水戸・つくばから東京ディズニーリゾートを結ぶ高速バスに往復で乗車し、そのメリットと注意点を共有いたします。最大のメリットは(1)乗り換えなしでパークエントランスまで行ける点ですが、(2)鉄道の普通運賃同等以下で往復できる、(3)パーク運営時間に合わせて運行される、などの優位点も見逃せません。バスオタ的には(4)2階建てバスに乗れる、という副次的な効果も。一方、(5)高確率で渋滞に巻き込まれる、(6)通常の高速バスとは異なり主要バス停以外は通過する、(7)帰ってきたら深夜、などの注意点もあります。納得の上で利用し、後悔のない選択をしましょう。
水戸・つくば~TDRの一般ルート
東京ディズニーリゾートは夢と魔法の世界が広がる魅力の詰まった特別な場所。
キャラクターとの触れ合い、圧倒的なエンターテイメント、美しくデザインされたランドとシーのパーク、心温まるイベントなど、全てが楽しい思い出と幸せな時間を提供してくれます。ディズニーの魔法に包まれ、心から笑顔があふれる、唯一無二の楽園です。
ただし、そこまでの道のりは険しい。
首都圏なら「京葉線に乗ればいいんでしょ?」って話で済みますが、茨城県から行こうとすると、多くの”乗り換え”が待ち受けます。
隣の県なのに…
つくば~東京ディズニーリゾート
まだ、つくばからであれば、比較的楽な部類に入ります。
つくば~南流山:つくばエクスプレス
南流山~舞浜:武蔵野線(東京行き)
武蔵野線は東京(舞浜)方面に行くものを選ばなければならず、20分ほど間隔があくことがあるので注意が必要ですが、乗り換え1回で行けるのは便利ですよね。
問題は水戸からの場合。
水戸~東京ディズニーリゾート
水戸から行こうとすると、ちょっと大変です。
水戸~柏:常磐線or特急ときわ号
柏~新松戸:常磐線(各停)
新松戸~舞浜:武蔵野線(東京行き)
という3ステップを踏まなければなりません。乗換回数を少なくしたいのであれば、
水戸~東京:常磐線or特急ひたち号
東京~舞浜:京葉線
で行くことも可能ですが、東京駅の”地獄の乗り換え”を頑張ることになります。
東京ディズニーリゾート内の移動
パークへの道のりは舞浜駅からも続きます。
東京ディズニーランドであれば、舞浜駅南口を出て歩いていくことが可能。5分程度あれば到着できますが…
東京ディズニーシーに行く場合、舞浜駅から歩いていくのは少々無理があります(※20分くらいあれば歩いていくことも可能です)。
通常はリゾートゲートウェイステーション(≒舞浜駅)から一方通行に運転するディズニーリゾートラインに乗り、目的地とは逆回りに進んで3駅目で下車という”非効率なルート取り”をすることになります。
水戸・つくば~TDR線が運行されています
路線概要
決して便利とは言えない水戸~東京ディズニーリゾート間の公共交通。
ここに目を付けてくれたのが今回ご紹介する高速バス、
水戸・つくば~東京ディズニーリゾート線
です。
水戸から東京ディズニーシー・東京ディズニーランドのエントランス横に設置されたバス停まで運行してくれます。パークの運営日(=毎日)に、パークの運営時間にあわせて(=開園時間から閉園時間まで滞在できるように)運行。
まさに”かゆい所に手が届く”高速バスとなっています。
もともとは水戸~TDR線とつくば~TDR線がそれぞれ運行されていましたが、コロナ禍を経て路線が再編され、水戸・つくば~TDR線とし、代わりに車両が大型化されて今に至ります。
運行経路は水戸駅~水戸IC~常磐道~つくばセンター~桜土浦IC~常磐道~6号三郷線~中央環状線~湾岸線~各パークです。
首都高速6号三郷線を経由します。この時点で悟る人は悟ります。重要情報ですので覚えておきましょう。
運行時刻
時刻は下記の通り。
往路
水戸(0540)→つくばセンター(0710)→TDS(0835)→TDL(0845)
復路
TDS(2125)→TDL(2135)→つくばセンター(2245)→水戸(0010)
※この時刻は、パークの運営時間が09:00-21:00である場合の時刻です。
※途中停留所の情報は割愛しております。
運賃
運賃は下記の通り。区間や片道/往復によって変わります。
利用区間 | 片道 | 往復 |
水戸エリア~TDR | 2,680 | 4,500 |
石岡バス停~TDR | 2,140 | 3,560 |
つくばエリア~TDR | 1,650 | 2,750 |
往復での利用が1割以上オトクですが、復路のきっぷは往路のきっぷの利用日から2日間有効です。翌日までの利用となりますのでご注意ください。
予約方法
水戸・つくば~TDR線は人気があります。満席になることもありますので、利用の際は必ず予約をするようにしましょう。
最も簡便なのは「発車オーライネット」からのWeb予約。
便の予約はもちろん、座席の事前指定から支払い、発券まで完結します。
TDRの乗り場
東京ディズニーシーのバス停は、東京ディズニーシーステーションの舞浜駅側に設置されています。お帰りの際は、地球儀に向かって左側の出口を出るようにしてください。
東京ディズニーランドのバス停は、パークと舞浜駅の間にあるバスロータリーに設置されています。ツアーバスが並ぶ送迎エリアとは異なりますので気を付けましょう。
水戸・つくば~TDR線を選ぶメリット
ここからはメリットを見ていきましょう。実際に利用した感想も含めてご紹介していきます。
乗り換えなしでパークに行ける
パークのエントランスへ直行
何と言っても最大のメリットはこれ。
ほぼ「パークに遊びに行く人専用」のバスなので、目的地は「シー」と「ランド」のみ。
しかも、パークエントランスに横付けしてくれます。
バスから降りたら歩いて入園。パークで遊び疲れてもバスに乗って爆睡しておけば、茨城まで帰ってきてくれます。
この利便性に勝てる列車はないでしょう。
「シー」にも乗り換えなしで行ける
特に「シー」に行く人であれば、この利便性を強く感じることでしょう。
電車で言った場合には舞浜駅からディズニーリゾートラインに乗り換えなければなりませんが、バスならお構いなしで「シー」のエントランスまで直行してくれます。
しかも、バスが東京ディズニーリゾートに入ってから最初に停車するのは「シー」です。入園の際は一刻を争っている人(?)が多いので、このアドバンテージは活かしたいところですね。
また、復路の始発バス停も「シー」です。遊び疲れた時に最初に迎えに来てくれるのもうれしいですね。お子さんはだいたい、植え込みに座ってぐったりしていますからね…
安価に往復できる
水戸発着の場合は鉄道よりも安い
水戸~舞浜間の普通運賃は2,310円です。
片道同士で比較すると鉄道の方が安いのですが、往復すると鉄道よりもバスの方が安くなります。
さらに、鉄道で特急列車を利用する場合、水戸~柏で1,020円が加算されますので、バスの圧勝となります。
つくば発着の場合は「シー」に限り鉄道よりも安い
なお、つくば~舞浜の普通運賃は1,330円で、この場合は往復でも鉄道の方が安くなります。
ただし、東京ディズニーシーに行く場合は、ディズニーリゾートラインの運賃(260円/片道)もかかることを忘れてはいけません。
パークの運営時間に合わせて運行される
バスの時刻表はパークの運営時間に合わせています。
パークの開園時間に間に合うように現地に到着し、パークで閉園時間まで遊んでも帰れるように現地を出発します。
2階建てバスで運行される
この先は一般の利用者には関係ないかもしれませんが…
公式サイトによると、エンジンはスカニア製、車体はバンホール製の2階建てバスで運行されます。
イベント開催時にも登場する車体での運行。いわゆるバスオタにとっての夢と魔法の王国は、この時点で既に始まっています。スタンバイ0分で乗れるアトラクションが水戸駅まできてくれるとまで思っています。
とはいえ…一般人には関係ないどころか、多くの路線が集まる東京ディズニーリゾートのバス停であっても「2階建てバス」が乗り入れることはあまりありませんから、そこそこ目立ってしまうのがむしろイヤだという声も。
バスを見て、指さして、行き先を見て、あぁ…(これから茨城に帰るの大変だな)ってなる。笑
…まぁあまり気にしないように。
トイレとUSB電源がある
バスの車内にはトイレがあります。途中での休憩はありませんが、トイレについては心配はいらないでしょう。
また、各座席にUSB電源があります。パークではスマホの利用が前提となっていますから、限りなく満タンに近い状態でお出かけしたいですよね。
ケーブルを忘れずに持参しましょう。
水戸・つくば~TDR線の注意点
ここから先は注意点をご紹介。パークでの1日を楽しく過ごせるよう、後悔のない選択をしましょう。
往路は渋滞に巻き込まれる
高速バスの宿命として「交通渋滞」が挙げられます。
水戸・つくば~東京ディズニーリゾート線の場合、往路において高確率で渋滞に巻き込まれます。
特にひどい渋滞区間は「三郷料金所~小菅JCT」の区間で、どれくらい時間がかかるかは全く分かりません。
特に平日に利用する場合は、朝ラッシュによる渋滞に高確率で巻き込まれますので、時間通りに着くことはできないと考えた方が良いでしょう。
なお、中央環状線に入ってからパークまでの区間は流れやすいので、上記の渋滞区間を過ぎたら過度にイライラすることなく、降りる準備を少しずつ進めておきましょう。
主要バス停以外は通過となる
特に「みと号」に乗り慣れている人は要注意。
水戸エリアで停車してくれるのは、大塚、赤塚駅北口、大工町、水戸駅南口のみとなります。
内原バスストップ、双葉台団地入口、大塚東、石川三丁目、新原三差路、自由が丘、泉町一丁目、南町二丁目の各バス停は通過となります。また、県庁ルートの方面には向かいません。ご注意ください。
通過となるバス停周辺にお住まいの方は「ここで降ろしてくれたらいいのに」という、おそらくは修学旅行の時に味わった屈辱?が、パークで出し切り疲れ切った体に襲い掛かりますのでご注意ください。
なお、つくばエリアでは「つくば号」の各停留所に停車してくれるようです。
帰ってきたら深夜帯
水戸・つくば~TDR線で帰ってくると、水戸駅に到着する頃には0時を回っています。下り方面のバスが大幅に遅延することはあまりないようですが、定刻でも0010着。
この先がある人にとっては厳しい時間帯です。
この時間帯から水戸駅を発車する路線バスはありませんから、駅から離れている人は迎えが必要です。
事実、このバスが水戸駅南口に到着する頃には、南口のロータリーには停まり切れないほどの迎えの車が押し寄せています。これらの車は、バスが到着した直後から流れ出しますから、お目当ては高速バスの迎え客で間違いないでしょう。
一方、全てのお客さんを水戸駅で降ろした同バスは、おそらくは住宅地を回送として運転しながら水戸営業所(=吉沢車庫)に戻っていきます。
前述の通り、水戸エリアでは途中の停車停留所が少ないので、鉄道に対する高速バスのメリットを活かし切れていないと感じざるを得ないですね。まぁいろいろと難しい事情があるのは分かりますが。
水戸・つくば~TDR線を使った方が良い人
「シー」に入園する人
東京ディズニーシーに入園する人であれば、バスを選ぶメリットが一段と活きてくるでしょう。
「ランド」に比べて「シー」は舞浜駅から離れている上、ディズニーリゾートラインを使っても往路は反対周りの遠回りとなります。
対して、このバスは「シー」に直行しますから、煩わしさを感じることなく到着することができるでしょう。
荷物が多くなりそうな人
帰りに荷物が多くなる予定のある人は、バスを選ぶといいでしょう。
大荷物を抱えて(ディズニーリゾートライン・)京葉線・武蔵野線・常磐線を乗り継ぐのは大変です。
エントランス近くから一直線で帰って来れるのはバスならではのメリットです。
子連れで閉園まで楽しむ人
どんなときも大人はこどもを連れて帰ってこなければなりません。
構わず寝付いてしまう子どもを抱えながら電車を乗り継いで帰ってくるのは相当大変であることは、経験者であればわかるはずです。
座ったら爆睡しながら帰って来れるのはバスの特権です。
水戸・つくば~TDR線を使わない方が良い人
「入園ガチ勢」である人
このバスは、常磐道から首都高速6号三郷線を経由して、中央環状線葛西JCT経由でパークに向かいます。この行程のうち、首都高速6号三郷線は必ず渋滞します。
必ず、絶対に、間違いなく渋滞します。避けることはできません。
渋滞の程度にもよりますが、到着予定時刻通りにバスを降りれるとは思わない方が良いでしょう。
もしあなたが「入園ガチ勢」で、インパ直後にパスを取ろうとか、お目当てのショップに直行しようとか、ソアリン並んでやろうとか思っているのであれば、バスはやめた方が良いでしょう。
代わりに、水戸04時33分発の常磐線始発列車をご利用ください。特急退避もなく比較的スムーズな乗り換えで、舞浜には06時49分、東京ディズニーシーステーションには07時06分頃に到着となります。バスよりも確実に早く到着することができます。ただし、この列車は勝田~藤代間で始発列車の役割を担います。南に向かって混み合いますので、グリーン車の利用などもご検討を。
早く帰りたい人
バスは1日1往復しか走っていませんので、到着は深夜帯となります。
もし、次の日も仕事があるとか、子どもを連れて夜遅くに歩けないと考えるのであれば、帰りの時間が遅くなるバスは避けた方が良いでしょう。
停留所から離れたところに住んでいる人
もし、バスの停留所から離れた場所に住んでいるのであれば、バスは避けた方が良いでしょう。
朝早くにどうやってバス停までたどり着くのか、
夜遅くにどうやってバス停から家まで帰るのか、
バスに乗る前後の行程から無理がないかを考えて選択しましょう。
まとめ
水戸・つくば~TDR線を利用し、以下の知見を得ました。
- 水戸・つくばから乗り換えなしで東京ディズニーリゾートへ
- 往復の利用で安くなる
- パーク運営時間に合わせて運行される
- 2階建てバスに乗れる
- (特に往路)渋滞に巻き込まれる
- (水戸エリア)停車停留所が少ない
- 早朝・深夜帯の運行となる
バスならではのメリットが多い水戸・つくば~TDR線ですが、注意点もご紹介しました。ご納得の上で選択し、パークでの楽しい一日をお過ごしください。
関鉄バス【水戸・つくば~東京ディズニーリゾート線】
>> こちら
予約も上記から進むことができます。
ではまた。
ハハッ!