武蔵野線は本当に不便なのか!?実はディズニーや幕張メッセへのアクセスに便利。連絡線も大活躍。

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鉄道
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武蔵野線は、府中本町ー西船橋間を結ぶ通勤路線ですが、実際は西船橋から京葉線へ直通し、東京行きと南船橋行きに分かれます。南船橋行きの列車のうちの一部は海浜幕張まで延長運転しています。わずか2駅の延長運転ですが、これにより便利になり、救われる人がいます。東京ディズニーリゾート(R)へのアクセスにも使えます。京葉線沿線が目的地となる移動手段として、地味な存在の武蔵野線を使いこなしましょう。武蔵野線には首都圏から放射状に延びる各路線を繋ぐ役割があります。このおかげで、多くの臨時列車をフレキシブルに設定することができています。

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武蔵野線とは

東京の郊外をぐるり一周

JR武蔵野線は、府中本町ー西船橋間を結ぶJR東日本の路線です。東京都心の外側をぐるっと回る路線で、放射状に郊外へ向かう主要路線同士を結ぶ重要な役割を担っています。

西船橋から先は京葉線に入り、東京や南船橋へ直通運転。京葉線内でも「武蔵野線」として案内されていますから、一般的なイメージは下記の路線図ではないでしょうか。

出典:国土地理院Vector(こちら)を背景に、路線図を筆者追記

ひたすら「一世代前の車両」を押し付けられ、設備もどこか古めかしい駅が続く武蔵野線ですが、前述のように重要な路線であることは間違いなく、JR東日本も「東京メガループ」の一部として力を入れ始めている路線です。

現在はE231系0番台や209系500番台という、少し前まで中央・総武緩行線で活躍していた車両がメインで走っています。結局お古ですが(笑)、かつて走っていた205系という昭和から走っていた電車を置き換えたことにより、快適性も着実にアップしています。

東京ディズニーリゾート(R)へのアクセス路線としても機能する中、座席のないスペースがクハ(各先頭車両)に設置されているので、ベビーカー利用時にも便利になりました。

もともとは「貨物線」

ここまでの中で、「武蔵野線の区間」に関する記載で若干の嘘をついています。

我々が乗れる区間(=旅客営業区間)としては府中本町ー西船橋で間違いないのですが、厳密には鶴見ー西船橋間が武蔵野線になるそうです。

鶴見ー府中本町間には乗客が乗降できる途中駅はなく、梶が谷付近を除きほとんどが地下区間となります。専ら貨物列車のみが走行する区間となっていて、ホリデー快速鎌倉→特急「鎌倉」などの臨時列車の通過利用を除き、通常は乗客として同区間を乗ることはできません。

府中本町ー西船橋間も、もともとは貨物輸送をメインにしようとしていた路線で、他の幹線との交差地点には連絡線が設けられています。

  • 東海道本線:鶴見付近で接続
  • 中央本線:西国分寺駅付近で接続
  • 東北本線:武蔵浦和駅付近で接続
  • 常磐線:南流山駅付近で接続
  • 京葉線:西船橋駅付近で接続

通常通ることは無いので気にする必要はありませんが、とりあえず各路線との接続線を備えていることは覚えておきましょう。

「新」や「東西南北」が付く駅名が極端に多い

貨物線ということもあり、街からちょっと外れたところを走っています。

このことは「新や東西南北が付く駅名が極端に多い」ことからも明らかでしょう。

土地に余裕のある場所を走っていることもあり、新しい街が生まれることも珍しくありません。例えば、日本最大のイオンモール「イオンレイクタウン」も武蔵野線沿線にでき、越谷レイクタウンとして新駅が誕生しています。

連絡線を活用した直通列車

…とはいえ、やっぱり何となく不便で悪いイメージを持っている人が多いことも否めない武蔵野線。

その理由は明白で、おそらくはこれに尽きるでしょう。

武蔵野線と接続する他路線において、

  • 速達型列車が停まらない(中央特快など)
  • 中距離列車が停まらない(宇都宮線、常磐線、総武快速など)

または、こんなお悩みもあるでしょう。

乗換駅での待ち時間が何となく長い(気がする)

そんな不便な状況を少しでも改善しようと、ダイヤの隙間を縫って変わった列車も走っています。具体的には、大宮駅を起点とした八王子行きの「むさしの号」と南船橋方面行きの「しもうさ号」です。

これらの列車は前述の連絡線を活用して運行されていて、大宮駅から乗り換えすることなく武蔵野線に入ることができる便利な列車です。

しかし、運行本数は極端に少なく、1日数本のみ。

狙わないと出会えない電車で、残念ながら普段使いには向きません。

武蔵野線内では東京方面が「下り」

極めつけにこちら。

みなさん、東京に向かうのが「上り」だと習いましたよね。でも、それは武蔵野線には当てはまりません。

鶴見ー西船橋間を結ぶ武蔵野線の起点は鶴見駅として設定されています。起点に向かう列車が「上り」になることから、鶴見方面が「上り」、西船橋方面が「下り」となります。

旅客列車も上記に倣いますので、府中本町行きが「上り」、西船橋方面が「下り」となります。

この流れで、府中本町発東京行きは「下り列車」ということになります。

東京行きの電車は京葉線に入る西船橋駅で「上り」に切り替わりますが、あくまで武蔵野線内では「下り」です。

もはや混乱の極みに達したところで、武蔵野線の基本情報共有は終わりにします。

実は便利な武蔵野線

どう頑張っても持ち上げることの出来なかった武蔵野線ですが、使い方によってはとても便利な路線です。

京葉線と武蔵野線、仲がいいように見えてライバルだったりします。多くの人が使えそうな場面において武蔵野線の強みを見出すには、京葉線の弱みにつけこむのが近道です。

実は不便な京葉線東京駅

武蔵野線が直通運転する京葉線。その起点となる東京駅は非常に不便であることで有名です。もともと成田新幹線用に準備された乗り場を京葉線に転用したのですが、そのホームの位置が他の路線から著しく離れているうえに、地下深くまで潜らされることから、敬遠されてしまうのも無理はありません。

しかし、JRの乗車券は多くの場合で経路を自由に選べるので、京葉線東京駅を避けたルートを選択することもできるのです。

京葉線沿線にお出かけの際、東京駅を避けるにはどうしたらいいんだろう…と考えたときに満を持して登場するのが「武蔵野線」でございます。

東京ディズニーリゾート(R)×武蔵野線

日本最大級のテーマパーク「東京ディズニーリゾート(R)」の最寄り駅「舞浜」へは、京葉線で行くことができます。

多くの人は京葉線東京駅から蘇我方面行き電車に乗車して向かいますが、これを「逆サイド」からアプローチしてみませんか?というご提案です。

もちろん、神奈川県や東京都内に住んでいる人は素直に東京駅や新木場駅から向かうのがいいのでしょうが、埼京線や京浜東北線の浦和以北、高崎線や宇都宮線、常磐線沿線に住んでいる人にとっては一考の価値ありです。

上記の中で、例えば常磐線沿線から向かう人は、特急ひたち号などで東京まで行ってしまいがちですが、特急ときわ号または普通列車で柏に向かい、新松戸経由で武蔵野線に乗車すれば、東京駅を経由せずに到達可能です。今ではすべての特急ときわ号が柏駅に停車し、パーク開園前のアクセスがさらに便利になっています。

高崎線や宇都宮線を利用している人にとっては、東京駅まで向かってもらうのが一番早いのが正直なところ。しかし、武蔵浦和や南浦和で武蔵野線に乗り換えれば、舞浜駅まで乗り換えなしで向かうことができます。中距離列車が両駅に止まらないのが玉に瑕ですが、京浜東北線や埼京線ユーザーであればスムーズに乗り換えができるでしょう。一見遠回りのルートですが、時間帯によっては武蔵野線経由が最速として検索されることもあります。

一日中パークで遊んだ後に東京駅構内を歩きたくない…。そんなときは、武蔵野線に迂回してみましょう。最初は立つかもしれませんが、西船橋駅で乗客の入れ替えがあるほか、路線の特性上、乗りっぱなしのお客さんは少ないので、常に座れるチャンスがあります。

2022年7月現在の土休日の一例です

上記の例で登場する舞浜21時35発の列車は西船橋行きですが、西船橋では隣のホームで府中本町行きが待ってくれています。

幕張メッセ×武蔵野線

東京行きと南船橋行きがやってくる武蔵野線。あまり知られていないのですが、朝夕の一部列車は「海浜幕張行き」として運転されています。

海浜幕張と言えばイオン本社などの企業、アパホテル&リゾート東京ベイ幕張などのホテル、イオンモール幕張新都心の玄関口として、コロナ影響を除けば利用者が増加の一途をたどっています。これらの関係者であれば慣れたものですが…

近くには幕張メッセがあり、同施設に向かう一見さんには「武蔵野線の海浜幕張行き」はあまり知られていない存在だったりします。

何も考えなければ、京葉線東京駅から海浜幕張に向かうことになりますが、ここでも武蔵野線に勝ち目があります。

幕張メッセに着くのが11時頃でよければ大宮始発の「しもうさ号」が海浜幕張行きとして運転されていますので、とても便利です。この「しもうさ号」ですが、大宮から乗り換えなしで海浜幕張まで行けるのはもちろん、常磐線を上ってくる特急「ときわ号」とも相性がいいのです。

幕張メッセを離れるのも16時以降のケースが多いと思いますが、同時間帯以降は海浜幕張始発の武蔵野線が設定されています。決して本数が多いわけではないので、時刻表を確認したうえでうまく捕まえましょう。

武蔵野線は「臨時列車の通り道」

普段はあまり意識することは無いかもしれませんが、貨物線としての役割も担う武蔵野線があるおかげで、各地から各地への臨時列車が運行できるようになっています。

京葉線・常磐線・宇都宮線(高崎線)・中央線・東海道線と、首都圏から放射状に延びる各路線に連絡線を設けているため、需要に合わせて自由自在に臨時列車を設定することができるのです。

上記写真は、茨城県の日立駅から埼玉県の川越駅まで運行された特急「小江戸川越の風」です。ここまで読んでくださった方であれば、もう運行経路は分かりますよね。

武蔵野線がなければ、この列車の運行は(できなくはないですが)極めて難しかったと思われます。

東京ディズニーリゾートへ向かう臨時列車は、ほとんどすべて武蔵野線を活用しています。

まとめ

武蔵野線のいいところを一生懸命探し、以下の知見を得ました。

  • 東京の外側を環状に結ぶ重要路線で「東京メガループ」の一部
  • もとは貨物線
  • 連絡線を活かした便利な列車を運転するも本数が少ない
  • 朝夕を中心に海浜幕張まで乗り入れる列車がある
  • ディズニーや幕張メッセへのアクセスにも使える
  • 武蔵野線のおかげで多彩な臨時列車を運行できます

意外と奥が深く、使い勝手もいい(かもしれない)武蔵野線。この機会に興味を持ってくれたらうれしいです。

ではまた。

編集後記
特急「鎌倉」など、武蔵野貨物線(府中本町ー鶴見間)を走る旅客列車に乗車するとき、運賃計算がどうなるのか気になりますよね。これについては「府中本町ー南武線ー武蔵小杉ー横須賀線ー鶴見(横浜)」という経路で乗車したとみなされるようです。もっとも、東京近郊区間内の移動であって、Suicaで運賃を気にせず行くことが多いでしょうが、もし経路を正確に定めないといけない場合には、南武線・武蔵小杉経由・横須賀線で発券するようにしましょう。

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