TRAIN DESK(新幹線オフィス車両)が「オフィスより快適」と言える5つの理由と、唯一の注意点。

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鉄道
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近年、新幹線車両の一部を「ワーク&スタディ優先車両」する取り組みが次々に導入されています。私もブログ記事を書く際にお世話になりましたので、JR東日本が展開する「TRAIN DESK」の感想を書いておきます。結論、(1)仕事をしながら高速移動可能(2)周囲の視線をブロックできるアイテム(3)心地の良い新幹線走行音(4)ダイヤというタイムキーパー、という点から、オフィスよりも快適な空間であることが判明。そのうえで(5)多少の騒音はお互いさま。仕事をしたいビジネスパーソンであれば選ばない理由がないほど快適です。なお、走行区間によってはWi-Fiが途切れるので注意です。
※JR東海では「S-Work車両」として同様の取り組みが実施されています

本記事ではJR東日本が展開する「TRAIN DESK」について記載しています。実際の利用時はかつての「新幹線オフィス車両」としての運用でしたが、利用上のシステムは大きく変わっていないのでそのままご参考いただけます。
かつての「新幹線オフィス車両」に使い慣れている方は、自由席満席時に着席目的で利用する”裏ワザ”は使えなくなっていますので、ご注意ください。

JR東日本の「TRAIN DESK」は土休日及び一部の平日には実施されません。
JR東海の「S-Work車両」は土休日も実施されていますが、最繁忙期には実施されません。

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TRAIN DESK(新幹線オフィス車両)とは

ワーク&スタディ優先席

TRAIN DESK(新幹線オフィス車両)は、新幹線の一部車両をテレワーク優先席とする、JR東日本が展開する取り組みです。

※現在は「新幹線オフィス車両」ではなく「TRAIN DESK」として運用されています

ビジネスパーソンが抱いていた

  • 移動中の時間も有効活用したい
  • 気兼ねなく(PCを見ながら)電話をしたい
  • 移動中にWeb会議に出たい
  • 座席でPCを操作したい

という希望に応えようとしていて検討していたところに「新型コロナウイルスの影響による乗客減」が重なり、導入が一気に加速したように思われます。

導入車両は列車により異なる

2023年3月20日から運用が変わっていますので、久しぶりに利用される方は気を付けましょう。

TRAIN DESK(新幹線オフィス車両)は東北新幹線、北海道新幹線、上越新幹線、北陸新幹線に導入されています。

運用方法が、列車によって異なりますので、予約時に注意しましょう。

東北新幹線、北海道新幹線

はやぶさ、はやて、やまびこ、なすのは、TRAIN DESKを指定席として発売しています。利用を希望する場合は、7号車を指定して特急券を購入する必要があります。

7号車以外の特急券をお持ちの場合、TRAIN DESKは利用できません。

上越新幹線、北陸新幹線

とき、たにがわ、かがやき、はくたかは、TRAIN DESKを指定席として発売しています。利用を希望する場合は、9号車を指定して特急券を購入する必要があります。

9号車以外の特急券をお持ちの場合、TRAIN DESKは利用できません。

こまち・つばさ・つるぎ

こまち・つばさ・つるぎでは、TRAIN DESKを実施しておりません。

なお、こまちつばさを利用の場合、盛岡や福島以南で連結するはやぶさやまびこのTRAIN DESKを利用することができます。この場合に車内からの通り抜けはできませんので、駅停車中に編成間の移動が必要です。また、はやぶさややまびこのTRAIN DESKは指定席なので、列車ごとに指定席をそれぞれ準備する必要があります。自力で特急券を購入すると区間が区切られてしまう(=高額)ので、みどりの窓口で事情を説明して購入しましょう。

指定席の設定がない場合

かつては、自由席の場合でも「新幹線オフィス車両」として運用されていましたが、現在はこのような運用ではありません。

当該車両が自由席として運用されている場合は、TRAIN DESKとしての運用はありません。

利用料金

利用料金は無料で、TRAIN DESKを使うための特別な料金は不要です。

あくまで、その列車に有効な乗車券+指定席特急券があれば利用でき、その料金は他の指定席車両と同額です。

TRAIN DESK(新幹線オフィス車両)が快適だった理由5選

仕事をしながら高速移動可能

時は金なりとは言いますが、移動時間を有効に使いたいというのは誰もが思うことでしょう。

移動中に片づけたい仕事があるときに、TRAIN DESK(新幹線オフィス車両)は大いに役立ちます。

公共の場での仕事に対してセキュリティの厳しい企業であれば禁止されていることも多いでしょうが、許可されているケースで、かつ必要な対策を講じて挑むのであれば効率的。

そう言い出すと…出張中の移動時間にも仕事をさせる社畜を生む手段だとも思われてしまいますが..

一方で、リモートワーク・ワーケーションが徐々に進んでいる現代において「移動中に仕事ができるからこそ家族と一緒に旅行に行ける」なんてことも出てくるわけですね。

物は言いよう、使いよう。

周囲の視線をブロックできるアイテム

TRAIN DESK(新幹線オフィス車両)では、A席・C席・E席の利用を推奨しています。こうすることで隣からの視線が気にならず、後ろからののぞき込みも(故意がある場合を除き)防止できます。

それでも周りの視線が気になることもありますよね。

そんな時に役立つのがこのアイテム。

新幹線オフィス用折り畳みなんちゃらです。

ぱっと広げて挟み込み、最後にPCで踏んづければ…

秘密基地の完成です。PCの横に穴が開いていて、ケーブルを通すことができます。

もちろん車内にはコンセントがありますので、電池切れの心配もありません。

完全防御態勢で仕事できます。

こんなアイテム、実際のオフィスにだってほしいですよね。

心地の良い新幹線走行音

突然ですが、電車の音は好きですか?

意外と集中できるアイテムです。

今ではYouTubeでもたくさん上がっていますので、家でも流し放題なのですが、ここではわざわざ流すことなく、天然の走行音が流れています。

集中している状態であれば外の音など必要ないのですが、気が散り出したら多少は流れていてほしいものですよね。

殺伐としたオフィスにはない、流れる車窓もGoodです。

ダイヤというタイムキーパー

新幹線は目的地に向かって走っていますので、時間が経つにつれて歩を着実に進めています。

すると自然に「ここまでにこれを片付けよう」という目標が生まれます。

ブログの執筆であれば、福島までに目次を書いて、郡山までに導入部分を書いて…

駅が近づくと、チャイムで”タイムリミットの接近”を知らせてくれます。ラストスパートです。

単調に時間が流れるオフィスよりも、集中せざるを得ない空気が流れます。

ちなみに、列車にタイムキーパーを頼みたい場合は、速達型の「はやぶさ」ではなく、各駅停車型の「やまびこ」や「なすの」がオススメですよ。

目標は細かく区切るといいって、誰か偉い人が言っていましたね。

もちろん、人それぞれですが。

多少の騒音は「お互いさま」

通話はまだしも、PCくらい普通の席で使ったら!?

…なんて思われるかもしれませんが、実はこれ、けっこう気を使います

もちろん使わない人もいますけど…

日本民営鉄道協会さんが行った2020年のアンケート結果によると、乗客の迷惑行為として「座り方」や「騒々しい会話」が上位にランクインしている中で、見逃せないのが「スマートフォン等の使い方」「ヘッドフォンの音漏れ」「電子機器類の操作音」が入っていること。しかもこれは通勤列車をターゲットにした調査でしょうから、新幹線・特急列車に絞って考えると「電子機器類の操作音」はかなり上位に来るのではないかと思います。

※写真はE5系グリーン車です(静寂…)

私も車内でPCを操作することはよくありますが、キーボードの音を立てないように神経を尖らせています。なぜなら、私自身も他人の操作音が気になってしまうから…

たぶん、同士は多いと思います。

そのような中で、

パソコンの打鍵音や携帯電話での会話等は、お客様同士で相互に許容してください。
そのような環境が苦手な方はその他の車両をご利用ください。

という声掛けをしてくれています。

実際にTRAIN DESK(新幹線オフィス車両)では、多少の騒音はお互いさまだよね、という空気感が流れています。

周りのキーボードの音や通話の音などが普通の席よりもうるさいはずなのに、むしろ全く気にならないという不思議。

ということで、こちらも過度に神経を尖らせるような思いをすることもなく、やらせていただきました。

たぶん、周りの人も気になっていないと思います。

TRAIN DESK(新幹線オフィス車両)の注意点

そんな選ばない理由のない新幹線オフィス車両ですが、注意点もあります。

それが、Wi-Fiや携帯電波の環境

東北・上越・北陸の各新幹線は、関東平野を抜けるとトンネルが多くなります。

徐々にトンネル内の電波環境も改善されてきていますが、それでも通信が途切れることが多いです。

リアルタイムでの通信が必要なWeb会議の実施を考えているのであれば、その区間には気を付けたほうがいいでしょう。

JR東海が展開する「S-Work車両」では専用Wi-Fiを用意し、通信容量が2倍に設定されているようです。

従来の「新幹線オフィス車両」の問題点を解決

かつて「新幹線オフィス車両」として運用されていた時には、よく言えば「裏ワザ」悪く言えば「分かりにくい」運用が存在しました。

それが、「自由席としても運用されることがある」という点。

便利な新幹線オフィス車両ですが、まだまだ全利用者には浸透していませんので、対象列車の自由席が混雑して座れないときに新幹線オフィス車両に着席するという裏ワザもありました。

実態は自由席であっても、基本的に新幹線オフィス車両には「指定席」と表示されていますので、知らない人は使える権利を持ちながらも立ち入れない壁となっていたのです。

やまびこの新幹線オフィス車両

また、全車指定席の「かがやき」において、新幹線オフィス車両の席は発売されていないことから、「かがやき」では利用できないはずの自由席特急券で「かがやきの新幹線オフィス車両に乗り込む」ということも物理的にはできてしまっていたのが実態でした。(※これは裏ワザではなく不正乗車に該当します)

このようにして使う人の中には新幹線オフィス車両を歓談の場と勘違いする人もいて、環境維持という点でも課題がありました。

このような問題点を解決に導いたのが「全指定席化」ですね。

まとめ

TRAIN DESK(新幹線オフィス車両)を利用し、以下の知見を得ました。

  • 東北・北海道新幹線の7号車に設置
  • 上越・北陸新幹線の9号車に設置
  • 仕事をしながら高速移動できる(旅の選択肢が拡大)
  • 視線をブロックできるアイテムがある
  • 流れる車窓の中で、新幹線がタイムキーパーとなる(集中力アップ)
  • 多少の騒音はお互いさまの空気が流れている
  • 電波環境は徐々に改善

TRAIN DESK(新幹線オフィス車両)
>> こちら

ではまた。

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