しなの鉄道「ろくもん」の指定席プラン。大人も子どもも大満足な移動になりました。週末パスも使えたよ。

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鉄道
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しなの鉄道(長野県)では、観光列車「ろくもん」を運行し、非日常の豪華な鉄道旅を提供しています。ろくもんの車内で和洋食を楽しめる食事プランがメインで、料金も少々お高め。しかし1両のみ、乗車券+指定席券で乗車できる「指定席プラン」として用意されています。しなの鉄道に乗れる乗車券(オトクなきっぷを含む)に、大人1,020円(こども510円)をプラスするだけで、ろくもんに乗車できます。食事がついていないプランだからこそ気軽に利用できます。車両の中央部には子どもの遊び場「木のプール」もあります。各駅でのおもてなしは食事プランの方と同様に楽しめます。この記事では、指定席プランの仕組みからきっぷの準備まで解説します。

しなの鉄道では「乗車券+指定席プラン」として案内されているようですが、当記事では「指定席プラン」としてご紹介しています。

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ろくもんとは

しなの鉄道が軽井沢ー長野で運行

しなの鉄道の軽井沢から長野までを結ぶ観光列車「ろくもん」は、旧信越本線の美しい自然の景色を眺めながら特別な時間を過ごすことのできる列車です。

この列車は軽井沢と長野の間を1往復します。

軽井沢→長野、長野→軽井沢でプランを選択することができます。

車内でいただける食事が「ろくもん」の魅力。

地元の新鮮な食材を使用した料理が提供され、季節に合わせた特別メニューが用意されることもあります。

食事をしながら、窓からの景色を楽しむ贅沢な時間は、旅行の思い出に残ることでしょう。

※軽井沢ー姨捨ー長野と巡るナイトクルーズとして運行される日もあります

鉄道デザイナーが115系を改造!

さて、鉄道に詳しい人が上の写真を見たらこういうかもしれません。

「なんだ、115系じゃないか」と。
「引退間近のぼろいやつだ」と。

…いや、とりあえず黙れ。

「ろくもん」は、多くの鉄道車両の設計に携わっている水戸岡鋭治さんによってデザインされた車両です。

会社の威信をかけ、約1億円を投じて改造しています。

完成した列車について、水戸岡さんは「ななつ星を除けば全国ナンバーワンの観光列車」とご発言されているようです。

もとは115系ですが、車内に入れば115系であることを絶対に忘れます

そして、走り始めると、115系だということに再度気づきます。

モーター音が唸りを上げて、バネのように弾む感覚と心地よい横揺れがあるのは、115系ならではの走り。

このミスマッチ感は、鉄道ファンにとって「ろくもん」の魅力の一つでもあるのです。

ろくもんは「旅行商品向けの列車」

もし時刻表をお持ちなら、「しなの鉄道」のページをご覧ください。

おそらく「ろくもん」という列車名は見つからないでしょう。

全車指定席の快速「軽井沢リゾート」は載っているのに、なぜでしょうか。

これは「ろくもん」が旅行商品専用の列車として運行されているからだと思います。

一般的な「きっぷのルール」は適用されず、「ろくもん」には独自のルールがあると理解したほうがよいでしょう。

この点は次項目「各種プランの料金システムについて」で詳述します。

ろくもんは「食事プラン」がメイン

各号車には、レストランをイメージさせる食器のイラストが描かれているのにお気づきでしょうか。

「ろくもん」は、洗練された車内で食事を楽しむことが魅力の列車です。

そのため、3両編成の中で2両は食事プランを提供するために運営されています。

1号車は「指定席プラン」として利用可能

しかし、1両は食事プランではなく、指定席プランとして座席の提供のみを実施しています。

詳しくは後述しますが、指定席プランでは食事はつかず、座席の提供のみを受けることができます。

手軽に「ろくもん」の旅を楽しみたい人にはうってつけの車両なのです。

各種プランの料金システムについて

ちょっと複雑な話になります。以下の結論だけ把握しておいてください。
・食事プラン:すべて込みの値段です(乗車券は不要)
・指定席プラン:乗車券が別に必要です
あとは読み飛ばしていただいても話が通じるようになっています。

食事プラン

「ろくもん」のメインである食事プランは、乗車券類ではなく、旅行商品として展開されています。

旅行商品だからどうした?と思うかもしれませんが、この業界では大きな違いがあります。

具体的に違う点として「乗車券類の取り扱い」と「キャンセルの取り扱い」が挙げられます。

食事プランには乗車券が含まれますから、しなの鉄道の乗車券を別に用意する必要はありません。食事プランに申し込むと、しなの鉄道のフリーパスが自動的にもらえるようになっているそうです。

「すでにしなの鉄道の乗車券を持っているので、その分を値引きしてほしい」という要望は受け付けられません。

また、キャンセルについては、通常の(JRの)乗車券であれば220円、指定席券であれば340円~として計算されますが、旅行商品である以上は、このルールは通用しません。

代わりに、日帰り旅行商品と同様に、〇日前には旅行金額の〇%がかかる、という計算方法になります。

直前になればなるほど高額になりますから注意が必要です。

・11日目にあたる日以前・・・全額返金
・10日目にあたる日以降・・・旅行代金の20%
・7日目にあたる日以降・・・旅行代金の30%
・旅行開始日の前日・・・旅行代金の40%
・旅行開始日の当日・・・旅行代金の50%
・旅行開始後・・・・・ご旅行代金の全額
・無連絡・・・旅行代金の全額

指定席プラン

「ろくもん」の指定席プランも旅行商品として展開されていますが、ちょっと事情が異なります。

通常の「指定席」のような使い勝手の良さ

「ろくもん」は時刻表に掲載されていない列車でありながら、「通常の指定席を備えた列車」として運行されているという特徴があります。

旅行商品としては珍しい扱いだと言えるでしょう。

食事プランと違って、しなの鉄道で有効な乗車券に加えて、「指定席プラン」の料金を支払えば乗れるようになっています。

その代わり、「指定席プラン」に申し込んだだけでは乗れません。

必ず別途乗車券を用意する必要があります。

ここでいう乗車券には、しなの鉄道の普通乗車券だけでなく、週末パスなどのフリーパスも含まれます。そのため、旅行の合間に気軽に利用できるというメリットがあります。

指定席プランは1か月前の10:00~発売

指定席プランの発売は、1か月前の10:00に開始されます。

この点もJR線と同様の使い勝手ですね。

キャンセルは220円/枚

また、万が一キャンセルする場合でも220円/枚の手数料のみで済むのも助かります。

さらに、乗車変更の措置も取られます。変更先の列車に十分な空席があることが条件ですが、1回に限り無手数料で変更できるのもうれしいですよね。

様々な角度から見ても「指定席プラン」はオトクに乗れる選択肢だと言えるのです。

【注意】
指定席プランで利用できる乗車券類には、通勤定期券と通学定期券は含みません。この点は快速「軽井沢リゾート」などと異なる運用となりますのでご注意ください。

「指定席プラン」で乗車した様子

ゆったりとしたボックスシート

指定席プランで用意される座席は、ボックスシートになっています。

ボックスシートと言っても、真ん中にテーブルを備える豪華な造りで、ゆったりと過ごせます。

気ままに過ごせるフリースペース

指定席プランを利用している人ならだれでも利用できる「フリースペース」があります。

自席に飽きてしまったら、フリースペースでくつろぐこともできます。

こちらのフリースペースは、後述の「木のプール」の隣に設置されていて、子どもの様子をうかがう保護者のくつろぎスペースだったりします。

なぜここがフリースペースになっているかというと、もともとこの場所には115系のドアがあって、窓枠の位置関係上、客席にできなかった事情があるものと思われます。

スタバのタンブラーを持ち込んでいる時点で「自由に過ごしている」ことが伝わると思います。

選ぶのが楽しい車内売店

同じ車両内に売店があります。

ここでは、しなの鉄道沿線の名産品を取り揃えています。車内でいただくドリンク類を注文することもできます。

子どももうれしい「木のプール」

車両の中央にあった「元々はドアだった場所」は、木のボールプールに変わっています。

木のボールでいっぱいのエリアは、子どもたちのお気に入りの場所です。

内緒ですが、このプールがあるおかげで、親もゆっくりと旅を楽しめるのです…家族思いのサービスだと感じます。

私の子どもは、長野から軽井沢までの間、ほとんどの時間をここで過ごしていました。

車外から撮影、この窓枠は「改造前にドアがあった場所」です

各駅でのおもてなし

途中の上田駅と小諸駅では停車時間が確保されています。

上田駅ではホーム上での記念撮影を行えるほか、みすず飴の販売も行われます。

小諸駅では、停車場ガーデンという駅前の広場の観光案内も行われています。

これらのおもてなしは、乗車プランに関わらず楽しむことができます。

車内での観光案内

指定席プランの車内でも、乗務員さんによる生の観光案内を楽しむことができます。

上田城のご紹介をはじめとした沿線の見どころのご紹介を、タイミングよく実施いただけます。

降りたくない

これらの快適な時間を堪能した結果、終点についても降りたくないという気持ちになるのは全車両共通でしょう。

大丈夫。

少なくとも指定席プランであれば、またすぐに気兼ねなく乗ることができますよ。

「指定席プラン」の注意点

乗車券が必要です

しなの鉄道では、「乗車券+指定席プラン」として案内されており、残念ながらこれが誤解を生む要因になっていますが…

指定席プランには乗車券は含まれません

指定席プランに申し込んだうえで、乗車区間の乗車券が必ず必要となります。

なお、乗車券として「週末パス」を利用することもできますから、賢く活用しましょう。

相席になる場合があります

指定席プランは、通常の指定席と同じ扱いなので、空席があれば販売は続きます。

2名掛けの席に1人で申し込むと、向かいに知らない人が座る可能性が高くなります。

逆に、4名掛けの席に1人で申し込むと、3人家族と一緒になることも考えられます。

食事は出てきません

指定席プランには食事は含まれていません。

車内に売店はありますが、限られますので、自前で準備して持ち込むのが基本となります。

乗車前の準備に注意しましょう。

「指定席プラン」の予約方法

インターネットから予約する

前日までの受付です

指定席プランには、しなの鉄道の専用ホームページから申し込むことができます。

JRの指定席券とは異なり、「まるで旅行商品のような」フォームに個人情報を打ち込んでいき、クレジット決済で予約完了となります。

乗車時は「予約完了画面」と「有効な乗車券」を見せれば乗車できます。

駅で購入する

指定席プランは、当日空きがあれば乗車することができるようです。

しなの鉄道の主要駅(軽井沢/小諸/上田/屋代/長野)では、当日まで発売が継続されます。

インターネットでの予約をメインで考えておき、当日にとっさに乗りたいと思ったら駅に赴くといいでしょう。

旅行会社で購入する

全国のJTBや近畿日本ツーリストでは、10:00-17:00の間にろくもんの指定席プランの受付をしているようです。

どうしてもインターネットを使いたくないのであれば、この方法を取り入れましょう。

まとめ

しなの鉄道「ろくもん」の指定席プランに乗車し、以下の知見を得ました。

  • 「ろくもん」はレストラン列車だが、食事なしのプランも選べる(=指定席プラン)
  • 指定席プランは「乗車券+指定席プラン」として案内されているが、別に乗車券が必要
  • 乗車券には「オトクなきっぷ」が利用できる
  • 車内の快適性はご存じのとおり
  • 各駅でのおもてなしは「食事プラン」と同様に楽しめる
  • 観光案内は「指定席プラン」でも行われる
  • 相席になる可能性に注意

ろくもん
>> こちら

ではまた。

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