首都圏の特急、全車指定席化メリット5選とトラブル3選、勘違い2選。

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鉄道
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空いてる席に座って、隣が来ないように荷物でブロック。昔ながらの通勤に慣れてしまった世代は「全車指定アレルギー」にかかっているなどと皮肉を言われますが…そんな人へ。数年前に全車指定化されてから桁外れに快適になった常磐線ユーザーからのメッセージです。メリットを中心に、よくあるトラブルもお伝えします。

当初、この記事は「中央線」や「東海道線」に全車指定席の新しいシステムが導入される際に、先に全車指定化された「常磐線」ユーザーの私から僭越ながら”アドバイス”を差し上げたものです。今では定着しているので不要な記事ですが、一定の需要があることから、一部の表現を変えて残すことにします。

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全車指定特急とは

東海道線には特急踊り子のほかに、通勤ライナーが何本も走っていました。しかし、2021年3月のダイヤ改正で全車指定の特急「踊り子」「湘南」などに再編され、自由席は消えました。

この流れは、常磐線特急「ひたち」などが品川に乗り入れを開始した2015年3月から始まり、中央線特急や高崎線(一部特急)にも展開されています。

自由席がなくなることを嘆いている人もいますが、数年前に自由席がなくなった常磐線ユーザーから、全車指定特急のメリット5選をお届けします。

なお、本記事では、インターネット上で予約した特急券を受け取ることなく乗車できる「えきねっとチケットレスサービス」を利用する前提でお話ししていきますので、頑張ってついてきてくださいね。

全車指定席化により受けられるメリット

メリット1:必ず指定座席に座れる

「始発駅」関係なし

なんと言ってもこれに尽きます。当たり前ですがどの駅から乗っても指定座席に座れます。

自由席だと空きを探すのが大変だったり、誰かの隣に座るのが気まずかったりしましたが、その煩わしさから解放されます。

自由席の場合は先に乗ったものが勝ち。途中駅から乗る場合、既に座席が埋まっているケースもあって、特にグループで利用すると席が離れてしまうことが多々ありました。しかし、全車指定席であれば先に予約した者が勝ちです。

特に家族で移動する場合には重宝されるシステムですよね。

柏から下りの特急に乗ることが多かったのですが、かつて上野発で設定されていた割安な回数券も柏発着ではなく、今と同じくらいの金額を払って自由席特急券を買って乗り込んでも席はすでに埋まっている状態で、家族でまとまって座れることは稀でした。今では家族まとまって、一番好きな最前列席に座っています。

堂々と座れる

整理券方式のライナーや特急自由席でよく見かけるのが、隣の席に荷物を置いて勝手にブロックするおじさんや、わざと通路側に座って窓側に座らせないように仕向けているおばさん。

ライナーでは座席数とライナー券の枚数だけ管理されているので、自力で空いてる席を探さなければならず、ブロックおじさんに声をかけるのもしんどかったですよね。

そのしんどさから解放されます。

もちろん、通路側に座るのは途中駅で降りるから気を利かせているという一面もありますが、そんなことはこちらは分かりませんでした。

これからは、気を利かせて通路側を”指定”してくれることが自明なわけですから、こちらとしても堂々と窓側を指定して座れますよね。

メリット2:これまでよりも安値で指定できる

これまでは自由席+530円で指定席を確保しておりましたが、自由席がなくなって新しい料金体系になります。これまでの自由席よりは高くなってしまいますが、指定席よりは安い。間を取ったような料金になるので、必ず座りたいという人にとってはいいですよね。

特急料金50キロまで100キロまで150キロまで200キロまで
A特急料金1,2901,7302,3902,730
B特急料金1,0501,4801,8902,290
全車指定
新特急料金
(紙の特急券)
7601,0201,5802,240
全車指定
新特急料金
(チケットレス)
6609201,4802,140
全車指定
新特急料金
(JRE POINT)
4607201,2801,280

例えば、東京ー熱海間の指定席特急料金は1890円から1480円に下がります。

さすがに格安のライナーとは比較にならないほど上がってしまいますが、それでも藤沢ー東京間なら660円で、さらにポイントバックもあります。

座席指定できることを考えればいい勝負だと私は思います。

また、JREPOINTを利用したチケットレス特急券も発券でき、この場合は概ね300円引き相当で引き換えができます。そうなると、ライナー料金を下回ってしまいます。

どうですか?もう「高くするために全車指定にしたんだろ」とは言わせませんよ。

メリット3:紙の特急券を買わなくていい

えきねっとチケットレスサービスが導入されます。クレジットカードの登録が必須ですが、区間の指定、座席の指定、支払い、乗車まで、すべてオンラインで完結します。

しかも、えきねっとチケットレスサービスからの特急券発券は発車時刻まで可能。

間に合わなそうだけど間に合うかもしれない!という微妙なタイミングでも、ホームに向かい、飛び乗る直前に購入することも可能です。

メリット4:変更自由

列車の変更

紙の特急券では変更は1回までで、しかも駅の窓口か指定席券売機での操作が必要でした。しかし、えきねっとチケットレスサービスで発券した特急券は、何回でも変更できます。(※最初の予約日から3か月後まで)

私は30回くらい変更したことがありますが、全く手数料はかかりません。

気楽に予約できるのは助かりますよね。

ただし、気楽も度が過ぎると「予約したことを忘れる」失態をしますので、気を付けましょう。

座席の変更

予約済みの列車に「予約変更」することで、座席の移動が出来ます1)。もし、乗車前に空席状況を見て、車内はガラガラなのに自分の周りだけ混んでいる、という状況になったら、別の座席に予約変更してしまいましょう。

私はほぼ、乗車直前に座席の変更をかけています。特に柏から下り方面の「ときわ」に乗るとき。乗車列車が上野を出た直後に予約変更を試みると、車内の状況が手に取るように分かりますよ。

あまり大きな声では言えませんが、この「変更自由」を応用すれば、ほぼ満席の車内で自分の隣だけ空席という状況を作り出すこともできます。どう応用するかは…ご想像にお任せしますが。

1)現在は「座席変更」という選択肢が加わっています。通常の変更はクレジットカードに対して(無手数料)払い戻し→新予約分の再請求となりますが、単なる座席変更であればクレジットカードに戻すという工程を省くことができます。特にクレジットカードの利用情報と出張精算システムが直結している会社の場合は、精算の操作も簡単になるので便利ですよね。

メリット5:車内改札がない

既に撤廃されている線区も多いですが、車内改札は原則としてありませんので、乗ったら邪魔されることなく過ごすことが出来ます。

これは気楽でいいですよね。

なお、車掌さんの端末に座席の発売状況が表示されます。未発売の座席やデッキに乗客がいれば車内改札することになりますので、ずるいことは考えないように。

よくあるトラブル3選

この項では、全車指定特急やチケットレス特急券にまつわるありがちなトラブルをご紹介します。

車内料金

特急券を買わずに飛び乗ると+260円の車内特急料金を請求されます。

これに納得いかない人が車掌さんとトラブルを起こしているところをよく見ます。言い訳として「券売機が混んでいた」が多用されますが、残念ながら通用しません。

えきねっとチケットレスサービスで、券売機を使用しない生活を手に入れましょう。

ちなみに、私が見た中での高額請求は【龍ケ崎市から牛久まで(1駅)】特急に飛び乗られた方の請求ですね。たった1駅なのに特急料金が1,020円です。笑

さすがに1駅だったらバレないと思ったんでしょうね…ビックリされていました。

ちなみに、その隣で様子を見ていた私は「柏→勝田で920円」しか払っていませんが、これは正当です。

指定ミス

乗車日や乗車列車を間違えて発券し、気づかないまま乗車してしまう人もいます。

これまでだと駅の改札で気づいてもらうことが出来ましたが、今後は乗車券のみ自動改札に通すことになるため、特急券のミスに乗車まで気づかないのです。

私が特急「ひたち」に乗った際、あとから来たおじさんに「ここは自分の座席だ、早くどけ」と言われて慌ててデッキに出たことがあります。デッキに出た直後、車掌さんに自分の予約画面を見せて気づいたのですが、間違えていたのは私ではなく、その強気なおじさんの方だったというオチでした。

列車遅延時

これは私が起こしてしまったミスですが(笑)、列車が大幅に遅延していて、乗るはずの列車の時刻に1本前の特急が来て、それに乗ってしまいました。

実はこれ、特急券は無効になります。

えきねっとチケットレスサービスの場合は、指定した列車以外は無効なので、車内料金を別に支払うことになります。

この時は、指定した列車の発車時刻も過ぎていて、既に変更や払い戻しができない予約となっていた点も加味され、そのまま乗車させていただくことが出来ました。

ただし、これはあくまで特例的な判断と思われます。トラブルになったときに、この記事を前例として扱うのはやめてくださいね。

よくある勘違い2選

「値上げのための全車指定化」は勘違い

よく言われるのが「値上げをするために全車指定席にするんだろ!」というもの。

これは半分正しく、半分間違いです。

しつこいようですが、もう一度特急料金表を示しますね。

特急料金50キロまで100キロまで150キロまで200キロまで
A特急料金1,2901,7302,3902,730
B特急料金1,0501,4801,8902,290
全車指定
新特急料金
(チケットレス)
6609201,4802,140

たしかにかつての自由席(上記のA/B特急料金より530円引き)と比べると高くなっていますが、指定席同士で比べると安くなっています。

特にA特急料金が適用される区間(中央線の松本方面や常磐線のいわき方面)を利用する場合は、これまでの自由席と比べても同等の水準です。

JR東日本の目的は「収益を上げる」ことよりも「車掌の業務を簡略化する」ことに主眼を置いています。

もちろん、車掌の業務簡略化が収益向上に結び付くわけですが…

「自由席がなくて飛び乗れない」は勘違い

「飛び乗れないのは不便だ」という声も聞こえてきますが…

常磐線特急のヘビーユーザーである私、だいたい飛び乗っています。笑

飛び乗りができるのも「チケットレス特急券」というシステムがあるからこそなのですが、これは慣れの問題です。

慣れてしまえば、駅に向かう途中の信号待ちや、NewDaysでコーヒーを淹れている間に特急券を買えるようになりますよ。

間に合うかどうかわからないという状況であれば、必要事項を入力して、最後の「申し込みを確定する」のボタンを押す直前で止めておくのがミソになります。

まとめ

全車指定の特急列車化することを嘆いている人へ、以下のメリットをお伝えします。

  1. 必ず指定座席に座れる
  2. これまでよりも安値で指定できる
  3. 紙の特急券を買わなくていい
  4. 変更自由
  5. 車内改札がない

暗くならずに、新しい乗車様式を取り入れて快適に過ごしてほしいと思います。

以上、常磐線ユーザーからのメッセージでした。

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