水戸線が止まると、基本的にはそのトラブルが解決するまで動きません。しかし、復旧に長時間かかると見込まれる場合は、途中駅での折り返し運転が始まります。バスでの代行輸送が行われることもありますので、翌日まで置き去りにされるようなことは滅多にありません。
水戸線について
水戸線は、小山駅から友部駅までを結ぶ路線です。国道50号線の栃木県小山以東に相当する区間の鉄道輸送を常磐線と共に担っています。
北関東を東西に結ぶ貴重な路線で、鉄路の代わりはありません。そのため、運行に障害が発生すると被害も甚大で、通勤通学に利用している人にとっては致命的なダメージとなります。
水戸線は全線で単線となっていて、途中駅に行き違いの設備を備えています。一部の駅は本線上にホームを添えただけの簡素なつくりになっていて、その駅では行き違いが出来ません。
一方、一部の駅では行き違い設備に加えて「第3線」があります。下館駅を除き、2線あれば全列車をさばけるダイヤになっていますが、ダイヤ混乱時や臨時列車運転時に入線できるよう備えられているものです。
この「第3線」を備える駅では、臨時で列車の折り返しが可能。まさに運行上の要となる駅です。
ダイヤが大幅に乱れているときに参考になる情報なので、下図にまとめています。
ダイヤが乱れるとき
主に3つあります。
設備故障
水戸線において最も多いパターンは「設備故障」だと思います。信号機や車両が故障して運行できなくなるトラブルですが、復旧までの時間が読めないので厄介です。
数分で復旧することもあれば、5時間以上止まることもあります。設備故障で運転見合わせとなった場合は、覚悟した方が良いです。
人身事故
1年~数年に1回程度発生します。もともと人が少ないので、人身事故も少なくなっています。
人身事故の場合は1~2時間で復旧することが多いので、待たされる側は準備がしやすいです。
常磐線の煽り
水戸線は常磐線とのつながりが強いです。常磐線で大規模な運行障害が発生した場合は、水戸線も無傷ではないと思っておいた方が良いです。
特に、早朝や夕方以降の常磐線「友部ー水戸」で運行障害発生時は100%影響を受けます。「水戸ー高萩」で運行障害が発生した場合も、車両繰りの関係で影響を受ける可能性が高いです。
水戸線がとまった時
水戸線が止まると、基本的にはトラブルの原因が解決するまで動きません。
短時間で解決しそうな場合
短時間で復旧することが見込まれる場合は、トラブルを起こした車両を除き、他の車両は運転を継続することが多いです。
しかし、前の車両に追いついてしまったり、トラブルを起こした車両と向き合う形で進路をふさがれた場合は、順次運転を見合わせていきます。
長時間解決が見込めない場合
長時間にわたって運転を見合わせる見込みとなった場合は、全列車が順次運転を見合わせます。
そののち、トラブルを起こした場所を除き、折り返し運転が出来ないかを検討しますが、その際に肝となるのが「第3線」を有する駅。この駅を使って折り返しをすることが多いです。
折り返し運転を開始するタイミングの前後で、代行バスを用意してくれることもあります。
その結果登場するのが「岩瀬行き」や「笠間行き」といった列車。このような状況では周りの乗客が殺気立っているので控えめに、しかし通常は見られない光景なので写真に収めています。
岩瀬行きが登場したのは、福原駅に雷が直撃して送電設備が損傷したトラブルが生じたときです。この時は、友部ー岩瀬間で5時間以上運転を見合わせ、代行バスが運転されました。
代行バスで21時頃(推定)に友部駅へ到着した際、真っ暗になった友部駅で15:49発の小山行きが暇そうに待機していました。
なお、ホームで常磐線を待っている人が多いですが、このような状況では小山行きは発車しない為、車内で座って待機するのも手ですのでご参考。
リアルタイムな情報は「どこトレ」で
JR東日本アプリを用いると、列車のリアルタイムな走行位置を確認することが出来ます。もちろん水戸線も対応。
行き違いの列車の情報まで確認すれば、あと何分くらいで列車が到着するのか、予想することが出来ます。ぜひ、ご活用ください。
>> JR東日本アプリ (公式)
注意点
水戸線が止まった時に「あとどれくらいで復旧するのか?」というのを駅員さんに聞いている人がいますが、たいていの場合は駅員さんも分からなくて困っています。
未来を予測するような、困らせる質問をしても、「どこトレ」を越える確かな情報は得られません。はっきり言って無駄です。怒鳴りつける人もいますが、言語道断。
それよりも
- いつトラブルが起きたのか?
- どんなトラブルが起きたのか?
- まだかかりそうだと‘予想’している状況か?
- 代行バスは手配中か?
上記のような、事実に基づく情報を的確に聞いてあげた方がまだマシです。
おわりに、代替ルート
最後に、どうしても待ちきれない!お金払ってでも向かいたい!という方に、タクシー以外のいくつか代替ルートをご紹介します。
水戸線で4年間通勤した私の経験上、「待つ」のが最も賢い方法ですが、この機会に別ルートを楽しみたいという人向けに書いています。
電車が止まっているときにこの記事を読んでいる人へ。どうぞ心安らかに。ではまた。
下館駅から脱出
関東鉄道常総線を利用
下館駅には「関東鉄道常総線」が乗り入れています。これにより、守谷方面、取手方面に向かうことが出来ます。
筑西市広域連携バスを利用
下館駅には「筑西市広域連携バス」というコミュニティバスが乗り入れています。これにより、筑波山口バス停まで向かうことが出来ます。筑波山口バス停からはつくば市運行「つくバス」に乗車することでつくばセンターに向かうことが出来ます。どちらもコミュニティバスなので、運賃も安価(乗り継ぎ割引で500円)です。
岩瀬駅から脱出
岩瀬駅からは「桜川市広域連携バス」に乗車でき、筑波山口バス停まで向かうことが出来ます。こちらも安価な運賃で脱出できます。
川島駅から脱出
川島駅からは「下妻行き」のコミュニティバスが運行されています。下妻駅からは関東鉄道常総線のほか、関東鉄道バスで土浦駅方面に抜けることも可能です。
笠間駅から脱出
笠間駅には笠間市のコミュニティバスが運行されていて、時間帯によっては友部行きが運行されています。