておりますが、これはグリーン車指定席の場合です。グリーン車自由席の場合はグリーン券+青春18きっぷで使用可能です。ここも誤解を招きますね。

料金券との併用について

快速・普通列車のグリーン車自由席のご利用時にはグリーン券が、普通車指定席のご利用時には座席指定券が、乗車整理料金やライナー券が必要な列車のご利用時には別に料金が必要です。
分かりやすさ:★★★☆☆

これも分かりにくいのですが、要するに上記列車に該当する場合は、相当の料金券を買えば青春18きっぷと併用可能である、という意味を表しています。

首都圏を走る2階建てのグリーン車は自由席なので、グリーン券+青春18きっぷでの利用が可能。臨時快速列車など、全車指定席の列車を利用する場合は、普通車であれば座席指定券+青春18きっぷで利用可能です。

「ご案内2」の解説

特急に乗車できる特例について

奥羽本線新青森~青森間、石勝線新得~新夕張間は、特例として当該区間内相互発着の場合に限り、このきっぷのみで特急・急行列車の普通車自由席に乗車できます(新青森~青森間相互発着に限り全車指定席の快速・普通列車の普通車の空いている席も利用可能)。なお特例区間外にまたがり乗車する場合は全乗車区間の乗車券及び料金券が必要です。宮崎空港~宮崎間、早岐~佐世保間はこのきっぷのみで特急列車の普通車自由席に乗車できます。
分かりやすさ:★★☆☆☆

これも長すぎて読みたくなくなりますよね。ちょっと整理しましょう。

まず、石勝線の新得~新夕張間は、普通列車が1本も走っていない区間となります。同区間のみを乗車する場合は、乗車券のみで特急列車に乗車できる特例があり、これが青春18きっぷにもそのまま適用されているのです。同区間から少しでもはみ出す場合は特例の対象外になるため、全区間に対して特急券が必要になります。その場合は、全区間が「通常の特急扱い」となるため、青春18きっぷも使えません。ということですね。

新青森~青森間や宮崎空港~宮崎間、早岐~佐世保間には普通列車も走っていますが、同区間は利便性を確保するため、乗車券のみで特急列車の自由席に乗車できる特例があり、青春18きっぷにも横展開されています。

さらに新青森~青森間には「リゾートしらかみ」という全車指定席の快速列車が走っていて、通常であれば座席指定料金が必要になるのですが、同区間利用に限り、乗車券のみで空席を利用していいことになっています。

いずれも、青春18きっぷで特急列車に乗れる貴重な区間として知られています。

払い戻しについて

払戻しは有効期間内で未使用に限り発売箇所で行います(要手数料)。
分かりやすさ:★★★★★

これはこのままですね。有効期間内で、かつ未使用(一つもスタンプが押されていない状態)であれば、発売箇所で払い戻しの手続きをしてくれます。その際、手数料が220円かかります。

発売箇所であれば、どの駅のみどりの窓口でも払い戻しの手続きをしてくれますが、クレジットカードを利用して購入した場合には制限が出る場合があります。

輸送障害時の補償について

列車の運行不能・遅延等による払戻し及び有効期間の延長はいたしません。
分かりやすさ:★★★★★

とても分かりやすい内容です。

どんなに列車が遅れても、それを理由にした払戻しはできません。ただし、新型コロナウイルスの蔓延による政府からの要請があれば、払い戻しに応じることがあります。この場合も未使用であることが求められます。

優等列車への振り替えについて

災害等の理由により、利用予定の列車に接続せず、当日の最終目的地に到着しない場合でも新幹線・特急等への乗車はできません(一部区間を除く)。
分かりやすさ:★★★★☆

青春18きっぷは、どんなに列車が遅れたとしても一切の保証が約束されておりません。ここで「保証が受けられません」と言い切れないのは、温情で救済措置をしてくれることがあるからなのですが…お客の立場からJRに「新幹線に乗せろ」などと要求することはできません。

青春18きっぷを使用するうえでは最も大切な心得でもあるのですが、大の大人が駅でごねているのをよく見ます。みなさんはやめてくださいね。

なお、最後の( )が余計なんですよね。変に期待させるというか…一部区間を除くって何!?と思ってしまいますが、これは、奥羽本線などの特例の件を指すと思われます。特例で認められている区間であれば、もちろん遅延時にも乗車できます。

「ご案内3」の解説

他社線の通過利用に関する特例について

旅客鉄道会社線(JR線)以外の会社線を経由する列車をご利用の場合は別に会社線に有効な乗車券類が必要です。ただし、青い森鉄道線の青森~八戸間は通過利用する場合に限り快速・普通列車の普通車自由席に乗車できます。当該区間内で下車した場合、別に会社線乗車区間の運賃が必要です(青森・野辺地・八戸に限り下車可能)。あいの風とやま鉄道線の富山~高岡間、IRいしかわ鉄道線の津幡~金沢間はJR線へ通過利用する場合に限り、普通列車の普通車自由席に乗車できます(乗車整理券・ライナー券が必要な列車には、別に乗車整理券・ライナー券が必要)。当該区間内で下車した場合(富山・高岡・津幡・金沢では下車可能)、または当該区間を越えて乗車した場合は、別に会社線全乗車区間の運賃が必要です。
分かりやすさ:★☆☆☆☆

ごちゃごちゃ書かれていて、初見には超難しいルールです。

まず、旅客鉄道会社というのは全国のJRのことです。JR以外の会社線というのは、北越急行だったり、伊豆急行だったり、青い森鉄道だったり…つまりはJR以外ということ。簡単なことを複雑に書きすぎていますよね。笑

で、ここからが本題なのですが、昔はJR線だったのに新幹線の開業によってJRから経営分離された路線が全国に点在しています。主に幹線が経営分離されているのですが、これにより幹線から枝分かれする「孤立したJR線」が生まれてしまいました。

例えば、青森県の野辺地と大湊を結ぶ大湊線などが該当します。大湊線で青春18きっぷを使用開始した場合、当該きっぷのみで他のJR線に向かうことができません。この状況を救済するため、最低限の区間のみ青春18きっぷでの通過利用を認めたのです。

青い森鉄道線の通過利用は大湊線に対し、あいの風とやま鉄道線の通過利用は氷見線と城端線に対し、IR石川鉄道線の通過利用は七尾線に対し、それぞれ救済措置を取っています。

あくまで救済のための特例ですので、区間を越えて利用した場合には全区間の運賃が別に必要になります。

「ご案内4」の解説

紛失時の対応について

きっぷを紛失された場合、あらためてきっぷをお買い求めいただきます。紛失したきっぷが発見された場合でも払戻いたしません。
分かりやすさ:★★★★★

青春18きっぷを失くしたら最後…ということですね。

なお、通常の乗車券を失くした場合、全く同じきっぷを購入する際に「失くしてしまった旨」を説明すると、再収受証明を受けたきっぷとして発売してくれます(現金のみ)。再購入したきっぷは持ち帰ることができ、後日失くしたきっぷが出てきた場合は、2枚を持参することで再購入分を払戻してくれる制度があります(手数料は必要です)。

でもこれは通常の乗車券の場合です。青春18きっぷには適用されませんので、失くさないでください。

自動改札機の利用について

自動改札機は利用できません。
分かりやすさ:★★★★★

青春18きっぷはスタンプの日付で管理しますので、自動改札を通れない仕組みになっています。

なお、JR東日本やJR北海道で使用できる「北海道&東日本パス」は自動改札機対応です。

青春18きっぷの1日の定義について

日付をまたいで利用する場合の有効区間について

乗車が翌日にまたがる場合は0時を過ぎて最初に停車する駅まで(東京・大阪付近の電車特定区間内では最終電車まで)有効です。
分かりやすさ:★★☆☆☆

青春18きっぷの「1日」は0時から24時であり、初電~終電ではありません。これは、かつて全国を走り回っていた夜行快速列車に対応するためのルールともいわれていますが、これが今でも残っています。

旅行が夜遅くまでかかる場合、0時を過ぎて最初の停車駅までが青春18きっぷの1日であり、以降は別途乗車券が必要になるので注意が必要です。

ただし、東京や大阪に設定されている「電車特定区間」内であれば、終電車まで有効です。

日付変更直後に利用開始する場合の有効区間について

運行が翌日にまたがる列車をご利用になる場合で乗車中に0時を過ぎてから「青春18きっぷ」を利用するときは、0時を過ぎて最初に発車する駅までの乗車券が必要です。
分かりやすさ:★★★☆☆

前項目と同じことを言っています。今では深夜から旅行を開始することは滅多にないため重要視されませんが、かつては明暗を分けるルールでした。

かつて走っていた新宿を23時10分に発車する新潟行きムーンライトえちごは、大宮を同日中に出発したのち、0時を過ぎて最初に停車するのは高崎でした。つまり、青春18きっぷ1回分で旅をしようとすると、新宿から高崎までの乗車券が追加で必要だったのです。もし列車に遅延が生じていて大宮の時点で日付をまたいでくれていれば、乗車券は大宮まででOKだったんです。複雑ですよね…。

まとめ

青春18きっぷのご案内券を改めて読んでみました。

  • 青春18きっぷは普通列車・快速列車のみ利用可能
  • 特急券を追加しても特急や新幹線には乗車できません
  • 特例がたくさんあります
  • 0時をまたぐ場合は注意が必要です

よい旅を。

ではまた。

編集後記
数年前の話ですが、土浦駅近くで飲みすぎてしまい、勝田方面へ帰るのが常磐線の終電になってしまったことがありました。しかも次の日は東京に行かなければならない…
こんなとき、土浦→勝田の終電は日付が変わることから、東京に行く”翌日”の用事と合わせて青春18きっぷ1回分で済ませた…というエピソードがあります。
賢く使うといいですね。というか、酔った頭でよくも機転が利いたものだと、当時の自分をほめてあげたいです。今ではお酒を飲めませんが。

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