水戸駅から東京駅までは常磐線を利用すれば乗り換えなしですが、(1)特急列車だと3,890円、(2)普通列車でも2,310円かかります。高いという人には(3)高速バスがおすすめで、2,100円(IC運賃割引)で到達可能です。ただし(4)【上りに限り】もっと安い第4のルートがあります。つくばセンターで高速バス「つくば号」に乗り継ぐと特例運賃によりオトクな移動ができます。
水戸~東京の移動手段まとめ
早速ですが、まとめます。
交通手段 | 金額 | 所要時間 | 備考 |
特急「ひたち」 | 3,890円 | 約1時間05分 | 乗車券+特急券 |
常磐線普通列車 | 2,310円 | 約2時間00分 | 乗車券 |
高速バス「みと号」 | 2,100円 | 約2時間10分 | IC運賃※ |
快適性を求めるなら断然「特急ひたち」がおすすめです。特急料金が別にかかるため高額になりますが、チケットレス特急券やえきねっとトクだ値を利用すれば、費用を抑えることが可能です。
無難に移動するならJR常磐線の普通列車もいいでしょう。JRE POINTをお持ちの場合は、通常600ポイントでグリーン車も利用できますし、期間限定で400ポイントに値下げされることもあります。
安さを極めているのは高速バス「みと号」です。安さだけでなく、水戸市内で駅から離れたエリアにも停留所が設置されているなど、利便性も兼ね備えています。
基本的に「安さ」を求めるのであれば高速バスですが、みと号はコロナ禍を経て路線廃止を伴う派手な減便が実施されており、利用客が戻った今でも、本数が従前には戻っておりません。混雑悪化から使い勝手が少々悪くなっている点は注意が必要です。
ともあれ、普通の人は上記3選択肢から選んでいただくことになります。
高速バス「みと号」では原則としてSuica/PASMOなどのICカードを利用できます。茨城交通運行便では、かつてSuica/PASMOなどのICカードを利用できませんでしたが、今では改善されております。なお、この取り扱いはみと号を含む一部の高速バスのみで、一般路線バスでは引き続きSuica等非対応となります。
さて、ここまでのことは検索サイトで調べればわかることでしたが…
実は、知る人ぞ知る更に安い第4のルートが存在します。
ここからは一風変わった人たちへお送りする、水戸から東京までのマニアックな行き方をご紹介する記事となります。
ちなみにその方法は比べ物にならないくらい時間がかかるし、面倒くさいです。
でも、県内観光をしている人には旅のヒントになるかもしれません。旅行好きなら楽しめるはず!?ですよ。
もっとも安いルートはこれだ
ルート
辿るべきルートは、
水戸駅ー(TMライナー)ーつくばセンターー(つくば号)ー東京駅です。
水戸駅からつくばセンターまではTMライナーという高速バスが走っていて、ICカードを使うと1,070円で利用できます。
つくばセンターから東京駅まではつくば号という高速バスが走っていて、ICカード利用の上りに限り950円で利用できます。
その合計額が2,020円。
つくばセンターで乗り継ぎをするのが最も安い結果となります。
TMライナーは安い
県内で完結する地味な高速バス。
かつては利用も低迷し、土休日は全便運休、平日2往復のみの運行になったこともありました。
しかし、県内の交通利便性向上を目的に、茨城県が主体となって再建。
関鉄観光バスに加えて、関鉄バスの水戸営業所・つくば営業所も加勢し、平日9往復、土休日4往復しています。
運賃も抑えられているうえ、通勤・通学定期券も設定され、今では両都市間の太いパイプとして活躍していますよ。
つくば号も上りは安い
つくばセンターと東京駅を結ぶ高速バス「つくば号」は、つくばエクスプレスが開業する前から活躍する歴史の長い路線です。
筑波大学や竹園、並木などの駅から離れた所からも乗車できることから、つくばエクスプレス開業後も大勢の方が利用されています。
ただですね…難点が一つあります。
それが、首都高速6号三郷線の渋滞です。東北自動車道とつながる川口線と合流する小菅JCT付近から慢性的な渋滞が発生しており、特に上り線は全く時間が読めないことで有名です。
その渋滞を避けようと、高速バスの上り線は敬遠される傾向がありました。
そのことを無視できない高速バスは、上り線に限り激安にする試みを開始し、それが大ヒット。
今では、東京外環自動車道の開通により、6号線の渋滞は緩和傾向にあるようですが、大好評の取り組みを止めるタイミングを失ったバス会社は、今でもこのキャンペーンを継続しています。
消費増税の影響などもあり、徐々に価格は上がっていますが、それでもICで950円は破格です。
ちなみに下りはキャンペーンの対象外で、通常運賃(現金1,260円/IC1,200円)です。
ずっとやっててほしいという意味を込めて、タイミングを見失わせ続けるために、この記事を捧げます。
つくばセンターでの乗り継ぎ
乗り継ぎの一例
そして、便によっては適度な余裕を持った乗り継ぎが実現します。土休日を例に見ますと…
水戸駅発 | つくばセンター着 | つくばセンター発 | 東京駅着 |
08:25 | 09:50 | 10:15 | 11:41 |
11:35 | 12:55 | 13:15 | 14:41 |
14:05 | 15:25 | 15:45 | 17:16 |
18:05 | 19:30 | 19:45 | 21:11 |
ほとんどのケースで15-20分乗換です。
これはありがたいですが、バスが遅れると心配ですよね。
TMライナー遅延時の対応
先に乗るTMライナーが遅れた時の取り戻し方を説明します。
実はTMライナーもつくば号も、常磐自動車道のインターチェンジは「桜土浦IC」を利用します。
つまり、桜土浦ICーつくばセンター間は全く同じルートをたどるということ。
よって、TMライナーが遅れていて乗り遅れそうだ、というときは、つくばセンター手前のバス停(下広岡や並木大橋など)で降りて、反対車線に渡ればOKです。
万が一、どうしようもないほど遅れてしまったら、次の「つくば号」を待つか、大人しくつくばエクスプレスで向かいましょう。
なお、つくば号は30分おきに出ていますので、駅周辺の商業施設で時間を過ごす術を身に付けている人なら心配いらないでしょう。
最安ルートの注意点
時間がかかります
本当だったら水戸から直行で行ける東京駅。
乗り継ぎルートだとつくばセンターに立ち寄らなければなりません。
間髪入れずに乗り継いでも3時間弱かかってしまいますので、急ぎの人には向きません。
もちろん、急ぎの人はこの記事をここまで読んでないと思いますが…
TMライナーが遅れることがあります
意外と渋滞の多い水戸市内を発着するTMライナーが遅れることもあります。
時刻通り走っているかを見ながら、つくばセンターで乗り継ぐか、手前のバス停で降りるかを判断しなければなりませんので、効率よく移動したい場合は上級者向けです。
観光の方には、つくば号を1本見送って、つくばセンターの周辺も見て行ってほしいなぁ、と思っています。
こどもは安くありません
通常、こどもは大人の半額相当ですが、高速バス「つくば号」の上りキャンペーン運賃はICカードを利用する大人のみの設定です。
こどもが利用する場合は通常運賃の半額【630円】がかかりますので、ご注意ください。
未就学児を膝にのせる場合は無料ですが、高速バスの座席は窮屈なので、臨機応変にご判断を。
ICカード限定です
TMライナー、つくば号ともに、現金に比べてIC運賃が安価に設定されています。
特に最安ルートを進む際に重要となる「つくば号」では、ICカードを利用することで大幅な値引きとなっています。
最安ルートを進むのであれば、ICカードが必携であると考えましょう。
八潮PAからTX乗継の特例は受けられません
常磐自動車道を通る高速バスは、首都高速道路の渋滞にはまってしまい、東京駅への到着が大幅に遅れることがあります。
この状況に対応するため、高速バスが八潮パーキングエリアに停車し、隣接するTX八潮駅から秋葉原方面に利用できるTX乗継乗車券を100円で発売する取り組みが実施されています。
しかし、「つくば号」に限り、TX乗継乗車券の発売対象外となっています。
これは「つくば号」の上り方面のIC運賃がいわば”渋滞承知運賃”に設定されているためと思われます。
なお、高速バスの八潮パーキングエリアへの停車は実施されますので、TXに乗り継ぐことは可能です。その際は通常運賃となりますのでご注意ください。
※水戸ー東京間を「みと号」で移動する場合は、下記の記事がご参考いただけます。渋滞の際の救世主として頭の片隅に入れておくといいでしょう。
まとめ
水戸駅から東京駅までの最安ルートを考察し、以下の知見を得ました。
- 楽に移動したいなら特急「ひたち」
- 無難に移動したいならJR常磐線普通列車
- コストと快適性のバランスに優れるのは高速バス「みと号」
- 安さを極めたいならTMライナー+高速バス「つくば号」の乗り継ぎルート
- 乗り継ぎルートの接続は良好
- 乗り遅れてもつくばセンター周辺を観光してほしい
高速バス「みと号」
>> こちら
高速バス「つくば号」
>> こちら
高速バス「TMライナー」
>> こちら
賢くルートを組み立てて、県内の移動をお楽しみください。
なお、特急列車で移動する場合でも安価に移動できる手段が複数ありますので、ぜひご参考ください。
ではまた。