【大宮ー博多】最長の高速路線バス「ライオンズエクスプレス」を振り返る

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バス
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2011年から2015年まで、大宮ー博多間で運行されていたライオンズエクスプレス。4列シートで休憩2回。所要時間は15時間を超え、東京ー博多間のはかた号を抜いて、日本最長の路線バスとして運行されていました。

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ライオンズエクスプレスの登場

ライオンズエクスプレスとは、かつて埼玉県の大宮駅と福岡県の博多駅を結んでいた高速バスです。

正確には大宮駅のさらに手前「西武バス大宮営業所」と博多駅の先「西鉄天神バスターミナル」とを結び、総延長は1,170kmにも及ぶ日本最長路線バスとして運行されていました。

路線名が「ライオンズエクスプレス」と、少々分かりづらいですが、これは埼玉西武ライオンズの本拠地とかつての西鉄ライオンズの本拠地を結ぶ路線であることに由来するそうです。

方向天神博多駅横浜駅池袋駅大宮駅大宮(営)
上り方面(→)20:1020:2509:3210:2911:0911:20
下り方面(←)11:1511:0522:0021:0020:1520:05
料金通常期週末割引閑散期割引
大宮駅ー博多駅13,000円11,000円9,000円

バスの車両はこちら。中は4列シートで、シートピッチも特別広くはない、一般的な高速バスです。

昼行バスなら普通ですが、これで夜行バスとして、しかも日本一の距離を走り抜けるとなると…

実際に乗ってみた

出発から深夜まで

2012年3月、大宮駅から博多駅まで、ライオンズエクスプレスに乗車してみました。夜20時過ぎに大宮駅に到着しバスを待ちます。ここから九州まで、1つの路線で繋がったとはにわかに信じがたかったのですが…

大宮駅の駅名標を背景に「福岡(天神)」行きの高速バスが本当に入線してきました。仕事帰りに大宮駅に向かうサラリーマンも二度見する行先です。

大宮駅を出た後は、池袋駅と横浜駅を経由します。

池袋駅から2名程度、横浜駅からは乗車なし。最終的には、だいたいすべての列が埋まっていて、かつ1人のお客さんの隣には誰もいない、という混み具合で首都圏を離れました。

日付が変わるころだったかと思いますが、足柄サービスエリアで1回目の休憩。雪が残っていました。

乗務員さんは2名体制で、交代して運転しているようです。休憩の度にタイヤを叩いて安全確認をしています。

ここから先は下松サービスエリア(山口県)まで乗客が降りる機会はありません。

ひたすら、4列シートに座り続ける夜が待っています。

暗闇に浮かび上がる「大宮→福岡」。美しいです。

深夜から到着まで

足柄サービスエリアを出た後、2時間に1回程度はバスが停車。乗務員が交代するためですが、車体の安全確認を併せて実施。寒い中お疲れ様です。

ちなみにここでは乗客は降りることは出来ず、車内で待ちます

なお、運転されない乗務員の方は、客席の後方にある仮眠スペースでお休みされていると思われます。

朝霧の中、下松サービスエリアに到着すると、待ちに待った乗客解放の時間。

朝ごはんを調達する貴重な機会でした。

下松サービスエリアは山口県。あと少し走れば、この景色が待っています。

後ろの方の席だからよく見えませんでしたが、

関門海峡を渡るときは歓喜です。

お疲れさまでした。

バキバキになった上半身とパンパンになったふくらはぎと共に、博多駅に到着です。

・・・水戸線??

と錯覚するほど、頭はボーッとしていて、魂は宇都宮線に置いてきてしまったようです(笑)。

ライオンズエクスプレスの衰退

冒頭でも示した通り、ライオンズエクスプレスは2015年に運行中止となりました。

LCCの登場

2015年と言えば、PeachやJetstar、春秋航空などの格安航空会社(LCC)が強くなってきたころ。東京ー福岡間の格安な移動手段としてバスを選んでいた層は、価格が下落した航空機を再び選ぶようになりました。

このバスを利用すると安くても9,000円ですが、LCCであれば5,000円程度(変動アリ)で移動できます。

バスに快適性を求める時代

ライオンズエクスプレスの利用が低迷していても、「はかた号」(東京ー博多)は好調だったりします。これは、はかた号に使われている車両が快適だからという点が挙げられると考えられます。

4列シートのライオンズエクスプレスに比べ、はかた号には「まるでホテルの個室」のような快適性のプレミアムシートや、新幹線のグリーン車並みの設備が備わったビジネスシートが用意されていて、乗車そのものが快適な滞在になる、というコンセプトに切り替わっています。

早く移動するか、快適に時間を過ごすか

どちらかに当てはまらないと、生き残れないのかもしれません。

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