スカイライナーの高速通過を堪能するため、成田スカイアクセス線の途中駅「成田湯川」を訪問しました。周辺には何もありませんが、マイカーや路線バスの拠点として機能し、一定の利用はあるようです。直下を通るJR成田線の駅は設置されておりません。スカイライナーが160km/hで容赦なく通過していく成田湯川駅は、駅自体が観光地化しており、駅員さんも「鉄なお客様」を歓迎してくれます。ホーム上に降り立つだけでも楽しいので、時間があれば立ち寄ってみましょう。
成田湯川駅とは
成田湯川駅は、千葉県成田市にある成田スカイアクセス線の途中駅です。
北総線の終着駅・印旛日本医大と、成田空港内最初の停車駅・空港第2ビルとの間にあります。

運賃体系が高額になりがちな成田スカイアクセス線の途中駅です。
初乗り運賃が470円というのは、PASMOエリアとして最も高額で、入場のために必要となるSF残高が最も高いことでも知られているようです。
賑わっている千葉ニュータウン中央までは660円。
脱出費用が高額になります。

駅周辺には何もありません。
JR成田線(我孫子方面の支線)と交わる位置に設置されていて、むしろ接続を狙ったかのような場所です。地図上で見ると乗換駅のように見えますが…

E231系電車が何事もなかったかのように通過していきます。

JRの駅は未だ設置されておらず、その計画すらないのです。
…じゃあ何で作ったんだと、
十年以上経った今でも突っ込みの念が絶えません。
一定の利用はある
とはいえ、
ちゃんと駅として機能しています。
駅周辺には何もない成田湯川駅ですが、実際に行ってみると、ある程度の利用があることが分かります。
私が乗車した平日の下り列車からは、ざっくりと7-8人の下車があるように見えました。
利用者は、駅からの二次交通によって成田市街地に向かっていったのでしょう。
実際に成田湯川駅前にはバス停が設置されていて、成田駅方面のバスが(多くても15分に1本程度ですが)運行しています。
JR成田線が停まってくれればすぐに行けるのですが、現状では実現していないため貴重な路線です。

また、マイカー送迎による移動もあるようで、多くの自家用車が駅周辺に停車していました。

JR成田線や京成本線に比べ、アクセス特急は成田市北部と都心を直線的に結び、スピーディーな移動ができるわけですから、使い方や成田市内の目的地によっては便利なのでしょう。
アクセス特急のみ停車
成田湯川駅には普通列車は来ません。
普通列車は北総線の印旛日本医大までの運転で、ここまで来ません。

代わりに、都心と成田空港を成田スカイアクセス線経由で結ぶことを目的に運行されている「アクセス特急」が成田湯川に停車します。

アクセス特急は約40分に1本の運行となっていて、利便性が高いとは言えません。
しかし、アクセス特急はそのすべてが停車します。

下り方面の全ての列車が「成田空港」行きです。海外の方にとっては「成田湯川」と「成田空港」が似ていますので、間違えて降りないようにサインもあります。日本語表記が入っていない点も注目ですね。

スカイライナーが160km/hで通過
成田空港アクセスを専門とする「スカイライナー」は成田湯川駅には用事はありません。
中央の線路を通過していきます。
印旛日本医大~空港第2ビル間において160km/hで運転する、在来線としては国内最速の列車です。160km/h運転ができる時には「高速進行」を示す青2つの信号が表示されます。

これが表示されたらシャッターチャンスです。迫りくるスカイライナーの迫力を楽しみましょう。

なお、スカイライナーの通過時には通過放送が流れません。いきなり来ますのでビックリしないように。

また、成田スカイアクセス線は単線であるのに対し、スカイライナーは160km/h運転しています。これに対応するため、成田湯川駅構内の分岐器は38番分岐器と呼ばれる新幹線にも使われているポイントが設置されています。これにより、通常は減速を余儀なくされる分岐側へも160km/hで走行できるようになっているのです。
駅の設備などの情報
さて、成田湯川駅に行くと困るのが「何もない」ということ。
駅構内や、周辺にはコンビニを含め店舗が皆無です。ここで補給をする計画を組まないことが大切です。

一方、駅にはホーム上に空調の効いた待合室が設置されていて、長時間の待ち合わせとなっても何とか時間を過ごすことはできそうです。

駅のホーム上にもベンチがあり、スカイライナーの通過を楽しめるように(?)なっています。

コンコースも広々と作られていて、若干持て余し気味。ガランとしています。


駅の改札口で「京成線1日乗車券(デジタル)」を提示したところ、そっち系の人だとバレてしまったのか、シールと電車カードを頂きました。

「お疲れ様です、お気をつけて」と声を掛けてくださったことが印象的です。
鉄道ファンの訪問が多く、駅としても歓迎してくれているのかもしれませんね。
今後の見通し
さて、成田湯川駅の周辺は今後どうなっていくのか?
開業から13年以上たった今でも、明るい話は聞こえてきません。
代わりに、成田湯川駅の東側に「ウイング土屋」と呼ばれるエリアがあり、イオンモール成田を中心にロードサイド店舗が立ち並んでいます。
JR成田線(成田空港・銚子方面の支線)や成田スカイアクセス線が交わるこのエリアには新駅構想があります。

なおさら話題を持っていかれそうな状況…

せっかく「成田空港まで1駅」なので、その地理を活かした駅直結ホテルの整備などが進めば便利だろうなぁ…と、他人事ながら思っていました。
ただ、アクセス特急の本数の少なさがネックになってしまいそう。待っている時間(=40分)で日暮里から成田空港まで着いてしまいますからね。
JR成田線の駅を作ればいいのになぁ…とも、他人事ながら思っていました。
しかし、これで便利になるのは北総エリアと成田(駅周辺)の移動くらい。たしかにJR成田線沿線から成田空港への乗車時間は短くなりそうですが、接続を取るのも難しいでしょう。
何よりJR東日本にとってのメリットがないので、この話も進まないでしょう。
成田湯川。。
さらなる活用を図るのはハードルが高そうだなと、実際に行ってから改めて思いました。
まとめ
成田湯川駅を訪問し、以下の知見を得ました。
- 成田スカイアクセス線の途中駅
- JR成田線は停車しません
- アクセス特急のみが停車
- スカイライナーの160km/h運転を楽しめる
- 駅周辺は何もないので準備や計画は入念に
お隣の空港第2ビル駅に関する話題はこちら。成田湯川駅の駅名標にも「空港第2ビル」としか書かれていませんでしたね。この駅名を聞いて「どこの空港?」と思いますよね。この強気な駅名以外にも、特殊な構造に見どころアリです。
ではまた。