盛岡~青森間を走破する臨時快速に乗車。青い森鉄道乗り入れのIGRいわて銀河鉄道車両が力走

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鉄道
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2022年10月、IGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道は、直通運転開始20周年を記念して盛岡~青森間を走破する臨時快速列車「あおもり」「もりおか」を運行しました。史上初めてとなる「IGRいわて銀河鉄道車両がお客さんを乗せて青森駅に乗り入れる」という大興奮のイベントを実施。オールロングシートの通勤型車両でありながら、小さい駅を次々に通過して旧東北本線を快走。アテンダントによる観光案内があり、状況が許せば徐行運転もしてくれます。記念乗車証の配布も。乗車を迷われているのであれば、とりあえず乗るが正解。全車自由席ですが、普通乗車券は高額なので、企画乗車券を上手に使いましょう。
※本記事では快速「もりおか」に青森~八戸間で乗車した記録を共有します。

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盛岡ー青森間の在来線について

新幹線開業前は「東北本線」

かつては日本最長の路線であり、東京と青森を結んでいた東北本線。多くの旅客列車、貨物列車がいきかう東北方面の大動脈は、東北新幹線の開業区間が北に進むにつれて、長距離旅客輸送の役目を新幹線に譲ります。

JR発足後に整備新幹線として建設された盛岡以北では、新幹線開業と同時に並行在来線がJRから分離され、地域の自治体が運営を担うことに。

こうして生まれたのが、岩手県区間のIGRいわて銀河鉄道線と、青森県区間の青い森鉄道線です。

IGRいわて銀河鉄道線

IGRいわて銀河鉄道線は、盛岡~目時間を運営する第三セクターです。開業は2002年12月1日の東北新幹線の八戸延伸日です。

目時駅は県境に沿って区切られたために目立っていますが、実際には目時発着となる列車はありません。

後述の青い森鉄道(八戸方面)と直通運転し、八戸まで行きます。ただし、青森まで行くことはありません。

JR東日本の701系電車と同型の車両が運行されています。同列車が直通先の青い森鉄道・青森駅まで営業運転することはなく、八戸以南が活躍の場所となっています。

青い森鉄道線

青い森鉄道線は、目時~青森間を運営する第三セクターです。開業はIGRいわて銀河鉄道線と同じ日ですが、東北新幹線の新青森延伸日にその区間を広げています。

基本的には八戸駅で運行が分離されています。

JR東日本の701系電車やE721系電車をベースとした車両が活躍しています。

盛岡~青森間を臨時快速が運行

そんな両社ですが、直通運転開始20周年のお祝いイベントとして、盛岡~青森間を走破する臨時快速列車の運転が決まりました。

通常は盛岡~八戸~青森と乗り継がなければなりませんが、そこを直通して進んでくれます。

さらに、停車を主要駅に絞って進んでいく、快速列車として運行されます。

盛岡→青森を快速「あおもり」、青森→盛岡を快速「もりおか」として愛称設定。

あおもり:盛岡0904→1033八戸1045→青森1155
もりおか:青森1430→1543八戸1550→盛岡1722

IGR車が青森駅に入線

なかでも一番の見どころは、これまでお客さんを乗せて青森駅に乗り入れたことがないIGRいわて銀河鉄道線の車両が使われるという点。

IGR7000系はオールロングシートなので、なかなか臨時列車には使われない印象がありますが、今回は堂々の青森駅入線です。

車内の停車駅案内にも書かれていない青森駅に攻め込んできましたよ。

こうなってしまうとですね。もう、青森を象徴する何か(何でもいい)との並びを意地でも入れようとするのはみんな同じ。

青森ベイブリッジを背景に停車するIGR7000系

青森駅に停車中の青い森鉄道線、津軽線とIGR7000系

快速「もりおか」の表示とIGR7000系…はちょっと無理があったけど、

蟹田、弘前、津軽新城と、盛岡。

そろそろいいですかね。

臨時ダイヤとは思えない走り

さて、快速「もりおか」に乗車して八戸まで行くことにしましたので、その様子を共有します。

この車両はオールロングシートなので観光向けではありませんが、当日は多くの乗客でにぎわいました。

中には「浅虫温泉までだけどこれ乗れるの?ラッキー」という地元の方もご一緒し、最終的には立ち客も出るほどの大盛況。

直前までうろつく癖がある私は当然のように着席を逃しましたが、その分、外の景色を楽しむことに。

まぁのんびり八戸まで行きましょうや、と構えていたら…顔が引きつりました。

というのも、普通は臨時ダイヤを組むと遅くなるのですが、この列車は違う。

青森駅を出発し、ポイントを渡って本線に入るとすぐに高速運転を開始。その先、浅虫温泉駅までの15分近く、ず~っとモーター音をうならせながらトップスピードで走り続けたのです。

八戸までの停車駅も、浅虫温泉・野辺地・三沢のみ。

もはやこれは特急「はつかり」や「白鳥」と同じ類の怪物です。

ダイヤをもう一度見てみます。

あおもり:盛岡0904→1033八戸1045→青森1155
もりおか:青森1430→1543八戸1550→盛岡1722

2010年時点での時刻表を振り返ってみると、特急「白鳥」は、八戸~青森間を約1時間で駆け抜けていたそう。臨時快速は1時間10分ほどで走るので、かつての特急と約10分の差で逃げ切れるということですね。

観光案内と徐行運転

これは直通運転20周年をお祝いするイベント列車であることを忘れていません。

記念乗車証を配布の他、沿線の観光案内を随所で行ってくれます。

「進行方向左手をご覧ください。ここは青い森鉄道線内で最も景色が良い区間です」

とアナウンスが流れると、磁石でもあったのかというほど一斉に左側へ引き寄せられます。

列車の速度もゆっくりになります。

「本日の運転士は腕が良く、みなさまのために速度を落としています」

ダイヤが許せば徐行してくれるようです。

上記は浅虫温泉ー野辺地間を走行中の車内のようす。

奥に見えるのは「裸島」と呼ばれる巨大な岩。これにまつわる伝説も解説してくれました。

ちなみに、青い森鉄道の見どころは陸奥湾の景色かもしれませんが、周辺の山々も美しいですよ。

太陽光の当たり方で姿を変えますので、左右どちらも見るのがいいです。

紅葉の季節はきれいなんでしょう。

旅行者にとっては星野リゾートへの玄関口となる三沢に停車。

八戸では乗務員交代ののち、盛岡に向けて発車していきました。

臨時快速に乗るには

臨時快速列車は、あくまで全車自由席の快速なので、普通乗車券だけで乗れます。

ただ、同路線は並行在来線として切り離された第三セクターなので、運賃は高めに設定されていて、盛岡~青森間を乗り通すと5,590円もします。新幹線に割引きっぷが発売されている場合は、そちらの方が安くなる「逆転現象」も起きる区間であることは、下記記事でも紹介したことがありますね。

今後も運行されることを予測して書いておくと、この区間は普通運賃こそ高いですが、オトクな企画乗車券が多数取り揃えられていますので、賢く選びましょう。紹介を始めるときりがないのですが、「あおもりホリデーパス」や「青い森ワンデーパス」、期間限定の「もりもりフリーパス」などがキーワードとして挙げられます。

また、八戸~青森間に関してだけは裏技があって、JRの普通列車が乗り放題の「青春18きっぷ」「秋の乗り放題パス」でも”あくまで通過利用扱いとして”乗ることができますので、時期が合えば活用しましょう。北海道&東日本パスであれば、盛岡~青森間の在来線全区間乗車可能。

ちなみに、私が乗車した日程は「JR東日本パス」(すでに発売終了)が使える時期でしたので、全区間乗るにも不便はありませんでした。

機会があればご参考くださいね。

まとめ

臨時快速「あおもり」「もりおか」に乗車し、以下の知見を得ました。

  • IGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道を直通運転する快速列車
  • IGRの車両が営業運転として初めて青森駅に入線
  • 特急に迫る勢いで走ります
  • 観光案内もあります

あおもりホリデーパス
>> こちら

青い森鉄道「ワンデーパス」
>> こちら

IGRいわて銀河鉄道
>> こちら

ではまた。

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