JR東日本のE131系は、首都圏郊外で活躍する2021年デビューの新型車両です。この車両の乗客視点での特徴として、ワンマン運転を原則とした設備の導入や、線区の特性に合わせた車内設備などが挙げられます。E131系には0番台、500番台、600番台が存在し、それぞれ走っている場所が異なります。一方、短編成化による積み残しの問題なども新たに発生しています。この記事では、必ずしも歓迎されているとは言い切れないE131系の車内設備を中心に解説しています。首都圏の鉄道旅行に出かけると出会うことの多いE131系の特徴を把握し、快適な旅を楽しむための一助としていただければと思います。
E131系とは
こんな外観の車両です
E131系とは、JR東日本が使用している鉄道車両です。
この車両は、首都圏の郊外地域において、老朽化が進んでいた現行車両の置き換えや、車両運用の効率化を図って導入されています。
0番台・500番台・600番台があります
初めて投入されたのは2021年3月のこと。房総地区で走り始めたのを皮切りに、姉妹車両も現れて、各線区で活躍しています。
房総地区で走り始めたのが0番台と呼ばれる車両で、その後500番台と600番台が登場しています。
各車両は、走るエリア(次項)によって区分けされています。
E131系の営業エリア
E131系は、以下の線区で活躍しています。
- 0番台:房総地区
- 500番台:相模線
- 600番台:宇都宮地区
供給過多となっていた房総地区の末端区間や、従来車両(205系)の老朽化による置き換えなどによって投入されているのがE131系ですね。
これまでは首都圏で使い古した車両を房総地区に送り込むのが主流でした。しかし、その流れを覆し、車両をわざわざ新造して送り込んだという点が異なります。相模線や宇都宮地区も同様です。
そのため、期待は大きかったようですが…
車両が新しくなったことにより車内の快適性は向上し、利用者にとっては嬉しいニュース…
…だったはずなのですが、短編成化を基本とする運用変更により車内の混雑が激しくなり、必ずしも歓迎された存在ではなかったようです。
歓迎されているとは言い切れないE131系ではありますが、首都圏の鉄道に乗車する場合にはお世話になる機会もあるでしょう。
この記事では、車内設備を中心にご紹介しますので、みなさまの快適な鉄道旅のため、ご参考に頂ければと思います。
E131系見学会にて撮影
まずは最初にお断りを…
新型車両がデビューするにあたり、E131系が走る勝浦駅、館山駅、潮来駅の各駅で見学会が開催されました。
この記事では、見学会で撮影した写真を載せております。
これからいつでも走る車両なんだから無理に見に行かなくても…と思われる方もいらっしゃいますが、公共交通機関として走り始めた後よりも、見学会として開放される機会を利用した方が、写真撮影などでJRや周りの乗客にご迷惑とならないと考えた結果です。
車内の様子が独特かもしれませんが、上記の点をご了承ください。
E131系 利用者目線でのメリット
E131系0番台の設備を中心に説明していきます。
外観がかっこいい
改めて外観。
E131系は2両編成です。
E235系に209系のテイストを加えて、どこか気動車に寄せたような、そんな感じがしますね。
デザインに関しては、JR東日本が以下のように発表しています。
優雅で生命感のある房総の海をイメージした明るい青色と内陸を彩る菜の花の色をイメージした黄色の帯を配しました。また、前面は房総の海の波しぶきをイメージした水玉模様としています。
JR東日本(こちら)
フルカラーの行先表示。
やり方を工夫すれば、複雑に入り混じる房総地区の行先を視覚で訴えることも可能です。
ラインカラーの黄色と水色の組み合わせも映えています。
押しボタン式
各ドアには押しボタンが設置されていて、乗客の意思で開閉することが可能。
夏の暑い時期や、冬の寒い時期に重宝する設備ですよね。
車内ディスプレイあり
ドア上にはLCDモニターがあります。
209系からの大きな進化ですね。
座席タイプが豊富
座席はこんな感じ。ちょうどいい固さで座り心地よしです。
E131系0番台にはロングシートのほかにボックスタイプの座席もあります。隠れた人気席、ボックス横の2人掛けもありますね。
好みに合わせて選ぶことができますね。
トイレがきれい
お食事中の方はすみません。
トイレは車いす対応の広いタイプ。
車いすを利用されない方でも、広く利用できるのはありがたいですよね。
きれいに使いましょう。
フリースペースがある
子連れに嬉しいのがこのスペース。
短い編成であっても、ベビーカーを乗せられるスペースがあります。
もちろん車いすの方が最優先です。
前面展望も楽しめる
他の車両と同様に、客室から前面・背面展望を楽しむことができます。
E131系 利用者目線での注意点
ワンマン運転である
近年では、ワンマン運転エリアが拡大しています。
E131系では、ワンマン運転に対応した設備(車外カメラなど)が揃っていて、原則としてワンマン運転で運用されています。
ワンマン運転では、運転士が1人で乗務しますが、運賃収受などは駅に任せて運転だけに集中する「都市型ワンマン」が特に進んでいるようです。
それであれば利用者目線での変化点はないように見受けられますが、万が一、車内で困りごとが発生した時に次駅到着まで話しかけることができません(※緊急時を除きます)。
少し懸念が残りますよね。
短編成化が進行
これまでと比較して、短編成化が進んでいることは否めません。
例えば、房総地区で209系4両で運転していた線区に、E131系2両を投入できるようになります。
これにより、時間帯によっては車内の混雑が発生しています。
実際に日光線(宇都宮地区)において、E131系3両編成に学生が乗り切れなくなる「積み残し」が発生し、社会問題に発展したこともあります。
E131系「番台ごとの違い」
上記の写真は0番台で撮影したものです。
500番台(相模線)と600番台(宇都宮地区)では仕様が若干異なります。
500番台
E131系500番台(相模線)では、ボックス型のシートがなく、ロングシートのみの搭載となります。
また、4両編成で運転されている点が異なります。
デザインに関しては、JR東日本が以下のように発表しています。
遠くまで広がる湘南の海とダイナミックな波の水しぶきを水玉模様で表現しております。また、前面と側面のカラーリングには、遠くまで広がる湘南の海をイメージした濃淡2色の青色を配しています。
JR東日本(こちら)
600番台
E131系600番台(宇都宮地区)では、ボックス型のシートがなく、ロングシートのみの搭載となります。
また、3両編成で運転されている点が異なります。
デザインに関しては、JR東日本が以下のように発表しています。
日光らしいレトロ調を継承し、側面の帯には宇都宮市で復元された火焔太鼓の山車をイメージした黄色と茶色の2色配置として世界遺産日光の社寺に施される文様にも通じる、賑やかで高級感のあるデザインとしました。
JR東日本(こちら)
E131系の運用(見分け方)
E131系に乗りたい人も、乗りたくない人も…
E131系の運用を見極めておきましょう。
E131系0番台
E131系0番台は、南房総と鹿島線で活躍しています。
具体的には、
- 木更津ー安房鴨川ー上総一ノ宮 を直通して走る列車
- 鹿島線 を走る列車
が該当します。
一方、千葉駅まで乗り入れる列車はE131系ではありません。
また、夜間の一部列車は成田駅にも乗り入れています。
E131系500番台
E131系500番台は、相模線を走る全ての列車が該当します。
相模線に行けば、確実に会うことができます。
E131系600番台
E131系600番台は、宇都宮地区で活躍しています。
具体的には
- 宇都宮ー黒磯 を走る列車
- 日光線 を走る列車
- 小山ー小金井ー宇都宮間のうち黒磯方面に直通する列車
が該当します。
首都圏から東北本線を北上する場合は、必ずE131系600番台のお世話になることになります。
まとめ
E131系の見学会に参加し、以下の知見を得ました。
- E131系は、首都圏郊外で活躍するJR東日本の新型車両
- 0番台・500番台・600番台の3種類がある
- (主なメリット)最新設備の整った快適な車内設備
- (主な注意点)時間帯により混雑が激しくなっている
JR東日本E131系の説明
>> こちら
ではまた。