世界初の水素ホテルとして話題を呼んだ、川崎キングスカイフロント東急REIホテルに宿泊。広々としたラウンジスペース、朝食会場、客室の様子をお伝えするとともに、このホテルを選ぶ6つのメリットを書いてみました。便利な公共交通アクセスについてもご案内します。羽田空港の前後泊にも利用できますが、ホテル内・周辺には寝るだけではもったいない空間が広がっています。
キングスカイフロントとは
殿町から「キング」を、羽田空港から「スカイ」を、多摩川を隔てて向かい合うことから「フロント」をそれぞれ取ってつなげて「キングスカイフロント」。
川崎市川崎区殿町に誕生したキングスカイフロントは、各企業の研究拠点が入る新しいエリアです。公式サイトによると「世界最高水準の研究開発新産業を創出するオープンイノベーション拠点」とのこと。国家戦略特区等に指定されていて、規制緩和・財政補助・税制優遇が受けられるようです。
なんだかよく分からないかもしれませんが、とりあえず官民が一体となって盛り上げようとしているエリアだということが伝わればいいです。
東京都大田区と多摩川スカイブリッジで繋がったことにより、羽田空港が至近となるなど、地理的にも追い風。
そんなキングスカイフロント内に、世界初の水素ホテルを謡う宿泊施設が誕生しました。
それが、今回お邪魔した「川崎キングスカイフロント東急REIホテル」です。
川崎キングスカイフロント東急REIホテルの6つのメリット
にじみ出ているリゾート感
このホテルは5階建てです。ゴチャゴチャしている街の中心部から離れているので、高さは低く、横に長く設計されているのが印象的。
多摩川に向かい合う形で建っているのですが、その地形を生かして開放的な環境を作り出しています。
1Fのラウンジ(後述)の扉は大きく開かれ、多摩川のサイクリングロードと直結します。サイクリングロード側にもテラス席があります。
殿町第2公園も近くにあり、緑が豊か。
多摩川の向こうには羽田空港が見渡せます。A滑走路から川崎方面に飛び立つ飛行機があると轟音が鳴り響く代わりに迫力を楽しめるようです。
それにしても、ここは工業都市の川崎市沿岸部です。どうしても汚いイメージが先行する同エリア。私が幼少期に神奈川県内で育ったころには予想もしなかった環境。まさに町全体が生まれ変わったと言ってもいいでしょう。
気ままに過ごせる共用部
建物の入口に設置の巨大な扉。通行できればいいという範疇を越える何かを狙っているようにも思えるエントランスを抜けると、フロントとラウンジが広がる空間。
ビジネス街とあって、ホテルに帰ってからも仕事をしなければならない状況の人も多く、もちろんそういうニーズにもこたえます。
しかし、ラウンジ内にはハンモックやピンポンを楽しめる設備も。ピンポン台は1回15分を目安にお楽しみください、とのこと。
様々なタイプのテーブルがありますので、もちろん談笑したい人も大歓迎。
これらの写真は誰もいない時間帯を見計らって撮ったものです。実際には仕事をしている人、何かの課題に追われている取り組んでいる人、ハンモックでリラックスしている人、ピンポンに夢中になっている私。みんな自由に過ごしています。
真ん中にカフェもありますので、営業時間内であればドリンクやフードを購入することも可能。そのためか、ラウンジ内には飲食物の持ち込みはご遠慮くださいとの案内がありました。
こんな大きいテーブルにも、
裏にはコンセントがついています。さすが、考えられていますね。
多摩川を見渡せる大浴場
2Fには大浴場があります。多摩川や羽田空港を見ながら入浴が可能。
洗い場が少なく、時間帯によっては混み合いそうですが、とりあえずでかい風呂につかれるのはありがたいですね。
気楽に過ごせる客室
客室内は必要十分で簡素な造りですが、上手に仕上げています。天井がない分、広々としていますね。いろんな配管が見えていますが、デザインとして溶け込んでいます。
空港側の客室指定プランで予約すれば、自動的にリバーサイドとなります。
クイーンルーム
こんな感じ。巨大なテレビの前に160cmサイズのベッドがあり、奥に小さなテーブルとイスが2つあります。
奥の小さなテーブルにLANケーブルがありますが、ここでPC作業するには小さすぎます。テレビの前では作業する感じではありませんので、PC作業をしたいのであれば前述の1Fラウンジが快適だと思います。逆に、飛行機の飛ぶ景色を見ながらのんびり過ごしたいのであれば最高なロケーションです。
部屋にはバスタブはありませんので、湯船につかりたい場合は大浴場に行く必要があります。代わりにシャワーブースがあります。日本人が気にしがちなシャワーの水圧ですが、圧力は普通で、幅広い感じ。家にありがちなシャワーではなく、空港のラウンジや海外のホテルにあるようなタイプって言ったら伝わりますかね。
ちなみにこちらの部屋は2Fなので、外を走っている人と目が合いそうになります。客室内での着替え等は気をつけて。
ツインルーム
こんな感じ。ベッドが2つ並んでいます。大人2人であればこちらが快適でしょう。添い寝のお子様がいらっしゃる場合は、落下に注意なので、クイーンルームのほうがよさそうです。
窓側にデスクがあるので作業もしやすいです。バスタブがないのはクイーンルームと同じです。
ちなみにこちらの部屋は4Fなので、地階が遠く、より開放的な眺めとなります。
充実の朝食
朝食付きプランであれば、ホテルの5Fで朝食をいただくことができます。
東急ホテル全般に抱いていた「朝食はちょっと高いけどハズレがない」という印象が、このホテルにも当てはまりました。
この日は朝からステーキ食べ放題。個人的にはサラダもおいしいです。
朝食は1,980円(小学生半額、未就学児無料)なので、決して安くはありません。ただし、ホテルのタイムセールなどで朝食を割安でつけられたりする場合があります。その際は迷わず朝食付きでいいでしょう。
一方、営業時間は07:00-10:00で、日によっては混み合います。時間に余裕を持って利用した方がよく、羽田早朝便利用の前泊として滞在する場合は慌ただしくなりますので、朝食を付けないのも手です。
ちなみに、5Fレストランにはテラスがあり、外に出て景色を楽しみながら食後のコーヒーをいただくことができます。このテラスからは羽田空港A滑走路B滑走路を一望できます。
う~ん、やっぱり朝食もゆっくりいただきたいですね。
環境配慮型のホテル
このホテルは「世界初の水素ホテル」とのこと。背景には川崎市が進める「川崎水素戦略」があります。
昭和電工川崎事業所でプラスチックを再利用して作られた低炭素水素を、パイプライン経由でホテル内の純水素燃料電池システムに供給し、エネルギーに変換。ホテルの電力のうち30%を賄う設計で建設されたようです。
ホテルにパイプラインを接続するというのも極めて珍しい事例。
ついでに実証実験としてレタスを育てているそう。研究拠点として開発されているキングスカイフロントですが、ホテルでも様々な試みが進められているようですね。
川崎の工場夜景を利用したツアーが組まれることがあります。その中で昭和電工の工場夜景も含まれることが多いようですが、その夜景を見て萌え萌えするような癖のある理系の方であれば、その工場で作られた再生エネルギーで宿泊していることを少しでも感じてもらえれば余韻に浸れるのではないかと思います。
水素ホテルであることを除いても、至る所に環境に配慮した取り組みが見られます。もみ殻を35%利用した歯ブラシなど、ここで初めて見たものがずらり。これらは使用しないことで更なる環境配慮になるのでしょうが、物珍しさでいただくことにしました。大切に使います。
川崎キングスカイフロント東急REIホテルのアクセス
と、ここまでメリットを書いてきましたが、唯一デメリットを挙げるとすれば近くに駅がないというアクセスの悪さ…
…しかし、新しくできた「多摩川スカイブリッジ」の開通で羽田空港方面へのアクセスが便利になりました。これに伴う路線バスにも変化がありました。
ホテルのシャトルバス
ホテルのシャトルバスが、羽田空港・川崎駅・蒲田駅まで運行されています。時刻は随時変わると思いますので、最新情報は公式サイト(巻末掲載)から確認してください。
小島新田駅から徒歩
京急大師線の小島新田駅から徒歩15分でアクセスすることが可能です。
こちらは私が利用していないうえ、ホテルの公式案内(巻末掲載)が詳しいのでそちらにパスします。
川崎駅・大師橋駅・天空橋駅から路線バス
川崎鶴見臨港バスが、キングスカイフロント周辺のバス路線を運行しています。
川崎駅からは浮島バスターミナル方面行きのバスを利用すると「キングスカイフロント入口」バス停で降り、徒歩3分ほど。
大師橋駅と天空橋駅を結ぶ路線バスであれば「キングスカイフロント西」バス停が利用でき、ホテルの入口(徒歩1-2分)になります。
特に天空橋発着便は多摩川スカイブリッジを渡るだけで到着なので、スムーズにアクセスが可能です。
頑張れば空港まで徒歩アクセスが可能
後述の通りホテルからシャトルバスが出ていますが、条件が揃えば徒歩でも羽田空港の第3ターミナルまで到達することが可能となりました。
ホテルを出て海側に進むと、徒歩5分程度で多摩川スカイブリッジに到着します。この橋は徒歩でも渡ることができ(約10分)、反対側は羽田空港第3ターミナルに至近です。国内線を利用する場合は、第3ターミナルから無料巡回バスを利用できます。
時間と体力に余裕があり、チャレンジしたい方はぜひ。
房総方面からはアクアラインバス
少数派だとは思いますが、房総方面からアクアラインバスを使って川崎入りする方は、木更津ー川崎線を利用の上、浮島バスターミナルで下車し、川崎駅行き・天空橋駅行きのバスに乗り継ぐとスムーズに到着できますのでオススメです。
本数が極端に少ないですが、天空橋ー浮島バスターミナル線の天空01系統を捕まえられれば「キングスカイフロント西」バス停を利用できるのでラッキーです。
駐車場は1000円/泊
このホテルには正面玄関前に平置きの駐車場があり、1000円/泊で利用可能です。
最初に駐車した際に駐車券をフロントに持参すると、1000円の支払いと引き換えに、当日14:00-翌日14:00まで利用可能なフリーパスをもらえます。これがあれば、期間中は出し入れが自由となります。
なお、万が一正面玄関前の駐車場が満車となってしまった場合は、別の駐車場を案内していただけるとのこと。この場合でも1000円ぽっきりでOK。追加の精算は必要ありません。
まとめ
川崎キングスカイフロント東急REIホテルに宿泊し、以下の知見を得ました。
- 川崎市のキングスカイフロント内にあります
- 周辺環境と調和しリゾート感がにじみ出ています
- ラウンジが充実しています
- 世界初の水素ホテルを謡っています
- 不便な鉄道アクセスをバスが十分に補います
- きっとまた泊まりたくなるホテルです
羽田空港の前泊に使えるのではないかと考えて泊まったホテルですが、前泊するだけではもったいない。ここでテレワークしたい。そう思わされるホテルでした。
川崎キングスカイフロント東急REIホテル
>> こちら
シャトルバスを利用予定の方は、こちらから最新情報をご確認ください
ではまた。