【石岡~鉾田】かしてつバスの解説(茨城空港にも行けるBRT)

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バス
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2007年に廃止となった、石岡駅と鉾田駅を結ぶ鹿島鉄道線の跡地を利用し「かしてつバス」が走っています。石岡駅~四箇村駅までの5.1kmがバス専用道として整備され、石岡駅~新鉾田駅間や、石岡駅~茨城空港間を走る路線バスが走行しています。並行する国道355号線の渋滞を回避し、定時制の高いBRTバスとして地元に定着。今では茨城空港へのアクセスも担う重要路線となりました。土休日に乗るなら「関鉄バスIC一日乗車券」が使えます。

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かしてつバスとは

鹿島鉄道線の廃止

かつて、茨城県の霞ケ浦北部を走る鉄道路線がありました。

石岡駅と鉾田駅を結んでいた鹿島鉄道線は、全長約27kmの地方ローカル線で、「かしてつ」などと呼ばれて愛されてきました。

JR常磐線と鹿島臨海鉄道線に挟まれた”鉄道空白地帯”を結んでいましたが…

人口減少と自動車へのシフトが進む中で乗客減に歯止めがきかず、経営難となっていました。

自衛隊の基地(百里基地/茨城空港)へのジェット燃料の運搬を担い、何とか食いつないできましたが、鉄道と基地を結ぶパイプラインの老朽化によってジェット燃料扱いが終了。

かつて運行を担っていた関東鉄道などからの補助金が頼みの綱でしたが、関東鉄道自身もTX開業等による影響で収入減となり、他を助けている場合ではなくなってしまいました。

そしてついて2007年に廃止。80年以上続いた歴史に幕を下ろしました。

出典:国土地理院Vector(こちら)に筆者追記

鹿島鉄道線跡地を整備

鉄道が廃止になるとバスが走るというのが世の常ですが、ここは(少なくとも当時としては)少し特殊でした。

鉄道の跡地をアスファルトで整備し、バスだけが通れる道(バス専用道BRT)にしたのです。

事業主体となったのは石岡市と小美玉市。茨城県と両市が合計約8.4億円の事業費を負担して整備しました。

一方、運行主体となったのは関鉄グリーンバス

下を公的に整備し、上を民間が走る、鉄道で言ういわゆる「上下分離方式」に近い形で運用開始。これは「公設民営」というらしく、かしてつバス専用道が全国で初めてのケースとなったようです。

鹿島鉄道線の代替バスが「かしてつバス」

こうして運行が開始されたのが「かしてつバス」です。

前述のように、同区間を運行しているのは関鉄グリーンバスであり、あくまで「かしてつバス」というのは愛称となります。

運賃の計算や使える乗車券類は関鉄バスを主体とした関鉄グループと同一となります。

「かしてつバス」に乗るならのちに重要となる情報ですから、必ず覚えておきましょう。

かしてつバスの運行区間

「かしてつバス」は、バス専用道区間を通る関鉄グリーンバスの愛称であることは伝わっていると思います。改めて運行区間を見てみましょう。

石岡駅ー四箇村駅

石岡駅と四箇村駅の間は、前述のバス専用道を経由します。

同区間は、関鉄グリーンバスの一般路線バスのみが通れます。その他のバスは入口のバリケードではじかれます。当該一般路線バスのみが持つ無線機によってバリケードが開く仕組みになっています。

規制されるのは自動車だけでなく、歩行者も含まれます。ただし、バス停利用者のために一部のエリアは歩けるようになっています。

同区間はバス1台分が通れるだけの横幅しか確保されておりませんので、所々に行き違いができる幅広のスペースが確保されています。

素人目で見ると「よくすれ違えるな」という程度の幅しかありませんが、ハンドルを握るのはプロなので大丈夫です。

四箇村駅ー小川駅

四箇村駅を出ると、国道355号線に流入します。ここから先は一般道を走行することになります。

国道355号線は石岡付近の渋滞が顕著なので、四箇村駅くらいまでくればスムーズに流れていることが多いですが、まれに渋滞に巻き込まれてしまうこともあるようです。

小川駅

小川駅は「かしてつバス」にとって重要な交通の拠点となっています。旧常陸小川駅跡地にできたバス停で、ロータリーを構える立派な造りになっています。

石岡駅ー小川駅間の区間便も多数設定されており、このバス停までの利用が特に多いことがうかがえます。

この拠点からは、石岡駅・新鉾田駅のほかに、茨城空港へ向かうこともできます。実際には、石岡駅からやってきた各バスが分岐していくイメージに近いかもしれません。

小川駅ー新鉾田駅

小川駅から新鉾田駅までの間は、直線距離でも15kmほど離れていますが、さらにバスは大回りをして向かっています。

霞ケ浦に沿って南下し、内陸に入ってから再び北上するルート取りは、かつての「かしてつ」が走っていたルートに近く、代替バスとしての機能を果たしていきます。

玉造駅など、もう駅はないのに(BRTですらないのに)駅を名乗るバス停も見られます。

鉾田駅もその一つなのですが、気を付けてほしいのは「鹿島臨海鉄道」に接続するのは鉾田駅ではないということ。

鹿島臨海鉄道に乗り換えるのであれば新鉾田駅まで乗車しましょう。

石岡駅~茨城空港線も「かしてつバス」の一部

途中の小川駅から茨城空港方面に分岐することは前述の通りです。

もしみなさんが首都圏から茨城空港に行くのであれば、常磐線で石岡駅まで行き、同駅から路線バスに乗り換えることになります。

茨城空港に行くのであればかしてつバスのお世話になります。

小川駅~茨城空港間には特に見どころはありませんが、途中の「空のえき そ・ら・ら」で下車すれば、茨城空港に隣接する道の駅のような施設を見学することができます。

茨城空港まで行けば、神戸・札幌・那覇方面に接続がございます。

かしてつバスで使えるオトクな乗車券

普通運賃はやや高額

かしてつバスは関鉄グリーンバスが運行する一般路線バスですので、同社の運賃体系で設定されています。

整理券制の運賃なので、乗れば乗るほど高くなります。

例えば、

  • 石岡駅~小川駅:380円
  • 石岡駅~新鉾田駅:1,140円
  • 石岡駅~茨城空港:630円

少々高額なイメージかもしれません。

平日は普通運賃のみ

残念ながら、平日に乗車されるのであれば普通運賃を支払う必要があります。

特にオトクなきっぷは用意されていないようです。

なお、SuicaなどのIC乗車券をお持ちであれば、IC運賃が適用となり、数円安くなります。

土休日は「関鉄バスIC一日乗車券」

一方、土休日になると話が180度変わります。

関鉄グループの一般路線バスが710円で乗り降り自由となる「関鉄バスIC一日乗車券」が利用できるようになるからです。

Suica/PASMO限定での発売となりますが、710円で「かしてつバス」を含むほぼすべての関鉄バスが乗り放題となりますので、大変オトクです。

ぜひ、土休日に乗車される場合は乗り倒してください。

なお、関鉄バスIC一日乗車券については、以下の記事で詳しく解説しております。

まとめ

かしてつバスに乗車し、以下の知見を得ました。

  • 「かしてつバス」は鹿島鉄道線の代替バス
  • 関鉄グリーンバスが運行する
  • 石岡駅~四箇村駅間はバス専用道を経由する
  • 茨城空港を利用する際にお世話になることが多い
  • 土休日なら関鉄バスIC一日乗車券が超オトク

関鉄グリーンバス
>> こちら

茨城空港の情報は下記の記事からご覧ください

ではまた。

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