茨城県水戸市内に新たな路線バス「水戸駅ー水戸協同病院線」が2023年4月に開業したので、初便に乗車してきました。超短距離路線で、路線長800mにも満たず、所定5分(実際は最速約2分)で終点となる新路線。結論として、坂道がつらい人には利用価値大。片道190円(2024年3月改訂)ですが、茨城交通の乗り放題チケットを持っているご高齢の方や、関鉄バスの190円区間以上の金額式IC定期券をお持ちの方は、当該運行会社便をそのまま利用できます。
水戸駅ー水戸協同病院線とは
水戸協同病院とは
一時期「令和納豆」が話題になった水戸市。
その跡地正面には「水戸協同病院」という大型病院があります。
大型病院でありながら、水戸駅から歩いて行ける好立地。
私事ではありますが、生まれて初めて胃カメラを飲まされたのもこの病院でございます。
水戸協同病院への従来の交通
バス旅の分野では有名な言葉があります。
「『病院、イオン、道の駅』には多方面からバスが集まる」と。
…ただ、残念ながら「水戸協同病院」にはバス路線が通っておらず、上記に該当していませんでした。
上から見た地図では分かりにくいかもしれませんが、病院に行くにはちょっとキツイ事情がありました。
このあたりの地形はアップダウンが激しいうえ、バスが満足に通れるような広い道も整備されていませんでした。また、付近は一方通行地獄で、病院を経由して他方面に向かうことも難しい。
駅から病院に向かうご高齢の方や車いす利用者にとっては、ちょっと厳しい道のり。上記Google mapで表示されたルート上にも、自動車通行禁止の「心臓やぶりの坂」があり、駅の階段とほぼ同じ傾斜で登っていきます。もはや登山です。
もちろん、そんな険しい道を通らずとも行くことは可能。
「南町2丁目」という国道50号線沿いのバス停があります。同バス停へのバス路線は非常に本数が多く、ここから病院までは平坦な道のりになります。ただし、バス停から病院までは距離があり、「くろばね通り」という一方通行の細い道を行くことになりますので、これはこれで不便でした。
また、くろばね通りは水戸市街地から千波大橋方面に向かう交通量が多い通りなのですが、これに水戸協同病院の駐車場渋滞が重なると最悪です。特に午前10時前後は自動車が全く動かずに、同病院に向かう緊急車両の通行にも支障が出ているのが現状。付近にはマンションが並び、さらに建設中。これ以上はパンクする…
そんなとき、水戸協同病院のエントランスまで乗り入れる待望の新路線が開業。
それが「水戸駅ー水戸協同病院線」です。
関鉄バスと茨城交通が共同で運行しています。
↑の景色は地元の人が見たら感涙もの。
夢でも見ているのかとほっぺをつねってみましたが、どうやら夢ではなく、実現したよう。
しかしなぜ運行できるようになったのか。
また、これを言ったらバス会社の人には怒られちゃうかもしれませんが、運賃を節約する方法もあります。お持ちの乗車券によっては、運賃190円を安くしたり、タダにできる人もいます。
以下で解説しますので、徹底的に活用して、新路線の末永い存続に期待しましょう。
水戸駅ー水戸協同病院線に乗車
水戸駅北口5番乗り場から発車します
初日の初便は関鉄バスでの運行でした。
水戸協同病院行きのバスは、水戸駅北口5番乗り場から出ます。
当初は8番乗り場から出発していたのですが、バスロータリーから外れていて不便でした。
5番乗り場は赤塚駅方面に向かう各路線も発着する忙しい乗り場なので、バスを乗り間違えないようにしましょう。水戸協同病院線と同時刻発車のバスも設定されていますので注意です。
運転手さんの邪魔にならないよう、前方の写真は控えましたが、行先表示はこんな感じでした(再現です)。
バスの乗車時間は所定5分(早いと2分)
水戸協同病院線には途中の停留所はありません。
車内では[直行]水戸協同病院行き、と案内されています。
水戸駅北口5番乗り場を出発すると、駅前の交差点を左折し、その先の交差点を右折します。ここが最後の信号機です。
その後、水戸協同病院の裏側を登っていき、信号のない交差点を道なりに右へ。
するとすぐに水戸協同病院の駐車場に至ります。
交通量の少ない時間帯で信号のタイミングが合えば、100秒くらいで到着することもあるでしょう。
なお、所定は5分。
便によっては病院到着後水戸行きとして発車するまでの折り返し時間を確保していません。
前述のように、水戸協同病院を先頭にした渋滞が起きる地域でもありますので、5分以上かかることも予想されます。
くれぐれも時間には余裕をもっておきましょう。
水戸協同病院周辺の整備が完了
楽々到着したかのように見える新路線ですが…
その裏では、水戸協同病院へのアクセス道路となる道が整備されていました。
この道を通れば、一方通行の渋滞の激しい通りを避けることができます。
整備していて、しばらく通行止めだったことは私も知ってはいましたが…
出発直前に関鉄バスのスタッフの方が電話で話す声が聞こえてきました。
「8時に開通してるから行けると思います」
えっ!?開通したのが4月1日午前8時だったのか!?
だとしたら初便運行開始の20分前に開通したばかりの道路を走っていくことになります。
いやぁ攻めてますね。
逆に言えば、この道路が整備されたからこそ、新路線の設定ができたとも言えますね。
上記写真は水戸駅に戻る関鉄バスです。この写真だけでもアップダウンが激しいことは伝わると思います。
それにしてもこの道を路線バスが走るとは…
病院からは警備員さんが、遠くからは茨城県庁も見守っていますね。
運賃は190円
運賃は190円です。安いとみるか高いとみるか…
少なくともタクシーよりは安いですが、健康であれば歩ける距離ですよね。
う~ん…
…と思っている方に、お手持ちの乗車券種によっては、運賃190円を支払わなくてもいいケースがあることをお伝えします。
これであれば乗ってもいいかも!と思ってもらえればうれしいです。
茨城交通運行の場合
茨城交通運行便に乗車する場合、現金では190円ですが…
水戸市民ならみんな持っている!?「いばっピ」を利用すれば、割引のオンパレードです。
まず、無条件に全時間帯で1割引き。
さらに、平日10~14時の利用であれば、追加で1割引き。
他の路線と1時間以内に乗り継ぐのであれば、上記割引後に50円引き。
すべてを満たせば、103円前後になります。
一方、障がいをお持ちの方であれば、いばっピの有無にかかわらず運賃が割引になります。
また、65歳以上のご高齢の方で、水戸地区で有効な「茨交漫遊パス」をお持ちであれば、そのまま利用できます。
このように、病院を利用される方であれば、190円を払わなくてもいいケースがあるかもしれません。
関鉄バス運行便の場合
関鉄バス運行便に乗車する場合、現金では190円ですが…
首都圏民ならみんな持っている!?「Suica/PASMO」をそのまま利用できます。
さらに、関鉄バスの金額式IC乗車券(190円区間以上)を持っていれば、水戸協同病院線にも適用可能ですので、精算は0円になります。
余談ですが、私も持っていますので、上記乗車時は0円でお邪魔しました。
土曜日1便のみの限定ですが、関鉄バスIC一日乗車券も適用できますので、土曜日の診療で、ご自宅~水戸駅間で関鉄バスを利用する場合は一日乗車券の搭載がオトクですね。
まとめ
水戸駅ー水戸協同病院線に乗車し、以下の知見を得ました。
- 2023年4月1日開業の新路線です
- 関鉄バスと茨城交通が共同運行します
- 1kmにも満たない超短距離路線です
- 運賃は190円ですが、安くする方法があります
- 坂道をパスできる、利用価値の高い路線です
茨城交通バス
>> こちら
時刻表もご確認いただけます
水戸協同病院
>> こちら
ではまた。