茨城県ひたちなか市にある国営ひたち海浜公園の玄関口となるのはJR常磐線勝田駅。ここからの移動は茨城交通バスが便利。790円の一日フリーきっぷには、公園入園券とのセット販売もあります。車内が混雑する上に渋滞することがあるので、定時性や快適性を求めるならひたちなか海浜鉄道の利用も選択肢となるので併せて紹介します。安さを求めてコミュニティバスを選択する人もいますが、本数やルートを考えると非現実的でお勧めできません。
国営ひたち海浜公園とは
国営ひたち海浜公園は、茨城県ひたちなか市にある巨大な国営公園です。
東京都内から常磐道経由で約2時間の場所に位置しています。太平洋に面した海岸線を有し、四季折々の花々が咲き誇る広大な敷地を誇っています。
多くの花や植物が植えられた園内には、広い芝生広場や遊具を備える公園や、バーベキューを楽しめる施設など、様々なエリアがあります。また、公園内にはレストランや売店もあり、家族連れやグループでのお出かけに人気です。
冬季を除き、いつ行っても何らかの花は見ごろを迎えていますので、地元の人は年間パスポートを持っているケースも多いです。年間パスポートは10回くらい行かないと元を取れない計算なのですが、割増料金となる「ハイシーズン」にもそのまま使えるので近くに住んでいるならオススメです。
全国的には「みはらしの丘」が有名です。一面に咲き誇るコキアとかネモフィラとか…あとは…まぁ何かいろいろありますが(笑)、とにかく映えるので大人気。うん。そうそう。
…って、なぜ突然歯切れの悪い文章になってきたかというと…茨城県に住んでいる私、海浜公園にはすぐに行けるのですが、コキアやネモフィラが全盛の時は混みすぎているので一度も行ったことがないんです。
このページを見ている人は、おそらくどんな感じなのか写真くらいは見たことがあると思うので省略します。ただ一つ言えるのは、めちゃめちゃ混むよ、っていうこと。
行楽シーズンには周辺道路が渋滞します。その渋滞は北関東自動車道から友部JCTを介して常磐自動車道まで伸びてしまうこともあります。お帰りの際は、三郷料金所からず~っと並んでしまうことがあります。これらの渋滞を「ネモフィラ渋滞」や「コキア渋滞」などということもあります。
そう、車で行くのは無謀と言わざるを得ないのです。
だからこそ、大混雑の時期に行こうとしていて公共交通機関を選ぼうとこのページを見ている人は賢いと思います。
この記事では、公共交通機関を利用して国営ひたち海浜公園に行こうとしている人へ、複数の選択肢をご案内いたします。
賢いみなさまがさらに賢くなれるよう、茨城県民の交通マニアが全力でサポートしますので、ぜひご参考ください。
鉄道での玄関口は「勝田駅」です
国営ひたち海浜公園への玄関口として活躍するのはJR常磐線の勝田駅です。
勝田駅は、茨城県ひたちなか市にある街の中心駅。
周辺には日立製作所やその関連会社、過去にその関連会社だった会社も含め、企業城下町として機能しています。Twitterでも、朝の勝田駅の怒涛のラッシュが話題になったこともありますよね。
▼通勤電車ドットコムさんの投稿を引用
高崎線の「籠原」とか宇都宮線の「小金井」のような、車庫があるからと苦し紛れに空気を運んでいるわけではありません。「勝田」は街の中心駅です。
そんな勝田駅と国営ひたち海浜公園を結ぶアクセス手段と、その周辺に関する情報をお届けするのが、今回の記事となります。
勝田駅~国営ひたち海浜公園 アクセスまとめ
早速ですが、まとめると下記の通り。
方法 | 通常往復運賃 | フリーきっぷ 通常運賃 | 本数の充実性 | 所要時間の短さ | 選ぶメリット |
茨城交通バス | 800円 | 790円 | ★★★★★ | ★★★★★ | 定番の交通手段で安定している |
ひたちなか海浜鉄道湊線 (無料送迎バス運行情報注意) | 1140円 | 1000円 | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | 多客時に渋滞を回避できる |
スマイルあおぞらバス (コミュニティバス) | 200円 | ー | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | 安い |
とりあえず選んで間違いないのが「茨城交通バス」です。
変わり種&渋滞回避で裏口から攻めるなら「ひたちなか海浜鉄道湊線」ですが、阿字ヶ浦駅から海浜公園までのシャトルバスが運行されているかどうかを確認する必要があります。
コミュニティバスにも一応触れておきますが、基本的には考えないほうがいいでしょう。
ダイレクトアクセスの「茨城交通バス」
早速ですが、最も手っ取り早い方法が「茨城交通バスでダイレクトアクセス」であることをお伝えします。
どのバスにどこから乗るの?
勝田駅から公園までは、茨城交通バス「海浜公園方面行き」に乗車してください。時間帯によって行き先が細かく分かれますが、
- 市役所・海浜公園西口・中央研修所経由、海浜公園南口行き
- 市役所・海浜公園西口経由、中央研修所行き
など、とりあえず「海浜公園」っていう文字が入っていたら行きます。
バスは勝田駅の東口から発車します。
ローソンの目の前あたりから出ますので、改札を出たら右に進み、左の階段を降りると最短ルートです。
運賃と割引きっぷ情報
勝田駅~海浜公園の運賃は片道400円です。
SuicaやPASMOは使えません。入口にカードリーダーがありますが、これは「いばっピ」という超ローカルなICカードで使うもので、Suicaなどをタッチしても無反応です。
「いばっピ」をお持ちであれば、運賃が1割引きになるので、単純往復であればそのまま乗車した方がオトクです。
一方、勝田駅~海浜公園間が一日乗り放題となるフリー乗車券が790円で発売されているので、現金利用で往復ともバスを利用するのであれば買うべきです。シーズンであればのりば近くに売り場が設けられます。
個人的には乗換案内のアプリから購入するのがオススメです。登録などが面倒でなければ、ぜひ活用してみましょう。
所要時間
間隔はバラツキがあり、多客時には臨時バスが運行されることもあります。
勝田駅~海浜公園間は、だいたい15分と案内されています。
実際には商業施設や海浜公園の渋滞に巻き込まれることがあるので、20分以上かかると思っておいた方がいいでしょう。
特に帰りは注意。ファッションクルーズ周辺の渋滞が深刻化することがあるので、電車の時間には余裕を見たほうがいいでしょう。受け取り後の変更できないタイプの特急券(トクだ値など)を持っている場合は、時間にかなり余裕をもって帰路に着くか、万が一に備えて受け取りを直前まで引き延ばした方がいいかもしれません。
周辺情報
勝田駅~海浜公園間は、昭和通りという大通りで一直線です。バスもほぼ一直線で進みます。
周辺には飲食店のロードサイド店舗が多くありますので、地図とにらめっこしながら途中下車するのもありでしょう。
ざっくりいうと、
ジョイフル本田東~ジョイフル本田西には「ファッションクルーズ」という地元では知らない人は一人もいないと言われるほどの大型ショッピングセンターがあります。
市民球場入口~馬渡十文字付近にはスタバやマクドナルド、ステーキ宮などのチェーン店があります。
中間のバス停も同じような感じで、ファミレスから牛丼チェーンまで、誰でも入りやすいお店が軒を連ねます。
一方、勝田駅~NTT前などの駅前エリアまで来ると居酒屋が増えてきます。ファミリーで動いていて食事を駅前で済ませようとしている場合は選択肢が狭まりますから注意です。もちろん、居酒屋にもキッズメニューが置かれる時代ですから、気にされなければこの限りではありません。
渋滞回避の「ひたちなか海浜鉄道湊線」
もう一つ忘れてはいけないのは、ひたちなか海浜鉄道湊線でのアクセスです。
「茨城交通バスでダイレクトアクセス」が正解と言ってしまいましたが、こちらを選ぶメリットもあります。
一見「遠回り」だがシーズンは有用!
ひたちなか海浜鉄道湊線は、勝田~阿字ヶ浦を結ぶローカル線ですが、海浜公園へのアクセス手段としても使えます。阿字ヶ浦~海浜公園間の延伸も計画されていますが、まだ時間がかかる模様。
延伸されていない現在では、阿字ヶ浦から海浜公園までは徒歩連絡となりますので、お世辞にも便利とは言えません。
ただし、ハイシーズンになると話が変わります。
多客時には阿字ヶ浦~海浜公園間でひたちなか海浜鉄道が貸切って運行する臨時バスが走ります。
このバスは運賃無料なのでオトクなうえ、路線バスが走る大通りとは反対側から公園に入りますので、シーズン中でも渋滞を回避することができます。
一見遠回りですが、トータルで見るとスムーズな移動ができますので、特に混雑が激しくなるネモフィラ・コキアシーズンにはおすすめのルートです。
貸し切りバスの運行は「茨城交通」です。あれ?ライバルじゃ…笑
運賃と割引きっぷ情報
ひたちなか海浜鉄道湊線は、運賃が570円と高額ですが、一日フリーきっぷで1000円となります。
往復ともに利用するのであれば買ってしまった方がいいですね。
なお、繰り返しですが阿字ヶ浦~海浜公園間の臨時バスは無料で利用できますので、かかるのは鉄道運賃のみです。
なお、シーズンになると勝田駅の構内に「きっぷ売り」が現れます。ライバルの茨城交通に取られる前に駅構内で確保してしまおうという作戦か…
ちなみに、週末パスを利用して茨城までお越しの場合は、フリーエリアに含まれますから、そのままひたちなか海浜鉄道湊線に乗車できます。重複して購入することのないように気を付けましょう。
時期は限られますが、ときわ路パスを利用の場合もフリーエリアに含まれます。
周辺の状況
上記の茨城交通バスとは異なり、大通りから外れた地域を走りますので、何も考えずに降りてしまうと途方にくれます。
途中に那珂湊という駅があり、ここからであれば「おさかな市場」に行くことができます。旅行雑誌ではほぼ間違いなく紹介されるスポットですので、お時間があれば立ち寄ってみるといいでしょう。
ちなみに那珂湊駅はひたちなか市の中でも南部に位置していますので、少し足を延ばせば大洗水族館にも行くことができます。大洗水族館見学後にバスで水戸駅まで戻るというルートを取ることもできますね。
安いだけの「スマイルあおぞらバス」
スマイルあおぞらバスは、ひたちなか市が運行するコミュニティバスです。
基本的には小型のバスですが、大型バスで運行される便もあります。
フリーパスはないものの、運賃は100円(子ども同額)と格安です。
しかし、コミュニティバスがゆえに大回りをし、一般路線バスと比較してかなり時間がかかることになります。しかも本数が少ない。
安さにつられて使うのは賢い選択とは言えないでしょう。
なお、安さ以外の唯一のメリットとしては「ファッションクルーズのど真ん中まで乗り入れる」という点。ショッピングを楽しむのであれば、特に雨の日は助かるかもしれませんね。
参考リンク
勝田駅から国営ひたち海浜公園をめざす人にとって有用そうなリンクを下記に貼っておきますので、ご参考ください。
ジョルダンモバイルチケット
本ページ内で紹介したモバイルチケットはアプリでの購入となります。下記のリンクからダウンロードできます。乗換案内の機能です。
>> こちら
茨城交通
勝田駅からの一般路線バスを担当しています。当サイトではこちらの手段をオススメしています。割引きっぷに関する情報も掲載されています。いばっピは買わなくていいです。
>> こちら
ひたちなか海浜鉄道線
ローカル線での旅を楽しみたい方はこちら。阿字ヶ浦からのアクセス手段に気を付けて。無料シャトルバスが運転される場合にはホームページで公開されます。シーズンになるとサイトが重くなります。
>> こちら
国営ひたち海浜公園
>> こちら
ファッションクルーズ
>> こちら
ではまた。