箱根への旅行で鉄道を使う場合、真っ先に思い浮かぶのが小田急が運行する特急ロマンスカーですが、利用が集中する時間帯では多くの列車で満席になることがあります。それでも箱根に行かなければならない立場に立った筆者が、家族に説明した4つの代替案を紹介します。
このブログでは「特急ロマンスカーの予約方法」には触れていません。なぜならあなたはすでに「満席」であることを知り得ている=予約方法はなんとなくでもわかっている、と言えるからです。また、箱根フリーパスを利用する前提で話を進めます。単純な往復のみの旅行であれば普通運賃を支払っていくのが正解ですが、箱根の周遊観光をするのであればこのきっぷを使わない計画を立てた時点で破綻しておりますので、想定しないことにします。
特急ロマンスカーは大盛況
特急ロマンスカーは、その快適さと特別感から平日・休日を問わず高い人気を誇ります。
とくに週末の新宿―箱根湯本間は、多くの観光客に選ばれるため、満席で予約が取れない……ということも珍しくありません。
でも、そこで旅行自体を諦めてしまうのは、さすがにもったいない話です。
当然ながら、ロマンスカーが満席でも箱根へ向かう方法はたくさんあります。
この章では、そんな「ロマンスカーが満席だったときの代替ルート」を4つ厳選してご紹介します。
王道ルートから寄り道を楽しめる行き方まで、さまざまな選択肢をまとめました。思い立った週末でも、箱根の温泉と大自然はちゃんとあなたを待っています。
なお、各項目の中には「当たり前だろ」とツッコミたくなるものも含まれているかもしれません。
その場合は、あなたがすでにその知識をお持ちだということなので、遠慮なく読み飛ばしてください。
もし、すべてが当たり前に感じられた場合は……ご期待に添えず申し訳ありません。
軽く舌打ちでもしつつ、元の検索ページへお戻りいただければ幸いです。

(1) 新宿→小田原で検索してみる
箱根フリーパスとの相性:◎
コスト:200円安くなります
時間:少しプラスでかかります
もし「新宿 → 箱根湯本」で検索して満席だった場合、次に考えるべきなのは、「それでもロマンスカーで行けるところまで近づく」という発想です。
知っています。前から後ろに流れる車窓を自然な角度で眺めながら、テーブルを引き出して一杯やりながら箱根に向かいたいんですよね。はい、分かります。だからこそ、ロマンスカーを諦めない。
そんな方は、まずは 「新宿 → 小田原」 で検索してみてください。こちらには空席が残っていることがあります。
ロマンスカーの“編成の仕組み”がポイント
この現象には、特急ロマンスカーの編成が関係しています。
一口に「箱根湯本行き」といっても、すべての車両が箱根湯本まで直通するわけではありません。 一部のロマンスカーには 小田原止まりの編成 が連結されており、小田原駅で切り離しが行われます。
そのため、「新宿 → 箱根湯本」で検索すると、箱根湯本まで行く編成の空席状況だけ が表示されます。 一方、「新宿 → 小田原」で検索すれば、小田原止まりの編成に空席があれば予約可能 となります。
旅行商品で申し込んでいる人や、この仕組みを知らない人は、箱根湯本が満席と表示された時点で諦めてしまいがちですが、それは非常にもったいない話です。 まずは小田原までで検索してみてください。
この現象は、特に休日の朝に見られます。
小田原から箱根湯本へは普通列車で接続
小田原駅に到着したあとは、小田原 → 箱根湯本を普通列車で移動します。
この区間の普通列車は1時間に2〜3本程度ですが、ロマンスカーの到着後を追うように発車する列車もあり、タイミングが合えば大きなロスなく乗り継ぐことができます。

小田原で乗り換えると“200円お得”という豆知識
あまり知られていませんが、小田急線としての運賃計算上の終点は箱根湯本ではなく小田原です。 小田原で運賃・料金が打ち切り再計算されます。
そのため、箱根湯本までロマンスカーで乗り通すと、小田原~箱根湯本の箱根登山電車の短い区間に対しても 特急料金200円 が加算されています。
逆に言えば、小田原で乗り換えることで200円節約できます。わずかな金額ではありますが、飲み物代の足しにでもどうぞ。

(2) 快速急行に乗ってみる
箱根フリーパス:◎
コスト:1200円安くなります
時間:プラスでかかります
「新宿 → 小田原」で検索しても空席が見つからない場合、次に考えるのは 「普通列車で行く」 という選択肢です。ロマンスカーには乗れませんが、ここでも “小田急で行く” というこだわりは残せます。
小田急の普通列車は“通勤路線の顔”だが侮れない
小田急線はれっきとした通勤路線です。 そのため車両はロングシート中心で、ロマンスカーのような旅情はありません。
しかし、スピードは決して遅くありません。 特急ロマンスカーには及ばないものの、十分に勝負できるレベル になっていて、
- 「20分後のロマンスカーを待つ」 よりも
- 「目の前の快速急行に乗る」
ほうが小田原までは早く着く、というケースもあります。
特急ロマンスカーと快速特急との比較の一例
特急はこね15号:新宿1120→小田原1241
快速急行:新宿1121→小田原1249
※少々極端ですし、ロマンスカーが箱根湯本直通であることを無視していますが、このように小田原までの所要時間がほとんど変わらないこともあります
快速急行は“対・湘南新宿ライン”として生まれた速達列車
快速急行は、もともと小田急に存在しなかった種別です。
JR東日本の湘南新宿ラインが運行を開始し、 新宿〜藤沢・小田原間で小田急と競合するようになった ことを受け、 対抗馬として設定されたのが快速急行でした。
そのため停車駅が絞られており、速達性は抜群。 ロマンスカーが満席でも、十分“代わりの足”として成立します。
箱根フリーパス利用者は“途中下車の自由”を活かせる
なお、箱根フリーパスを利用している場合、小田急線の利用は往復1回ずつのみですが、途中下車には制限がありません。
ロマンスカーで一気に行けないことを逆手に取り、 気になる駅で降りながら進むのも、旅の楽しみ方のひとつです。

(3) 湘南新宿ラインに乗ってみる
箱根フリーパス:小田原まで使えません(現地発を購入)
コスト:高くなります
時間:発着駅によります
特急ロマンスカーを横目に快速急行へ乗り換えることに抵抗があったり、 「それならそもそも新宿まで行く必要はないのでは」と感じる場合は、 最寄り駅からJRの東海道線直通列車で小田原を目指すという方法もあります。
そう、小田急のライバルに突っ込んでいくルートです。
JR経由ならではの強みがある
上野東京ラインや湘南新宿ラインの東海道線直通列車は、 中距離輸送を担う路線のため停車駅が絞られており、 普通列車でも十分に速く移動できるのが特徴です。
また、JR東海道線の普通列車には2階建てのグリーン車がついていますので、快適な座席に着席して移動することも可能。
さらに、時間が合えば 特急「踊り子」 に乗車することも可能です。 小田原までは100km以内に収まるため、特急料金は 1,020円。 これは特急ロマンスカーとほぼ同額で、選択肢として十分現実的です。

ただし、このルートでは箱根フリーパスが使えない
注意点として、JR経由で小田原へ向かう場合、 箱根フリーパスは利用できません。
小田原まではJRの普通運賃を支払い、 小田原駅に到着してから 現地フリータイプの箱根フリーパス を購入する必要があります。
そのため、
- JR運賃
- 現地発の箱根フリーパス
の個別に払うことになります。新宿発の箱根フリーパスは小田急の片道運賃が750円相当になりますから、金額面では少々もったいない選択肢です。
(4) バスタ新宿からの高速バスを検討する
「いろいろ考えるのが面倒だ」という人には、高速バスという選択肢もあります。
バスタ新宿から箱根エリアへ“直行”
小田急ハイウェイバスは、バスタ新宿から箱根エリアまでの直行高速バスを運行しています。
バスタ新宿から御殿場を経由し、芦ノ湖方面へ向かう便に乗れば、 小田原や箱根湯本はもちろん、そこから先の二次交通を一切使わずにそのまま山を登って目的地へ到達できます。 行き先によっては、これが最も楽な移動手段になるケースもあります。

満席なら利用不可、空席があれば利用可
ただし、この方法はあまりお勧めできません。
特急ロマンスカーが満席になるような混雑状況では、 高速バスも同じく混み合う可能性が高いからです。
バスタ新宿は新宿駅南口からすぐアクセスできますが、「必ず乗れる」とは思わず、まずは空席状況を確認してみましょう。
空席があれば、箱根フリーパスに 1,400円を追加 することで高速バスに乗車できます。
予約が優先ですので、満席の場合は利用できません。
まとめ
箱根への旅は、特急ロマンスカーが満席でも終わりではありません。 むしろ、視点を少し変えるだけで複数の選択肢が生まれるのが箱根の面白いところです。
今回紹介した4つのルートを整理すると、次のようになります。
ロマンスカーが満席だったときの4つの対策
- 新宿 → 小田原で検索し直す
・箱根フリーパスはそのまま使える
・小田原止まりの編成に空席がある可能性
・小田原からは普通列車でスムーズに接続
・しかも200円お得 - 快速急行で小田原へ向かう
・ロマンスカーより遅いが、十分速い
・「待つより乗ったほうが早い」ことも
・箱根フリーパスはそのまま使える
・途中下車しながら旅を楽しむことも可能 - 湘南新宿ライン・上野東京ラインでJR経由
・普通列車でも速い
・グリーン車で快適に移動できる
・特急「踊り子」も選択肢
・ただし箱根フリーパスは使えず、コストは高め - バスタ新宿から高速バス
・箱根エリアへ直行できる
・二次交通なしで芦ノ湖方面へ
・ただし混雑時は満席の可能性が高い
・空席があれば箱根フリーパス+1,400円で利用可能
どのルートを選んでも、箱根はあなたを待っている
ロマンスカーが満席だと、つい「もう無理かも」と感じてしまいがちですが、 実際には 複数の“逃げ道”が用意されているのが箱根の強みです。
- 少しでもロマンスカーに乗りたい
- 小田急で行きたい
- とにかく早く着きたい
- できるだけ安く行きたい
- 何も考えずに直行したい
どんなニーズにも対応できるルートがあります。
思い立った週末でも、箱根の温泉と自然はちゃんとあなたを迎えてくれます。 満席表示に怯まず、あなたに合ったルートで箱根を楽しんでください。
ではまた。

