特急「緑ランプの空席」に特急券を持たずに黙って座るとバレる理由。

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鉄道
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首都圏の全席指定の在来線特急列車では、座席上のランプの色によって空席(赤)・発売済(緑)・まもなく乗車(黄)、が見分けられるようになっています。緑色ランプなのに空席というケースがあり、乗客の乗り遅れと見られますが、ではこの緑の空席に座ったら特急券を持っていなくてもバレないのではないかと、ちゃっかり座る人もチラホラと。結論として「バレている」ようです。なぜバレるのか。気になりますよね。鍵となるのはブロック席の存在。詳しく解説しますが、この記事の結論は「ちゃんと特急券は買いましょう」です。

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座席上のランプとは

首都圏の一部特急列車には、座席上にランプが設置されています。

このランプは、当該座席の予約状況と連動しており、

赤:空席
黄:まもなく発売済区間
緑:発売済区間

もし、特急券を持たずに飛び乗った場合や、座席未指定券で乗車した場合には、赤色の空席を利用することになります。

緑ランプの空席!?

発売状況は刻一刻と変化し、特に直前で売れ行きが好調となる平日の夕方以降の中央線や常磐線では、赤色の席もあったはずなのに、気づいたら全て緑色になっていたなんてこともよくあります。

でも、その影で。

緑色の発売済み座席のはずなのに、誰も座っていないなんてことがあります。

通路挟んで反対側に、緑ランプを灯して並ぶ2つの空席が寂しげです。

「乗り遅れちゃったんだな」
「かわいそうに」
「もったいない」
「忘れてたのかな」
「変更間に合わなかったのかな」

そんなことばかりを考えて乗っていました。

「ご乗車ありがとうございます」

といいながら、車掌さんもそそくさと通りすぎていきます。赤ランプや黄色ランプに誰かが座っていない限り、検札をする必要がないのです。

途中駅から乗客が座る

そうこうしているうちに、列車は途中駅に停車。

その駅からの乗客の一人が、緑ランプの空席に座りました。

「よかったよかった」
「前の区間から買ってただけだね」

私もそう思っていました。

すると…

「失礼いたします」
「特急券を拝見いたします」

なんと、車掌さんがその乗客に声をかけたのです。

緑ランプなら検札を省略するのでは!?

そう思っていると、その乗客から特急券が出てくることはありませんでした

頑なに支払いを拒否し、次の駅に着いて車掌がその場を離れるのを待っているような素振りを見せていました。

「なんでバレたんだ」

と言わんばかりのお姿に

「何があったの?」

…と小1の娘に話しかけられるも、頭の中では答えが出ていても、口からどう答えていいかは分からない始末。

なんとも言い表しがたい気持ちになりました。

緑ランプの空席は「3種類ある」

実は、緑ランプの空席には3つのパターンがあります。

そのパターンは見た目では見分けることができません。また、相当乗り慣れている人であれば「なんとなく部分的には」見分けることはできますが、それでも確信を持つことはできません。

その3つのパターンとは

  • 発売済みの座席
  • 発売操作中の座席
  • 車掌ブロック席

です。

発売済みの座席

一つ目は「発売済みの座席」です。

これはもう、重複の説明になるのでいいですよね。

繰り返しですが、発売済みの座席に関しては緑ランプになります。

発売済みですから、よほどのことがない限り、予約・発券した乗客が利用します。

発売操作中の座席

二つ目は「発売操作中の座席」です。

これはあまり知られていません。

他の予約と重複しないよう、指定席券を発券する際には、料金支払い前の段階でシステムが座席を「仮押さえ」します。

指定席券売機で言えば、お金やカードを投入する直前の確認画面。えきねっとで言えば、「10分以内に購入を完了してください」などと表示される座席指定後の最終確認画面が該当します。

この段階では支払いは済んでいないものの、当該座席は押さえられていて、他の人は買えないようになっています。

通常はこのまま発券が完了します。もし発券に進まずに戻った場合は仮押さえが解除されます。

しかし、このまま画面を放置されてしまったら、仮押さえ状態が約10分間続くことになります。

一方、仮押さえの状態であっても、座席上のランプを管理するシステムは「発売済み」と認識します。この間に座席上のランプの色の情報が車内で更新されると、緑色を灯すことになります。

仮押さえが解除されると、ランプの色も赤に戻ります。

車掌ブロック席

三つ目は「車掌ブロック席」です。

列車内の座席のうち、一部は「発売しない席」としてキープされていることがあります。

これは、指定席券を所持した乗客が、何らかの座席のトラブルにより当該座席を利用できない場合、代わりに案内する座席として用意されているものです。座席のトラブルとして多い例は「前の客が汚してしまった」などです。

車内の状況にもよりますが、特急券を持たずに乗車した乗客を案内することもあります。ただし、これはJR側の善意に基づくものであり、本来はここまでする義理はありませんので、案内されなくても突っ掛からないように。

で、このブロック席の扱いなのですが、どこがどれくらいブロックされているのかは公表されていません。

私がよく使う常磐線特急では「車両の中央よりやや車端寄り」に「並んで2席」ブロックされていることが多い印象(あくまで印象です)なので、予約の段階で

「なんとなくここっぽい」
「じゃあ通路挟んで反対側にしよう」
「そうすれば隣に誰も来ない」

などという判断材料になります(もちろん外れることもよくあります)。

一方で…

家族3人で固まって取ったら、残りの1席と周辺の全座席(計9席)がブロックされていた、なんていうこともありました。

出典:「えきねっと」の画面キャプチャに筆者追記

このとき、一人で座った私は律義に食事も我慢して乗って降りていくことを待っていましたが、(常磐線下り特急で)品川を出発後、東京・上野を過ぎても乗ってこない。

「どこかで大きい遅延でも起きたのか」とグループでの乗り遅れを疑いましたが、後に行われた周辺での一斉検札(我々はスルー)でブロック席であった事実が判明しました。

航空会社なら上級会員の周辺をブロックすることはあるようですが、鉄道では聞いたことないので関係ないでしょう。

だから基準はよく分かりません。

しかし、ブロック席は存在するということだけは覚えておきましょう。

ブロック席に座るとバレる

さて、車掌さんは車内検札の時に何を見ているかというと…

実は「座席上のランプは全くと言っていいほど見ていない」のです。

代わりに、手元の端末で実際に発売状況を見ながら巡回しています。

ここまで説明すれば分かると思うのですが、

「特急券持ってないけど乗り遅れた人のところに座ればバレないよね」

などと考えて緑ランプの席に座ると、実は売れていない席だった。というケースが大いにあるでしょう。

こうなれば検札を受けることになりますし、もともと赤ランプに座るように言っているにも関わらず緑ランプに堂々と座っている乗客に対しては自然と「臨戦態勢」になるもの。

このようなことを企んでいる人が、もしこの記事を読んでいたら、

そういうことはやめましょう。

と私からお伝えしておきます。

車内料金は事前割引料金の2倍以上に!?

もう乗っちゃったんだけど…

って心配している人に向けての話ですが、大丈夫です。

これ以上、故意に隠蔽したり、強い悪意が伴わない限りは通常の規定料金をお支払いすればOK。いきなりキセルの増運賃だとか、警察に通報だなんて話にはなりませんから、まさに今、特急券なしで座ってしまっている場合は自ら進んで支払いを申し出るようにしましょう。

ただ、通常の規定料金というのが、車内だと「車内料金」というちょっと高額な水準になります。

具体的には指定席料金+260円です。

キャンペーン中のときわ号に300ポイントで乗っている私の隣の席で、2駅だけ特急に乗ろうとして車内精算した方が1,020円払っていました。

事前に然るべき方法で発券すれば安く乗ることができますから、次回以降はオトクな特急券を買って賢く旅行しましょうね。

まとめ

首都圏の特急列車で、緑ランプの空席に黙って座るといいことがありません。

  • 緑ランプは原則として「発売済みの座席」であることを示します
  • 発売操作中の座席やブロック席も緑色に点灯します
  • 車掌さんはランプの色ではなく発売実績を見ています
  • 特急に乗車する際は特急券を準備してから乗車しましょう

ではまた。

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