レトロブームで大盛況の「小江戸・川越」を散策して分かったことを共有します。観光の起点となるのは「川越駅(東武・JR)」で、駅からバスを使うのであれば東武バスの「小江戸川越一日乗車券(400円)」が安くて便利。小江戸名所めぐりバスに乗れば、川越エリアの主な観光地を回ることができます。一方、蔵のまちに行きたいのであれば、一般路線バスの方が良い。多くの路線バスは「蔵のまち」の真ん中を、観光客をかき分けながら走ります。前述の一日乗車券でどちらも乗れます。バスの見分け方も覚えておきましょう。
小江戸川越とは
レトロブームに乗り大盛況
常に技術が磨き上げられ続け、昨日より今日が便利になる一方で、過去のアイテムや文化が再評価され、懐古的な人気を集める動きもあります。
近年に見られる「レトロブーム」は、過去の輝かしいポップカルチャーやデザインが現代に再び息づき、新たな魅力を発見する楽しみをもたらしているのかもしれません。
そんな動きの中で、東京からすぐに行ける場所に「#レトロ映え」するスポットが、川越にあります。
それが今回ご紹介する「小江戸川越」です。
小江戸川越とは
小江戸川越は、埼玉県川越市にある歴史と伝統が息づく魅力的な観光地です。
江戸の風情を残した石畳の街並みや蔵造りの町家が、まるでタイムスリップしたかのような情緒を醸し出しています。
訪れる人々を魅了するのは、歴史的な建造物だけでなく、気軽な食べ歩きができることも挙げられます。多くのお店では、食べ歩き需要を取り入れていて、散策しながらおいしいものを少しずつ楽しむことができます。
また、浴衣姿になって街を楽しむこともできます。実際に、浴衣姿で歩いている方も多くいらっしゃり、見ているこちらまで雰囲気を楽しめます。
小江戸川越の基礎知識
「小江戸川越」というキーワードが独り歩きしていて、川越市全体が江戸の町だと思っている人もいるかもしれませんが、当然それは違います。
じゃあ何が「小江戸川越」なのかというと、多くの場合は川越市内の「蔵のまちエリア」のことを指していることが多いです。
蔵のまちエリアには、江戸情緒あふれる街並みが見られ、多くの方はここをめざしています。
川越に限らず、小江戸とセットで出てくるのが「蔵造り」とか「蔵造りの街」などのキーワードです。
最も大切なことなので、強調してお伝えしておきます。
レトロな街並み=蔵のまち
地図を見るときには「時の鐘」というキーワードも足掛かりになります。こちらは頭の片隅でいいので覚えておきましょう。
公共交通機関の話題をご紹介
さて、小江戸川越の魅力は多くのメディアで紹介されており、真っ向から勝負しても私の語彙力では勝てませんので、小江戸川越の話はここまで。あとは他にバトンを渡します。
代わりに、当ブログは公共交通機関を専門に扱っていますので、小江戸川越を上手に渡り歩くにはどんな手段があるのかをご紹介していきます。
公共交通機関を使って小江戸川越を楽しもうと思っている方は、ぜひご参考ください。
小江戸川越で便利な乗車券
小江戸川越を走るバスは大きく分けて「東武バス」と「東武バスじゃないバス」に分けられます。
このページでは「東武バス」の利用をオススメしております。
「東武バス」を利用するのであれば「小江戸川越一日乗車券」が便利でオトクです。400円で1日乗り放題。1往復+αでモトが取れます。(区間によっては往復でモトが取れます)
詳しくは後述しますが、小江戸名所めぐりバスのほか、一般路線バスも利用できるため使い勝手がいいです。
「小江戸川越一日乗車券」の主な発売箇所
紙:川越駅構内観光案内所
モバイル:ジョルダンの「乗換案内」電子チケット
スマホを使い慣れているのであれば、モバイル型の電子チケットをオススメします。同一行程であれば複数人分をまとめて買うことができ、バス降車時の提示も1回でOKです。
小江戸川越を走るバス
小江戸名所めぐりバス(東武の一日乗車券で乗れます)
鉄板ルートで「これに乗ればOK」
まず、小江戸川越を観光する際に鉄板となるのが「小江戸名所めぐりバス」です。
こちらのバスは、川越市内の観光エリアを一方通行でぐるりと一周する、川越観光のためのバスです。
外見は下記の写真のようなバスであることが多いですが、一般的な東武バスの車両が充当されることもあります。
このバスに乗れば、以下の観光地を巡ることができます。
- 喜多院(※ガイド付き)
- 川越城本丸御殿
- 川越市立博物館
- 川越氷川神社
- 蔵のまち
- 川越市駅
※ガイドは土休日の一部便に限ります
川越に観光で行く方の”だいたいの行き先”は含まれていますので、とりあえずこれに乗っておけば安心です。
鉄板ルートゆえに「大混雑」
観光地を巡るバスとして前面に押し出されている小江戸名所めぐりバス。
もちろん、小江戸名所めぐりバスでないと行けない場所もありますが、「よく分からないけどとりあえずこれに乗っておけば安心」という観光客も混ざるので、結果として利用が集中。
土休日を中心に大混雑し、川越駅を発車する時点で積み残しが発生することもあります。
これに乗っておけば安心であることは間違いありませんが、次に示す「一般路線バス」でも行ける観光地がありますから、この記事を読んで余裕が生まれた読者のみなさまは「一般路線バス」も賢く活用して乗り切りましょう。
一般路線バス(東武の一日乗車券で乗れます)
多くの一般路線バスが小江戸川越の”観光の中心地”(=蔵のまち)を縦断してから各地に向かうため、川越駅東口を発着する多くのバスが利用できます。
小江戸の観光には一般路線バスの使い勝手がとてもいいのです。とはいえ…
予備知識なく乗り込むのはちょっと怖い
…ですよね。分かります。
でも、絶対に覚えておくべきルートですので、頭に入れておきましょう。
たった一つの簡単な見分け方があります。
バス前面に回り込んで行先表示板にご注目。
写真では分かりにくいですが、そのバスの行先がどこであろうとも、経由地として「~蔵のまち~」と書かれていれば、そのバスは蔵のまちエリアへ一直線に直行してから、各方面に向かっていきます。
蔵のまちをめざす利用者が多いため、同エリアを経由する路線バスには「~蔵のまち~」と表示されているのが親切ですよね。
これさえ覚えておけば怖いものはないし、本数も「小江戸川越めぐりバス」の何倍も走っていますので心強いです。
降りるバス停は、一番街~札ノ辻あたりがいいでしょう。気を付けてほしいのは「蔵のまち」というバス停はないということ。周りの景色を見れば分かりますから、気になったところでボタンを押しましょう。
小江戸巡回バス(東武の乗車券では乗れません)
小江戸巡回バスという路線バスも走っています。
イーグルバスが運行しており、東武の乗車券では利用できません。
1回200円で、1日乗車券が500円。
EVボンネットバスという、ちょっと頭の中が混乱する車両の名前ですが、こちらは路線バスというより観光に重きを置いていて、着物の日に着物を着て乗車すると小江戸巡回バスの1日乗車券が割引になるサービスもあるようです。
毎月8日、第4土曜日川越良縁祈願祭には誰でも1日乗車券が350円になるサービスもあります。
東武の一般路線バスと比較すると本数が限られるので、乗り回そうと思う人にとっては使い勝手がイマイチかもしれません。しかし、一日乗車券を買わずに都度支払いで川越の街をめぐるなら、東武バスと合わせて1回はこちらのバスを選んでみると思い出の一味加わりそうです。
東武バスと離合する姿も見られますね。
小江戸川越に行ったら「ここは見ておけ」3選
明確な目的があって川越に行く人は、この項目を読み飛ばしてください。
何となく川越に行っちゃった(来ちゃった)人は、筆者なりに楽しんだ旅行計画の一例として記載しておきますから、一部分でも切り取ってご参考ください。
初めに断っておきますが、オーソドックスな川越観光をしたいのであれば、以下は読んではいけません(笑)。
菓子屋横丁の「わらび餅」
まずは一つ目。小腹を満たしましょう。
小江戸川越の「蔵のまちエリア」の一角に、菓子屋横丁という通りがあります。
この通りには約30店のお菓子屋さんが軒を連ねていて、大人は昔懐かしい駄菓子屋さんの記憶が刺激され、子どもにとっては見るもの全てに夢が詰まっている、歩いているだけでも楽しめるエリアになっています。
もちろん、気になるお店に入って好きなものを買えばいいのですが、私が気に入ったのは「わらび餅」です。いくつかの店舗で売られているので、食べ比べてみるのもいいかもしれません。
例えば菓匠右門さんのわらび餅は、できたての商品を「食べ歩き用」に小分けして200円で売ってくれています。これがめちゃくちゃ美味。ぜひご賞味ください。
ー交通アクセスー
菓子屋横丁へは、「蔵のまち」を経由する一般路線バスにて「札ノ辻」でお降りください。札ノ辻交差点を左折して歩いていくと、徒歩1分程度で入口に到着します。
鐘つき通りの「スタバ」
続いて、川越で外せない鉄板スポットがこちら。
スターバックス川越鐘つき通り店です。
私が川越に出向いた最大の目的はこちらのスタバだったのですが、気づかずに通り過ぎそうになってしまいました。
店内で提供されるのは”いつものドリンク”ですが、客席は屋内・屋外・テラス席と用意されていて、天候や気分に合わせて選べるのがうれしいですね。
特にテラス席では、着物を着たお客さんが写真を撮っている姿をよく見かけました。
ちなみにこちらのスタバには店内にトイレがありますが、その扉は暗証番号式になっています。商品を購入した人のみが利用できるシステムになっているので気を付けましょう。
ー交通アクセスー
鐘つき通りの「スタバ」へは、小江戸名所めぐりバスにて「大手町」でお降りください。降りて左方向(時の鐘方面)に進むと、徒歩2-3分で右手に見えてきます。「蔵のまち」を経由する一般路線バスにて「一番街」で下車し、時の鐘を目印に右手に進んでも到達できます。
蔵のまちの「東武バス」
古い町並みは、せわしない日常と切り離されている…
と思っていたら、どうやら川越は違うようです。路線バスが多数走るメイン通り沿いにも、風情のある建物が立ち並んでいて、その中を路線バスが突っ切っていきます。
このギャップが、交通マニアにはツボですね。
大混雑の人混みをかき分けながら、モーゼのように走る様子もなかなかです。
とはいえ…車道は車道。本来は路線バスに人をかき分けて走らせてはいけないはずです。
歩道が混んでいるのは分かりますが、車道にはみ出しながら歩くのはよろしくありませんね。
安全第一で楽しみ、みんな無事故で帰りましょう。
まとめ
小江戸川越を散策し、以下の知見を得ました。
- 東武バスの一日乗車券が使い勝手よし
- 川越をしっかり観光するなら「小江戸川越名所めぐりバス」
- 蔵のまちに行きたいだけなら「一般路線バス」
- レトロなバスに乗りたいなら「小江戸巡回バス」
(東武バスの一日乗車券は利用不可) - 小江戸川越の楽しみ方は人それぞれ
ではまた。