山手線は品川ー田端間です。まるくない理論を解説

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鉄道
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東京都心を1日中周っている山手線。“まぁるいみどりの山手線”はすっかり定着しているかと思いきや「山手線はまるくないんだよ」とひねくれたことを言ってくる人に遭遇することがあります。そんな時に「?」となったら、この記事を読んでください。結論として「山手線はまるくない」は正解ですが、同じ理論で行くと京浜東北線は消滅します。この記事では、鉄道にあまり詳しくない人でも半分くらいは理解できるような優しい解説をしますので、ぜひご覧ください。なお、先に結論を述べると、山手線の正式区間は「品川ー田端」のみです。

お急ぎの方は山手線は「品川ー田端間」の項目までお進みください。

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山手線とは

ぐるぐる周回するみどりの電車です

山手線は、東京都心をぐるぐる周り続ける、JR東日本の路線です。

一周は34.5kmで、約60分かけて周回します。

かつて登場した「真緑の山手線」※現在は走っていません

上り/下りではなく、外回り/内回りと呼んでいて、区間ごとに「渋谷・新宿方面」「上野・東京方面」などと乗客に分かりやすい案内がなされています。

一部の列車を除き、周回し続けます。

もはや「山手線はまるい」というのは常識となっています。

山手線はぐるぐる周回します

…でだ。

それでは許されなかったわけですよね?

「山手線はまるくない」という理論

この記事に来られた方はきっと、

「山手線ってまるくないんだよ」

とひねくれたことを言ってくる鉄道マニアに遭遇してしまったことでしょう。笑

実際に「山手線はまるくない」ので、そいつの言っていることは正しいです。

でも、その理論を通すのであれば、ありとあらゆる路線図が壊滅的になります。

例えば、慣れ親しんだ「京浜東北線」や「宇都宮線」は消滅します。

代わりに「赤羽線」という聞いたこともない路線が登場することになります。

順を追って説明していきますね。

正式路線名と旅客案内

多くの鉄道会社に共通することですが、

お客様に正式路線名では案内していない

というケースが多々見られます。

これは、お客様の利便性を第一に考えた結果です。

分かりやすい例でいくつかご紹介しますね。

直通運転先に合わせるケース

北陸新幹線の例

例えば「北陸新幹線」で説明してみましょうか。

東京駅で「今度の発車は北陸新幹線かがやき〇〇号金沢行きです」と放送がかかりますよね。

でも、北陸新幹線って、正式には「高崎ー金沢間」だけなんです。

東京ー大宮間は東北新幹線だし、大宮ー高崎間は上越新幹線です。

これを正式路線名で忠実に案内しようとすると…

東京駅で「今度の発車はかがやき〇〇号金沢行きです。大宮まで東北新幹線、大宮からは上越新幹線に入り、高崎から先は北陸新幹線に直通運転いたします」ってなります。

いや、黙れよ。ってなりますよね。

秋田新幹線の例

秋田新幹線も同様です。

実際には秋田新幹線は盛岡ー秋田間のみです。

もっと言ってしまえば、秋田新幹線は在来線なので新幹線ですらありません。

でも、東京ー秋田間に対して「秋田まで行く新幹線=秋田新幹線」と案内することでスムーズな誘導ができるのです。

愛称を用いているケース

宇都宮線の例

上野駅から北関東に伸びる下記路線。実は一つだけ”仲間外れ”が混じっています。

  • 高崎線(高崎方面)
  • 宇都宮線(宇都宮方面)
  • 常磐線(水戸方面)

それが「宇都宮線」です。

宇都宮線は、東京ー盛岡間を結ぶ東北本線のうち、上野ー黒磯間に付与された愛称であり、正式な路線名ではありません。

正式路線名である高崎方面の高崎線に合わせる形か否かは分かりませんが、栃木県知事などからの要望を受けて生まれたのが「宇都宮線」です。

あくまで正式路線名は東北本線であり、乗車券の券面にも「宇都宮線」ではなく「東北」と表記されることになっています。

埼京線の例

大崎駅と大宮駅を結ぶ「埼京線」も、実は正式な路線名ではありません。

大崎ー池袋間は山手線、池袋ー赤羽間は赤羽線、赤羽ー大宮間は東北本線(支線)という扱いですが、正直に言ってしまうと混乱を招くため、直通運行形態全体に対して「埼京線」と呼ぶようにしたのです。

京浜東北線の例

大宮駅と大船駅を結ぶ京浜東北・根岸線も同じ。

特に大宮駅と横浜駅の間を京浜東北線と呼びますが、大宮ー東京間は東北本線で、東京ー横浜間は東海道本線です。

つまり、”京浜東北線”という路線は存在しません…

でも、横浜と東京を結ぶ”京浜”と、東北本線方面に向かう”東北”を直通する各駅停車タイプの路線として定着。路線名も京浜東北線との愛称で案内されているのです。

ここまでで、必ずしも正式名称で路線を案内するとは限らないことをお分かりいただけましたでしょうか?

山手線は「品川ー田端間」

さて、ここまでの話を理解してもらっていれば、以下の説明は不要かと思いますが…

山手線はまるくありません。

周回ルートのうち、

  • 東京ー品川間は東海道本線
  • 東京ー田端間は東北本線

に属しています。

正真正銘の山手線は「品川ー田端間のみ」です。

ぐるぐる周回している山手線の電車は、品川から東海道本線に直通運転し、さらに東京から東北本線に直通運転。

田端で再び山手線に戻ってくる…というのを繰り返しているのです。

乗車券を見てもらうと分かりやすいかもしれません。

常磐線の三河島駅から山手線の高輪ゲートウェイ駅までの乗車券が下記です。

  • 三河島から日暮里までは常磐線(常磐)
  • 日暮里から東京までは東北本線(東北)
  • 東京から高輪ゲートウェイまでは東海道本線(東海道)

…となっていることがお分かりいただけますよね。

高輪ゲートウェイには山手線(または京浜東北線)に乗らなければ到達できませんが、券面には山手線(または京浜東北線)の文字は全く見当たりません

山手線の区間を聞かれたら「こう答えよう」

さぁ、もうみなさんは完璧に理解しました。

山手線はまるくないと言われても「?」とはならないはずです。

では逆に、誰かから「山手線ってどこからどこまで?」と聞かれたらどうするか?

相手のレベルに合わせて答えてあげましょう。

「ぐるぐる周っているから考えなくていいよ」

本当に何もわかっていない人から聞かれたら「ずっとぐるぐる周回しているから気にしないで」と教えてあげてください。

下手に「〇〇から〇〇だよ」などと答えると、「〇〇駅で乗り換えなければならないのか?」などと混乱をきたします。

特に大阪環状線に慣れてしまっている人は要注意。大阪環状線とは違い、山手線はいきなり線路を離れてしまうことのない“安全な路線”です。

通常は山手線の区間なんてくだらないことを考える必要はありません。

初心に戻り“まぁるいみどりの山手線”でOKです。

「だいたい大崎から大崎までだよ」

多少分かっていそうな人が率直な疑問を持っていそうだったら「大崎から大崎まで」と答えるのもアリです。

理由を聞かれたら「大崎駅が時刻表の1行目に来ているから」が手っ取り早いですが…

もう少し掘り下げると「山手線の車両基地や乗務員の待機場所が大崎駅にあるから」となります。

始発電車の出発駅や最終電車の到着駅として大崎駅が役割を果たすことが多いです。

車両は一日中周り続けることができますが、人間は無理なので途中で乗務員の交代が行われます。その駅も大崎駅であることが多いです。

また、山手線の集中工事などで変則的な運行をするときも、大崎駅が活躍します。

大崎駅は山手線の要の駅となりますから、同駅を発着駅として考えるのは自然です。

「じゃあ一周してみようかな!」という雰囲気になったら、きっぷの買い方については以下をご参照ください。

「品川から田端までだよ」

相手がマニアックな人で、今すぐにでもドヤ顔してやろうという雰囲気を醸し出していたら、上記で答えましょう。

山手線は品川から田端までです。

もっと言えば、湘南新宿ラインも山手線の一部ですから、山手線にはグリーン車も連結されていますし、特急列車も走っています。

さらに言えば、山手線の起点は品川駅終点は田端駅です。よって、いわゆる”外回り”が下り、”内回り”が上りです。

ぜひ、何食わぬ顔で論破してあげてくださいませ。

まとめ

山手線はまるくないという理論に関して、以下の知見を得ました。

  • 山手線の正式区間は「品川ー田端間」
  • 東京ー品川間は東海道本線に直通
  • 東京ー田端間は東北本線に直通
  • 同理論で行くと「京浜東北線は消滅」
  • 山手線区間の質問には相手のレベルに合わせた回答を

ではまた。

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