2021年10月1日に関東地方に接近した台風16号の影響で、JR常磐線は一部区間で一時運転を見合わせました。台風接近でも事前の運休アナウンスをせずに運航を継続しましたが、「あの川」は強敵でした。常磐線の風の難所、東海ー大甕間についてレポートします。
常磐線の「強風の名所」
常磐線は風に弱いと言われています。
私の感覚では東海道本線や羽越本線、内房線や外房線ほどではないと思っていますが、常磐線ユーザーの立場として風が吹いたらドキッとするのは確かです。
その正体はこの川であることが多いです。
こいつです。東海ー大甕間にかかる久慈川橋梁。
風が強まると「東海ー大甕間での強風の影響により運転を見合わせています」が第一声になることが多いです。
我が家でも「あ~トーカイオーミカね」で通じます。
東海ー大甕で閉じ込められました
閉じ込められたというとちょっと盛りすぎかもしれませんが…
2021年10月1日の台風16号の接近で、同区間で足止めを食らいました。
乗車列車:562M
運行区間:高萩→水戸
運行時刻:14:04-15:19頃(30分遅れ)
悪名高き「東海ー大甕」に向かうとき
この列車はE501系10両編成で運転されます。本日は学校が休みや時短となっているので空気輸送かと思いましたが、早めに退勤する会社員も多く、そこそこの乗車率(3%くらい笑)となりました。
日立駅までは時刻通りの運転でしたが、異変が起きたのは常陸多賀駅到着前。
いつもよりもスピードが緩いなぁ…と思ったら、常陸多賀到着直後に「運転見合わせ」の第一報。
もちろんお約束の「東海ー大甕間で強風のため」先行の特急ひたちが立ち往生しているとのことでした。
数分で運転再開となり、次は我々の番です。
大甕を出るときは、自分が運転しているわけでもないのにドキドキします。
川に差し掛かって停電へ
大甕から久慈川橋梁まではひたすら下り坂になる常磐線。
E501系は回生ブレーキを効かせてゆっくり下っていきます。
そして、緩やかに停車。
暴風が吹き荒れる中で停車。
船酔いするかと思うほど、車体が大きく揺れています。
非常灯を残し、停電してしまいました。
このときの恐怖、分かりますか?
トイレに行きたくなったらどうしよう。という心配が尽きません。
ドア上の電光表示もお休みしています。息していない状態。
それでも車掌さんの放送は客室内に流れるようになっていました。
さすがですね。
30分ほど遅れて運転再開
どうやら停電の原因は強風ではなく、常陸多賀ー大甕間での支障物の影響だったようです。まぁその支障物も強風のせいで生じたわけですけどね。
風の合間を狙って…
ゆっくりゆっくり、恐る恐る、しかし着実に川を渡っていきます。
一発でも強い風が吹いたら即止まる。これは羽越本線の事故を受けて厳しくなっています。
渡り終えた時の安堵感。お疲れさまでした。
無事に東海駅に到着。
常陸多賀ー大甕間の支障物の撤去が難航しており、下り列車(E501系5両)は1時間以上止まっていましたが、上り列車(こちら)は問題なく出発。
所定では勝田でときわ78号に接続するのですが、特急列車は無視して出発(それはそうですよね)。
乗り継げなかった人は特急券の払い戻し対象になったことでしょう。新幹線を利用した際に乗り継げなかったときは「事故列変で半額戻しの後続特急立席利用」になったのですが、このような場合でも適用されるのかは専門ではないので確証はないです。
まとめ
台風の常磐線に乗車し、風の難所「東海ー大甕」で閉じ込められて下記の知見を得ました。
- 強風時に駅間で止まると恐怖
- 停電するとさらに恐怖
- 強風だけが原因なら、着実に進んでくれる
強風時の列車利用はご注意ください。
ではまた。