【なぜ!?】東京メトロと都営地下鉄を乗り継ぐと根拠不明な割引が発生する理由

スポンサーリンク
鉄道
この記事は約7分で読めます。

東京メトロと都営地下鉄を乗り継ぐ場合、それぞれの運賃を合算した額から70円の割引を受けられる割引制度があります。しかし、実際にはICカードで乗り継ぐと’想定’より100円以上安くなることもあります。いったい何をどうやって計算したらそうなるのか、押上ー大手町が56円に、大手町ー北千住が31円になった例で説明します。

この記事では
・東京メトロと都営地下鉄を乗り継ぐときの運賃計算方法は?
・地下鉄の運賃がなぜか安かったけど、その理由は?
・東京の地下鉄のオトクな乗り方はないの?
こんな疑問に答えています。

2021年時点での実際の挙動に基づき執筆しています。2023年の運賃改訂には対応しておりませんのでご了承ください。なお、運賃額は異なるものの、同様の現象は発生します。

スポンサーリンク

はじめに

東京都心部を縦横無尽に行き交う地下鉄。

複雑に絡み合う路線図に頭痛を起こす人もいることでしょう。

私は鉄道に詳しい部類なので全ての路線を理解していますが、これを一般の利用者に無理強いするのはお門違い。

もうね、理解するのは諦めてください。

下記の2点を覚えておけば、十分生きていけます。

1つ目。東京メトロと都営地下鉄だけは区別しておけ。
2つ目。深いことを考えずにICカードを使って目的地をめざせ。

これだけです。

東京メトロと都営地下鉄だけは区別せよ

東京の地下鉄は、他の地域とは異なり、2つの会社(東京メトロ、都営地下鉄)が運行しています。

東京メトロは銀座線や丸ノ内線、東西線、南北線、有楽町線、副都心線、半蔵門線、千代田線、日比谷線を運行しています。

都営地下鉄は浅草線や大江戸線、三田線、新宿線を運行しています。

これらは別々の運賃計算がされますので、なるべく乗り継ぎをしなくても目的地に着けるように計画するのが吉。

ということで、全ての路線を理解する必要はありませんが、東京メトロと都営地下鉄の区別だけはできるようにしておきましょう。

ICカードを使っておけ

深いことを考えずにSuica/PASMOなどのICカードを使いましょう。

今回の記事で説明することになりますが、利用駅や利用路線、経路によっては知らないうちに割引されることがあります。

ICカードを使うことで、

  1. あなたがどんなに迷って行ったとしても、
  2. 機械が勝手に、
  3. あなたが損をしないように、
  4. 実現可能な範囲で最安なルートを導き出して、
  5. 必要最小限の最安運賃を計算し、

ICカードの残高から利用者が有利な金額を自動で引いてくれますよ。

不可解な割引が適用される実態

既にあまり深いことを考えずにICカードで地下鉄を使っている人の中には、56円とか31円とか、不可解な金額しか引かれなかったことはありませんか?

今回は「意味不明な割引」について解説するとともに、合法な悪用方法も考えていきましょう。

今回の解説ルート

今回、一例として紹介するルートは下記です。

羽田空港から東京モノレールで浜松町入りして遠目の東京タワーを拝んだあと、東京スカイツリーを目指して大門から都営浅草線に乗車。ふもとのソラマチにもすぐに飽きて大手町に逆戻りし、用事を済ませたあとに常磐線を目指して北千住に向かうルートです。

1:大門→押上(都営浅草線)
2:押上→大手町(東京メトロ半蔵門線)
3:大手町→北千住(東京メトロ千代田線)

このルート、3回乗車しているので、初乗り運賃が3回かかるはずです。

つまり、運賃を真面目に払うとこうなります。

1:大門→押上:220円
2:押上→大手町:199円
3:大手町→北千住:199円

※旧運賃で解説しています

果たしてどうなったのか?

実際に引かれた金額

大門から押上まで

大門からは都営浅草線に乗車。京急線とも京成線とも直通運転しており、路線内には羽田空港行きと成田空港行きが来ます。’空港’だけで判断すると泣きを見る、初心者要注意の路線です。

押上では220円引かれます。

ここまでは普通です。

押上から大手町まで

押上で30分ほど滞在し、半蔵門線で大手町を目指しました。

半蔵門線は東急田園都市線と全列車が直通運転、東武スカイツリーラインへも乗り入れています。

通常は199円ですが、運賃は…56円。

えっ?と思いましたが、考察して納得。

実は東京メトロと都営地下鉄には、以下のようなルールが存在します。

東京メトロと都営地下鉄を乗り継ぐ場合、乗り換え時間が60分以内の場合は通しの運賃で計算します。通しの運賃は東京メトロと都営地下鉄のそれぞれの運賃を合算してから70円を差し引き計算されます。

利用者の立場では、大門→押上の移動と、押上→大手町の移動は全く関係のない別の利用だったのですが、押上での滞在時間が30分(60分以内)であったことから、運賃計算上は「改札外乗換」と判断されたのです。

東京メトロと都営地下鉄を相互に乗り継ぐ場合、それぞれの運賃を合算した後に70円の割引が受けられるのですが、実際には、両社を跨いでA駅からB駅まで移動した場合の運賃は、その経路にかかわらず最短経路で定められているのです。

今回の事例では、大門から大手町までの「メトロ都営跨ぎ」のIC運賃は276円と決まっています。

既に220円は押上駅で差し引かれていますので、差額の56円が大手町駅で徴収されたことになります。

大手町から北千住まで

大手町での滞在時間は40分ほど。

大手町から北千住まで乗車した千代田線。

通常は199円ですが、今度は…31円。

こちらも考察すれば納得。

利用者の立場では、大門→押上の移動と、押上→大手町の移動と、大手町→北千住の移動は別の利用だったのですが、押上での滞在時間も大手町での滞在時間も60分以内であったことから、全ての移動が「改札外乗換」で繋がっており、1乗車であると判断されたのです。

その結果、大門→北千住の307円で計算されることに。既に276円は支払い済みなので、差額の31円が差し引かれることになりました。

わずか307円で大門・押上・大手町・北千住を立ち寄れたことになります。

ちなみに、実際には北千住で下車することなくJR常磐線の馬橋駅まで直行し、同駅の改札機にタッチしました。

それでも差し引かれたのは251円。

このうち北千住→馬橋間が220円なので、地下鉄分としては31円が引かれています。

会社を跨いでJR線や私鉄線に乗り越しをしても、地下鉄区間は最短経路で正しく計算されているのですね。素晴らしい。

改札外乗換を活用しよう

今回は私も意図せずに利用していたので、想定よりもはるかに少ない金額に驚いてしまいましたが、根拠が分かれば旅行の選択肢も広がります。

出発地ー(東京メトロ)ー目的地ー(都営地下鉄)ー出発駅

という行程を組めることができるのであれば、最安で往復276円での乗車することが可能ですね。

※出発地から目的地までの運賃が276円を超える場合を除く

東京メトロや都営地下鉄の範囲内で自社内の改札外乗換駅も組み入れれば、さらに多くの駅で改札外の立ち寄りが出来ます。

東京メトロの改札外乗換駅、都営地下鉄の改札外乗換駅は下記しますのでご参考ください。

東京メトロの改札外乗換駅

東京メトロの改札外乗換駅は下記のとおりです。オレンジ色の改札機が設置されている改札口を利用しましょう。

上野・上野広小路ー仲御徒町・三越前・渋谷・池袋・淡路町ー新御茶ノ水・新宿三丁目・日比谷ー有楽町・虎ノ門ー虎ノ門ヒルズ・大手町・飯田橋・人形町ー水天宮前・築地ー新富町・銀座ー銀座一丁目。

都営地下鉄の改札外乗換駅

都営地下鉄の改札外乗換駅は蔵前のみです。

このほか、東京メトロと都営地下鉄の乗換駅は星の数ほどありますので、ここでは省略します。

この制度をうまく利用すれば、一日乗車券を利用しなくても「東京をぐるっと一周する東京観光」ができます

まとめ

東京メトロと都営地下鉄を乗り継いで利用した際に意味不明な割引が適用され、考察の結果、以下の知見を得ました。

  • 東京メトロー都営地下鉄の改札外乗換は60分までOK
  • どの駅で乗り継いでも、出発駅ー到着駅は最短経路で計算される
  • JR線や私鉄線に乗り越しても正しく計算される
  • 活用すれば一日乗車券なしで東京観光も可能

路線図とにらめっこして旅の計画を楽しみましょう。

ではまた。

タイトルとURLをコピーしました