【注意】JR東日本の臨時特急は定期列車と特急料金が異なることがあります

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鉄道
この記事は約7分で読めます。

全国各地で季節やイベントに合わせた臨時特急が走ります。しかし、この特急列車は特急料金が高額になることが多いです。これは列車名が「ひたち」や「踊り子」ではなく、安価な特例の料金体系が適用されないためです。過去に設定された東海道線の臨時特急「あたみ」を参考に解説します。一方、臨時特急列車でも安価な特例の料金体系が適用されることもあります。別記事と合わせ。見分け方も解説します。

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臨時特急とは

全車指定特急が走っています

首都圏のJR東日本各線では、多くの特急列車が運行されています。

中でも

  • 東海道線
  • 中央線
  • 常磐線

などでは、全車指定特急とする代わりに安価な特急料金が設定されています。

これらの路線では、臨時列車が走る時にちょっとした”問題”が起きることがあります。

列車により”金額”が変わる問題

いきなりですが、こちらをご覧ください。

出典:えきねっと

臨時特急「あたみ」が運転されたときの、小田原から熱海まで特急列車で移動する場合の運賃+特急料金の合計金額がお分かりいただけます。

同じ区間なのに、なぜか合計金額が違いますよね。

この違いは特急料金から来ています。

えっ!と思った方。

この記事を読んでいただくと、なんで列車によって290円も変わるの?という疑問が解決します。

気になる方は先にお進みください。

特急料金の基本

首都圏を走るJR東日本の特急列車

前述のように、JR東日本の首都圏を走る特急列車は全車指定席化が進んでいます。

常磐線の特急「ひたち」「ときわ」を皮切りに、中央線の「あずさ」「かいじ」「おうめ」など、東海道線の特急「踊り子」「湘南」などにも展開されていて、新しいスタンダードになっていますが…

ここで導入された「安価な特急料金」が今回の焦点となります。

これらの特急列車に乗車するには、乗車券類のほかに特急券が必要であることは共通です。

A特急料金とB特急料金

この世には「A特急料金」というあらゆる列車の特急料金を計算する際にベースとして使われる表が存在します。少々大げさですが、これが絶対的な存在です。

営業キロ50キロまで100キロまで150キロまで200キロまで300キロまで400キロまで500キロまで600キロ以上
通常期指定席1,2901,7302,3902,7302,9503,1703,4903,830

首都圏や地方の一部区間には、上記表よりも安価となる「B特急料金」というのも存在し、A特急料金に比べて安価で使いやすい設定になっています。

営業キロ50キロまで100キロまで150キロまで200キロまで300キロまで400キロまで401キロ以上
通常期指定席1,0501,4801,8902,2902,5102,7303,070

これらの表を基準に、自由席なら〇〇円引き、この時期は〇〇円増し…といった最終調整が行われるわけですが、本日は正確な料金計算をするのが目的ではありませんので、完全に理解できなくてもいいです。

とりあえず「こういうものがあるんだな」ということだけ頭に入れておいてください。

特例の特急料金

これまではA特急料金とB特急料金が基本だったのですが、現在は少し事情が変わってきています。

常磐線の特急「ひたち」「ときわ」も、中央線の特急「あずさ」「かいじ」「富士回遊」「はちおうじ」「おうめ」も、東海道線の特急「踊り子」「湘南」も、上記の表は無視しています。

全車指定席にする代わりに、特例として安価な特急料金を適用しています。

営業キロ50キロまで100キロまで150キロまで200キロまで300キロまで400キロまで
指定席7601,0201,5802,2402,5502,900

かなり安く抑えられているのが分かりますよね。

しかも各種キャンペーンが随時行われていて、50キロまでの特急料金がワンコインでおつりがくることも。

通勤ライナーや特急自由席が廃止になる際、従来の自由席料金よりは高いけど、指定席料金よりは安くするから許してね。みたいな感じで設定されています。

あくまで常磐線・中央線・東海道線を走る定期特急列車に設定された特例料金です。

臨時特急に「特例は関係なし」

安価な特急料金は「列車に設定」

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、安価な特急料金の特例

「路線に設定されているのではなく、列車に設定されている」

というのがミソになります。

このことは、旅客営業規則125条において、以下のような項目を置いて特別な特急料金を定めています。

h. 第57条の3第2項第8号に定める列車群に含まれる特別急行列車に対して適用する特別急行料金
(a)東日本旅客鉄道会社線内相互発着となる場合であって、旅客が列車に乗車する前に発売する指定席特急券に適用する指定席特急料金

JR東日本 旅客営業規則(引用)

その「列車群」というのを見ていくと、[ひたち][ときわ][スワローあかぎ][あずさ][かいじ][富士回遊][はちおうじ][おうめ][踊り子][湘南]というキーワードが出てきます。

つまり、東海道線に突然「あたみ」とかいう臨時の特急が現れても…

「あんたは踊り子でも湘南でもないんだから普通の特急料金払ってよ」

ってことになるんですね。

冒頭の小田原→熱海(50キロまで)の場合に

踊り子で移動すれば特定の特急料金で760円なのに、
あたみで移動するとB特急料金が適用されて1,050円になる。

という金額差は、適用される料金表の違いによって生まれたんですね。

安価な特急料金が適用される臨時特急もある

全車指定席の特急列車が走るエリアでは、イベントに合わせた臨時特急が走ることがあります。

しかし、これらの列車は安価な特急料金が適用されることが多いです。

特急列車名にイベント名称を冠することもありますが、あくまでこれは愛称。

例えば、かつて運行された特急「水戸マラソン35号」は「ときわ35号」として、特急「赤色ふわもこコキア号」は「ひたち92号」として運転されています。

つまり、普通の特急「ひたち」「ときわ」としての扱いが出来るので、安価な特急料金が適用されます。

特急「あたみ」の例とは異なるんですね。

なお、これらの臨時特急はえきねっとチケットレスサービスなどのシステムも利用できます。

詳しくは下記の記事で解説しています。

(2023.08.24追記)
最近では、定期列車と全く同じ区間を同じ車両で走る臨時列車であっても、イベント名のみを名乗る列車も登場しています。この場合は安価な特急料金が設定されず、A特急料金またはB特急料金が適用されますので気を付けましょう。

定期列車なのに安価な料金が適用されない列車もある

逆に、定期列車なのに安価な料金が適用されないケースもあります。それが…

はい、全車両グリーン車以上を備える「サフィール踊り子」でございます。

「あんたは贅沢品なんだからA特急料金ね」
「ううん、B特急料金も認めない」

このような扱いを受ける特急列車は他に「成田エクスプレス」が挙げられます。

利用者の選択

近年、常磐線から仙台を経て東北本線に乗り入れる臨時特急「冬をまるごと仙台松島号」や「冬の宮城ホッと温泉号」などが運行されるのが定番になってきました。

これらは常磐線特急「ひたち」が走る区間に収まらないほか、使用されるのがE653系という特殊な車両であることから「ひたち」を名乗ることができず、A特急料金が適用されます

仮に水戸から仙台まで、臨時特急「冬をまるごと仙台松島号」と使った場合と特急「ひたち3号」を使った場合で料金がどれくらい変わってくるのか計算すると…

  • 特急「ひたち3号」:2,550
  • 臨時特急「冬を~」:2,950

その差は400円になりそうです。さぁみなさん、どちらに乗りますか?

臨時快速の特急化が進む

かつて週末になると「ホリデー快速〇〇」を名乗る変わり種の列車が各地を走っていましたが、徐々に減少傾向になっています。

そして、使われる車両も特急型車両がメインになってきていることから、ホリデー快速の特急化が進むのではないかと言われています

冒頭で例として挙げた特急「あたみ」も、かつてはホリデー快速として運転されていたもの。ダイヤは全く変わらずに料金が特急化された形です。料金だけならまだしも、特急化によって青春18きっぷなどが使えなくなるのが痛いですね…

次に手を付けるのはホリデー快速「おくたm..」「かまくr..」いやいや、分かりませんので勝手なことは言えませんね。

(2022.08.25更新)あっ…

2022年10月からホリデー快速「鎌倉」は特急「鎌倉」として運行されます。

今後も間違いなく、このような流れは続くと考えられますので、乗れる「快速」は今のうちに。

ではまた。

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