【臨時】特急ときわ96号・97号は休前日の救世主。ついに金曜運転復活へ!

スポンサーリンク
鉄道
日立駅に停車中の特急ときわ96号
この記事は約11分で読めます。

常磐線の特急列車は休前日に混雑する傾向があり、かつては金曜限定の特急列車も運行されていました。現在は、特急ときわ96号・97号として、3連休や大型連休直前の平日に臨時運行されています。特にときわ96号は、かつてよりも範囲を拡大し、日立始発として運転されマニアの視点でも興味深い。結果として窓側が埋まるほどの乗車率がありますが、上野発着であることから見過ごされることも多い。直前でも割引きっぷを予約しやすい特徴もありますから、賢く使って移動しましょう。最近では臨時運転日も増えてきており、金曜運転の復活が期待されるところです。→事実上復活しました!

スポンサーリンク

特急ときわについて

特急ときわは、JR常磐線の(高萩)勝田ー品川間を走行する特急列車です。

特急ひたちと比べて、水戸ー上野間の停車駅が多いことが特徴です。

JR常磐線沿線と首都圏を移動する需要を拾いながら走っています。

常磐線では、特急ひたちと特急ときわが30分おきに運行されるのが基本となっていますが、曜日限定で増発されることがあります。

それが本記事で紹介する「ときわ96号」と「ときわ97号」です。

ときわ96号の運転

ときわ96号は、茨城県日立駅を起点に上野駅まで運行される臨時列車(※運転日注意)です。

日立駅を17:07に発車し、上野18:49着。このダイヤはほぼ固定のようです。

途中、昼間のときわ号と同じ停車駅に停まります。

直前を走る「ひたち22号」の後を追うように走ります。

この時間帯の常磐線上り特急列車は、勝田以南で満席になることもありますから、「ときわ96号」は「ひたち22号」の積み残しを拾うイメージで走っていると言えば当たらずとも遠からずでしょう。

かつて「サラリーマンの宿命(=単身赴任)」のせいで常磐線特急をよく使っていた私の肌感覚では、このあとの「ひたち24号」(日立18:03発)が最も混み合い、1時間後の「ひたち26号」(日立19:00発)は仙台始発(※当時)であることもあって、やっぱり混む。かつては高萩始発のフレッシュひたちも運行されていた時間帯で、むしろこの後に混む列車が続くイメージを持っています。

様々なダイヤの制約がある中で、(1)かつて同時間帯に勝田始発で回送(金曜のみ営業)を走らせていた、(2)今でもここならスジを引けそうだ、などの実績のもと、(3)混雑の本番が始まる直前に「ときわ96号」で運んでしまおう、となったのかもしれませんね。

※日立駅の発車案内(ダイヤ改正前の時刻を示しています)

ひたち22号の後をついて行く、というより、もはや煽っているのではないかというほど力強い走りを見せつけます。

ときわ97号の運転

ときわ97号は、上野駅を起点に茨城県勝田駅まで運行される臨時列車です(※運転日注意)

単純に、前述の「ときわ96号」の折り返しです。

上野駅を19:15に発車し、15分前に発車する「ひたち25号」の後を追うように走ります。

マニア的には、上野駅の地上ホーム(17番線)から発車するのもポイントが高いのかもしれません。

主に「ひたち号」において、平日や日曜日に満席となることが多い時間帯で、デッキに立っている人もよく見かけます。

ここに「ときわ97号」を走らせることにより、少なくとも勝田駅までの区間においては着席チャンスが広がります。

上野からの乗車で、勝田までの利用であれば「ときわ97号」への乗車を促すことができそうです。

この列車を日立まで運転できないかという点については、やろうと思えばできそうですが、需要に合わせて設定されているのと、勝田に車両基地があることから、引き上げのコストなども考えて勝田止まりとなっているのでしょう。

ときわ96号・97号がわざわざ運転される理由

ここで常磐線の傾向をご説明します。

おそらくは、これが運転される理由です。

常磐線の特急列車は、特に金曜日の夕方に混雑する傾向があります。あくまで傾向ですが、されど傾向として、金曜日に利用しようと思っている人は、念のため警戒してください。

金曜日の夕方は、余裕をかましていると特急列車の指定席を取れないことがあります。

なぜ混むのか、いくつかの理由がありそうです。

週末の休暇に向けた旅行者の移動

金曜日は週末の始まりであり、多くの人々が週の疲れを癒し、リフレッシュするために出かける予定を立てています。

土曜日から移動を開始するのではなく、金曜日の退勤後(放課後)から動き始めることで、週末の時間が長くなります。

常磐線沿線への週末観光に向かう一部の人は、金曜日の夕方以降に特急列車に乗ることを選ぶでしょう。

また、常磐線沿線から首都圏に向かう人もいて、土曜日の朝から動くのでは遅いケースもありますから、金曜日のうちに移動することが重要になってきます。

こんな時間から移動する人もいます

週末に向けた労働者の移動

単身赴任者の移動

常磐線の、特に水戸以北においては、”日”から始まる大型企業が各地で操業しています。

大型企業ならではの宿命として「単身赴任」という、業務上の必要性を理由に家族と労働者を強引に引き離す合法制度があり、これに巻き込まれた人は週末だけでも家族と過ごそうとします。

これだけでなく、就職して間もない若手の労働者が、週末に家族のもとに帰るケースもあります。

金曜日は仕事の最終日であり、多くの単身赴任者などが週末を家族と過ごすために出発するので、特急列車が混雑します。

単なる観光エリアではなく、企業が集中するエリアでもあるので、休前日が特徴的に混むんですね。

出張日程の終了に伴う移動

“日”から始まる大型企業を始め、多くの事業者が操業している常磐線沿線。

技術的な作業を伴う出張も多く、この場合は日を跨ぐ日程になることもあります。

その際に区切りとなりやすいのが金曜日。金曜日に出張日程が終わるように組まれた場合、多くのケースでは土曜日までのオーバーステイは認められず、金曜日のうちに帰還しなければなりません。

こうなると、金曜日夕方の特急列車が混雑します。

このような要因が組み合わさり、金曜日の常磐線の特急列車は混雑しやすい傾向が見られます。

鉄道会社は需要に合わせて増便という判断に出ることがあり、その一環で運転されるのが「ときわ96号」と「ときわ97号」でしょう。

ときわ96号・97号を選ぶメリット

もし、常磐線特急利用日に「ときわ96号」や「ときわ97号」が運転されているのであれば、積極的に選ぶといいでしょう。これらの列車を選ぶメリットとして下記が挙げられます。

空いている

繁忙期に運転される特急列車ですが、臨時列車がために時刻表に乗っておらず、あまり知られていません。

その結果、直前まで席が埋まらない傾向があります。

前もってこの列車を選ぶことにより、他の列車では不可能であった「グループでの並び席」を狙うことができるでしょう。

一人であれば、お約束はできないものの、隣の席に人が来る可能性を下げることができます。

割引きっぷを取りやすい

時期にもよりますが、常磐線特急には「えきねっとトクだ値」と呼ばれる割引きっぷが設定されることがあります。

この割引きっぷを使えば、特急料金が最大35%引きになるなどの恩恵を受けることができますが、席数限定となっています。

満席となるような列車であれば、当然売り切れているでしょう。

しかし、臨時列車には「当日でも」取れることがありますので、コスト面でも狙う価値ありです。

「ときわ」である

はっ!?

と思われたかもしれませんが、実施されているキャンペーンによっては重要な要素です。

常磐線においては、「ひたち」の方が「ときわ」よりも利用が多くなりがちで、お得なキャンペーンを打ち出す際に「ときわ」に限定されることがあります。

例えば、2023年10~11月にかけて行われたキャンペーンでは、「ときわ」に限り、JRE POINTによる特急券の発券時に、必要ポイント数を300ポイント~に値下げされました。

通常460ポイント~必要ですから、オトクですよね。

特に、朝ラッシュ時を除き、勝田以北から上り方面に運行される「ときわ」は定期運行がありませんから、貴重な1本となるのです。

出典:えきねっとアプリ画面キャプチャに筆者追記

ときわ96号・97号の注意点

「ときわ96号」や「ときわ97号」を選ぶ際の注意点を共有します。

上野発着です

2015年に開通した上野東京ラインに直通し、品川まで乗り入れている常磐線特急。

しかし、「ときわ96号」や「ときわ97号」は上野発着で運転されています。

そのため、発着駅を東京や品川とした場合には検索にあたりません。

その点の注意が必要ですが、逆に言えばこのせいで見逃されがちになり、直前まできっぷが取りやすいとも言えるでしょう。

この快適な列車を見逃さないように、乗車区間の設定に気を付けましょう。

なお、日立から特急列車に乗る場合は、上野までであればギリギリ特急料金が上がらない絶妙な距離感になっています。この機会に、日立から乗る場合は上野で降りることを心得ておくと、お財布には優しいかもしれません。

運転日限定です

かつて、ときわ96号は金曜日に勝田始発として毎週運転される定期列車でした。

しかし、コロナ禍を経て定期列車としての運行は廃止となっていて、あくまで「臨時列車」としての運転になりました。

乗車日に運転されていればラッキー、という程度にとどめておくといいでしょう。

(2023.10.21追記)
なお、臨時列車ながら、徐々に運転日が増えてきていて、3連休や大型連休とは関係のない普通の金曜日にも運転されることが増えてきました。

ときわ96号・97号の今後は!?

ついに金曜運転復活!

今回の記事では、ときわ96号とときわ97号に着目して執筆しました。

これらの列車は今後どうなるのか…

金曜日運転の復活に向けて、臨時列車の運行を続けてほしい。

と思っていたら、ついにその気持ちが通じて、2024年度も継続して毎週金曜日に運転されることが決まっています。

しかも、列車番号に着目。

ときわ96号:8096M
ときわ97号:8097M

これには涙目であります。

よく分からない方は、4桁目に着目してください。

臨時列車の場合、4桁目には「9」が付与されます。

しかし、両列車の4桁目には「8」がついていて、これは季節列車(=曜日や期間を限定した定期列車)として設定されていることを意味しています。

ただし、油断は禁物です。

かつては下りの定期列車を運転するための送り込み回送があり、これを営業化したのが「ときわ96号」でした。いまでは下りの定期列車が削減されていますので、送り込みの回送も不要になっています。

つまり、かつての金曜運転時代とは異なり、「ときわ96号」や「ときわ97号」を運転するために特別な努力が必要になったというイメージです。

利用が少ない列車を運行し続けることは、鉄道会社にとって財政的に持続不可能であり、運用上の効率性を損なう可能性があります。鉄道会社は需要とコストのバランスを取りながら、サービスの提供を最適化する必要があります。

そのような中で、やっとの思いで復活した「毎週運転」ですが、利用が伴わなければ逆戻りになる可能性があります。

個人的にはもう少し乗っていただかないと厳しいって。危機感持ったほうがいいよ。

※写真は合成なしの「実際の光景」ですが、若干悪意のあるタイミングで撮影しています(笑)

…。はい。

(ときわ96号)日立からの利用も多い

でもせめて、金曜運転を続けてほしい。

そして、ときわ96号の日立始発での運転も続いてほしい。

その気持ちを込めて、日立→水戸間で乗車し、乗車率を上げる活動を続けております。

※上記は9月乗車時の情報です

この直後を走る17:13発の水戸行きでも所要時間は数分しか変わりませんし、同列車は”空気輸送”ことE501系10両編成ですから、着席を目的にするにも無駄が多すぎる利用ですが…

ただ、乗ってみて「勝田以北の利用も多い」ことを肌で感じております。

日立始発で運転されたことで、「ひたち22号」からこの列車に利用者が流れたかもしれません。

(2024.06.07追記)
繰り返しですが、3連休や大型連休とは関係のない普通の金曜日にも運転されることが増えてきて、「金曜運転」が復活したことは、我々のような人間が乗車率を上げた賜物であると(絶対に違いますが)勝手に思っておきましょう。笑

まとめ

常磐線の臨時特急「ときわ96号」「ときわ97号」について調査し、以下の知見を得ました。

  • ときわ96号は日立→上野間で臨時→毎週金曜日に設定
  • ときわ97号は上野→勝田間で臨時→毎週金曜日に設定
  • 前後の定期特急列車と比較して空いている
  • えきねっとトクだ値を取りやすい
  • 機会があれば積極的に選んで、乗客の力で運転を継続させよう!

編集後記
「ときわ96号」は、わざわざ勝田から日立まで車両を持ってきて、日立始発(17:07)で運転されています。あまりに「ひたち22号」(17:01)の直後すぎるので、のりばを誤ってしまう人も。しかし、このタイミングしかないのです。バランスよく発車させようとすると、日立17:13発の普通列車の後ろを走っていくことになり、勝田始発の「ときわ78号」に遅れが出ます。一方、17:07から少し遅らせるだけでも、水戸17:36発の普通列車のダイヤに支障します。「ときわ96号」は、この限られた隙間のようなスジを、特急列車らしいスピードを出しながら走ります。ダイヤを組み立てるって相当難しいですよね。ちなみに日立駅では、特急車両が停車することのない「2番線」に入線し、発車の時を待ちます。普段使う人にとっては見慣れない景色に、写真を撮っている人も多いです。

※写真はダイヤ改正前の時刻です

ではまた。

タイトルとURLをコピーしました