キュンパスはワクワクする
キュンパス(旅せよ平日!JR東日本たびキュン早割パス)というきっぷが発売されると、毎回のようにSNSでは「どこまで遠くへ行けるか」が話題になります。
青森まで行った、秋田まで行った、新潟を往復した、ぐるっと東日本を一周した──そんな“距離の勝負”が盛り上がるのは、もちろん楽しい。
でも、私は少し違うところにキュンパスの魅力を感じています。
このきっぷの真価は、実は“近距離の新幹線自由席を気軽に使える”ところにあるのではないか。
そう思うようになったのは、本庄早稲田や安中榛名のような、普段わざわざ行かない駅に降り立ったときでした。

「遠くへ行く」より「近くの非日常」を味わう贅沢
キュンパスは新幹線の自由席が乗り放題という、冷静に考えるととんでもないきっぷです。
だからこそ、遠くへ行くことだけが正解ではありません。
むしろ、
“近場の新幹線駅にふらっと降りてみる”という贅沢こそ、このきっぷの本領発揮だと思うのです。
● 本庄早稲田
在来線の駅から離れた、ぽつんとある新幹線駅。普段の生活ではまず降りない場所ですが、降りてみると「新幹線だけが通る駅」の独特の空気が漂っています。何もない駅前を歩くだけで、旅情がふっと湧いてくる。
● 安中榛名
なんでこんなところに新幹線が止まるの?って思わせる駅。だからこそ、降り立った瞬間に広がる“非日常の静けさ”が心に残ります。新幹線でしか行けない場所に、自分だけの時間が流れているような感覚。
こういう駅は、目的地として選ばれることが少ない。
でも、だからこそ“行く理由がない場所に行く”という贅沢が生まれるのです。

遠距離は別の割引で行けばいい
キュンパスで無理に遠くへ行く必要はありません。
長距離なら、JRE BANK割や長距離乗車券の距離逓減効果を使ったほうが、むしろ安くなることだってある。
実際に私がキュンパスで行こうとした仙台・山形への旅行は、JREBANK割の片道乗車券(一筆書きタイプ)とJREBANK割のつばさの特急券、特急ひたち号のトク35チケレス特急券を付けた方が安くなった。
茨城から仙台へ行き、茨城に戻ってきてから東京へ行き、また茨城に帰ってくる。こんなきっぷだって、慣れた腕があればえきねっとで発券できる(写真参照)
つまり、
遠距離は別の割引で行く。
キュンパスは“近距離の新幹線を贅沢に使う日”にする。
この住み分けができると、旅の幅が一気に広がると考えるのです。

新幹線に乗ること自体が旅になる
キュンパスの魅力は、目的地よりも“移動そのもの”にあるともいえます。
- 気が向いたら次の駅で降りてみる
- 乗って、降りて、また乗ってを繰り返す
- 普段使わない新幹線の区間を味わう
そんな自由な旅ができるのは、乗り放題だからこそ。
本庄早稲田や安中榛名のような駅は、まさにその象徴です。
「何があるか分からない場所に行ってみる」──それだけで旅が成立する。
しかも、それらの駅には「新幹線に乗らないといけない」が、しかし普段行こうとすると新幹線を降りるごとに特急料金が切られてしまう。
だからこそ、キュンパスのような乗り放題のきっぷが活きてくる──

キュンパスは「“近距離の贅沢”を楽しむきっぷ」でもある
キュンパスは遠くへ行くためのきっぷではありません。
“新幹線を気軽に楽しむためのきっぷ”です。
本庄早稲田や安中榛名のような、普段降りない駅に足を運ぶことで、新幹線旅の新しい楽しみ方が見えてきます。
遠くへ行く旅ももちろん素敵ですが、近くの非日常に触れる旅こそ、キュンパスの真価。
もちろん、みんな好きに使ったらいいのですが、もし使い方に迷ったら…
次のキュンパス期間には、ぜひ“あえて近場”を選んでみてください。
そこには、きっと、思いがけない発見と静かな贅沢が待っています。
ではまた。

