2024年「サンキューちばフリーパス」のご紹介。オススメの行き先と注意点。

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鉄道
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千葉県内の鉄道・バス・フェリーに乗れる「サンキューちばフリーパス」は、公共交通機関を使って千葉県内を巡ろうとする観光客の強い味方です。3,970円で2日間有効。JR線のほか、一部の私鉄線も利用可能。観光地に向かう路線バスもエリア内です。東京湾フェリーも使えるほか、2023年から北総線、2024年からは京成線、新京成線と芝山鉄道も追加となりました。オススメの行き先や宿泊場所の情報とともに使い勝手をお伝えし、注意点も共有します。都区内からの往復もセットになった「サンキューちばフリー乗車券」もありますが、手間を惜しまないのであれば、千葉県内まで別払いの方がオトクになることもあります。

正確には「サンキュー♡ちばフリーパス」なのですが、ブログ運営上の都合で「サンキューちばフリーパス」と表記します。♡の有無できっぷの効力には違いはありません。なお、「フリーパス」と「フリー乗車券」では若干効力が異なるのでお気を付けください。

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サンキューちばフリーパスとは

きっぷの概要

サンキューちばフリーパスは、千葉県内の公共交通機関をフリーエリアに含む乗り放題の乗車券です。

鉄道に関しては以下の路線が乗り放題になります。

【鉄道のみ記載】
・千葉県内のJR線
・小湊鉄道
・いすみ鉄道
・銚子電鉄
・流鉄流山線
・千葉県内の北総線
・千葉県内の京成線
・新京成線
・芝山鉄道

このほか、主要駅を発着する一部の路線バスが乗り降り自由となります。

また、久里浜港~金谷港を40分で結ぶ東京湾フェリーにも乗船できます。

さらに、国内屈指の高額路線「北総鉄道」も、お値段据え置きにて仲間入り。

千葉県内であればどこにでも行けそうな「サンキューちばフリーパス」を使ってみましょう。

※写真は2023年度の券面です(2024年からは範囲が拡大しています)

きっぷの有効期間と金額

2024年度の利用期間
・2024年9月1日~10月31日
・2025年1月4日~2月28日

サンキューちばフリーパスは、2日間有効で、土休日のみなどの制限もありません。

しかし、利用期間が定められていて、秋から冬にかけての数か月間のみの取り扱いとなります。

金額は大人3,970円、こども1,980円。

フリーエリア内にあるJR線の指定席券売機で発売されています。なお、フリーエリアに東京湾フェリーを含む関係上、JR久里浜駅でも特例的に発売されています。

サンキューちばフリーパス
【発売期間】年度ごとに異なります
【有効期間】利用開始日から2日間
【金額】大人3,970円、こども1,980円

なお、東京都区内の各駅からフリーエリアまでの往復乗車券がついた「サンキューちばフリー乗車券」というものも売られていて、こちらは金額が異なるほか、「かえり券」を使ってフリーエリア内を旅行することになります。

サンキューちばフリー乗車券
【発売期間】年度ごとに異なります
【有効期間】利用開始日から2日間
【金額】大人4,790円、こども2,390円

きっぷのルール

サンキューちばフリーパスは、フリーエリア内においては「乗車券」相当の効力を発揮します。

つまり、乗車券のみで乗れる列車であれば、乗り放題、ということです。

一方、乗車券相当の効力があるので、グリーン券を購入すれば総武快速等の普通列車グリーン車を利用することができます。また、青春18きっぷなどとは異なり、特急券を追加購入すれば特急列車にも乗車できます

※写真の255系は引退しております

サンキューちばフリーパスのポイント

千葉県内を縦横無尽に動ける

サンキューちばフリーパスは、千葉県内の全域にフリーエリアが広がっています。

JR線だけでなく、主な私鉄線も利用できるので、鉄道旅行の幅が広がります。

舞浜から館山・鴨川方面まで含まれますから、縦にも横にも図体のでかい千葉県内を不自由なく動けそうです。

出典:千葉県(こちら)

路線バスにも乗れる

路線は限定されますが、主要駅からの路線バスもフリーエリアに含まれていますので、千葉県内の主要なエリアには行けることになります。

特に、鉄道が通っていない九十九里浜方面、安房白浜方面のほか、成田空港周辺の施設を利用する際にも活用できます。

これは大変ありがたいですね。

フェリーにも乗れる

このきっぷで、唯一千葉県外に出る「東京湾フェリー」にも乗船することができます。

単純往復でも1,330円かかる船旅も、このきっぷだけで楽しむことができます。

また、神奈川県内から出発される場合は、久里浜駅でパスを購入し、フェリーで千葉県入りすることもできます。

出典:東京湾フェリー(こちら)

割引を受けられる

このきっぷを見せるだけで、各交通機関の売店等で割引サービスを受けることができます。

最も”組織ぐるみ”な割引をしてくれているのはNewDaysです。千葉以東のNewDaysのほぼすべての店舗で、5%引きの恩恵を受けられます。

銚子電鉄の犬吠駅売店では、1000円以上買うと100円引きになるサービスがありますので、ご家族分も合わせてうまく会計すれば、10%引き相当でまずい棒やぬれせんべいを購入できます。

※噂の通り、ぬれ煎餅はとてもおいしいのでオススメです。

レンタサイクルを利用できる

サンキューちばフリーパスの利用期間中、主な駅の指定されたレンタサイクルを利用することができます。

予約はできませんが、空きがあればラッキー。

日を跨いでの利用はできない、本人確認が必要などの注意事項がありますが、必要であればチェックの上で計画しましょう。

オススメの行き先(一例)

とりあえずこのきっぷを使うことは決まった。

さて、どこ行こう。

そんな利用者に向けて、筆者なりのオススメの行き先をご紹介します。

と、その前に。
きっぷありきで旅行するなど、本末転倒のように思うかもしれません。しかし「このフリーパスがあったから千葉県への旅行を決めた」というのであれば、この企画が経済効果をもたらす大成功を収めたということです。やっていることは間違いではありませんから、自信をもって先に進みましょう。

犬吠埼

千葉県最東端にある犬吠埼には、JR総武本線銚子駅から銚子電鉄に乗っていくことができます。

犬吠駅から徒歩10分程度で到達可能。

水郷筑波国定公園の一部で、太平洋に突き出た大地の右腕(銚子ジオパーク)ともいわれているようです。

犬吠埼周辺は一部店舗が改装されて新しく生まれ変わったほか、太平洋を眺めながら過ごせる芝生の広場もあり、全世代がのんびり楽しめるスポットになっています。

最寄駅:銚子電鉄犬吠駅

九十九里浜

太平洋に沿ってまっすぐ伸びる九十九里浜へも、このパスで到達することができます。

東金線東金駅からバスで海に抜ければ、九十九里浜を望むサンライズ九十九里(国民宿舎)に行けます。

過去に訪れた際には、目の前のビーチで地引網などのイベントが行われていました。

最寄駅:JR東金線東金駅
※東金駅から九十九里鉄道バス利用

成田空港周辺

このパスを使って、成田空港を発着するJRバスを利用することができます。

これにより、例えば航空科学博物館などの施設に向かうことができます。

最寄駅:JR成田線成田空港駅

鋸山

東京湾を望む内房エリアに、鋸山という場所があります。

ロープウェイの他に登山道もありますから、体力に合わせて選択しましょう。

上まで上がると、足がすくむような光景を見ることができますよ。

※ちなみに、自らが切り立った崖の上に立っている張本人になると、そこまで怖くないという感覚になります。横から見ている方が怖いです。

最寄駅:JR内房線浜金谷駅
※ロープウェイはパスの対象外です(別料金)

道の駅「保田小学校」

鋸山の南側には、道の駅「保田小学校」があります。

廃校を活かして道の駅に改装し、学校の雰囲気を残しつつ買い物から食事、宿泊までできる施設で注目されています。

館山道の鋸南保田ICの目の前にある立地も功を奏し、連日にぎわっているようです。

最寄駅:JR内房線保田駅
※東京湾フェリーバス停からのバスは廃止となっております。

鴨川シーワールド

鴨川市にある鴨川シーワールドは、太平洋に面した水族館。

3つの大型スタジアムを構え、ショーに力を入れているようです。

入場料が別途かかるほか、満足に見ようとすると一日がかりになりますので、東京発着の日帰りツアーで行くことを個人的にはオススメします。

しかし、通りがかりにでもいいから覗いてみたいという方であれば、このパスを活用できるので是非どうぞ。

最寄駅:JR外房線安房鴨川駅
※亀田病院行きのバス(フリーパスの対象)やシャトルバスでアプローチ可能

オススメの行き先(乗り物好き向け)

ちょっと鉄道オタク寄りの情報になりますが、普段あまり行くことがなさそうで、このきっぷを使う機会に乗っておいた方がいい路線という視点で、いくつかオススメの行き先をご紹介。

あっ、釈迦に説法かもしれませんが。

東京湾フェリー

普段、電車やバスに乗ることはあっても、フェリーに乗る機会はあまりないでしょう。

このきっぷであれば、そのまま乗船することができますので、移動自体が観光になります。

久里浜と金谷(浜金谷)という、路線図ばかりを見ている鉄道ファンの視点では「ご縁のなさそうな」2つのエリアが線で結ばれることにより、「脳がバグる」という体験!?もできそうです。

出典:国土地理院Vector(こちら)に筆者追記

北総線

日本屈指の高額路線「北総線」にも乗れるのは、このきっぷの新たな強みとなっています。

さらに京成線も追加になったため、成田スカイアクセス線も使えるようになりました。矢切~印旛日本医大〜成田空港間の「アクセス特急」を含めて乗車可能です。

普段、成田空港に向かうときに車窓に映る印西市の風景を横目に”素通り”している北総線沿線。殺風景な高規格バイパスの周辺でロードサイド店舗が立ち並ぶ様子に、ちょっと”異世界感”を覚えている人もいるかもしれません。この機会にぶらりと散歩してみるのもいいかもしれません。

銚子電鉄

経営が「まずい」ことになっている銚子電鉄(銚子-外川)では、そのことをウリ!?にしたグッズを出して黒字化を達成しています。

銚子電鉄の車内に入ると、様々な企業とタイアップした企画が用意されていることに気づくでしょう。

駅名だけを切り取っても、一工夫も二工夫も見られ、事情を知るほど面白い路線です。

オススメの宿泊場所(パフォーマンス重視)

2日間有効のフリーパスですから、千葉県内のどこかに宿泊することになりますよね。

まずは多少お金がかかっても快適な宿泊をしたい人向けに。

勝浦

房総半島の右側・外房に位置する勝浦は、真夏でも涼しいと言われる気候に恵まれた土地です。

サンキューちばフリーパスを9月に利用する場合には有効でしょう。

また、目の前に太平洋を望む立地を活かしたリゾートホテル(三日月など)が駅前にありますので、アクセスも良好です。

特急わかしおを利用して行きましょう。

館山

房総半島の左側・内房のリゾート地といえば館山です。

房総半島の南端に位置し、温暖な気候と美しい自然が魅力。

ChatGPTによると、房総フラワーラインの花々、船形山大福寺の絶景、洲埼灯台からの眺め、館山夕日桟橋、北条海岸のサンゴ、平砂浦海岸の砂丘などがおすすめとのこと。地元グルメも楽しめます。

宿泊施設は館山から離れた場所にあることが多いですが、サンキューちばフリーパスで利用できる路線バスが充実していますから、アクセスはなんとかなります。

館山への移動は普通列車がメインとなりますが、時間が合えば特急「新宿さざなみ」などを利用することも可能です。

舞浜

舞浜エリアには、東京ディズニーリゾートオフィシャルホテルが軒を連ねます。

新浦安エリアにもホテルがあり、中には最近リニューアルオープンした星野リゾート系列の施設もあります。

これらは東京ディズニーリゾート利用客をターゲットにしています。だからこそ、質の高い滞在をしてもらえるようにホテル側も工夫をこらしています。

オススメの宿泊場所(コスト重視)

あまりお金をかけたくない場合は、割安なホテルが集中しているエリアに着目しましょう。

北総線沿線(印西牧の原・印旛日本医大)

北総線沿線には、成田空港への前泊や後泊を狙った割安な宿泊施設があります。

印西牧の原駅前にはアパホテルが、印旛日本医大駅前には東横インがあり、その他のエリアと比較して割安な価格設定になっていることが多いです。

成田空港周辺

成田空港周辺には、空港利用者向けのホテルが点在しています。

多くは成田駅または成田空港からシャトルバスを利用してアクセスすることになりますが、逆に言えばシャトルバスを運行してもペイできる大型のホテルであるとも言えます。

ホテルのグレードも様々で、予算に合わせて選択することができるでしょう。

サンキューちばフリーパスの注意点

通年発売ではない

サンキューちばフリーパスは、通年販売ではありません。

秋と冬、それぞれ2ヶ月間ずつ(9-10月と1-2月)であることが多いので、ご注意ください。

発売は千葉県内の指定席券売機のみ

サンキューちばフリーパスは、千葉県内のみの発売となっております。

また、指定席券売機限定発売ですので、みどりの窓口に並ばないようにしましょう。

指定席券売機では、「オトクなきっぷ」ボタンから進めば、迷わず購入することができますのでご心配なく。

普通の券売機では購入できません。下の写真では一番左の「指定席券売機」を利用してください。

路線バスのフリーエリアが分かりにくい

サンキューちばフリーパスでは、一部の路線バスも利用できます。

しかし、千葉県内すべての路線バスが対象ではありませんので、利用の際は注意が必要です。

下記の感覚を何となくでも掴んでおくといいかもしれません。

巻末に公式HPへのリンクも貼りますから、併せて確認しましょう。

【利用できる路線バスのイメージ】
・成田空港周辺のJRバス
・東金発着の九十九里鉄道の路線バス
・木更津から安房鴨川方面
・館山から南に向かうJRバス

磁気が壊れやすい

サンキューちばフリーパスは、定期券サイズの磁気券で発券されます。

そのまま自動改札機に通して利用することも可能なのですが、派手に乗り降りしていると磁気不良を起こすことがあります。

我々は3人で利用していたのですが、うち2枚は磁気不良で自動改札機を利用できなくなりました。確実な情報ではありませんが、幕張豊砂駅で入場したころから調子が怪しくなり、東松戸駅で北総線の改札機に通してから完全に不良となりました。

改札機を利用できなくなっても、有人改札で対応してくれますが、ひと手間増えてしまいますので気を付けましょう。

なお、自動改札機を通れるサイズのきっぷなのに有人改札を使っているというだけで不正乗車を疑ってくる駅員さんもいます。提示の際には、(1)磁気不良となったこと、さらには(2)有人改札を通るように○○駅で言われたなど、事情を添えてあげるといいかもしれません。

エリアが毎年変わっている(広がっている)

サンキューちばフリーパスは2023年度に「エリア拡大」を果たし、北総線にも乗れるようになりました。当時、乗れる区間は北総線の千葉県内区間「矢切~印旛日本医大」に限られ、印旛日本医大~成田空港間は利用できませんでした。

※2023年まではいけませんでした

しかし、2024年度からは京成線がエリアに含まれたことから、印旛日本医大~成田空港間も乗車できるようになりました。

いい意味で使い勝手が広がっていますので、古い知識をアップデートする必要があります。

サンキューちばフリー乗車券について

これまで、サンキューちばフリーパスについて解説してきました。

これに対し、サンキューちばフリー乗車券は、東京都区内各駅~フリーエリアの往復をセットにしたものです。

往復をセットにすることで価格が820円あがります。

つまり、片道410円相当のコストを支払うことになりますので、発駅によっては千葉県内の端駅で降りて買い直す方が安くなります。

例えば、東京駅から使う場合であれば、東京~舞浜間を移動して、舞浜駅でフリーパスを購入した方が安くなります。

復路は、舞浜~東京間の普通乗車券を買っておけば、舞浜駅で一旦下車する必要は無くなります。

一手間かかりますが、往復付きにするメリットが本当にあるのか、少し考えた方が良いでしょう。

まとめ

サンキューちばフリーパスを利用し、以下の知見を得ました。

  • 千葉県内のJR線と一部の私鉄線、一部の路線バス、フェリーが利用可能
  • おとな3,970円で2日間有効
  • エリア拡大もお値段据え置き
  • 都区内からの往復付き「サンキューちばフリー乗車券」の選択は慎重に
  • オススメの行き先は房総方面に各地にあり

サンキューちばフリーパス
>> こちら

ではまた。

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